ロサンゼルスのコンプトンから2枚の音源。

DR DRE「COMPTON」

DR. DRE「COMPTON」2015年
DRE 師匠15年以上ぶりの新作アルバムが、サブスクリプション音楽配信サービス・APPLE MUSIC & ITUNE STORE のみでエクスクルーシヴに公開された。マジかよ…こんな重要作が、サブスクサービスに加入してないと聴けないなんて。時代が早く進みすぎ!どこでどんな音楽が聴けるのか、アンテナきちんと立てておかないと見失うモノが出てきてしまうよ。
●ロスのダウンタウンを遠くに望む街並みが、悪名高きゲットー、サウスセントラルのコンプトン地区なんでしょうね。そこで80年代後半からサヴァイブしてきたこのド根性ファンクが、15年のブランクを感じさせずにドカドカ鳴っております。

KENDRICK LAMAR「GOOD BOY MAAD CITY」

KENDRICK LAMAR「GOOD KID, M.A.A.D CITY」2013年
●寡作な DR. DRE 師匠がシーンの中で不在を感じさせないのは次々と才能をフックアップしてトップスターに仕上げていくからだろう。最初は SNOOP DOGG、次に EMINEMTHE GAME も彼がフックアップ。そして最近での注目はこの若者でしょう。ロス・コンプトン地区出身でありながらギャングスタに身を崩すことなく、音楽に打ち込んでチャンスをつかんだ男。アルバムタイトルも「狂った街のよい子」だもんね。フックアップされるにあたり、DRE師匠との対面で2時間フリースタイルを続けたという伝説さえある…そのリリックの妙技は高く評価されてる。けど日本人のボクにはわかんない…ただ彼が抑えたトーンのユニークなフロウを得意とすることはわかる。質感はやや違うが Q-TIP と同じ印象を抱いたね。



「AKIBA カルチャーズ ZONE」の続きの話。

「AKIBA カルチャーズZONE」

●前回の記事で紹介した、アイドルグループ・バクステ外神田一丁目が拠点とする常設ステージ「バックステージPASS」はこの建物「AKIBA カルチャーズ ZONE」の最上階にある。実際、マップで確認すると、建物の住所はキチンと外神田一丁目にあった。ふーん、秋葉原って神田の仲間なんだ。
●一方で、この建物の地下一階も、インディアイドル活躍の場所になっている。「AKIBA カルチャーズ劇場」というライブハウスになってるんですね。座りメインのキャパ約300人のハコ。ここでちょっと前にインディアイドルのライブをみた。虹のコンキスタドールというリアルインディなグループだ。

虹のコンキスタドール「にじいろフィロソフィー」

虹のコンキスタドール「にじいろフィロソフィー」2014年
虹のコンキスタドールは、巨大なトラフィックを抱える一大画像投稿SNSサイト「pixiv」によるプロデュースで、「つくれるアイドル」=「つくドル」をコンセプトとしたチームだ。もうそれだけでボクはテンション上がるね、超注目だね。で、出自が「pixiv」とあって、それぞれが声優だったりイラストレーターだったりとクリエイティブな才能を備えた女の子たちによって組織されてる…と思いきや、全員がいまだ10代(一番若い子で中学生)とあってソコまでの実力はまだ備えてない…。ただ、いずれは消費消耗してしまうアイドルという一過性の職能で、その後のキャリアが全部消尽してしまわないために、常にクリエイティブな視点を持って活動に臨め!というのが、運営から彼女たちに課された使命みたいだ。
●で、このシングルが pixiv 本体からリリースされた事実上のデビューシングル。「にじいろフィロソフィー」は平均年齢15歳のローティーン女子が初めての恋愛感情に戸惑って、古代ギリシャの哲学者の名前を歌に盛り込むチャーミングなアイドルソング。「ソクラテスも悩んでいたみたい」「助けてアリストテレス」「プラトントン!」甘いトラックとロリータな歌声をポップスに包んでるけど、ゴツい哲学者の名前が出てきてフックになる。カップリング「LOVE MAKES ME RUN」は、ちょいと EDM のトラックにビターなトーンのボーカルを選んで、やや上から目線で女の子が男の子をピシャッとシメる内容。

虹のコンキスタドール「やるっきゃない!2015 : ブランニューハッピーデイズ」

虹のコンキスタドール「やるっきゃない!2015 / ブランニューハッピーデイズ」2015年
●二曲ともアッパーなアイドルポップスで、しかもアンセムめいたビッグチューンの気配すら漂う力強さがあるんだわ。主要メンバーのラップリレーがあったり、デカイメッセージを繰り出す大サビがあったりと、引っ込み思案でインドア志向のファン&自分自身をひたすら陽性のオーラで鼓舞するリリック。
●昨今のアイドルシーンでは音楽性での差別化、ヘヴィメタやパンク、ディスコ、ギターロックなどなどで個性化を計ってるスタイルでこの飽和状況を突破してるグループが多い。けれども、このグループに関して言えば、完全にロリポップな王道アイドルイメージで押し切ろうとしている。インディながらど真ん中なんだよね。すげえよその覚悟。
●あ、あとね、虹のコンキスタドールのクリエイティブディレクションをしているのは、ライブハウス・ディアステージやDJバー MOGRA でアキバカルチャーを発信し、でんぱ組inc. を見事ブレイクさせたプロデューサー、もふくちゃん aka 福嶋麻衣子さんなんです。

