ボク、フランス語に挑戦してみます。
●ヒヨコがひらがなを覚えるのに悪戦苦闘しているのを見てて、未知の文字システムを理解する難しさを、自分で身を以て体験してみるのはどうだろうと考えた。
●ヒヨコは日本語をしゃべれるけど、日本語で使われる記号(ひらがな/カタカナ/漢字)がどういう秩序で「あいうえお表」で並んでいるのか、全然わかってない。そんなレベルから最終的に完璧に習得させるためのカギを見つけるために、自分もそういう状況に追い込んでみよう。フランス語なんて、ボクにとって完全に未知の世界で格好の対象だね。

篠田勝英「はじめてのフランス語」

篠田勝英「はじめてのフランス語」
●……と思ったけどムリムリ! 語学大嫌いで英語もダメなボクにフランス語なんてムリ! 小文字 ”e” の上に色々な点々が乗っかって、その点の向きで発音が変わる。ダメダメ、今の病気のコンディションでこんな勉強始めたら、病気が悪くなっちゃうよ。
●いやあ、ヒヨコは今いかに大変な局面に立たされているか、十分理解できたよ。パパも来年くらいメドで、フランスの俳優さんの名前とか映画のタイトルくらいまで分かるようになるよう頑張るわ。


アイヌ民族についての勉強。
●去年の旭山動物園旅行と6月の札幌出張で、ボクの中では北海道の先住民族「アイヌ」の歴史や文化がマイブームになっている。札幌出張でもアイヌ関係の書籍を買ってきて、やっと読了した。難しかった…。今回の本のテーマは、アイヌ民族への収奪と差別の歴史だったからだ。

萱野茂/他「アイヌ語が国会に響く」

萱野茂/他「アイヌ語が国会に響く」1997年

上田伝明「アイヌ民族を考える」

上田伝明「アイヌ民族を考える」2007年

まず、アイヌ民族の基礎的なおさらいから。
●氷河期が終わり、一万年続いた縄文時代で日本列島各地に人間が多く住むようになった。そして紀元前5世紀、朝鮮半島から稲作中心の農耕文化が渡来し本州は「弥生時代」に移行していく。しかし北海道にはこの「弥生文化」は伝播せず、独自の社会進化を遂げていったのだ。
●稲作農耕をせず、狩猟採集の生活を続けた北海道の人々は、「続縄文文化」「擦文文化」と呼ばれる時代を経て、13世紀頃「アイヌ文化」を形成するに至る。アイヌ民族は、この頃東北地方から北海道全域、千島列島、サハリンまでに分布し、大陸の民族とも活発な交易活動をしていた。元王朝衰退期には、サハリンを舞台に元の軍隊とアイヌ民族が戦闘した記録もある。中国東北部、極東ロシアの先住民族と、アイヌの文化は近似性も強い。東北アジアに大きな文化圏が形成されていたのだ。
●しかし、中世~江戸時代に入ると、本州の和人が北海道(当時は蝦夷地)に進出してくる。純朴なアイヌの人々に付け入って、不利な交易条件を押しつけ生産物を収奪し、安価な労働力として不当に使役した。そして明治時代。富国強兵殖産興業で帝国主義列強に肩を並べるため、そして北から迫るロシア帝国の圧力に対抗するため、北海道は大きく翻弄される事になる。

「北海道旧土人保護法」
●これは、1899年に作られ、1997年まで残っていた、日本政府のアイヌ対策基本法の名前です。「旧土人」ですわ! これほどの差別表現がつい10年前まで国の法律としてまかり通っていたのですわ。
「大地は全ての生き物、神々のもの」と、土地の個人所有概念を持たなかったアイヌの人々に対して、明治政府は「この土地は所有者ナシにつき、国有地とする」と決めつけ、アイヌから生活の場所を奪い取った。漁業や鹿猟は免許制だという法律を作って、狩猟採取を軸にした彼らの生業を奪い取った。豊かな土地は和人の開拓者に払い下げられて、アイヌの人々はより僻地へと追い立てられていった。本州から新しい伝染病を持ち込まれ、人口も激減した。
●明治政府のスタンスは明白だ。この未開の原住民を教化し、日本人へと同化すること。列強に対抗しうる「皇民」に仕上げる事。アイヌ語を退け日本語教育を押し進める方法と、日本人風の名前に改名させる創氏改名の方法は、その後の台湾/朝鮮半島支配にそのまま応用された。今回知ったのだが、大量虐殺=ジェノサイドという言葉に対して、こうした民族アイデンティティの抹殺行為をエスノサイドというらしい。
●そして戦後。アイヌの過酷な生活環境に変化はなく、差別意識と収入格差、教育水準の低さなど、様々な問題が放置されてきた。中曽根首相の「日本は単一民族国家」発言など、アイヌの存在を無視した社会が固定化しようとしていた。

