●金曜ロードショーで、ジブリアニメ「おもひでぽろぽろ」が放送されてた。
主人公の27歳OLさんが、自分の小学5年生時代を回想しながら、都会の生活を抜け出し憧れの田舎暮らしにバケーションのつもりが…。って話。ジブリアニメは何度見ても発見があるなあ。「現在と過去の対比」「都会と田舎の対比」が物語の骨格なのに、さすがに経年劣化したのか、今の視点だとお話し全部が「過去と過去」「田舎っぽい都会と田舎っぽい田舎」になってる。それにビビった。これじゃ21世紀の娘ヒヨコには、対比されてるモノの区別がつかんわ。あげく主人公・タエ子の表情にコイツが文句をつける。笑顔にほうれい線を強調する作画に「この人おばさんじゃん!」そういうこと言うなよ…でもこの人実年齢だと幾つなんだろう?計算してみた。そしてビビった。
●ナレーションによると、主人公・タエ子(すでにこの名前でオールドスクール)は昭和41年 → 1966年 に小学5年生=11歳、だから1955年生まれ。OLだった27歳当時は逆算すると1982年。タエ子の東京のアパートにはユーミンの自分編集カセットとかあるんだよね。つまり、彼女はボクより20年近く年長で、そんで今年はもう還暦じゃないか!まじ!ちなみにこのアニメの公開は1991年で、ジブリ(高畑勲)はワザワザ舞台に近過去を選んだ。…へえ、公開の瞬間からノスタルジー要素を入れてたのか。
東京駅特急ホームの風情も民営化以前のスサミッぷり。今ではレアでラグジュアリーな存在となった寝台特急に、むしろヒヨコは興味津々。あーアレには子供の頃のボクもアガッたな。設定である1982年に東北新幹線が開業。山形新幹線が1992年に、秋田新幹線は1997年に開通。東北は徐々に秘境ではなくなっていったのかな。東京の消費圏内に捉え込まれた上での、地方/地域の衰退にはどんな風に対面したんだろう。憧れが生活になるのは簡単な事じゃないだろうしね。



で、2015年夏の unimogroove 家は今年3月に延伸した北陸新幹線で旅をした。

IMG_2384.jpg

●行き先は、石川・富山の県境に接する岐阜県のスミッコ白川村日本で6番目に登録された世界遺産「白川郷」。
●手を合わせて合掌している様子をイメージすることから名付けられた農村建築「合掌造り」。この建物が100軒も集まっているのが村のちょうど中央部にある荻町集落。この「合掌造り」がまとまって見学できるのは、こことここの北に20キロ自動車で移動したところにある五箇山菅沼集落というところだけらしい。
●ここに行きたいと言い出したのは中学二年生の息子ノマド。モロッコの世界遺産都市フェズに行って、その直後に次行きたいところはドコ?と聞いたら「白川郷」の名前を出した…オマエ渋いな。ずいぶん地味だよなーとその時は思ったけど、やっぱホンモノはすごい。来て良かった。

IMG_2468.jpg

ここの集落の素晴らしさは、集落の生活がきちんと息づいていること。
●ボクが今まで訪れた世界遺産の多くは、「遺産」というより「遺跡」というか、文明の痕跡はあれど基本的に機能は停止してました。メキシコのマヤ文明遺跡・チチェン・イツアも、沖縄の首里城/今帰仁城も、奈良の法隆寺/東大寺も、京都の銀閣/清水寺も、広島の厳島神社/原爆ドームも、歴史の重要な節目を担いながら、それを現物記録するに留めている感じで。でも白川郷は全然違うんです。ここには人が生活しているんです。
●集落の中に立ち並ぶ「合掌造り」には、そこの中で普通の現代生活を暮らしている人が住んでいるんです。建物の前に自家用車を駐車するし、BSアンテナが刺さっていてテレビが映るようになってるし。洗濯物も干すし、キレイな花を育てたり、家庭菜園を作ったり。だから、キチンと張り紙があるんです。「この建物の中には生活があります。建物の周りの野菜や草花をむしったりしないでください」。建物の隙間には水田が広がっていて、ちゃんと稲穂をつけていました。これを刈り取って集落の人は食卓に乗せるのです。その生々しさが、すごくリアルで。
1995年に世界遺産登録されてから、ここには年間100万人単位の人々が観光に訪れます。中国や台湾、韓国からアメリカ、ドイツ、フランス、そりゃもう世界各地から。観光客を呼び込んでお金を落としてもらうことも当然大事です。おみやげ屋も食堂もありますよ。でも、観光産業第一ってわけじゃない。この集落に住んでいる人は、この伝統的な建築物、そしてそれを維持するための伝統的な生活習慣を守ることが第一優先。それを強く感じたのです。

