●実は、今週末、イベント「HOSTESS CLUB WEEKENDER」@新木場 STUDIO COAST に突然お誘いうけて、楽しんでたんです。久しぶりのライブだったから楽しかったし、久しぶりに会えた人とも楽しくお話しできて、とてもウレシかった!このライブのことは、後日書きたいのです。…週末から書きかけてる文章を、仕上げちゃいたいから。


UK & US ハードコア・パンクについて書きたいんです。
●ボク自身は、決してハードコアが得意とは言えないんだけど、最近はスゴく魅力的に見えてる。劣化しないフォーマットの強さ。エバーグリーンな響き。そんで弾ける、弾け過ぎる若さとバイオレンス。



●仕事の面で、今週でひとつのプロジェクトを無事にこなしきったので気分爽快。
ロンドンからイケメンのお客さんジェイくんがやってきて、ボクらの仕事を楽しそうに見学してくれた。
●アートスクールで映画を勉強したそうで、小津安二郎ジブリはあらかた全部見てるそうな。
●年齢がボクと同世代。だからもっとイロイロなコトを話したかったな。音楽の話もすればよかった!英語力が欲しいよ!
●打上げで、わざわざ新橋のディスイズ・ジャパニーズ・イザカヤに連れて行ったら彼は大喜び!お座敷席を見て「ここでシューズを脱げばイイのかい?」とか言ってた。「サケ」いっぱい飲んでた。
●打上げのシメに、プロジェクトリーダーが提案。「日本古来の三本締めってヤツを、ジェイくんに学んでもらいましょう、クラップヨーヘンズ、ウィズアス!」イギリス人が三本締めってオモシロい。「ジェイとのビジネスが今後発展し、ココにいる皆さまのご多幸を祈念して、御手を拝借!」…意識してなかったけど、このフレーズ、なんだか、おまじないとか呪文みたいだな…。イギリス人ジェイ「パーティの終わらせ方として最高だよ、ロンドンの仲間にも教えなくっちゃ」だって。



だから気分がよいので、イギリスのハードコアパンクを聴いてる。

THE ADICTS「SONGS OF PLAISE - 25TH ANNIVERSARY LIMITED EDITION」

THE ADICTS「SONGS OF PRAISE - 25TH ANNIVERSARY LIMITED EDITION」2008年
●わあお!痛快で楽しい!分かりやすくて明るいメロディと、ガリッと極まったソリッドなギター、そしてダッシュしたくなる疾走感!パンクの楽しさが満載。バンド全員で大合唱な気分も元気が出るよねー。
●このCDを発見したのは広島のパンク専門店。お店がつけたPOPには「天下無敵のクロックワーク・パンク!」ってフレーズが踊ってた。そうか、キューブリック「時計仕掛けのオレンジ」みたいなこのルックスは、クロックワーク・パンク(CLOCK WORK PUNK)って呼ぶんだー。日本のバンド、ニューロティカも、クロックワークなカッコしてるよね。
●本来のアルバム「SONGS OF PRAISE」は1981年にリリースされたこのバンドのデビュー盤なんだけど、25周年記念で全部再レコーディングしたのがこの「25TH ANNIVERSARY LIMITED EDITION」みたい…つーか、2008年じゃ25年以上経っちゃってるけどね。でもその長いキャリアの中で全然メンバーチェンジもしない、ボーカルの KEITH "MONKEY" WARREN はずっと「時計仕掛けのオレンジ」コスプレのまんま。この一徹ぶりも尊敬してしまう。

