●お正月休みもおしまい。
最終日の4日日曜日は、自転車で下北沢から渋谷まで往復。ヘルシーに過ごしたかったんだ。
●「東大裏」交差点から東大駒場キャンパス方面に入ったあたりに2軒、新しいカフェが出来てた…ボクが気づかなかっただけか?今日は通過しただけ、今度は立ち寄って一服してみよう。
東急本店のジュンク堂書店で欲しい本の探し物。思わず余計なものまで買っちゃったよ。やっぱAmazonじゃ味わえない楽しさがあるね。ジュンク堂の、本屋というより図書館、って言わんばかりのゴツイ面構えが好き。時々偉そうに思えてヒクけど、今日は頼もしかった。ニーズにぴったりな本が即座に見つかってよかった。


●直接関係ないけど、読書報告。

闇の国々IV

ブノワ・ペーターズ/フランソワ・スクイテン「闇の国々」4巻
フランスのマンガ文化・バンドデシネの貴重な翻訳作、80年代前半から続く連作が織りなす重厚な叙事詩の最終巻。はっと息を呑むような巨大な異世界の風景が広がっていく荘厳さに、4巻まで読み進めても震えます。本そのものも重厚だしね。25cm × 20cm くらいの大型判で330ページの大迫力。これが4冊並ぶとこれまた壮観です。原題「LES CITES OBSCURES」オブスキュア・パンクって言葉が音楽用語で出てくるけど、「闇のパンク」って捉えればいいのかな。CITES=CITY とすれば「闇の街々」だけど、この世界には多くの個性的な都市国家が広大な大陸に点在しているのだ。初期ドラクエのマップのような感覚で、本の冒頭にこの架空世界の大陸地図が描かれている。そこでバラバラに事件は起こる…。飛行船で極北まで旅する少年の物語「アルミリアへの道」、砂や石にまつわる超常現象が街を混乱に陥れる「砂粒の理論」、どれも読み応えタップリ、贅沢な時間に浸れた。
「砂粒の理論」の舞台はブリュゼルという架空の都市だが、これがブリュッセルをモデルにしているのは間違いない。ベルギーの首都であり EU 本部のある都市に、作家たちは住んでいる…バンドデシネはフランスのものと言ったけど、ベルギーもフランス語文化圏に(半分は)入るのだ。娘ヒヨコの友人ミユちゃんは、この前までお父さんの仕事でロンドンで暮らしていたけど、今年からはブリュッセルに引っ越しだそうだ。ヨーロッパの中心からは、どんな風景が見えるのだろう?

岡倉徹志「サウジアラビア現代史」

岡倉徹志「サウジアラビア現代史」
●娘ヒヨコに社会の勉強を教えてあげてた…日本には天皇がいて、その上で民主主義が備わってる。それを「立憲君主制」というんだーイギリスもベルギーもノルウェーもタイにも王室があって立憲君主制を採っているーなんて話をしてて。そこでヒヨコに質問された。「立憲じゃない君主制ってあるの?」…あー?むむむ。あるぞ。中東だ。あそこには国王親政という国がある。その代表格がサウジアラビアだ。でも国王親政って具体的にどんななのよ?わかんないよ?ということで駒場東大前駅の近くにある古本屋さんでこの本を買い、勉強する。
サウジアラビアは、文字通り「サウード家の」アラビアなのである。砂漠の部族だったサウード家が20世紀初頭にオスマントルコを破って打ち立てた国家だ。イスラム教の聖地メッカ&メジナのある紅海沿岸地域でもなく、産油地帯として莫大な富を生んだペルシャ湾岸でもなく、一番苛烈な砂漠地帯のど真ん中からのし上がった実にワイルドな一族。彼らが唱える「砂漠の民主主義」は、族長=国王が国民に面会する時間を設けて、陳情や裁定をその場で仕切るという方法。これは2001年の911テロ直前に書かれた本だけど、その段階まで基本原則はそのスタイルが通底する制度で国が動かされており、憲法のような系統だった法体系もない…コーランこそが最高の法律。選挙も議会もない。60年代まで奴隷制度まであった。すげー。
●こうした国に対して、産油国としての重要な戦略性、イスラエルを中心とした中東戦争、イランイラク戦争、湾岸戦争、そして対テロ戦争を共闘協調するために、アメリカは親密な関係を維持。うーん、広い視点で見れば、いわゆる西欧型民主主義のない国がこの辺にはゴロゴロしてて、国王ないし独裁者がたくさんいた、または今もいるってわけだ。チュニジア、リビア、エジプトで政権転覆が起こった「アラブの春」2010年〜は、こうした土壌に対する異議申し立ての民主化要求だったわけだ。なるほど納得。しかしそこからシリアで激しい内戦が起こって「イスラム国」のようなテロリストがメチャクチャをするのも困ったものだ。若い学生さんとメシ食った時に言われた…「ナントカの春」ってヤツは、どれも最後はヒドイ事になってます。プラハの春もそうですから。なるほどー。



●おでんとソウルは相性がいいのか?

