ボクは一応、職場じゃプロジェクトのリーダーやってまして。
●納品物の品質管理からコスト管理、各社との受注/発注も調整する。納品は毎週だからクオリティの維持はカッチリ締める。毎週複数のミーティングで主導的立場を担わないといけない。アレコレで数十人の人間が関わってる仕事だし、その全員と日常的に顔をあわせるわけでもないが、それぞれの進行には目を配る必要がある。その中には、ボクから見たら年上の人もいるし、キャリアが長い人もたくさんいる。
●けどね、なんか最近、そのベテランさんの仕事の杜撰さがひどい。勝手な自己判断だったり、手抜きだったり、コスト感覚の欠如だったり。新しい仕事に対する勉強不足も酷すぎる。もう、目に余る。それを見ている若い世代が呆れかえってたり、辞めたいと言い出したり。そんな時、周りの人が言いづらい事を言わなきゃいけないのがボクの立場。結局こういう人たちに厳しい言葉を浴びせるのもボクの仕事の一部だ。今週はいきなり週のドアタマからそんな事案がいきなりドカドカあって、本当に不愉快。そして疲れる。モーレツに疲れる。当たり前でしょ、年上のベテランさんにボクが「仕事マジメにやってくださいよ!一体これで何をお任せできるんですか?」「これおカネ辻褄あってるんですか知らないですよ!」とギャーギャー言うのが、気持ちいいわけがない。……実際、ボクは普段からそういうことを言うタイプではないので、今週のブチ切れぶりには先方もかなりビックリしたようだったけど。
●バブル経済破綻からリーマンショックを経て、この15年間ウチの会社の採用数は激減し、代わりに非正規雇用や待遇の違うグループ企業のスタッフが増えた。人口ピラミッドが完全に逆三角形。ボクより上はタップリいるが、ボクより下は全然いない(幸いなことに2〜3歳幅の同世代はたまたま多い)。で、いろいろなところで会社内外問わず、ガッカリするようなベテランさんに会う。よくぞフリーの立場でこんないい加減な仕事してられるよな、みたいな人には早々退場してもらったりもしたし、これからだってサヨウナラさせてもらう。若い人の方が健全だわ…それが未熟でも新しい感覚を提案してくれるし、モチベーションも高い。でも、契約上の立場はバイトみたいなもんだったりもして。委託先の派遣社員だからね、もうボクの範疇じゃないのよね。待遇良くしてあげたいよ。とかいって、あーごめん、ボクのプロジェクトじゃ予算パツンパツンでやっぱりギャラ積み増せないわ、ガクッ。「おれこのまま今の仕事続けても先が見えないんで、辞めて春から自衛隊に入ろうと思ってるんですよ」と真顔で相談された時は、ホント返す言葉がなかったわ。自衛隊だってほんの数年しか在籍していられない立場だというし、その後のキャリアが何につながるのか微妙なのに、それよりもこの職業の方が先行き不透明なわけなんだ…。
ということで、今週のボクは激しく苛立っていた。ピリピリ!



●そんな感情に、形を与えることで昇華をする行為を、無意識にしてたのか。
●今週は、00年代の、エモを中心に音楽を聴いてた。パンクのフォーマットにエモーショナルな表現。ガーッと上がる感情が、いつの間にか前向きなパワーに変わってく、そんな音楽たち。

