●ナイロンのダウンジャケットとバックパックが擦れて静電気が起こると。
●それがポケットの中にある iPod 経由でヘッドホンまで伝わり耳の中でパリパリする。
これがけっこう痛い。
●早く来い。春。


●今日は JAMES BLUNT を聴いている。またしてもシンガーソングライターものだ。

JAMES BLUNT「ALL THE LOST SOULS」

JAMES BLUNT「ALL THE LOST SOULS」2007年
●先日のブログ記事では、ELLIOTT SMITH を取り上げた…同じシンガーソングライターってだけで、この JAMES BLUNT とは縁がないと思ってた。ELLIOTT が自殺したのは2003年で、JAMES がデビューしたのは2004年だ。時代もカブってない。ELLIOTT はアメリカ人で、JAMES はイギリス人。楽曲のスタイルも違う。甘い高音でドラマチックなメロディを躍動感あふれるアレンジで伝える JAMES の方が圧倒的にポップだ。ELLIOTT の音楽は冷えた場所で自分を見つめるような気分にさせるが、JAMES の音楽は温かい場所で誰か大切な人を想うような気持ちにさせる。これは優劣の問題ではなく、作家がどこを目指しているか、という問題ってだけなんだけどね。
ただ、二人のシンガーの間には、薄ーい縁があった。プロデューサーが同一人物だったのだ。ELLIOTT のパートナーをいくつかのアルバムで手がけた TOM ROTHROCK が、JAMES のブレイク作「BACK TO BEDRUM」2004年とこのセカンドアルバムでプロデューサーを務めていたTOM ROTHROCK BECK の大ブレイクシングル「LOSER」とアルバム「MELLOW GOLD」に関わり、そして ELLIOTT SMITH との仕事で名を挙げた人物。そして次に長く支えていくアーティストに選んだのが JAMES BLUNT というわけだ。一枚目、二枚目に関わり、そして四枚目にも関わっている。その他にも FOO FIGHTERS、BADLY DROWN BOY、ATHLETE、GWEN STEFANI などなど英米の区別なく多くのアーティストを仕事をして、映画音楽も手がけたりしてる。

●さて、JAMES BLUNT。ファースト「BACK TO BEDRUM」傑作すぎて、もう聴く気がなくなるほどだった。あの一枚目に収録されてた「YOU'RE BEAUTIFUL」「HIGH」も傑作すぎたし、CMとかでもかかりまくったし、もうオナカイッパイだった。で、関心も失せたってわけだが、それはボクだけじゃなかったみたい。本国でもヒットしすぎてむしろバッシングまであったっぽい。彼は軍人一家に生まれて自分も兵役に就いている。コソボ紛争NATO軍として関わったりして、その後の2002年に除隊してから本格的に音楽活動を開始した。そんであっという間の大ブレイク。素晴らしい才能の成果だけど、一番面食らったのはきっと本人自身だろう。バッシングされるまでのブレイクぶりってどんなもんだよって。
●で、このセカンドを作るのに3年の時間をかけている。しばらく地中海のイビザ島にたった一人こもって曲作りをしてたりもしたらしい。そうやって世間の喧騒を回避して、自分のペースを取り戻す。それが彼のやり方だった。結果ここで鳴っている音楽は、実直なバラードポップスだよ。「SAME MISTAKE」とか「CARRY YOU HOME」とか。「I REALLY WANT YOU」も抑制されたトーンに込めた感情の昂りを表現した、実に技アリな楽曲だと思う。丁寧に聴くと味が滲み出るというところか。ELLIOTT SMITH の時に引き合いに出した映画「ONCE ダブリンの街角で」に登場した路上シンガーは、JAMES BLUNT の音楽の方に近い気がするな。

JAMES BLUNT「SOME KIND OF TROUBLE」

JAMES BLUNT「SOME KIND OF TROUBLE」2007年
●またまた前作から3年明けての3枚目。一旦 TOM ROTHROCK から離れて外部プロデューサーを複数入れた結果、バラエティ感あふれるスタイルになった。打ち込みビートやシンセアレンジまでが導入されてる。「DANGEROUS」のスムースなベースワークとスコパコ鳴るリズムボックスが意外な不意打ちになる。ただあくまで味付け程度のサジ加減で。結局はファルセットが印象的な美メロが明るい、地に足がついてる落ち着いたポップス。「SO FAR GONE」のキラキラなピアノポップスぶりとか、前向きなファルセットのサビが印象的な「SUPERSTAR」とか、好きになれる曲がある。

●しかし、ぶっちゃけこの二枚には、ファーストアルバムのメガヒット「YOU'RE BEAUTIFUL」「HIGH」ほどのイイ曲はなかった。コレって、アーティストさんにとっては、ツライね。過去の自分が最大のライバルだなんて。

DANIEL POWTER「UNDER THE RADER」

DANIEL POWTER「UNDER THE RADER」2008年
●こちらはカナダ人のシンガーソングライター。音楽の気分、世代、登場のタイミングが、なんとなく JAMES BLUNT とかぶる存在。彼はピアノマンだが、ファルセットを駆使したポップスの感覚が JAMES と同質。生まれた年も彼が1971年、JAMES が1974年、ボクが1973年と、同世代の親近感を感じてしまう。そんで、JAMES にちょっぴり遅れた2005年のシングル「BAD DAY」が世界中でじわじわヒット。2006年のファーストアルバム「DANIEL POWTER」でブレイクするってのも JAMES と似たパターン。そんで、このタイミングの大ヒットで「一発屋」のイメージがついてしまう。それもやや JAMES と同じ境遇ですわな。
●で、この人も売れないミュージシャンから一躍世界中を連れ回される身分への立場激変にコンガラがり、アルコールとドラッグで身を持ち崩しそうになる。もう一曲も書けないよーみたいな状況に追い込まれる。そこをこのセカンドアルバムのプロデューサーとなる LINDA PERRY に激励されて復活。彼女は 4 NON BLONDES という90年代バンドの女性フロントマン。ちなみにミキサーは TCHAD BLAKE。そんで前作のプロデューサーは MITCHELL FROOM だったそうな。彼らは2人組で動いたりもするクセモノコンビなのでちょっと注目。
●ピアノ基調にストリングスアレンジ、そしてこれは LINDA PERRY の影響だろうか? 4 NON BLONDES 風の爽やかなギターが彩りを添えている。気持ちよくて聴き心地もいいよ。でも…それだけかな。ボーナストラックで大ヒット曲「BAD DAY」のフランスでのライブが収録されてる。でもそれを聴いてもピンとこなかった。「BAD DAY」は確かに世界的にヒットしたけど、そんで日本でもヒットしたけど、残念、ボク自身にはヒットしてなかった。
●その後の彼は、欧米のメジャー契約がなくなって日本のエイベックスと契約。最近では MAY J. のフィーチャリングをやったり、L'Arc-en-Ciel のトリビュートアルバムに参加したりしてる。「BIG IN JAPAN(日本でだけ有名)」という言葉があるが、日本だけだけどソコでも有名でもない、って境遇になっちゃったみたいね。


●動画はこっから続きの中に。

●JAMES BLUNT「SAME MISTAKE」




●JAMES BLUNT「DANDEROUS」




●JAMES BLUNT「YOU'RE BEAUTIFUL」/このザ・ガマン的展開が軍人上がりの根性なのか?




●JAMES BLUNT「HIGH」/このMVの蛍光灯の演出も好き。




●DANIEL POWTER「BAD DAY」



●DANIEL POWTER「BEST OF ME」





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