ハロウィンだね。
こんだけ日本人の習慣にハロウィンが定着してるってスゴいね。今日は渋谷で仕事だったんだけど、昼間からゾンビや血まみれナースとかスパイダーマンとかガイコツ男とかセーラームーンとか、愉快な仮装の人たちがフツウに街を歩いてて楽しかったよ。スクランブル交差点が珍しい外人さんは、奇妙な仮装集団が加わって尚のコトカメラ/ビデオ撮影で忙しそうだった。おヘソ出してる露出過多な女性はオナカ冷やさないだろうか?さっき軽く小雨降ってたぞ?コスプレが文化になってる気分と、ハロウィンの定着は似通ったトコロで繋がってるのじゃないかな?

で、我が家のハロウィンは。
●ウチのワイフはこういう行事をとても大事にするタイプなので、我が家の玄関には一週間前からフツウにカボチャ型のチョウチンがぶら下がってる。さすがに受験を控えた娘ヒヨコは塾に行ってるが、ワイフはママ友と一緒にハロウィンパーティに行ってしまった。コドモ抜きでも楽しむのかよ!おまけにナニゲに力んだ衣装をバッチリ作り込んでて。ネイルをブラック&ゴールドにして、黒いドレス、髪の毛にもナニか乗っけてたよ。
●息子ノマドも姿が見えねえなーと思ったら、友達の家に遊びに行ってた。その友達は、訪ねてくるオバケチビッコを家に迎えてお菓子を配るサイドを担当してるとな。仮装していかなくてよかったのか?と聴いたら「今オレが着てる服とヘッドホンはカゲロウデイズに出て来るキャラと同じなんだ」だそうだ。




●前回記事でポストパンク流れからゴス系の BAUHAUS とか取り上げたので。
今日も、ハロウィンにピッタリなゴス系の音楽を聴こう。

THE BIRTHDAY MASSACRE「NOTHING NOWHERE」

THE BIRTHDAY MASSACRE「NOTHING & NOWHERE」2002年
●これは00年代から活躍してるカナダのバンドのファーストアルバム。「誕生日の虐殺」ってバンド名がもうゴス気分濃厚だわな。女性ボーカルをセンターに据えて、自意識過剰で長く垂らした前髪が MARILYN MANSON のマネッコみたいな男どもが4人後ろに構えてる。そんな彼らがどんな音楽を鳴らしているかというと、実はシンセポップ。ボーカル嬢 CHIBI(これ日本語のチビに由来してるのかな?)の声は、小悪魔的にコケティッシュだったり、ダークなゴスの女王だったり、可憐な天使だったりと、エコーを背景に表情を変える。それを包むのは、タフなギターロック/メタルだけではなくて、意外なほど爽やかなシンセの気持ちよさ。ロマンチックなファンタジーの世界を描くようなフワフワ感。
●ダークな世界を描くのに、BAUHAUS は軋むギターと絶叫でモノトーンの暗黒を醸し出していたが、このバンドは「虐殺」とか言っちゃって、紫の煙を噴霧してダークさと甘美さをうまくマッチさせている。この音源を初めて買った時は「こんな甘口ロリポップはゴスじゃねえ!」とスゴく抵抗を感じてしまったほどだが、ハロウィンを楽しいパーティと割り切って考えれば、このシンセが噴霧する淡い甘さは楽しいゴス世界の一側面ととってもいいのだろう。それに気づいてしまった。

THE BIRTHDAY MASSACRE「VIOLET」

THE BIRTHDAY MASSACRE「VIOLET」2005
●一枚目と比べると、シンセ中心のアレンジ色が少しだけ後退してギター圧力/バンドサウンドが強まるセカンド。このバンドの傾向としては基本的に初期のシンセポップアプローチから、枚数を重ねるほどにインダストリアルメタル濃度が高くなっていく模様。まーまだイイ塩梅ですよ。CHIBI 嬢のチャーミングなボーカルは損なわれるコトなく、メタルギターとシンセ音響のメリハリがバリッと効いてるのです。数曲、ファーストと楽曲がかぶってます。なぜだろ?でもアレンジが違う気がする。ボクはシンセポップのテイストの方が好きだけどね。
●あと、このバンド、あの名画「NEVERENDING STORY」主題歌をカバーしている。YOUTUBE で発見できるんだけどね。でもアルバム未収録で ITMS でも売ってない。ロマンチックなエレポップで好きなんだけどなー。