80年代UKハードコア・パンクの成り立ち。
●70年代後半に吹き荒れたロンドンパンクのムーブメントは、THE DAMNED、THE CLASH、THE JAM の登場で盛り上がり、SEX PISTOLS のアルバム「NEVER MIND THE BOLLOCKS」1977年の段階ですでにピークに到達していた。それ以降は、音楽的な成熟を目指したり、実験的アプローチを深めていくニューウェーブ/ポストパンク期へと移行していく。
●その一方で、初期パンクが持っていた疾走感とソリッドなギター、激しいシャウトにシンプルなバンドサウンドは、80年代に入ると後継ムーブメント、ハードコア・パンクへと引き継がれていく。より過激な政治的主張や特殊なライフスタイルを打ち出し、独立自営なインディ精神/ DO IT YOURSELF 精神が確立されていく。その前提にあるのは、当時のイギリス社会に対する不満。
●折しも1979年には「鉄の女」マーガレット・サッチャーが首相に就任、1990年まで「サッチャリズム」とよばれる保守主義/新自由主義経済政策を推進し、規制緩和/民営化/法人税減税/消費税は8%から15%にアップなどなど、イギリス経済を復活させる諸改革を打ち出す。しかし、失業者の数は政権発足から2倍まで上昇&賃金は下落、庶民の生活はよりキツくなる一方だった。こうして、若者の不満は鬱積、より過激な主張を掲げるハードコア・パンクの素地が出来上がったワケだ。左派思想を前提とした社会派バンドが続々と登場するのがこの時代の傾向。

●ただし、異端のハードコアの中でも、THE ADICTS はさらに異端。
●シリアスな立場を持つバンドが活躍した80年代のハードコア・シーンの中で、THE ADICTS のように楽しげでポップなアプローチをとるヤツは大分ユニークだったに違いない。このコスプレじゃあねーえ。
●でもこのコスプレも、大分ねじれた意味があって。一目見ればピエロのように楽しく見えるけど、「時計仕掛けのオレンジ」でこの扮装を身にまとう主人公たちは、レイプも殺人も辞さない極悪非道の非行少年だからね。イロイロなレベルで、ユーモアや楽しさ、反抗精神や世相風刺の諧謔、凶暴性がナイマゼになっている。
●なにしろ一曲目「ENGLAND」から「I DON'T WANNA DIE FOR ENGLAND」と連呼絶叫しまくるスタンスで攻めまくり。「オレは英国のためには死にたくないぜ!」…今の日本で「日本のためには死にたくないぜ!」と歌う若手バンドがいたら「反日バンド」と罵られるのだろうか?少なくともボクは日本のためには死にたくない。ワイフと子どものために絶対生き残る。

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●現在の THE ADICTS のボーカリスト "MONKEY"。クロックワークぶり健在。公式ページより拝借。
●そもそもキューブリック「時計仕掛けのオレンジ」1971年がスゴ過ぎたんだわな。ワケのワカラン架空の隠語ばっかで日本語字幕もメチャクチャだったもんな。「ドルーグ、デボチカ女をトルチョックしてやれ!」


さて、アメリカの80年代ハードコアはどうなっていただろう?

「アメリカン・ハードコア」

DVD「アメリカン・ハードコア」
●結構前にみたアメリカのハードコアシーンに関するドキュメンタリー。1980〜1986年のパンクシーンの目撃者たちを訪れる内容。音楽的/審美的だったニューヨークパンクも80年代に入ると、より過激に、先鋭的になっていく。その様子が当時の映像を絡めつつ生々しく描かれている。
●イギリスには保守党政権・サッチャー首相がいたが、この時のアメリカは共和党政権・ロナルド・レーガン大統領の時代だ。彼は「レーガノミクス」という自由主義経済政を実施、「東西冷戦」を前提として軍事費の拡充(!)で政府支出を拡げて国内産業を振興、ソ連に対抗するスターウォーズ計画(人工衛星を駆使してミサイル迎撃&攻撃するシステム)を打ち出したり、中南米の左派政権をCIAを駆使して激しく干渉、左派クーデターが起きたグラナダに直接軍事介入する(グラナダ侵攻)などを仕掛けて「強いアメリカ」を復活させることを目指した。内政においては富裕層優遇政策を推進、80年代前半では失業率も上がる。いわば勝ち組優先/弱者切り捨ての理論。

●そんな時代に夢も未来も持てない若者たちが、怒りを激しく燃焼させる音楽としてハードコアパンクを支持する。SEX PISTOLS はアメリカツアーの途中で解散分解してしまったが、彼らの音楽は「ヘタクソでもかまうもんか!それがパンクだ」という方法論を全米の若者たちに植え付けた。そして同時多発的に全米各地でハードコアシーンが立ちあがるのだ。