「アイヌ語が国会に響く」の著者、萱野茂さんはアイヌ民族初めての国会議員である。村山政権下で当選、アイヌ民族への政府の認識を覆すために様々な運動をした人。書名にあるように、彼は国会での質問機会に一部アイヌ語を駆使した。彼らの苦労の甲斐あって1997年「アイヌ新法」が成立する。アイヌ民族の文化振興のための法律だ。この本は、萱野さん周辺がどのような思いで、この法案を編み成立させるに至ったかが書かれている。こうした現実を知って、日本人としてとても苦い思いになる。

上田伝明さんの「アイヌ民族を考える」はその「アイヌ新法」以後の状況を考察している。
萱野さんらが提案してきた「アイヌ新法(案)」は、国連が先住民族の権利を認めようとする「国際先住民の10年」の流れ、いわゆる「先住権」という考え方にあるものだが、日本政府は未だにアイヌを独立した先住民族だと明白に認めようとしていない。そしてこの収奪と差別と圧迫の歴史に対して正式に謝罪するつもりもない。
●これに対して上田氏は、アメリカの各州政府が地元先住民族の人々に対して行っている補償問題と日本のアイヌ政策を比較している。アメリカでは彼ら先住民族への謝罪、金銭的補償など具体的な方策がとられている。アメリカは、建国以来国土を西へ広げていく中で、各部族と条約を結んだりしているのだ。結果的にはやはり悲劇的な歴史がココにも繰り広げられるのだが、でも冷静に過去を清算する良心が残っている。

●アイヌの人々は温厚だ。基本的に争い事を好まず、トラブルはとことん議論することで解決する。これをアイヌ語で「チャランケ」という。3日3晩飲まず喰わずで議論を続けたという。
●世界の少数民族の問題は数々ある。チェチェン共和国の分離独立運動は泥沼の内戦になっているし、トルコ・イラク国境地帯のクルド人も、激しい独立運動を展開し、トルコ軍数千人が国境地域に展開している。インドネシアではスマトラ島のアチェーで、タイでは南部のイスラム過激派住民が武器を持って山中に立てこもっている。イギリスも長く北アイルランド問題で IRA のテロに悩まされてきた。
●アイヌの人達が、武器を持って山中に立てこもり、和人の侵略者を虐殺するとしたら? 他の国の事情を見れば別に全然珍しくない。でも、そんな方法をとらないのはアイヌの素晴らしい文化と哲学の結果なのだ。そんな彼らに敬意を表し、十分な「チャランケ」を尽くして新しい共存社会を作っていきたいと思った。


今日のBGM。まずはニューオリンズ。

JAMES BOOKER「CLASSIFIED」

JAMES BOOKER「CLASSIFIED」1982年
●ニューオリンズが生んだ天才ピアニスト。バンドと演ろうが一人で演ろうが、ブルースにもジャズにもファンクにもなってしまう味のあるピアノと声。セッションピアニストとして共演した人間を挙げれば、FAT DOMINO、B.B. KING、WILSON PICKETT、ARETHA FRANKLIN、JERRY GARCIA (GRATEFUL DEAD)…と枚挙に暇がない。そんな彼の生前最後の録音。44歳の若さでこの翌年亡くなっている。あと、この人、理由が分かんないんだけど隻眼。右目が不自由。で眼帯をつけている写真が多く残ってるんだけど、その眼帯が猛烈にオーラを放っているんだよね。

