この前の金曜日は、久々に朝まで飲み明かしてた。
2001〜2011年の10年にわたって同じプロジェクトで日夜一緒に働いていた連中と久々の再会。中にはそれ以前の90年代から一緒にやってたヤツもいた。出会ってから約20年経つくらいの付き合いの長さ。この仲間、いわば戦友だ。1日20時間労働も珍しくなかったほどの激戦部隊の一員として、ボクも仲間もバリバリと地獄のような量の仕事をこなしてた。
それが今では皆バラバラの土地でバラバラのキャリアを積み上げている。北は青森、南は長崎に散らばったメンバーたち。競合他社に移った者も少なくない。年齢もマチマチ…みんな十分に大人になってしまったかも。上は50歳半ば。最弱年世代であるボクらがアラフォーだからね。それでいて、今抱えてる仕事にそれぞれが誇りを持ってることも頼もしいと思えた。「俺は世の中になるための仕事しかしない!そのためにフリーになったんだから!」と叫ぶ先輩。ボクも恥ずかしくて言えなかったセリフを先輩に伝えることもできた…「あの時チャンスを与えてもらったコト、ありがとうございます。あの大仕事はボクにとって最高の思い出です」。懐かしい話に花が咲く。
●あの頃から、みんな立場を変えている。これから大きく立場を変えるヤツもいる。どこまでマジかわからないけど漁師になるって言ってる。まあ、たとえ漁師になったところで、また顔を合わせれば普通に話すことができるだろう。どこにいても、何してても、生きてる限りは、きっと同じだろう。


激しい時代の移り変わりの中で、一つ所に止まっていられないのは事実。ボク自身も会社の所属こそ変えていないが、仕事の中身は一変してしまっている。というか、意図的に変えてきた、とも言える。
●昔の仲間たちに会って、改めて自分のキャリアへのスタンスについて考えさせられた。同じ現場の仲間たちとはいえ、その中には一流のプレイヤーがいれば、出来損ないもいる。ボクはナニをしても不器用で、望まれたフォーマットにカッチリ最適化したアウトプットができないダメプレイヤーだった。先輩たちの要求にいつまでも追いつかないどころか、同期や後輩にすら突き放され、追い抜かれていく有様。とても悔しいと思っていた。この仕事ホント向いてねえなあー、毎日そう思ってた。その苦い苦い記憶が引っ張り出された…。
●だから、チャンスさえあれば、誰もやったことのない仕事を買って出た。その仕事がチームの価値観から見たら蔑まれているモノであっても、評価されないモノであっても、結果失敗に終わったとしても、それがボクにチームの中に居場所を作ってくれた。前に成功例も失敗例もないのだから、他人と比較されることがない。これが一番ボクをストレスフリーにさせてくれた。元来が飽きっぽく新し物好きってコトは間違いないボクの性格に、このスタンスはフィットした。基軸は映像制作なのに、イベント企画運営から書籍出版、商品開発、楽曲制作、そしてオフィス移転事務全般までも担当、そしていつのまにやら、デジタルコンテンツ企画やソーシャルメディア運営までこなせるようになってた。まー一流プレイヤーから見れば本業をガツンと王道勝負できることが大事で、ボクの細かい芸は別に大した価値にはならないんだけど、ボクはボクでこんな姿勢の結果、仕事が全然切れない状態となったわけで。切れな過ぎての過労が高じて、病気になったほどだし。あんときはマジでこのまま失業するかと思ったわ。
流れ流れて、2015年の今はインターネット関連の事業がボクの本業になってる。仲間たちが今だに過酷な最前線任務を続けているのに比べれば、今のボクはだいぶノンビリした立場になった。傷んだ体にもちょうど良い負担だ。その一方で、これは仲間たちと語らってハタと理解したことなんだけど、そんなボクがやってることが、昔の仲間からすると新分野過ぎて、ナゾの最奥部で働いてる特殊部隊のように見えてるらしいのだ。この分野でボクがこの3年で身につけたノウハウや推進してるビジネスは、完全に正体不明。魅力であり脅威でもあり不気味ですらある。中には敵意むき出しの人もいるほどで。あわわー。なるほどねー。そんなつもりはなかったけど、外からみるとそんな感じになってるんだー。