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80年代アメリカのハードコア・パンク・マップ。すげーイッパイバンドがおるね。
DVD「アメリカン・ハードコア」の公式HPからキャプらせてもらいました。東海岸から五大湖沿岸、南部テキサス、そして西海岸と、全米全域にわたって、この80年代レーガン時代に登場したバンドのマークがたくさん出てる。詳しくはコチラのリンクでチェックしてね。
●とにかく、同時期にこんだけの広い地域で様々なバンドがワサーッと登場したってのがスゴい。


MINOR THREAT「MINOR THREAT COMPLETE DISCOGRAPHY」

MINOR THREAT「MINOR THREAT : COMPLETE DISCOGRAPHY」1981年録音
●まずは、アメリカ合衆国の首都ワシントンDCに現れたバンド MINOR THREAT を。IAN MACKAYE という男が率いたこのバンドは、活動時期1980〜1983年と短命だったにも関わらず、その後のバンドに大きな影響をもたらす。まずは、その直情的な音楽スタイル、そして、制作から流通まで全てを自分たちで担うインディレーベルの精神、さらには彼らの楽曲から生まれた倫理思想「ストレートエッジ」。このCDは1981年にリリースされた二枚のアルバムを束ねた編集盤だが基本的には彼らの正式音源の全てが収録されてる。

死ぬほど速くて、死ぬほど短く、死ぬほどウルサい。
ワシントンDCのロックシーンには、目の前の先輩として BAD BRAINS がいた。1978年に結成、メンバー全員が黒人さんという、パンクバンドとしては異色の存在だ。レゲエからメタルまでを飲み込むミクスチャー感覚、それでいて徹底的に速いハードコアサウンド。しかもやっぱ黒人さんだけあって、めちゃウマ。コレがスゴい。
●DVDに出てくる中年となった IAN MACKAYE はその風貌から一瞬でわかっちゃうほど、見事にチンピラなダメ人間。ただ、当時まだティーンだった彼は、地元のヒーロー BAD BRAINS や西海岸でいち早く勃発したハードコア・ムーブメントに強く影響され、シーンにどんどん飛び込んでいく。すぐに彼は地元では BAD BRAINS に次ぐ支持を集め、その流れが MINOR THREAT に結実して行くのだ。
●CDを iTune に取り込もうとすると一瞬にしてわかるんですが、曲が短いんですわ。基本的に2分に満たない。短ければ50秒。26曲も収録されてるのに3分台にのった曲は3曲だけ。でもね、その短い尺に全てをブチ込むほどの高速度ビートと高密度シャウトがグラグラと煮えたぎっているわけよ。初めて聴いた時は戸惑った…なにやってるかワカランほどだし。これがDVDの記録映像だとより一層ヒドい。狭苦しい会場に暴れにきただけのパンクスたちがフロアで殴り合いしてて、でバンドはそんな殺伐とした空気を灼熱の炎で焼き尽くす超ハイテンションで迎え撃つわけですから。演奏じゃなくて騒音を使ったド根性ケンカですわ。
●ただ彼らの音楽は、めっちゃ乱暴なバランスで全ての楽器が等列にブチ込まれてるけど、ある意味パンクらしく、すごくシンプルで小賢しいコトなんもしてません。一つのアイディアで痛快なリフができたら、そのアイディアが持つだけの尺の上で叫ぶだけ叫んで、飽きたトコロで終了。実に直情的で、がゆえにキャッチー。

DO IT YOURSELF 精神の結実、DISCHORD RECORDS。
IAN MACKAYEMINOR THREAT 始動の段階から自分たちの音源は自分たちで売ると決めていた。そこで作ったのがインディレーベル DISCHORD RECORDS「ハードコア・シーンは、音楽業界から完全に無視されていたんだ…アレはビジネスにはならないとね。だから全てを自分たちでやるしかなかった」DVDでもインディレーベル関係者がそう語っていた。つーか、たしかにコレメジャーで売れるとは思えないもんね。メジャーシーンではイギリスから DURAN DURAN がやってきて人気者になる時代なのだから。
DISCHORD はワシントンDCを拠点にして、あくまでワシントン周辺のローカルシーンだけを射程距離にして活動していった…最近はワカンナいけど。IAN MACKAYE の、あくまで自分の手の届く範囲だけでやる、ムリに手を広げて商売を膨らませたりしないという主義がかいま見れる。その後インディ流行りが進んで、メジャーだかインディだか区別がつかない連中も出て来るが、ここにもハードコア・パンクならではの美学が見える。