しずおか屋

下北沢・EXCELLO しずおか屋:世田谷区北沢2丁目6−6 澤田ビル 2F
●かなり前から気になってたお店。静岡県風のおでん屋さんなのだ。静岡県は特殊なおでん文化があって、ハンペンが黒いとか、いろいろ気になるコトがある。それに加えて看板に「SOUL × おでん」と書いてあるのだ。なんとソウルミュージックにコダワリありで、CDやLPも売ってるらしいのだ。「SOUL × おでん」…なんじゃそりゃ?相性がいいのか「SOUL × おでん」は?…と思いながら数年このお店を眺めてるだけだった…だってボクお酒飲めないんで一人じゃ行けないし、ワイフはおでんが嫌いという特異体質で。おまけに営業時間が遅い。昼間はやってない。この写真はお正月に撮影したから営業してないので真っ暗。結果、縁がなかったのです。
●ただ、先日、このお店に付き合ってくれる友人がおりまして。わおーうれしい!二人でこのお店に入りました…なんかパッと見の印象はごく普通の居酒屋、でもよく壁に目を凝らすと、すげえ大昔のソウルミュージックのコンサートのポスターとか、貴重なドーナツ盤とかが貼ってある。LITTLE STEVIE WONDER のポスターとか、シャネルズのポスターとか、CURTIS MAYFIELD のポスターとか。すげえ。もちろんBGMもソウルミュージック。オールディーズって感じな気分でプレイされてる。
●一方気になるおでんの方は、自分で好きなモノをセルフサービスでピックアップして、串の本数でカウントする方式みたい。すでにクローズ時間が近かったのでおでんはちょっとしか残ってなかった…でもありましたよ、見慣れないユニークなおでんが。黒はんぺんでしょ。あと、しのだ巻きってのがあった。牛すじも美味しかった。ツユが毒毒しいほど黒い。そんで、青のりと削り節を振りかけて食べる。うまい!そんで安い!
レコードとCDはお店の一角に置いてあった。全部で300枚程度かなあ。これも値ごろな感じで気楽に買える設定。その中でも特に買いやすい500円コーナーから3枚ほど買わせてもらいました!



そんな、真っ黒いおでんのツユに浸かってたような、コクのあるソウルミュージックを聴く。

THE 8TH DAY「THE BEST OF THE 8TH DAY」

THE 8TH DAY「THE BEST OF THE 8TH DAY」1969〜1974年
●きたー!と思ったね。いきなり THE 8TH DAY かよ、しかも500円という廉価で。ソウルミュージックにハマり始めたばかりの頃の20歳代前半は、自分の生まれた1973年近辺の音楽を聴きまくってた。この時代はスゴイ。SLY & THE FAMILY STONE、MARVIN GAYE、CURTIS MAYFIELD、FUNKADELIC などなどが大活躍。ニューソウルとファンクの時代。その流れでこのバンドも掘り当てた。THE 8TH DAY。神様が世界を作って一休みした日からもう1日経ったタイミング。これ見つけた時は嬉しかったなー。ソウルの暑苦しさ、スパイシーな香ばしさ、人懐こいカワいらしさが詰め込まれてる宝石のように思えた。まだジャケ買いに慣れてない手探り状態から自分で見つけた!って手応えに感動したね。
●そんな懐かしさに加えて、後から加わった知識がコレをさらに価値あるモノにする。このバンドは INVICTUS RECORDS というデトロイトのレーベルからリリースされた。デトロイトのソウルといえば、まずは MOTOWN だ。このテッパンの名門レーベルから、三人の辣腕プロデューサーが独立して立ち上げたレーベルが、この INVICTUSこの三人もソウル史では忘れられない存在。EDDIE HOLLAND、LAMONT DOZIER、BRIAN HOLLAND。彼らのチームは、HOLLAND, DOZIER, HOLLAND、またはさらに略して、H-D-H と呼ばれてる。バンドの中心人物は H-D-H の独立とともに一緒についてきた若きベーシスト TONY NEWTON という男。彼が黒人白人混合バンドを組織して(ここが SLY STONE に似てる)、この力強いグルーヴをはじき出した。MOTOWN 風のファンクにロックの風味も加わっている。実に楽しい。

VARIOUS ARTISTS「INVICTUS CLUB CLASSICS」

VARIOUS ARTISTS「INVICTUS CLUB CLASSICS」1969〜1974年
INVICTUS RECORDS の生み出した熱いダンスナンバーをコンパイルしたアルバム。結局は1968年から1977年と短命に終わったレーベルの、一番いい時代をくり抜いてる。H-D-H の真ん中の LAMONT DOZIER は1973年には脱退してレーベルを離れてしまうからね。残りの HOLLAND 二人(兄弟)はこらえて頑張ったけど、結局10年は持たなかったんだわな。
その濃密な日々に、濃密なアーティストが集まって濃ゆいソウル/ファンクを鳴らしていった。看板シンガーになったキラキラ女性ボーカリスト FREDA PAYNE、英国白人女性シンガー RUTH COPELANDMOTOWN で言えば NORMAN WHITFIELD に対応するサイケデリックファンク CHAIRMEN OF THE BOARD。このユニットからソロとして活動した HARRISON KENNEDYTHE SUPREMES 風の三人娘 HONEY CONE。80年代にヒットする三人姉妹 THE JONES GIRLS も下積み時代はココにいた。あ、GEORGE CLINTONPERLIAMENT もファーストアルバムは INVICTUS からリリースしてたんだ。THE JUST BROTHERS ってのは正体不明だけど、FATBOY SLIM「ROCKEFELLER SKANK」のサンプルネタ。他にも気になるファンクバンドがいっぱい。THE POLITICIANS、THE SILENT MAJORITY、THE SMITH CONNECTION、SATISFACTION UNLIMITED、もちろん THE 8TH DAY もいる。姉妹レーベル HOT WAX RECORDS の音源も収録されてるぞ。
●あ、このコンピは別のところで買ったCDです。別途他にも買い物はしたのですが、別の機会に。これまたよかったなあー。




●動画は、いつも通り、続きを見る、の中につけました。

●THE 8TH DAY「YOU'VE GOT TO CRAWL BEFORE YOU WALK」。




●HONEY CONE「WANT ADS」。




●RUTH COPELAND「THE MUSIC BOX」。
●感極まってオイオイ泣き出しちゃうのがスゴくエモーショナル。ボクも嬉し泣きしたくなっちゃう。



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