The Birthday Massacre_PHOTO

●これが THE BIRTHDAY MASSACRE のみなさま。ボーカル CHIBI 嬢、日本のゴス嬢に気分が似てるでしょ。この写真じゃワカランけど左肩にデカイアニメ絵のタトゥーを彫り込んでる。決してチビではないらしいんだけど。メインのソングライターは右から2人目の RAINBOW という男。ギターとプログラミングを担当。一人衣装が黒くない…そんで顔が歪んでる。MARILYN MANSON カブレってコイツのこと。


depeche mode some great reward

DEPECHE MODE「SOME GREAT REWARD」1984年
●音楽のジャンルとして、ダークウェーヴという言葉があるんだって。80年代にニューウェーヴやポストパンク、ゴシックロックの系譜から、ヨーロッパを中心にダークでメランコリーな音楽を志向する人々が次々に現れた…これをダークウェーヴと呼ぶらしい。前回記事で触れた BAUHAUS に始まり、JOY DIVISION、COCTEAU TWINS、THE CURE、SIUXSIE & THE BANSHEES、そしてこの DEPECHE MODE がその第一世代に当たるという。うん、どれもゴスでポストパンクだ。フランスにはさらにツッコンでコールドウェーヴというシーンが出来たり、エレクトロやシンセポップと絡み合ったりして進化していったらしい。その後この系譜はアンダーグラウンドで熟成進化し、90年代にはシューゲイザーのシーンと共振したり。そんで00年代にポップなカッコで表出したのが THE BIRTHDAY MASSACRE のようなバンドであったり。
●さてこのアルバムは、DEPECHE MODE の4枚目のアルバム。DAVID BOWIEベルリン3部作BRIAN ENO と共に制作した西ベルリン HANSA STUDIOS で録音。加えて初めて国際的ヒットとなった作品でもある。本国イギリスはもちろんヨーロッパ各国、そしてアメリカにも人気が波及するキッカケとなった。特に先行シングル「PEOPLE ARE PEOPLE」が大ヒット。というかコレボクも大好き、このバンドで一番好き。理不尽な敵意でギスギスした社会の空気に正気を保てと発信するリリック。ソーシャルメディアで飛び交う匿名の敵意やヘイトスピーチ、弱者が弱者を打つ社会に響く鉄のビート。80年代後半には LGBT コミュニティのアンセムになったりゲイパレードでプレイされたりしたという理由にも納得できる。
●あまりにヒットしたので編集盤コンピ「PEOPLE ARE PEOPLE」というアルバムまで出されて(今まではコッチで聴いてました)二度コスラレたほど。ハッキリとした打ち込みビートのクールな打撃とシンセ、低体温気味なボーカルとメロディがまさしくインダストリアルビートを体現して、後進のアーティストにも大影響を与えている。どこか冷めきったエレポップ感覚は、ダークウェーブのど真ん中なのだろう。同路線としては「MASTER AND SERVANT」って曲も好き。人間関係の奇妙なスリルを非人間的音響で表現する逆説。

「PEOPLE ARE PEOPLE」

 人は人。それがあるべき姿。
 あなたと私は、しっかりとそれを分かち合うべきだ。
 私たちは異なる色を持ち、異なる信条を持っている。
 異なる人々が異なる願望を抱いている。
 あなたが私を憎んでいるのは明らかだ。
 だが、私がなにか間違ったことをしたわけでもない。
 あなたに会ったこともない。私にいったい何ができたというのか。
 いったい何が人をして他人をこれほど憎ませるのか、それが理解できない。
 だれか教えてくれ。

 人は人。それがあるべき姿。
 あなたと私は、しっかりとそれを分かち合うべきだ。
 今、あなたは私を殴り、蹴り飛ばし、そして怒鳴りつけている。
 あなたの良識に頼りたいと思っても、それは全く見えてこない。
 だが、私はそれが存在すると信じている。
 あなたの頭から拳にそれが伝わるのに、少し時間がかかるのだ。
 いったい何が人をして他人をこれほど憎ませるのか、それが理解できない。
 だれか教えてくれ。



ゴステイストとはいえ、全然ちがうハードロックアプローチも。
VAMPS & HYDE。ハロウィンにピッタリだと思って。

VAMPS「SEX BLOOD ROCK N ROLL」

VAMPS「SEX BLOOD ROCK N' ROLL」2013年
●こちら、(こう言ってイイのかな?)日本のビジュアル系バンドの最高峰、L'Arc〜en〜Ciel のボーカリスト HYDE OBLIVION DUST のギタリスト K.A.Z. によるユニットによる全曲英詞の海外進出向けベストアルバムVAMPS というからにはヴァンパイアっぽいイメージが漂うワケで、ある意味ではハロウィンの季節にもピッタリ(?)。
●ボクが引っ掛かったのは、このアルバムの中で DAVID BOWIE「LIFE ON MARS ?」のカバーをしているコト。これが実にカッコよくて。BOWIE の超代表曲だけにハンパなコトはできない挑戦なのに、キレのイイハードロックアプローチと、本家に劣らぬドラマチックなボーカル展開をコトモナゲにこなしきってる実力の高さに感動。すっげーなーこの人たち!と素朴に思ってしまいました。いや、このカバーだけじゃなくて、どの曲もパワフルでアグレッシブ。HYDE の艶のあるボーカル、K.A.Z. のドライブ感あふれるリフロック。ハードロックはあまり得意じゃないボクなのに、久々の爽快感を得てしまいました。こりゃ美味!海外進出の野望も含めて、ますますの活躍をしてもらいたい!