MIDTOWN「LIVING WELL IS THE BEST REVENGE」

MIDTOWN「LIVING WELL IS THE BEST REVENGE」2002年
エモいヤツ、いっぱい下さい。もう自分の中の燃料がエンプティで、モーター駆動できません。エモーショナルなロック、エモで活力を注入。じゃないともう立ってられない。もうそんな気分だった。
●このバンドは、00年代前半に活動してたバンド。出身はニュージャージーだけど、レーベルはカリフォルニアの DRIVE-THRU RECORDSDASHBOARD CONFESSIONALNEW FOUND GLORYTHE STARTING LINE といった、ポップパンクエモのバンドをいっぱい扱ってるトコロ。で、このバンドもマッシブなギターサウンドと疾走感で突っ走る。不安も憂鬱も全部突き抜ける勢いで。4人のメンバーのうちドラマー以外がみんなメインボーカルを張る点、そんなボーカリストたちがコーラスを添えながら織りなすキャッチーなメロディもナイス。
●アイディア一本勝負で押し通すパンク体質だけでは説明できない、曲調やアレンジの多彩さ、ヒネリのある展開、コーラスやメロディの美しさ、などなどが、いかにもエモ体質。バンドのフォーマットやギターのガリッとした感覚はあくまでパンクテイストだけど、そこだけ見たのでは消えてしまう個性がキラリ光るのかエモの特徴。エモコアといえばパンク要素が濃く聞こえるが、この00年代からはエモはハードコアから切り離されて、独立したジャンルになる。そんな時期の一品。

RELIENT K「MMHMM」

RELIENT K「MMHMM」2004年
●こちらはオハイオのバンド。軽く硬く乾いて速い。まさしくポップパンクの要素がしっかり入ってる。でもそれだけでは解決しない、パンクの名前に隠れてしまうには惜しいメロディや展開の妙技、そしてキャッチーなポップネスがこのバンドにも備わっている。2000年にアルバムデビューして脂が一番乗っている時期かも。
●英語のWIKIをみてると「クリスチャンロック」という位置付けになってたりもしてて。なんとこの一つ前のアルバムではグラミー賞で「ベストロックゴスペルアルバム」部門にノミネートされてもいるのだ。つーか「ロックゴスペル」などという部門があるのかグラミーには!しかし、この「クリスチャンロック」ってくくりは、やっぱボクにはよくわかんないな…。このジャンルは幅が広くてクリスチャンメタル、クリスチャンヒップホップ、クリスチャンハードコアもあるとな。歴史も1960年代末まで遡るというし。でもね、イスラム教やキリスト教などなど、宗教全般の問題について、今ボクはISIS日本人人質殺害事件以来ちょっと混乱してしまっていて、ちょっとそこに突っ込む気になれない。

RELIENT K「FIVE SCORE AND SEVEN YEARS AGO」

RELIENT K「FIVE SCORE AND SEVEN YEARS AGO」2007年
●4枚目だった前作「MMHMM」から少しブランクを空けての5枚目のアルバム。軽く硬く乾いて速い、洗練されたパンクのフォーマットを維持しつつも、ドラマチックな展開やハーモニーワークはさらに高度になって、実にポップな内容になってる。ロックの痛快なドライブ感と陽性の開放感が耳と胸を貫いて熱い!通して聴くと、あまりの耳障りの良さに普通に聴き切ってしまうが、一曲一曲には様々な技が仕込まれていて、そこに引っかかり出すとその引き出しの豊富さと鮮やかなポップネスに息を呑むような思いになる。ピアノが軸になるピアノエモもやってるし。このアルバム大好き!もっと聴かれてほしいバンドだなあ。

I HATE KATE「EMBRACE THE CURSE」

I HATE KATE「EMBRACE THE CURSE」2007年
●このバンドは、90年代末〜00年代に活躍してたポップパンクバンド ZEBRAHEAD のフロントマン JUSTIN MAUIRIELLO 人気絶頂を迎えてた時期にわざわざ飛び出して作った新バンド。ハードコアパンクからラップコア、スカコアまでをカバーしてた ZEBRAHEAD の印象からガラリと変わって、真摯にメロディへ向き合ったエモいロックを追求するシリアスなバンドになってしまった。ファストなビートとソリッドなギターという意味では十分にポップパンクとしてのカタルシスも得られるだろうが、なんだかもっと丁寧に整えられたサウンドはぐっと耳に馴染みやすい。ファストにこだわらずミドルテンポにも挑戦。ちなみにバンド名 I HATE KATE はタダの語呂合わせだったのだろうけど、ケイトさんという一般女性からマジでフザケンナ的なクレームを受け取った結果、今は DARLING THIEVES と改名されてる。あ、ちなみに、彼らの出身はカリフォルニア州オレンジカウンティ。00年代のエモ勢力は全米を席巻しており、バンドの分布は国内全土に及んでいる。