「和田家」住宅。

IMG_2261.jpg

●この和田家はその起源を1573年まで遡る旧家。代々、集落のリーダーとして庄屋や名主を務め、明治の白川村成立の際には初代村長に。代々の当主は「弥右衛門」を襲名。建物そのものは江戸時代中期のモノで、集落の中でも最大規模、そして国指定重要文化財。建物の中には1630年頃の調度品も展示されてる。入場料を払うことで、一階から屋根部分の内部に当たる二階〜4階の内部を見物できる。実は4階建てなんだよスゴイでしょ。
●その一方で、一階フロアの三分の一強は非公開。その境界の扉には「NO ENTRANCE ここより奥は、当家の生活の場所ですので、後悔しておりません」「ここから生活スペースなので立入禁止です。開けないでね!」…えーこの200年前から建ってるこの家に、今なお普通に和田さん一家は暮らしてるの!これにビックリ。まーこの非公開スペースだけでも我が家のマンションよりも広い気配で、現代生活には十分かと。でもスゴイねー。歴史的建造物と普通の生活住居がカブってるって。

IMG_2228.jpg

●この囲炉裏は見学スペースにあるものだけど、かつては生活の中心にあったモノだったのでしょう。閉館時間以降は、和田家のみなさんは今でもここでくつろいでいるのかもね。
●ただ、この囲炉裏は、単純に家人が暖を取るというだけの存在じゃない。どこもかしこも真っ黒に煤けた柱や壁板は、長きにわたって囲炉裏からでる煙に燻された結果。階段の上の二階以上までに暖気と煙がきちんと流れていくような工夫も天井にちゃんと仕込まれている。これで、木材や茅葺の中に住む害虫の駆除や、階上で行われていた養蚕にまで暖房を供給することができたという。和田家ではこの日に囲炉裏に火は入ってなかったが、火が入っていた旧家では確かに5階フロアまで煙の匂いがキチンと通っていた。

IMG_2229.jpg IMG_2235.jpg

IMG_2213.jpg IMG_2215.jpg

●養蚕が盛んだったのは、幕末から昭和初期にかけての時期だったという。実際におカイコさんがマユを作る様子も展示してあった。ヒヨコがおカイコの本物を見るのは初めて。まさしくマユを作ろうと自分の体の周りに糸をより集めてるのがケナゲでいい感じ。
●そんなおカイコの傍らには、和田家の御曹司?タカマサくん小学校6年生の宿題風レポートを展示。5年生の時のレポートもあったな。ノマドヒヨコ、このタカマサくんはオマエたちと年近いんじゃないか?今中学生くらいなんじゃないか?そしたら、次の彼に望まれるニーズといえば、このレポートの英文訳することで外国人のお客にプレゼンすることだな!…と思ったら、すでにタカマサくんの親戚?ユーコちゃんのレポートを名古屋の大学生さんたちによって翻訳されとった。

●こんな感じで、特に規模の大きい合掌造り建築は、内部の見学ができる。江戸後期に10年の歳月をかけて建てられた「神田家」…二階ロフトスペースみたいなところから火の番として囲炉裏を見下ろす小窓がしつらえてあったのが印象的。建築は明治時代だけど260年の家系を守る「長瀬家」は最初はお医者さんだったとか。今の名前を名乗るようになったのが1744年という「明善寺郷土館」では、今でも朝昼夕と鐘を撞く習慣がある…朝6時にその鐘の音をボクは聞いたわ。いづれもそれぞれのお家で家族が生活し続けている。二階以上はさすがに生活スペースに向かないので、貴重な古い農具や養蚕のための設備などなどが配置見学できるようになってる。センバコキとか、教科書に出てくる農具の現物とかボクも初めて見るわ。