VAMPS「BEAST」

VAMPS「BEAST」2010年
●オリジナルのセカンドアルバムですわ。海外向け英詞じゃなくて日本語だったらどうなるかなと思って入手。HYDE さん、やっぱセクシーだわ。「ANGEL TRIP」という曲のこのフレーズ、「羽目はずしてもっと騒ごう 壊れそうになって騒ごう 辛くても 笑って!」がシビレル!男のボクがシビレルんだから女子はもっとシビレルのでは?「辛くても 笑って!」って、今、説得力ある。病気のボクも、シンドイ思いしてるたくさんの人も、まず笑ってみようよ!とても速いスピードで走り抜けるやや乱暴なオルタナティブロックの、脳天がビリビリくるようなギタープレイの上に、HYDE さんがニッコリして投げるリリック。ラルクとは違う場所で「羽目はずして」みたいのは HYDE さん自身かもしれない。別人格であろうとするために、牙を生やしたヴァンパイアになるのだから。

VAMPS「BLOOD SUCKER」

VAMPS「BLOODSUCKERS」2014年
そんで今週のハロウィンに合わせてリリースされた最新アルバム。「BLOODSUCKERS」=吸血鬼!ジャケのグラマーなヴァンパイアお姉さんは、ボクの大好きなイラストレーター ROCKIN' JELLY BEAN さんの仕事だね。ボクは iPhone ケースに彼のイラストのヤツ使ってる。とはいえ、マジで入手した瞬間でまだ聴き込んでない…。ぶっちゃけ、序曲にあたるインスト小品「REINCARNATION」がピアノメインで面食らったくらいだもんね。あれ、タフなハードロックは?と思ったら、三曲目あたりからテンションが高くなっていきます!おおコレコレこのタフでラフなハイスピード感!ただアゲルだけじゃなく怪しいダークサイドに堕ちてみたり。と思ったら、ココで初めての日本語詞曲、ダイナミックなバラード「VAMPIRE'S LOVE」がストリングスアレンジを伴って降臨。そして続く後半戦はなんと打ち込みビート駆動。今まであまり目立つことのなかったシンセアレンジも存在感を放つ。表題曲「BLOODSUCKER」はインダストリアルメタルにまで到達してるわ。ワリと一芸で押し切る印象があった VAMPS のスタイルが多様化して、1枚のアルバムの中で起承転結の展開を構成してる。

LArc〜en〜Ciel「TWENITY 2000-2010」

L'Arc〜en〜Ciel「CLICKED SINGLES BEST 13」1994〜2000年
L'Arc〜en〜Ciel「TWENITY 2000-2010」2000〜2010年
●ということで、ボクは VAMPS から入ってしまったので、VAMPS L'Arc〜en〜Ciel HYDE さんがどう違うのか、一般的なファンの人とは逆視点で見てしまうことになった。さて、この二枚があれば大まかに L'Arc〜en〜Ciel の長いキャリアが把握できるだろうか?
●ていうか、VAMPS に比べると L'Arc〜en〜Ciel スゴく綺麗に整理され、高度に洗練されたサウンドだったんだなと思い知る。バンド名「虹」に相応しく、可憐で繊細とさえ感じる。バンドサウンドを前提としつつ、ありとあらゆるアレンジ手段を用いて楽曲の力を引っ張り上げていく。HYDE さんのボーカルも丁寧で楽曲のメロディを最大限効果させるように絶妙に制御されてる。結果、高く高く飛翔するようなカタルシスがサビに盛り込まれて、陶酔感すら覚える。L'Arc〜en〜Ciel の音楽が、緻密に造形された彫刻の完成品だとすれば、ラフでタフな VAMPS は素材の岩石をそのままに放り投げているようなモノ。ウェルメイドの匠の技か、産地直送素材の味か。
●バンドの質も違うのだなと納得。HYDE が多くの作詞を担う一方、作曲はメンバー4人が全員がそれぞれに担う。が故に楽曲のバリエーションも多彩。そもそもでバンド立ち上げの主導者はベースの TETSUYA であって、HYDE は他の3人に対してなんらアドバンテージがあるわけでもなさそう。これでは元来の L'Arc〜en〜Ciel ファンは VAMPS に戸惑っても仕方がないかもしれない。
コレはコレで、全く別のバンド、別の美学。ボクとしては、「機動戦士ガンダムOO」主題歌だった「DAYBREAK'S BELL」をはじめ、メンバー覚せい剤所持での活動休止明けの時期のシングル「DIVE TO BLUE」、2000年のミリオンヒットシングル「NEO UNIVERSE」VAMPS のリフロック気分を感じさせるアップチューン「STAY AWAY」「NEW WORLD」HYDE のハイトーンボーカルが可憐で美しい「MY HEART DRAWS A DREAM」などなど聴き所が満載。

●ちなみに、HYDE さんは、L'Arc〜en〜Ciel 本体、VAMPS 以外にもソロ名義の HYDE でも音源をリリースしてるのね。コッチはアルバム単位でチェックしてないけど、映画「NANA」中島美嘉に提供した「GLAMOROUS SKY」を英詞にしてセルフカバーしたモノはITMSで見つけてDL購入。これは最初から中島美嘉じゃなくて HYDE 自身が歌った方がイイと思ってた。そしてその通りだった。


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