QUIETDRIVE「WHEN ALL THATS LEFT IS YOU」

QUIETDRIVE「WHEN ALL THAT'S LEFT IS YOU」2006年
●こいつらは北部カナダ国境に面したミネソタ州出身のバンド。疾走感と焦燥感で胸が熱くなるファスト&ラウドなパンクロック。そこにエモーショナルなボーカルが乗る。ガツンと気持ちをアッパーに持って行ってくれる上昇力、困難に負けない不屈の精神を奮い立たせてくれるパワー。エモとして重要な要素がしっかり備わっていて頼もしい。CYNDI LAUPER の名曲「TIME AFTER TIME」のエモカバーなんかもやっちゃってる。
●このアルバムだけでメジャー契約が終わり、インディでもう一枚アルバム出した以降は活動が低迷気味。なんとクラウドファウンディング KICKSTARTER で出資を募ってアルバムを自主制作したりしてる。

MOTION CITY SOUNDTRACK「COMMIT THIS TO MEMORY」

MOTION CITY SOUNDTRACK「COMMIT THIS TO MEMORY」2005年
●前述 QUIETDRIVE と同じミネソタの中心都市ミネアポリス出身のバンド。パンクの名門インディ EPITAPH からリリースしたこのセカンドアルバムで全国区の人気を獲得。エモバンドとしてダイナミックなメロディを、ソリッドなギターサウンドで炸裂させる。隠し味にムーグシンセサイザーを使ってるのもこのバンドの特徴らしいが、このアルバムではその存在感はあまり感じられないかな。楽曲の痛快さは他のバンドに引けを取らない確実さ。
●プロデューサーはポップパンクでの人気バンド BLINK-182 のベーシスト MIKE HOPPUS が担当。この男は NEW FOUND GLORY のような直球パンクから、先日このブログで触れたエレポップユニット OWL CITY まで手がける広い芸風の持ち主。一曲でボーカル参加もしている。

WAKING ASHLAND「COMPOSURE」

WAKING ASHLAND「COMPOSURE」2005年
●今日は2005年あたりを軸にした、エモ系音楽をどんどん紹介してる。エモシーンの源流は80年代まで遡るし、90年代にも重要バンドがたくさんある。でもエモが一番大衆受けしてたのはこの2005年前後だと思う。エモはファッション化し、若者のライフスタイルとして定着し、音楽表現も拡散し始めていた。このバンドは2003年に西海岸サンディエゴで結成、自主制作でリリースした最初のシングルがネット経由でブレイクしてあっという間にこのファーストアルバムに結実する。パンクフォーマットにとらわれないピアノの大々的導入が、エモも成熟したもんだ、みたいな印象を感じさせる。そのキャッチーさは「10年に一度の逸材」などともてはやされたようだが、さすがにちょっと甘口すぎるかな…。この後2007年にセカンドをリリースするもその直後に解散する。