IMG_2420.jpg IMG_2446.jpg

他にもこの建築様式に凝らされている工夫が実に面白い。
●展望台で俯瞰すると合掌造りの建物はだいたい同じ向きを向いている。これには必然があって。合掌造りは東西方向に急斜面の屋根を、南北方向に窓を設けた板張りの壁を備えてるとな。全国有数の豪雪地帯であるこの地域、屋根に降り積もる雪に均等に日光を当てるため屋根はわざと東西に向けている…これが南北方向だと北面にはまったく日光が当たらない。傾斜角度は60度つまり正三角形で強度が高い。そして南北の窓。この地域は南北方向に庄川という川が流れている。この川風に沿って空気を通すことが換気に効果的なのだという。換気も効率よくしなくては、囲炉裏の煙を制御できないからね。
●そんで、家屋の側には池がある。これは消雪池といって雪を溶かすための方便らしい。綺麗な清水にはコイだけでなく、ニジマスまでが泳いでいた。屋根の素材になる茅のために、きちんとそれを栽培しておく茅場を山の中に用意しているという。ちゃんとした茅を供給することで初めて茅葺は成立する。この茅の供給が絶えたために茅葺を止めた地域も全国には多いそうな。

そもそもで、この屋根をどうやって葺き替えるのか?
囲炉裏で十分燻された茅葺は50年も持つという。しかしこれだけ大きな茅葺屋根を葺き替えるのは、集落総出の200人規模の人足が必要という。平成13年に行われた明善寺の葺替えはボランティアも交えて500人が集まった(NHKの収録まで入った)。100軒以上の合掌造りを維持していくってことは、単純計算で、年に二軒ペースで葺替えをしないといけないってことだよね。そのために土地の人は「結」という組織を作って、共同作業を前提としたこうした工事を助け合う工夫をしているという。そして100人単位の人々を稼働させていく。村全体で2000人弱の人口なら、きっと集落全員が参加しなくては葺替えはできないし「結」も成立しない。観光産業第一ではなく、共同体維持が第一と感じたのは、こうした「結」としての単位の意思決定がそこかしこに見えたから。
●例えば、萩町集落のメインストリート(といっても実に慎ましかです)は、観光車両が朝9時〜夕方4時まで進入禁止なのですよ。庄川をまたいだパーキングに全部駐車してくれ、そこから橋で渡って集落に渡ってくれという。火災には滅法弱い「合掌造り」のために、集落全域をビシャビシャにできるスクリンプラー耐火設備が整っている…「歩きタバコ禁止」の標語掲示もスゴイしね。ゴミの分別もすごく細かい…この山深い場所から処理設備までゴミを出すのは、住民の分だけならOKでも100万人の観光客が相手では手に負えないはず。電気や電話などのゲーブルもほとんどが埋設されて電柱も少ない。これが村の風景を維持するための努力。徹底的。

IMG_2176.jpg

その住民の結束力が顕在化するのが、年に一度の祭事「どぶろく祭り」。
●集落の中心から少し外れた所に、「白川八幡神社」がある。ここが拠点になって「どぶろく祭り」というお祭りを10月にお行うのがこの土地のしきたり。1月の一番寒い時期に仕込んだどぶろくを10ヶ月かけて発酵させて、それを存分にお客に振る舞う祭り、なんだけど、それに伴って、集落全世帯の家長が御旗を持ち、小学生から若衆まで全員が獅子舞や神楽に参加し、集落の一戸一戸をまわる立派な行列が出てくる。神社に併設されてる「どぶろく祭りの館」でビデオを見たけど、勇壮な舞が実に立派。
子供も含んだ村人全員が民謡の演奏や舞踊の練習をみっちり仕込んで、その祭の当日を迎える。4人で操作する獅子舞の勇壮な舞を先頭に、村人全体がすべての集落の建物や田んぼを回って、今年の豊穣や幸福に感謝する。村人全員に役割があって、おそらくそれは子供の頃から成人し村を支える壮年になるまで、ステップを踏むように高度な役割を担うようになるのだろう。こうした祭の結束が、合掌造りの屋根を葺く作業を村人全員200人で手伝う結束にも繋がるのではないか。この結束が「結」の実体を作り出しているのだと思う。

IMG_2192.jpg IMG_2190.jpg

祭の中で大事は役割を果たすどぶろくは、神社の敷地内だけで造られて、祭でふるまわれるのも境内の中だけと決められているそうな。その代わり、祭の日には大勢の見物客が集まり、何杯も何杯も飲んでいくという。「どぶろく祭の館」では、見学の最後にこのどぶろくを味見させてくれる。お酒が飲めないボクは遠慮したが、混じり気のない水と土地でとれた米だけを使ったこのどぶろく、とてもフルーティだったそうな。これワイフの感想。