ハードコア・パンクの倫理観「ストレートエッジ」。
MINOR THREAT の初期の代表曲「STRAIGHT EDGE」に由来する特別な倫理観がハードコアの一部にある。「タバコは吸わない、酒も飲まない、クスリもしない、快楽目的のセックスもしない」これが「ストレートエッジ」の思想だ。ロックンロールの世界でよく言われる「セックス、ドラッグ&ロックンロール」と正反対の思想だ。ちょっと意外でしょ。SEX PISTOLS の連中なんて「セックス、ドラッグ&ロックンロール」まみれじゃないか。
●70年代末に多感な思春期を送った IAN MACKAYE の世代は、60年代末〜70年代末のカウンターカルチャーが生み出した様々な幻想〜「マリファナ最高/フリーセックス最高/既存の常識を全部転覆」大失敗したダメ人間を大勢見てきた。麻薬やアルコールに溺れ(コカインなどなどさらにハードなドラッグが流通)、家庭を崩壊し(離婚率も急速に上昇)、保守路線のレーガン政権から完全に見放されて、負け組として落ちぶれてしまった連中が周囲にいた。というより、60年代のサブカル幻想に惑わされた世代が IAN の世代の親たち…パンクスとして荒れた少年たちの背景にはアメリカの庶民家庭の荒廃があったのだ。IAN は思春期のティーン少年として、ダメな大人たちに反抗した。「タバコも酒もクスリもフリーセックスもいらねえ!オレらはシラフでいくぜ!」
●未成年である彼らパンクスたちがライブで盛り場に集まると、店の主人は彼らの手の甲にマジックでバッテンをつけた。間違って彼らにアルコールを売らないよう、分かりやすい目印をつけたのだ…いつしか、このバッテンマークがハードコア/ストレート・エッジのシンボルになった。で、ハードコアがX記号を羅列する時は、このストレートエッジのバッテンマークが由来なわけです。
●パンクスの全てが、必ずしもこのストレートエッジに同意しているわけでもない…むしろ一部の人だけって印象も。ただ、このストレートエッジの延長で、禁欲主義的なベジタリアン/ヴィーガンな食生活を選んでいる人もいる。昔一緒に仕事したアメリカの人はかつて乱暴なパンクスだったんだけど、結婚と子どもの誕生をキッカケにしてヴィーガンになったそうな。「かつては怒りに我を忘れてしまうコトがたくさんあった…今ではその怒りを客観視してそれを感情から切り離すことができるようになった…」その代わり、彼はラーメンすら食べられないので会食するにはスゴくめんどくさかったけどね!トンコツやトリガラの匂いだけでもうカラダが受け付けないんだって。

FUGAZI「REPEATER + 3SONGS」

FUGAZI「REPEATER + 3SONGS」1990年
MINOR THREAT は1983年には解散。IAN MACKAYE がその後1987年に結成したバンドがこの FUGAZI時代はハードコアからオルタナティブへ移行する時期IAN のこのバンドも、MINOR THREAT が確立したハードコア様式を突き詰めるスタイルではなく、ダブ風のスロウなグルーヴやオルタナ風の揺さぶるロックなどなどバラエティ豊かな内容になっている。それでも流通は自分のレーベル DISCHORD、緊張感や荒削り感は全くもって健在。それまではボーカルだけを担ってた IAN は練習をこなしてギターボーカルに進化してるらしい。