THE GET UP KIDS「ON A WIRE」

THE GET UP KIDS「ON A WIRE」2002年
エモシーンを大きなムーブメントに盛り上げた大立役者バンド!彼らがいなければ、エモはいつまでもハードコアパンクのサブジャンルに過ぎない存在のままだった。彼らがいなければ、ボクはエモという音楽を察知することもできなかった。アメリカのど真ん中、カンザス州カンザスシティ出身の彼らは、1997年にファーストアルバム、1999年にセカンドを発表。奇妙な貧弱さと繊細さ、そしてメロディ本位のアレンジを打ち出して、パンクの一亜種としてエモコアと呼ばれてた音楽を、ハードコア文脈から切り離すことに成功。「エモではあるがコアではない」新ジャンル「エモ」を世間に知らしめることになるのだ。
●で、ボクはリアルタイムでこの動きを察知し、彼らのCDを買って聴いてるんだけど……実は当時の段階で理解できなかった!なんか中途半端だなぁ、何がしたいの?メロディとかにコダワってるってある意味反動だよね、もっと逸脱した表現に突き抜けていけないの?…みたいな受け止め方をしちゃった。ノイズとかポストロックとかエレクトロニカとか、90年代後半って過激な実験が進みすぎちゃってる気配もあって、音楽マニアしか楽しみようがないイカれた音楽が奇妙に支持されちゃってた場面があったのです。で、ボクはそんなイカれた音楽を好むタイプだったから、彼らの繊細なポップネスはダメだと思ってた。
●ただし、90年代が終わり、911テロが起こり、アフガン/イラクでの戦争とともに21世紀が始まってみると、ヒネくれた実験性よりも実直なポップネスをキチンと見定める、若いアーティストが次々と現れるようになった…エモ以外の領域でもね。不安定な時代がシッカリ根を下ろした表現を求めたと思うのですよ。その状況を織り込んで、ちょっと苦手意識のあったこのバンドの音楽を見つめ直してみると、なるほど確かな価値がキチンと見えてくる。まーそれでもこのアルバムは、彼らのキャリアの中でもパンクから一番遠くに離れたラフさが目立つ作品で、なかなか掴みづらいモノでもあるんだけど。やっぱこの作風の変化とかとかアレコレが彼ら自身にも結構負担だったのか、この2005年に一回解散しちゃうんだけどね。終盤の「CONVERSATION」という曲のゴリっとしたロックチューンとサイケ風味の入り混じったテイストだけは、ボクは大好きですよ。

JIMMY EAT WORLD「CHASE THE LIGHT」

JIMMY EAT WORLD「CHASE THE LIGHT」2007年
00年代エモシーンで最も影響力を持ったバンドが、この JIMMY EAT WORLD だったのだろうと、ボクは思っている。このバンドが繰り出した1999年「CLARITY」と2001年「BLEED AMERICAN」の二枚はロック史全体に残る大名譜。バンドの出発時期でいえば THE GET UP KIDS と同世代で、エモシーンは彼らの動向で成長してきた。でも本当のブレイクスルーは前述の二枚のアルバムの商業的成功で、結果的にそれがエモを全国区、いや全世界に知らしめることになる。
●で、その大成功を受けての2004年「FUTURES」は、ボクの中では不発気味でちょいとガッカリだったんだけど、そこからちょっと時間を空けての今作は、彼らが持つ天真爛漫な陽性のピュアネスと、パンクフォーマットへの硬い信頼感、そして小細工ナシのダイナミックかつキャッチーなメロディセンスが炸裂していてとても気持ちがイイ。これもまた傑作。
JIMMY EAT WORLD に先行する90年代のエモバンドには、SUNNYDAY REAL ESTATE がいる(以前彼らについて記事を書いています)。JIMMY EAT WORLD は彼らと彼らが1994〜2000に残した4枚のアルバムを模範にしながら音楽を作っていったという。ただ SUNNYDAY REAL ESTATE90年代オルタナが抱き続けた歪んだ闇を手放さなかったし、それが故に90年代のうちにその役目を終えてしまった。彼らの作品も間違いなく90年代を代表する傑作なのだが、JIMMY EAT WORLDそれを裏返す圧倒的な明るさで独自の道を切り開いた。その姿勢は、このアルバムにも一貫してる。