ちなみに、ワイフは3歳当時に白川郷を訪ねていたという。昭和51年=1976年。
この写真と同じ場所を探してみたよ。

IMG_1702.jpg
IMG_2462.jpg

「親&子ショット」「子&孫ショット」に入れ替えてみました。最初は「長瀬家」かと思ったんだけど、聞き込みの結果「明善寺」であることが判明。うーん、角度の取り方が甘かったかな。建物本体はもちろん周辺もほとんど変わってないんだけど、木が成長してしまってました。40年近く前だからねえ。



●普通の観光客は、朝からやってきて半日ほどを過ごし、高山といった地方都市で宿を取るんだけど。
ボクらはわざわざ、この集落の中で民宿を探したよ。お世話になったのは「民宿・利兵衛」
ルックスは見事に「合掌造り」でしょ。でも中身はしっかり民宿でした。

IMG_2166.jpg

IMG_3700.jpg

16畳のお部屋に通されて広々。でも障子と襖だけでカギかかりません。障子も襖もない我が家と比べてコドモはオモシロがってましたが。トイレ・お風呂共同で、ご飯だけ囲炉裏のある居間で他のお客さんとテレビを見ながら食べる。川魚の塩焼きに飛騨牛のバター焼き、たくさんの山菜が美味しかった。お客の部屋が一階に4〜5部屋程度?たった一人で全てを切り盛りしてるかのような女将さんは、一階のスミを仕事部屋にして、プライベートは二階なのかな。
●実は畳のないベッド中心生活が20年以上になってるボク、久しぶりの畳&ふとんが、実はツラかった。寝苦しくて何度も目を覚まし、朝になったら体がイタイ。自分でも意外だったわ。畳で眠れない人間になってたなんて…。

●あ、あと「白川郷の湯」って温泉が集落の真ん中にあって。そこまで歩いて行きましたわ。16時を過ぎると一気に人気がなくなるってのがわかった…終バスの時間なのか?街灯もないから日没後は懐中電灯を持つことがオススメされてる。



●ちょいと脱線しまして…DVD「ひぐらしのなく頃に」

ひぐらしのなく頃に 第1巻 初回限定版 [DVD]

実はここ白川郷はゲーム/アニメの題材になった場所。同人ゲームから出発して、ラノベ・コミック・アニメ・映画へスピンアウトしていったコンテンツ群「ひぐらしのなく頃に」は、その舞台「雛見沢」という村を、この白川郷・萩町集落をモデルにして描いているみたいだ。
「ノベルゲーム」という、文章を読み進めるようなタイプのゲームとして傑作の誉れ高いこの作品は、同じ登場人物が何度もループする物語に関わって、毎回最後は必ずバッドエンドになるという、気味の悪いミステリーホラー。「おやしろさま」と呼ばれる神社の祟りがストーリーの軸になっているようなのだが、前述の「白川八幡神社」を見た時はそのソックリぶりにビックリしたもんだ。社殿の前にある石段はアニメに登場するものと同じ。熱心なゲーム/アニメファンがキャラクターを描いた絵馬がたくさんかかっていた。聖地巡礼ってヤツだね。…ただ、ゲーム/アニメが漂わせる不吉さとは無縁な、清浄な空間がそこには広がっていて、そこの印象は全く違うモノだった。見上げれば杉の大木が夏の太陽を遮ってくれて、気持ちの良い風を呼び込んでくれている。

IMG_2179.jpg IMG_2180.jpg

●10月の「どぶろく祭り」を連想させるかのように、アニメにも夏祭りの描写が何度も出てくる。そんでその祭の前後に必ず殺人が起こる。しかしやっぱり本物の祭の迫力にはかなわない。村人全員が役割を担う祭りの最中に殺人なんかしてる場合じゃないもんね。ゲーム/アニメに「鬼」の存在がホラー的に仄めかされるのだが、「どぶろく祭り」の鬼とは位置付けが違うようだね。実際の祭りの鬼は「露払いとして行列の先頭に立ち、神に対して不敬の人々を追い払い、不浄な人々を退散させて神の尊厳さを知ろしむもの」とされているからね。
●聖地巡礼のお客さんに対して、なにかグッズでも売ってると思ったら、ここ白川郷は完全スルー。アニメファンの息子ノマドはちょっとガッカリ。そのスルーっぷりは、ある意味潔くて、ボクには気持ちよいと思えたけどね。