でもさ、ボクはボクで、進化をさらに続けなければならないのですよ。
●2014年度末を迎えて、2015年度が到来する。時が経ち事業が成熟すれば、そこで王道勝負できるプレイヤーが現れる。最初はゼロだったノウハウも周囲のスタッフに拡散共有されていってる。ボクは、未知領域に踏み込んでアレコレ手探りにやってきたけど、あくまで邪道のやり方しかできないから、道筋ができれば、どこかでバトンタッチをしなければならない。そして、次の新領域を探さないと。次はね…何しようかな…?

知的財産管理技能検定

●そこで、「知的財産管理技能士」ってのに目をつけた。一応、これ国家資格なのよ。
●ネット系企業の人と名刺交換してる中で、この資格を名刺に刷り込んでる人に出会った。その時は「いったいなんだろコレ?」って認識だった。これが2年前。そんで去年。facebook友達が一人この試験を受けてることがわかった。ほー。コレってそんなに役立つのかな?で、今年の正月。受験勉強をしてる娘を見てて思った。ボクも勉強して資格を取ろう。なんの役に立つのかわからんけど、とりあえず勉強を始めてみよう。

「知的財産管理技能士」とはなんぞや?
●テキストに書いてあるフレーズをそのまま借用すると、「企業・団体などで知的財産を創造、保護し、また適切に管理・活用することを目的に業務を行う職種のこと」「具体的には創造分野における価値評価、ライセンス戦略の立案、パテントマップ作成といった業務」ってことだそうです。全然ピンとこない?ボクもまだピンとこない。
●さらに具体的に言うと、このテキストの中には、特許法、実用新案法、意匠法、商標法、著作権法、不正競争防止法、知的財産にまつわる条約、その他について色々書いてある。これらの領域はかつて資格者としての弁理士さんが担うモンだったりもしたのだけれども(で、今でもしっかりと弁理士さんの独占業務の領域もあるけど)、このヘンを勉強しておくことで、最先端技術の特許ビジネスやキャラクタービジネス、コンテンツのマルチユースビジネスの法律的ルールがわかるようになる(らしい)。
●実際ボクには、商品開発しようとした時に、商標の問題で希望の商品名を使えなかった経験がある。今でも「ネットにコレ流していいんだっけ」「ネットからコレ引用していいんだっけ」みたいなハテナに度々ぶち当たってる。IPビジネスしてる企業の人たちに会ったり、コンテンツ売買のビジネスにチロッと触ったりしてる。スタートアップベンチャーの起業家が「うちの特許なんですよコレ」って自慢げに言うのも聞いたことがある。これ、まさしく知的財産権の問題だよね。結果として、これボクの今の仕事とすごく相性がいいんじゃないか?これを著作権契約部の人といつもアレコレ相談して問題解決してるけど、体系的に勉強して自分で判断できるくらいになった方がいいんじゃないか?資格の肩書きが直接役立つかどうかはイメージわかないけど、知ってて損しない気がする。つーか、完全にマスターしたら「あー契約とか難しいことはわかんないんで…」と尻込みしてる現状のヘタレ局面を克服して、「この契約じゃあウチは飲めませんねー」とかいってバキバキ自分で裁いてお金儲けできた方がカッコイイんじゃないか?この先、食いっぱぐれない新しいスキルになるかもしれないぞ。