WEEZER「MALADROIT」

WEEZER「MALADROIT」2002年
エモの源流をさらに遡れば、80年代のハードコアパンクシーン、特にワシントンDCのシーンにまで至る。ここでヤケクソのハードコアを鳴らしていたバンド MINOR THREAT のカリスマ IAN MCKAYE が、後継バンド FUGAZI においてもっとエモーショナルな表現を切り開こうと挑戦したのが元祖と言われている。ここから、エモーショナルなハードコアパンクというジャンルが80年代に出来上がる。略称エモコア。BOB MOULD のバンド HUSKER DU そしてその後継バンド SUGAR とかも十分にエモーショナルだと思う。これが90年代グランジ/オルタナティブロックの時代に突入することで、全米各地のパンクバンドが様々なアプローチでメロディックな楽曲を作るようになる。メロコアという言葉もあったよね。そんな気分から SUNNYDAY REAL ESTATE は登場したし、ちょっと遅れて、THE GET UP KIDSJIMMY EAT WORLD が登場。そして00年代を迎えることとなる。
一方で、別の流れの潮流が、エモをさらに補強している。90年代にあったパワーポップの流れだ。ハードコアとは別の文脈で、ラウドなロックを鳴らしていたバンドは多かったし、その中でキャッチーなメロディ志向のバンドも数多くあった。特にこのバンド WEEZER はデビュー盤からその泣き虫なメロディでブレイク。ロックバンドらしからぬオタクっぽい風貌も含めて独特の立場を作った。彼らの存在が、エモというシーンに多様性のある豊かさを供給した。マッチョなハードコア文脈から逸脱してもエモは成立すると証明したからだ。
●結果的にこのアルバムは彼ら WEEZER にとっては大分ハードなサウンドに振り切った内容になってる。1994年デビューで予想外の大ブレイク、その反動からの内省的テーマの1996年セカンドでの失敗。そこから紆余曲折でバンド活動の実質休止まで追い詰められた時期もあった。でもこの段階のバンドはラウドでソリッドなギターサウンドに固く武装してる。その堂々とした姿勢がなんとも雄々しい。そしてその分厚いサウンドでチャーミングなメロディを包んでいる。ちょっとセンチなヤツもあって、従来の WEEZER らしさも残ってはいるが、どちらかといえばヘヴィネスに突き抜けた新しい彼らの姿勢に惹かれる。パワフルで、エモーショナル。 シングル「DOPE NOSE」のプロモなんて最高!昭和日本のヤンキールック暴走族が改造バイクで爆走しまくってる。

WEEZER「WEEZER (THE GREEN ALBUM)」

WEEZER「WEEZER (THE GREEN ALBUM)」2001年
●失意のセカンド「PINKERTON」1996年以降の活動休止から5年のブランクをおいての復活作。このアルバムを受けて前述の「MALADROIT」へとつながる中継的存在の三枚目。ソリッドなギターサウンドと痛快なメロディは健在。初期 WEEZER に影響を受けたエモ世代がいつのまにかに大きく成長して、停滞していた彼らの復活を暖かく迎えてくれた。突き抜け具合では、次作「MALADROIT」に譲るが、パワーポップとしては優秀な一枚。

SCOTT MURPHY「BALANCE」

SCOTT MURPHY「BALANCE」2009年
ALLISTER というバンドとソロ名義で日本語ポップスやアニソン、アイドルソングまでをカバーしてきた親日ポップパンクロッカー。その日本語の達者具合に、登場の瞬間は誰もが驚いたはず。そんな彼が初めて全曲オリジナル(つまり同時に英語詞でもある)で勝負したアルバム。一曲日本語詞オリジナルもある…あいかわらず日本語達者だなあ。
●ジェイポップカバーという枠を超えて、直球の本心をぶち込んだ彼の楽曲は、やっぱり起伏の激しいエモーショナル表現で楽しい。彼自身のスウィートなボーカルも心地よい。とはいえ、パワーポップでありエモでもある以前に、もう完全にジェイポップ的ロックにもなっちゃってる感じもある。これって録音の仕方?最後の仕上げ方?音の粒だちがきめ細やかで日本のロックっぽい。渦巻くギターのエフェクトも丁寧でかっちりとゴリゴリしている。
「ドラえもんのうた」などなどで名を挙げた彼から連想するに…。エモって拡大解釈していくと、そのエモーショナルな展開テクでいえばアニソンですら十分なエモになりうるのよね。短い尺(2分ないはず)のオープニングで視聴者のハードを一瞬でワシ掴みにする必要があるのだから、そのギミックの密度感たるや半端じゃないと思う。
●ちなみに、ここであえて SCOTT MURPHY を記事に加えてみたのは、WEEZER の音楽的頭脳 RIVERS CUOMO とユニット・スコットとリバースを結成して、日本語オリジナル楽曲に挑戦しているからだ。ボクが聴いているのは「HOMELY GIRL」という曲。RIVERS CUOMOSCOTT MURPHY も見事な日本語で歌っててスゲえ。あー今検索して知ったけど、RIVERS CUOMO の奧さんは日本人なのね。このプロジェクトでのアルバムリリースにふたりは4年かけたというよ。マジだね。