●音楽は、ジブリにちょっと関係するヤツで。

PRISCILLA AHN「WHEN YOU GLOW UP」

●PRISCILLA AHN「WHEN YOU GLOW UP」2011年
ジブリ最後?の長編映画となった「思い出のマーニー」で主題歌を担当したのが、このアメリカ人女性シンガーソングライター。1984年生まれだから「おもひでぽろぽろ」に彼女も間に合ってないね。その彼女がまだジブリと縁を作る前のセカンドアルバム。レーベルはなんとジャズの名門 BLUE NOTE。シンプルかつ端正に整理されたアコースティックギター&ピアノによる、彼女の弾き語り。甘い声がやさしくて、まるで妖精のようだね。「ELF SONG」なんて曲もあるし。
●日本盤ボーナストラックに JOHN LENNON「LOVE」のカバーと、ジブリアニメ「耳をすませば」の主題歌「TAKE ME HOME, COUNTRY ROADS」のカバーが収録されてる。「TAKE ME 〜」はフォークシンガー JOHN DENVER 1971年のヒット曲だが、これをワザワザ彼女はジブリバージョン(歌:本名陽子)の日本語訳詞でカバーしている。これもマッスグで凛々しい歌声が綺麗で。
●ちなみに、「おもひでぽろぽろ」の主題歌は BETTE MIDLER の名曲「THE ROSE」都はるみが日本語詞でカバー。改題して「愛は花、君はその種子」。訳詞は高畑勲監督自身が担当。テレビ放送では残念ながらカットされてた。


つじあやの「恋恋風歌」

つじあやの「恋恋風歌」2003年
ジブリソング、ついでにもう一つ。このアルバムに「猫の恩返し」の主題歌「風になる」が収録されてる。
●陽気な痛快チューンである「風になる」は大好きなんだけど、彼女自身に対しては凛としたアコースティックスタイル〜ウクレレと訥々としたボーカルが少々陰気でツンデレ過ぎではないかと思ってた。メガネ女子みたいな自己イメージのコントロールも含めてしっかりしすぎてる学級委員長みたいな感じ。京都人ってのもちょっと怖いよね。でもそれを乗り越えても、彼女のポップスはしっかり計算された実直な構築美が結局耳に優しくて。その居心地のよさに今は浸っていたい。

つじあやの「COVER GIRL」

つじあやの「COVER GIRL」2004年
●しっかりとアレンジしたスタジオレコーディングを「TOKYO SIDE」、プライベート感ある地元京都でのライブレコーディングを「KYOTO SIDE」と名付けて、数々の名曲をカバー。ライブの空気感がオーガニックな「KYOTO SIDE」がいいねえ。ウクレレ弾き語りの選曲も渋くって。吉田拓郎「結婚しようよ」とか西岡恭蔵「プカプカ」とか。その流れでの YEN TOWN BAND「SWALLOWTAIL BUTTERFLY 〜あいのうた〜」とか。
●もちろん「TOKYO SIDE」のカッチリしたカバーもいい。スガシカオの初期2枚目のシングル「黄金の月」のグラマラスな感じ!サザン「シャ・ラ・ラ」奥田民生デュエットしちゃうトコロもたまらん。メロウなメランコリーが絶妙。

つじあやの「つじベスト」
つじあやの「TSUJI GIFT 〜 10TH ANNIVERSARY BEST」

つじあやの「つじベスト」2000〜2006年
つじあやの「TSUJI GIFT 〜 10TH ANNIVERSARY BEST」2000〜2009年
●そんな彼女も芸歴にして約15年、2015年に結婚を発表したそうです。ベスト2枚組を2セット。重複曲も多いんだけど、まとめて聴くと本当癒される。目立つのが他のアーティストとのコラボだね。ギターロックバンド GRAPEVINE と共演したタフなリフロック「SHINY DAY」10-FEET FEAT. つじあやの名義の「愛の真夏」ミクスチャーロック風味が新鮮。THE BACK HORN のボーカル山田将司とデュエットしたピアノ曲「15歳」もいい…。

スポンサーサイト
Secret

TrackBackURL
→http://unimogroove.blog4.fc2.com/tb.php/1788-aca619ca