で、実は3月8日(日)にその試験を受けてきたのだ。
「知的財産管理技能検定」で検索すると「知的財産教育協会」なる団体が作ってる公式ホームページがある。ここからネット経由で試験自体にはすぐエントリーできてしまう。ランクは3級から始まり2級1級と続く。基本はプロ的実務経験がない限り3級から受けてひとつづつレベルアップしないといけない。1級になると、「特許専門」「コンテンツ専門」「ブランド専門」と3種類に枝分かれしていく。ボクが目指すべきはたぶん「コンテンツ専門」だと思う。試験は年3回のペースで実施。内容は「学科試験」「実技試験」受験料は3級で11000円と、シャレじゃ受けられない値段になってる(ランクが上がるとさらに高額に)が、それだけ払っておけば真面目に勉強するだろうと思った。スコンとカード引き落としでエントリー。
三冊の参考書、法律を網羅したテキストと「学科」問題集&「実技」問題集を買ってきて、細かくノートしながら内容を頭に叩き込んでいった。当然、法律用語満載なので、日常用語で使われない奇妙な熟語はその前後の文脈も含めて丸暗記するしかない。もう鉛筆をひたすら動かした。それでもよく分からない言葉は片っ端から検索して調べる。特許事務所とか弁護士事務所が一般向けに Q&A みたいなページを作ってくれてる。時には経済産業省文化庁のサイトも見たりして。
●でも無駄に気負う必要も無い。実は「学科」試験は完全にマークシート、「実技」試験もほどんどが「ア〜ウの選択肢の中から選びなさい」「適切と思われるものに◯を記入しなさい」ばっかりで、文字や数字を記入する問題はホンの4問しかない。ま、最低ランクの3級だからね。楽チンに作られている。過去問は、公式サイトからPDFでダウンロードできる。「学科」「実技」ともに問題は30問で、それを45分間で解く。三冊の参考書をこなした後は、2年分の過去問を、45分2セットを連続で解いて本番感覚を身に染み付けておいた。直前週は大きなイベント仕事があったので実はほとんど勉強できなかったのがちと不安だったけどね…。

3級試験東大駒場

試験会場は、東京大学駒場キャンパスだった。
3級&2級は北海道から沖縄まで全国19カ所で受験できる。ちなみに1級は「実技」試験に口述試験まで含まれてるので実施は東京一か所だけだ。協会からメールで受験票が送られてくるので、それをプリントアウトして証明写真を貼り付ける…証明写真なんて久しぶりだよ、アメリカ出張行く時にビザ申請して以来かも。東大駒場キャンパスはわが下北沢から近所なのでラッキーだった。近所はウロウロしてるけど、キャンパスの中に入るのは初めてだったなあ。

3級試験会場

●昼の12時に指定の席に着席しとけという指示だったので、30分前にはスタンバイしておいた。荷物や上着をゆったり置いたり、トイレの場所を確認しておくためには必要な時間だ。実は同じことを中学受験するコドモたちにアドバイスしてた…そのボクが自分の試験で実践しないわけにはいかない。で、周りをキョロキョロして過ごしてた。受験者たちは、性別も年齢も結構バラバラで。50歳くらいのオッさんから大学生の女の子までまんべんなく、という印象。技術に関する特許業務にニーズが傾いているのか、やや理系/エンジニア的な人が多い気がした。20歳代の人たちは就活/転職で資格を武器にするために頑張ってるのかな。
●案内によるとたくさんある校舎の中で5号館と7号館しか使わないというので、こじんまりしてるのかなーと思ったら、そうでもない。この会場だけで、3級受験者1500人弱、2級受験者1000人弱はいた。結構な人数だねえ。短い休憩時間にはトイレに大行列ができてたくらい…こういう時女性は大変。いわゆる大学の教室をそのまま使ってるので、テストをするには快適な空間だった。空調もしっかりしてたから無駄に寒いとかなかったし。一方で「スマホは電源を切って机の上に出しておいてください」などという指示も。スマホ隠してカンニングとか、やろうと思えば当たり前のようにできるもんね。ボールペンは使用不可なので、鉛筆またはシャーペンが必須。ボールペンしか持ってなくて困ったと試験官に相談してる男性に対して、ボクの近くに座ってた若い女の子がカワイイ模様のついた鉛筆を貸してあげてた。よかったね。ボクならお礼がしたいと言ってこの女の子を食事に誘うね…Huluの海外ドラマの見過ぎかな。
●12時から、試験官のおじさん&おねえさんが、解答用紙と問題冊子を配って必要事項の説明をチンタラやってると、実際の「学科」試験開始時間12時15分がやってくる。いざ試験が始まると一瞬で時間は過ぎ去る。30問を45分間で、ってことは、1問1分ペースでやるべしってことだからね。それで残り10分以上を残してもう一回見直しを。それでも、どうしても分かんない問題があって、めちゃ悔しかった。知らない法律用語が出てきたらもう絶対太刀打ちできない。ボクは初っ端第一問目から「冒認出願」という言葉が出てきてメチャキョドった。マジかよ初めて見る言葉だよ意味わかんないよ。わーコレ全然自信ないって問題は、答え合わせの結果、必ずバツがついた。くそー。「学科」と「実技」の間は15分の休憩。で、また15分間の説明があって「実技」試験スタート13時30分。14時15分に終了。駒場東大前駅前のマクドナルドで昼飯食って帰宅した。