蛇足。「スコット・ピルグリム」シリーズ。
ボクはこれで、エモがなんたるか、やっと理解できた。カナダ人が描いたマンガで映画化もされたヤツ。

ブライアン・リー・マオリー「スコット・ピルグリム VS ザ・ワールド」

ブライアン・リー・オマリー「スコット・ピルグリム VS ザ・ワールド」
ブライアン・リー・オマリー「スコット・ピルグリム & インフィニット・サッドネス」
ブライアン・リー・オマリー「スコット・ピルグリム VS ザ・ユニバース」
●2010年に公開された映画「スコット・ピルグリム VS 邪悪な元カレ軍団」の原作マンガ。この映画、素朴にバカっぽくて面白そうだなーと思ってたら、渋谷ツタヤで分厚い原作マンガが積んであったのを発見。本筋でいえば、マヌケなダメ男が謎の彼女を射止めるために、その彼女の元カノ軍団(このヘンから既に意味不明)と戦うハメになるという話。先に言えば、映画はストレートにB級感満載の愛くるしいバカ作品。でも原作はチョー楽しい。全3巻とはいえ、一冊のボリュームがデカイから読み応えもタップリ。
●で、ここで描かれている主人公たちの生活ぶりが、もはやこの段階で完全な習俗に定着していたライフスタイルとしての「エモ」だった。髪の毛を無駄に赤だの緑だのスットンキョウな色に染めて、テロテロのTシャツと履きっぱなしのジーンス、いけてるのかよく分からんバンド活動、ゲイの友達との貧乏ルームシェア、プレイステーションのゲームに夢中、ゴスファッション、スケートボード、スターバックスでバイト、ライブハウスが社交の場、将来への展望なし、就職活動興味なし。エモ全盛期には30歳になってたボクには、アメリカの若者のリアリティなんてもうイメージつかなくなってたんだと思う…けど、このマンガで一気にエモ当事者のイメージがフォーカスされた。エモってこんな場所から鳴ってる音楽だったのね!意味が分かったわ。この等身大のチッポケサやこの等身大の恋愛感情がエモの源泉だったのね。この2010年のタイミングから、それまで意味も分からず買ってたエモ系音源を聴き直すようになって、普通に楽しめるようになったわけ。
●彼らのライフスタイルは2015年と時代がもう一周りするような時間経過を経ても、tumblr のタイムラインとかで「#soft grunge」みたいなタグとともに(この「ソフトグランジ」ってキーワードも意味深だけどね。90年代再評価?)、おバカな若者のルードな美意識としてダラダラ流れてきてる。

「スコット・ピルグリム VS 邪悪な元カレ軍団」

●こちらがDVD版「スコット・ピルグリム VS 邪悪な元カレ軍団」ね。
●残念ながら映画はイケテナイ。マンガ原作のタッチが圧倒的に日本人好みのカワイイキャラで、そのイメージを覆すトコにイケテナイ。シャア・アズナブルを実写化できないのと一緒ね。作者ブライアン・リー・オマリーは中国系カナダ人らしく、その意味では日本のマンガタッチと相性がいいのかもしれない。もうね、マンガにでてくる女の子がみんなチャーミングで!単純な輪郭線だけの素朴なキャラ造形なのに、イキイキとしてて惚れそう。戦闘シーンですらカワイイ!
ブライアン・リー・オマリーはあとがきで、執筆時のBGMとかもメモしてて。それがエモだけじゃないからまた面白い。そのヘンの音源もボクの手元にあったりするので、いつか紹介してみたい。



●動画も、「続きを読む」につけました。
●WEEZER「DOPE NOSE」は見て欲しい!この昭和ヤンキーテイストは是非見て欲しい!

●RELIENT K「WHO I AM HATE WHO I'VE BEEN」




●RELIENT K「THE BEST THING」




●JIMMY EAT WORLD「BIG CASINO」




●WEEZER「DOPE NOSE」。この昭和ヤンキーテイストは是非見て欲しい!




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