塩野七生「十字軍物語」読了。
●ふー。さて、次は何を読もうかな?
●気になるフレーズを引用しておく。

「現実主義者が誤りを犯すのは、相手も自分と同じように現実的に考えて愚かな行為には出ないだろう、と思い込んだときである。」


「反知性主義者」が跋扈する今の時代には、肝に命じておかないと。愚かであろうとなかろうと関係ないと考えている連中が多過ぎるから。

●次は何に手をつけようかと思って読んだのがコレ。

たけしの大英博物館見聞録

ビートたけし「たけしの大英博物館見聞録」
●下北沢一番街商店街にひっそり営業している古本屋さん・JULY BOOKS 七月書房 で入手。大英博物館…とっても行きたいんだよ。ヨーロッパ方面にはあまり足を運んでないボク。今後は、応酬の古都史跡や有名な美術館を訪ねたいと思ってる。パリのループル、ポンピドゥーセンター、ケ・ブランリ美術館。そんでロンドンの大英博物館。まずはココに行ってみたい。
●1994年に交通事故を起こして生死を彷徨ったたけしさん、この事故がキッカケで大英博物館を訪ねたいと思ったという。「大英博物館に行けば、おいらが生きてる意味ってのが見つかるかもしれないと思った。だってここにあるのは、自分がこの世にいたんだってことを後世に伝えたくて作ったものばかりだろう」奇才・ビートたけしによる、大英博物館コレクションの品評ガイド。
ただ、ココはひたすら巨大だね。十分に大きな展示室が80コもある。16トンにも及ぶ古代アッシリアの石像がドカンと持ち込まれてる。ギリシャのパルテノン神殿にあったレリーフ彫刻も、ヘッパがして陳列してある。エジプトからも巨大な石像が持ち込まれてる。中央アジア・敦煌の古文書もまるっと持ってきちゃってる。かの有名なロゼッタストーンもここの所蔵だ。手っ取り早く言えば、全世界から略奪品を集めてますってコトだ。イギリス人のバイタリティはスゴいね。
1800万冊所蔵の巨大図書館も見ものらしい。ただ、取材じゃないと閲覧室には入れないのかな?かつては、極貧の亡命生活をロンドンで過ごしていたカール・マルクスがここで「資本論」の準備をしていたり、南方熊楠が博物学のためにひたすらノートをとってたりしてたという。しかも南方熊楠は自分を小馬鹿にしてたイギリス人をブン殴って図書館出入り禁止になってるとな。あ、それと、ココは現在入場無料。ステキ。その代わり、いつも激混みだそうな。たけしさんは世界的映画監督の肩書きを生かして閉館後の無人状態で鑑賞。それでもあまりのボリュームにへばってます。

●さてさて次はアメリカ合衆国史を読もうと思ってる。つーか、読み始めてるけど手こずってる。独立戦争まではクリアしたんだけどね。


●あとは、マンガ読んでたよ。

坂本眞一「イノサン」5

坂本眞一「イノサン」5巻
●前の記事で紹介したばっかだけど、新しいのが出てたのに気づいてなかった。主人公シャルルの妹・マリーが、男装の死刑執行人に。パンキッシュな髪型が実にクール。作者・坂本眞一は、登山スペクタクル「孤高の人」の作者だったのね。すげえクオリティの筆力。

岩岡ヒサエ「土星マンション」7巻。
●6巻までフツウに読んでたのに、最終巻を買い忘れてた。てか出てたの知らなかった。ほのぼのテイストが画からも物語も伝わってきて。バッドエンドの伏線はアッサリ解消されて、爽やかな終幕。

東山アキコ「ママはテンパリスト」1巻
●いまさらながら参入。相変わらずギャグの手数が多いな。ぶっちゃけその高密度感に、読み始めの覚悟がいるほど。そんな高密度とウラハラに画がすごくラフ。このバランス最高。粗末に見えないモン。そんで大量の仕事を回して超売れっ子。読み手側としては今覚悟不足で、「海月姫」「メロポン」も滞ってしまってる。「主に泣いています」はなんとか全部読んだ。

諫山創「進撃の巨人」13巻
●巨人との戦いから、フェイズが人間同士の権力闘争になってきました。いいね。

尾田栄一郎「ワンピース」73〜74巻
ドンキホーテ・ドフラミンゴとの対決、だいぶ突っ込んだトコロまでやってきました。またも弱者・ウソップが偶然にイイトコロもっていく気配が。70巻以上も付き合ってきた「ワンピース」だから、もう慣れたといえば慣れたけど、結構重要な伏線のキッカケがワリとちっこく描かれてるのよね。画面の密度も濃過ぎてデティールに仕込まれた大事な要素も読み飛ばしそうで困る。登場人物多過ぎて、みんながパラレルに動いてるから、実はなにやってるんだかワカラナイことも多い。特に今のシリーズは難しいね!でもそこをなんとか通り抜けて最後に痛快な結末がドン!ってやってくるからオモロいのです。