翌月曜日には、とっとと公式サイトでテストの正解が発表されてしまう。
自己採点では、学科試験、77点。実技試験、83点。3級試験では合格ラインが正解率70%以上なので、多分合格!ふー、よかった。ギリだよ!30問で70%ってことは9問以上間違えたらアウトってこと。今回ボクは、学科で7問間違えた。マジで危なかった。本当は90%合格したかったのにな。正式な合格通知は4月8日ってことになってる。合格通知がきたら2級試験に即座にエントリーしよう。2級は正解率80%が要求されるので、もっと確度の高い勉強をしておかないと。次の試験は7月だからそんなに時間がたっぷりあるわけでもない。2級のテキストも買ってきたことだし、また勉強を頑張ろう!



●一応、音楽もね。

BOB DYLAN THE GRATEFUL DEAD「DYLAN THE DEAD」

BOB DYLAN & THE GRATEFUL DEAD「DYLAN & THE DEAD」1989年
BOB DYLAN と THE GRATEFUL DEAD がコラボ?これスゴくないか?楽しみ!と思って中古CD屋でまた無駄遣い。でもセールで290円だったからいいか。 で、早速聴いてみる。………ん。あんまし、ピンとこないなあ。同時期の BOB DYLAN のアルバム「OH MERCY」 DANIEL LANOIS プロデュースでもうちょっとピリッときてたような気がするのに……このライブ、全体的にシューっと気が抜けてるような印象を感じる。元来から THE GRATEFUL DEAD のライブは気持ちの良い開放感こそあれど、それがふわーっと輪郭線をトボけさせてるような感じをもたらすのも事実。彼らだけの演奏なら、おそらくその空気感で成立してただろう。実際ギターのインプロビゼーション的ソロプレイは底抜けの開放感で気分がスカーッとする。
●ただ、ここにはあの BOB DYLAN がいるわけで。彼はボーカルスタイルも含め、ガリッとしたザラツキだらけの存在で。そんな存在にはふわふわしてほしくない。カチッとしてほしい。だから、このライブ盤は結果としてなんだか中途半端な感じがする。批評家の評判もよくなかったようだ。BOB 本人も80年代は自信喪失の時期だったらしい。
●でも、何回か聴いてると味の染みてる楽曲も見えてくる。「QUEEN JANE APPROXIMATELY」がいい…そうか、とっても聴き馴染んでる感じがするのはボクが好きなアルバム「HIGHWAY 61 REVISITED」に収録されてるからか。名曲「LIKE A ROLLING STONE」が入ってるアルバムだよ。それと「ALL ALONG THE WATCHTOWER」U2 のカバーバージョンが好き。「RATTLE AND HUM」収録のライブバージョンね。これもスリル溢れるギタープレイがいい。ラストの「KNOCKIN' ON HEAVEN'S DOOR」は名曲過ぎるからしょうがないだろう。独特のレイドバック感がバンドとちゃんとハマってる。



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