虹のコンキスタドール「1st ワンマンライブ『革命的XXX』2015111 at 新宿 BLAZE」

虹のコンキスタドール「1st ワンマンライブ『革命的XXX』2015.1.11 at 新宿 BLAZE」2015年
虹のコンキスタドールが始動したのはホント最近のコトで、主要メンバーが固まりお披露目されたのが去年8月。そこから「AKIBAカルチャーズ劇場」での月例公演を重ねて、初めてワンマンライブをやったってのが今年の1月ってわけ。(月例公演とワンマンライブの差異って実はわかってないんだけどね。ボクが見たのは5月頃の月例公演@「AKIBAカルチャーズ劇場」。予科性とか二期生も加わって楽曲ごとに歌うメンバーも違ったりするみたいなんだけど、アイドルとしての基礎戦闘能力は意外なほど高い!当然口パクなしの生ボーカル、複雑なフォーメーション転換を交えたダンスパフォーマンス、ローティーンの未熟さは否めなくともそれぞれのキャラ立ちも成長中。むーあなどれない。
●でこのライブDVDも買ってみてしまうわけですよ。特に、8月発売予定のシングルに収録される「トライアングル・ドリーマー」がカッコイイ。初期のライブからキラーチューンに位置付けられてた楽曲のようで、三角形の陣形をメンバーがくるくる入れ替わりながら、サビである「三角形!三角形!三角形の恋は不安定!一瞬で!一瞬で!崩れるバランス!」をファンと共にシンガロング。ロリポップ・サウンドに、キャッチーで耳に残るフレーズが実に憎いほど効果的。
●ということで、しっかりファンになったボクの推しメンは、お姉さん的ポジションのクールビューティ、重松佑佳 aka しげちー、と見せかけて、女の子というより小動物系のカワイらしさがセンターポジションで存在感を放つ根元凪 aka ねもちゃんであります。もう息子ノマドと2歳しか変わらないちゃんには、娘のような思いすら感じるね。


そんな、虹のコンキスタドールがインタラクティブライブを展開。
「BAPA LIVE」@渋谷ヒカリエ 7月20日
●ウェブインタラクティブを駆使した広告表現で世界から評価されているクリエイター集団、バスキュール PARTY が合同で生徒を募り「BAPA」なる学校を組織(とは言っても生徒は30歳前後の現役クリエイターばっか)。4ヶ月の豪華講師陣のレクチャーを受けさせた上でインタラクティブのライブステージを演出させる!そんな試みが行われていたのでした。そのコラボパートナーが、虹のコンキスタドールだった。

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「BAPA」と虹のコンキスタドール。このお見合いはどうなるのだろうか?
●話を聞いた時は、ワクワクもしたが不安も感じた。「BAPA」はウェブ表現では超一流のプレイヤーが揃っているがリアルのステージ演出はさすがに未経験領域虹のコンキスタドール pixiv が運営母体といえどメンバーは若くパフォーマンス能力は未知数。。うまく噛み合うのか?ライブ表現は成功するのだろうか?そんなハラハラすらもが、注目のポイントだった。
●当日の開演前。虹コンのハードコアなファンはあくまで一部。むしろITクリエイティブに関心のあるお客がメインの客層。おそらく虹コンの名前すら初めて聞くであろう人々がほとんどだったろう。一体どんな盛り上がりが生まれるのだろう?…という心配は、しかし、結局杞憂に終わる。スマホを操作したり、エントランスで配られる簡単な装置を使ったりして、お客はグイグイと演出にリードされ、ロリポップな虹コンの世界観にスイスイと入り込んでいく。とにもかくにも虹コンのメンバー自身がインタラクティブなギミックを存分に楽しんでいるのがヒシヒシと伝わり、それがフロアに伝播していくのだ。なんとも幸せな空気感が生み出されていた。新しい表現が、次々と生まれていくその瞬間に立ち会えた。それがなによりも嬉しかった。


音楽業界「アイドルの時代」を嘆く人は多い。実際、粗末な表現も多いしね。でもボクは実は絶望していない。アイドル世界そのものの中にも音楽そのものをイノベーションするキッカケがあるからだ。そこに耳を塞いだら、リスナーとしてもう進化できないだろう。だからこのへんも掘り込んでいきます。なにせボクの音楽の趣味は本当に雑食性なので、聴くのを我慢できないんですわ。



●動画もつけとこ。

●「THE☆有頂天サマー!!」…暑い夏をもっと熱く。前半でセンターにいる子がボクが気になる根元凪ちゃん。小動物系。




●虹のコンキスタドール「トライアングル・ドリーマー」…ボクの見たライブこれだな…口パクじゃないのよ。この距離感じゃごまかしようがないしね。

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