羽海野チカ「3月のライオン」9巻
●将棋の対決もさることながら、ティーンの少年少女の揺れ動く気持ちも大切で。ひなたちゃん高校進学おめでとう。息子が中学進学してから、やっぱそういう節目は大事だってすごく感じるようになった。

さそうあきら/業田良家/福満しげゆき/大友克洋/五十嵐大介/高野文子/黒田硫黄/山本直樹ほか「短編集ヒミツキチ」
●息子の中学のバザーで買った、アンソロジー的短編集。好きな作家さんが満載。そんな彼らが、子ども時代に通過する「ヒミツキチ」の思い出を描いてる。息子ノマドが6年生の時に体育館の使われてない倉庫を「ヒミツキチ」化してお菓子パーティしまくった時は、学校中の大騒ぎになったなあ。ボクはオモロいイタズラじゃないかと思って爆笑してたんだけど、センセイたちが予想以上に怒ってて、あとから申し訳ない気分になった。授業さぼってカッパエビセン食っちゃやっぱダメか。キレイに掃除して快適空間に仕上げるのが楽しかったらしいよ。

堀尾省太「刻刻」7巻
●時間の止まった世界に閉じ込められる…。そんな危機の中で駆引きを繰り返す、佑河家御一行 vs モンスター化した佐河。どんどん人間でなくなっていく敵から目が離せない。

天堂きりん「きみが心に棲みついた」3巻
●サディスティックな男に翻弄されてしまって、積み上げたキャリアも友人の信頼も崩壊。おまけに恥辱プレイまで。カワイイ絵柄なのに話がドロドロし過ぎてギャップがすさまじい。っていうか女性の内側って全員こんなにドロドロなんですか?

ジョー・ケリー/ケン・ニイムラ「アイ・キル・ジャイアンツ」
●アメリカの作家の翻訳モノ。ノッペリと続く退屈な日々を、彼女は自分の妄想で再構築する。巨人キラーの不思議ちゃん。でもそれは世界と向き合う不安から身を守る術。

ジョー・ケリー/ケン・ニイムラ「アイ・キル・ジャイアンツ」

●本棚がパンクしてますわ。また床に積み上げ状態になってしまった。


●音楽。

Red Sleeping Beauty - Singles

RED SLEEPING BEAUTY「SINGLES」2000年
スペイン・マドリッドのレーベル SIESTA RECORDS からリリースされてるCD。でもクレジット情報が足りなくてバンドの正体がよくワカランと、長年ずーっと思ってた。今回よーく検索して調べたら、スウェーデン・ストックホルムのネオアコバンドだったってコトが判明。でも歌詞は英語だよ。ヨーロッパは越境してイクねー。
●ハッキリ言って仕事がキツ過ぎる今は、優しいヤワい音楽が聴きたい。80年代ネオアコの気分の、華奢で貧弱なバンドアンサンブルを背負って男女ボーカルが入れ替わりで歌唱する、その偉大なる小規模感覚が、一瞬ボクをタフな日常から遠ざける。軽薄だけどキラキラしてる。実際の録音は90年代らしいんだけど80年代の薄い感じがタマラン。もう、なーんも、なーんも考えたくない。オフィス離れたらなーんも考えたくない。
●先日、江古田のレコ屋・ココナッツディスクで、SIESTA RECORDS の作品を見かけた。SWAN DIVE というアメリカのギターバンド。一瞬、SLOWDIVE というシューゲイザーバンドと混同したんだけど、SLOWDIVE の暗黒ゴステイストとは真逆の、ヘルシーに日向ぼっこしてる感じがネオアコ王道の気分。あれ買っときゃよかったな。あのお店で SIESTA を再確認して、このCDの存在を思い出したんですよ。このレーベル、正体不明だけど、ちょっと気にしておこう。