STEVE RILEY AND THE MAMOU PLAYBOYS「TRACE OF TIME」

STEVE RILEY AND THE MAMOU PLAYBOYS「TRACE OF TIME」1994年
「ケイジャン」というスタイルの音楽がある。ニューオリンズのあるルイジアナ州はフランス領だった時期があり、フランス系移民が多い。カナダのフランス語圏地域から強制移住させられた移民は独自のコミュニティを形成して独自の文化を熟成した。それが「ケイジャンミュージック」である。ルイジアナには複雑な歴史的事情が地層のように折り重なっていて、それが独特の豊かな文化を育んでいる。
●このSTEVE RILEY という人は当時24歳、ケイジャンの未来を担うと嘱望された若手天才アコーディオニストだ。軽快なカントリー調音楽の中を縦横無尽にアコーディオンが跳ね回る。バイオリン(フィドルって言うべき?)もいい味を出してるねえ。ケイジャンだから歌詞もフランス語だ。

厳密にニューオリンズじゃないけど南部出身のスワンプロックを。

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LEON RUSSEL「THE BEST OF LEON RUSSEL - A SONG FOR YOU -」1972~1976年
●真っ白いロングヘアーと長ーいアゴヒゲ。泥臭いスワンプロックを鳴らすオヤジだ。でもこの人の曲は、アレンジ次第でとても洗練された美しい音楽にもなる。例えば GEORGE BENSON にカバーされた「THIS MASQUERADE」。本人にやらせるとルードな泥臭いカントリーロックだけど、BENSON 版は洗練されたR&Bになる。代表曲「A SONG FOR YOU」も男性女性多くの人にカバーされてる(例えば CARPENTERS とか)。本人版はいたないピアノバラードだけど。ちなみにこの曲でボクはこの人が大好きになりました。
●もひとつ発見。90年代渋谷系時代のスチャダラパー一派にいたアーティストかせきさいだぁの曲「冬へと走りだそう・再び」のネタ元をこんなトコロで発見した。「BLUEBIRD」という曲のイントロの繊細なピアノフレーズを、かせきはループ使いしてる。直でサンプルしないで、弾き直してると思うけど。かせきさいだぁは何年も聴いてなかったのにハッと記憶が甦る。音楽って不思議だね。かせきはっぴいえんど鈴木茂をサンプルする人だから意外でもないけどね。

<LEON RUSSEL「STOP ALL THAT JAZZ」

LEON RUSSEL「STOP ALL THAT JAZZ」1974年
●へんなジャケ。釜ゆでにされちゃってます。調子に乗ってもう一枚聴いたけど、ここでは印象的な曲がなかったな。70年代のフォークシンガー TIM HARDIN のカバーと、PHIL SPECTER が作曲した「SPANISH HARLEM」をやっぱり泥臭く演ってる。札幌で1000円だったかな。

ついでにもう二枚。ハードロックを。
●ちなみにハードロック/ヘヴィメタルは、ボクは大嫌いだ。でも聴く。

VELVET REVOLVER「LIBERTAD」

VELVET REVOLVER「LIBERTAD」2007年
AXEL ROSE があまりにダメ人間なので、完全が機能不全に陥った GUNS 'N' ROSES の残りのメンバーが作った裏ガンズとも言うべきバンドです。SLASH をはじめリードギター、ベース、ドラムまで、まんまガンズだもん。サイドギターは後輩を連れてきて、ボーカルには元 STONE TEMPLE PILOTS SCOTT WEILAND を抜擢。そんな連中の2枚目です。……でもガンズ全盛の時の魔法みたいな勢いは感じられないんだよな。普通のロックバンド。あの頃のガンズには、確かに魔法がかかってたと思うんだ…。

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IAN GILLAN「GILLAN'S INN」2007年
●こちらは全盛期の DEEP PURPLE でボーカルを担当していたヘヴィメタ界の伝説的シンガー。その彼の芸歴40周年記念で彼の代表曲を再録したアルバムがこれ。DEEP PURPLE 時代の曲では「SMOKE ON THE WATER」「SPEED KING」の2曲だけ。あとは自分のバンドの曲。DEEP PURPLE の曲だけ思い入れを込めて聴けた。ただそれだけ。

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