さて、アメリカ東海岸から、西海岸のハードコア・シーンへ目を移してみましょう。

BLACK FLAG「DAMAGED」

BLACK FLAG「DAMAGED」1981年
●アメリカのハードコア・シーンは西海岸のロサンゼルスから始動したってのが定説、って勝手にボクは思ってる。BLACK FLAG は1976年結成と結構先行組。バンドリーダー GREG GINN は1978年には既にインディレーベル SST RECORDS を設立して自分たちや志あるパンク/ロックバンドの音源をリリースしていた。BLACK FLAG = 黒旗は、極左思想のアナーキズム(無政府主義)のシンボル。赤旗が共産主義のシンボルってのと同じですよ。その意味でバリバリの独立自営ハードコアってわけ。SST RECORDS はハードコアに留まらず、80〜90年代には名門インディとして SONIC YOUTH DINASOUR JR.SOUND GARDENHUSKER DUDESCENDENTS など全米各地のオルタナティブロックを世に送り出している。この辺の音源を知る上でボク個人は大分お世話になりました… SST 印があればマチガイナイと思ってたもんね。

HENRY ROLLINS という男、ワシントンからロサンゼルスへ。
●この1981年リリースのアルバムは、何枚かのシングルを経た上で発表されたファーストアルバム。ここでワシントンDCのハードコアシーンとの接点が出て来る。IAN MACKAYE の親友であり、S.O.A.STATE OF ALERT)というバンドをやってた HENRY ROLLINS という男、BLACK FLAG のシングルを聴いてこのバンドに心酔、東海岸でツアーをやらないかとメンバーに手紙を書き、バンドを実家に泊めたりしている。
●コイツが気合いの入ったイイヤツであり、カリスマ性もド根性も十分であると見込んだ BLACK FLAG のメンバーは、新ボーカリストとして HENRY を抜擢。ロサンゼルスに来ないかと誘ったのだ。躊躇する HENRY IAN が激励、HENRY は地元でやってたハーゲンダッツのバイトを辞めて、クルマを売って、ロサンゼルスに引っ越してきた。そんな彼を迎えて完成したのがこのアルバムだ。…元からのボーカリストはギター演奏に専心するので誰かがクビになったわけじゃないのね。
●で、結果これが見事にハードコア。重厚な鋼鉄リフが速射される中で、ド根性の肉弾戦で暴れる HENRY ROLLINS が雄々しいGREG GINN HENRY ROLLINS BLACK SABBATH に影響されてると言ってるが、ここでの BLACK FLAG は、BLACK SABBATHエンジン改造で加速して凶暴な猛獣にサイボーグ合体させたような音楽だわ。
●すでに武名を馳せていた BLACK FLAG の新入りボーカリストに一発カマしてやろうと、ヤバめの観客が HENRY にケンカを売ってくることがしばしばあったそうな。しかし筋骨隆々の HENRY ROLLINS はステージに上がってくるそんな連中を片っ端から殴り倒しながら歌ってたらしい。スゴいね。

BLACK FLAG「SLIP IT IN」

BLACK FLAG「SLIP IT IN」1984年
●これは DVD「アメリカン・ハードコア」で知ったのだけれども、一時期 BLACK FLAG には女性ベーシストが在籍してたという。実は BLACK FLAG、リーダー兼ギタリスト GREG GINN 以外はメンバーがあまり安定しなかったバンドで、その次にしっかりした立場を持ってたのが HENRY ROLLINS。それ以外は結構交代が激しい。実はコロンビア国籍で海外公演に行ったら入国できませんでしたとか、もはや音楽と関係ない事情でいなくなったメンバーもいる。
●で、この時期はベーシストがいなくって。そこで地元パンクバンドから KIRA ROESSLER という女性を抜擢した。BLACK FLAG 元メンバーのバンドでベースを弾いてたって縁みたい。男尊女卑/マッチョイメージのハードコアにあって女性の存在は珍しいと思った…まー彼女の出で立ちはカッコいいけどね!実際このジャケだって男尊女卑な感じしてるけど、KIRA はインタビューで「ワタシはあんなジャケになるとは知らなかった、実際女性をバカにしてると思ったわ!」とコメントしてる。
●で、このアルバム、ハードコアでありつつも、メタル濃度もかなり高くて。メンバーチェンジも激しいが、音楽性の変化も激しいのが BLACK FLAG。技巧的なギターの奔放ぶりが実にメタリック。曲も長めでほとんどが4分ん以上で最長は7分強!30秒で終わる曲もあったのに、すっかり変わったよね。でもハイテンションぶりは健在でカッコイイです。