MILES DAVIS も聴いているんだ。心落ち着かせるために。

MILES DAVIS「BIRTH OF THE COOL」

MILES DAVIS「BIRTH OF THE COOL」1949〜1950年録音
MILES DAVIS「クールジャズ」なる新ジャンルを確立させた音源。師匠”バード” CHARLIE PARKER が中心となるビバップ・シーンの中では埋没してしまうーと、考えてたか考えてないかよくワカンナイが、当時としては新路線として評価され、西海岸に白人プレイヤーを中心としたクールジャズ・シーンを作るほどになるインパクトをもたらした名盤…って評価ですけど。
●しかし、仕事でアタマクラクラなボクには、これがどのへんで「クール」なのかよーくわかりませーん。移動で山手線&地下鉄&休憩のラーメン屋で、この音源をヘッドホンで聴いてましたがよくわかりませーん。
●…実はこの音源を生まれて初めて聴いたのは、今から20年以上前の高校生時代。その1990年前後はイギリスでアシッドジャズというクラブシーンが勃興しており、様々なコンピアルバムが日本に紹介されてた。その1枚に「REBIRTH OF THE COOL」というヤツがあって。これお気に入りだったなあ。で、ある日このアルバムタイトルは MILES DAVIS の初リーダー音源集の本作に由来してると知った。さっそく同じカッコよさを求めて聴いたんだけど…さすがに1950年の録音、高校生に40年前の音源はキツかった。今から見たら、64年前だわ。
●「クール」かどうか別にして、MILES がこの録音で組織したバンドは人数が多い。9人組。九重奏=ノネット。チューバやフレンチホルンまでいるんだわ。そしてアレンジャーがガッチリはまってる。縦横無尽のアドリブ勝負を最大の価値とするビバップ世界から見ると、異色の編成だ。予定調和を壊す崎の読めないアドリブ展開よりも、ハーモニーとアンサンブルを重んじて分かりやすい展開を持つこの音楽は、てっとりばやくポップだ。これは、小規模編成で戦うビバップと、それよりも古いジャズフォーマットだった愉快なビッグバンドジャズの、折衷形態だ。本来は田舎のお金持ち家庭で育ったボンボンである MILES DAVIS にとって、楽しげなパーティミュージックだったビッグバンドは大切なルーツミュージックでもある。ビバップとビッグバンドの止揚がこのノネットの挑戦かもしれない。ある意味真っ当すぎるほどかっちりアレンジされてる。音のカドが丸い…ビバップはトゲトゲしいけどね。
●また、人種的越境もココでは行われている。夜の師匠 CHARLIE PARKER との付き合いがシンドクなってきたこの頃(バードはマジでヒトデナシだったらしい)、ビッグバンド時代から活躍する白人アレンジャー・GIL EVANS MILES は出会う。13歳年上だった昼の師匠 EVANS はアレンジ面から様々な作品に関与するようになる。他にも、白人バリトンサックス奏者 GERRY MULLIGAN もこのバンドに参加。彼はその後 CHET BAKER とも共闘する男だ。アルトサックスの LEE KONITZ も白人だな。
●ちなみに、言葉の整理。九重奏=ノネット、八重奏=オクテット、七重奏=セプテット、六重奏=セクステット、五重奏=クインテット、四重奏=カルテット、です。三人組はトリオね。

MILES DAVIS「BAGS GROOVE」

MILES DAVIS「BAGS' GROOVE」1954年
●このアルバムの方が、ボクにはクールに聴こえるよ。ビブラフォン奏者 MILT JACKSON のプレイがすごく爽やかで気持ちよく聴こえるから。アルバムタイトルは MILT のあだ名「BAGS」に由来してるとな。2テイク収録されてるタイトル曲「BAGS' GROOVE」は11分&9分超えの長尺。「BIRTH OF THE COOL」が短い尺のポップ感をもっていたのは、当時メインだったSP盤レコードの収録分数制限に縛られていたから。この時代ともなると、LP盤レコードの時代になるのでプレイヤーはもっとノビノビとソロプレイを続けることができる。THELONIOUS MONK のピアノも活躍しているよ…そんなにたくさん音数をバラまかないプレイが、なんか実に渋いね。
実はこのレコードも高校時代に聴いていた、ボクにとっては古い音源。学校の放送室の奧に埋まってたのを持って帰っちゃったんだよね。誰も聴いてないし存在も知らないヤツだったから、いただきました。もう時効ってことで。

MILES DAVIS「MILES DAVIS AND THE MODERN JAZZ GIANTS」

MILES DAVIS「MILES DAVIS AND THE MODERN JAZZ GIANTS」1954,1956年録音
「BAGS' GROOVE」はそのタイトル曲2テイク以外はメインゲストであるかのような MILT JACKSON が登場しない。残りの楽曲5曲は別の場面、別のメンバーで録音されてる。具体的には、当時 MILES が相棒にしようかなと狙ってたサックス奏者 SONNY ROLLINS との共演がメイン。ま、それはそれでイイ感じなんですけど。大分野蛮味が追加されたビバップスタイルになりますが。
「BAGS' GROOVE」と一緒に MILT JACKSON & THELONIOUS MONK と録音した他の音源はコッチのアルバムに収録されてる。ここでも MILT のビブラフォンが気持ちイイ。…ただし、ここでは MONK の様子がオカシイ。この日のセッションは MILES MONK がバチバチ当たりまくった、通称「ケンカセッション」と呼ばれる内容だという。やや険悪。MILES「オレのソロの間はピアノ弾くな」というと、そのソロ録音中に「トイレどこだっけ?」と声に出す MONK。むー。MONK の演奏をちゃんと聴いてみたいなあ。

MILES DAVIS ALL STAR SEXTET : QUINTET

MILES DAVIS「MILES DAVIS ALL STAR SEXTET / QUINTET」1955年
●このアルバムでも、MILT JACKSON が活躍してる。もうしょっぱなから弾きまくり。ジャケ見るとダブルネームっぽい感じも出てるし。


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