KILA ROESSLER

KIRA ROESSLER 在籍時の BLACK FLAG。左からリーダー/ギターの GREG GINN、クビ太すぎのボーカル HENRY ROLLINS、紅一点ベーシスト KIRA ROESSLER、ホントは DESCENDENT のドラマーでこの時のプロデューサーを担ってた BILL STEVENSON


BAD RELIGIONS「80-85」

BAD RELIGION「80-85」1980〜1985年
●DVD「アメリカン・ハードコア」ではあまり登場しなかったけど、アメリカのハードコアシーン、そしてその後のメロコア〜ポップパンクにまで至る流れの中で重要な存在感を放つバンドがこいつら。15〜17歳の高校生だった彼らがバンドを結成したのが1979年、そんで自主レーベル EPITAPH を立ち上げるのが1980年。すごいよね未成年でそこまでガツガツやっちゃうんだもん。EPITAPH は1989年に NOFX と契約するのを皮切りに、DOWN BY LOW、THE OFFSPRINGS、RANCID、PENNYWISE などなど90年代にビッグバンドになるパンクアクトと次々に契約。名門インディとして、今だに大きな存在感を放っている。今は WEEZER も契約してるみたいだよ。
●で、このアルバムはその初期音源をまとめた編集盤。MINOR THREAT の初期音源編集盤と同じで、速い短いウルサい、そんで音がワルい。ただ、今だに活動を続けてる彼らのキャッチーでポップな感覚はこのころから健在、カラリと乾いてメロディがクッキリしている。

BAD RELIGION「SUFFER」

BAD RELIGION「SUFFER」1988年
BAD RELIGION は、1985年に一旦解散してる。結成時1979年ティーンだった彼らも成人したし、自主レーベルでアルバムもシングルも作ったし。まーイイ感じ。とはいいながらもそんなに簡単に辞められないのがパンク道、1986年にはメンバーを微妙に変えて再始動。1988年に再結成アルバムとしてこのサード「SUFFER」がリリースされた。ここのラインナップ、ボーカル GREG GRAFFIN、ギター BRETT GUREWITZ & GREG HETSON、ベース JAY BENTLEY というメンバーがその後現在まで続くこのバンドのコアとなる…すげえな10代の頃の仲間と50歳超えるまでパンクし続けるなんて。
●1993年にはメジャー ATLANTIC と契約して商業的にも大成功。一方でレーベル EPITAPH もどんどん規模が大きくなって、BRETTEPITAPH 運営の社長業に専念するため90年代後半はバンドを脱退したりも。でも2001年に、バンドは古巣 EPITAPH へ返り咲き契約、社長を続けてた BRETT もバンドへ復帰。コンスタントにリリースを続けて、去年は16枚目のアルバムが出た。ある意味最高のバランスで活動を続けてるし、そのための環境も自分たちで全部作っちゃったってコトだね。
ハードコア・パンクは、スタイルがカッチリ出来上がっているので、ある意味で色褪せない。今でもそのフォーマットがキチンと生命力を持っているので、その録音が30年前であろうと劣化を感じさせない。その意味で今日の音源は常にエバーグリーンな魅力を持ち続けている。BAD RELIGION も、今も昔も全く変わらない。それがスゴい。




●動画。
●THE ADICTS「VIVA LA REVOLUTION / JOKER IN THE PARK」
●クロックワーク・メイクの奇妙っぷりと、人懐こい感じがキャッチーでステキ。




●MINOR THREAT「STRAIGHT EDGE」
●なにやってるか全然ワカンナイ。でもコレがハードコアの現場。




●BLACK FLAG「RISE ABOVE」
● HENRY ROLLINS 若過ぎる…それ以前にコワ過ぎる。




●BAD RELIGION「YOU ARE (THE GOVERNMENT)」
●あっというまにおわっちゃう。それがハードコアの潔さ。



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