この連休に、埼玉県の大宮に、レコ屋遠征に行ってみたよ。
●埼玉県って、ボクにとって縁が薄くて…大宮の街なんて生まれてはじめてじゃないかなあ。
●京浜東北線の窓から「ラーメン二郎・大宮店」の看板が見えたもんだから、生まれてはじめての「二郎」にも挑戦してみた。普通ラーメンで小ぶりに見えたけど、それは他の人が食べてる大盛りがデカすぎて目の錯覚を起こしてるだけみたい。大量のモヤシに手こずりながら、コテコテのスープと太麺をたっぷり堪能しました。

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●なんか、キャバクラやラブホが集まってるエリアの奥にあったよ…お店の隣もラブホだったし。


で、レコ屋。二軒まわってみた。

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「MORE RECORDS」
●埼玉県さいたま市大宮区大宮区仲町2ー63 金澤ビル 2F
●目印がなくてちょっと手こずったけど、二階立ての小さな建物の脇にある階段に写真の看板が出てた。大宮東口を出て、目抜き通りを右側に折れてちょっと歩いた、静かな場所。
基本、全部新品CDの品揃え。こだわりのセレクトで集めた洋邦のインディアーティストがたくさん。インディフォークからシューゲイザー、エレクトロニカ、ジューク/フットワークまで網羅してた。オシャレな雰囲気と几帳面なリコメンPOPが丁寧で、CD探しが楽しい。視聴も遠慮せずにどうぞ!な感じだった…ボクはもったいないから基本的に視聴しない主義なんだけどね。この日の買い物はアルゼンチン音響派から和製シューゲイザーあたり、全部女性ボーカルものに統一して買ってみたよ。

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「RECORDS SHOP GRIS GRIS(レコード屋グリグリ)」
●埼玉県さいたま市大宮区大門町3ー63
MORE RECORDS 店員のオシャレなお姉さんに教えてもらった。大宮駅東口からまっすぐ伸びる目ぬき通りをまっすぐ歩いて5分ほど、左側にある河合塾のビルの角を脇に曲がって、最初のT字路を右にまがった瞬間に看板と窓に貼られたレコードが目に入る。
●こっちは、古来からある古典的な中古レコード屋さん。在庫はアナログ7割/CD3割くらい、ブート系DVDの安売りもしてた。洋邦は半分づつかな…でも基本は60〜70年代の物件がメインで、歌謡曲からR&B、ロック、ポップスと種類は揃ってるけど80年代以降のモノは期待しないほうがイイ。価格はちょっと高めかな?390円から2900円くらいの幅。あ、99円のドーナツ盤売り場はチェックしきれなかった。変なヤツが出てきたかもな。

SAMMY DAVIS JR「EXCELLENT 20」

SAMMY DAVIS JR.「EXCELLENT 20」1954〜1959年
「グリグリ」にて999円で買ったLPがコレ。ソーシャルで友人が、彼が出演しているサントリー・ウィスキーのCMをシェアしてて、これが実に小粋でオシャレで。洒落者ってこういう人のことを言うんだろうね。ウィットの効いたユーモアと軽妙な語り口、そしてチャーミングな笑顔。気取っているわけじゃないが絶対に下品にならない。決してイケメンさんじゃないけど、すごく艶っぽい伊達男だと思う。
●ボク個人のリアルタイム記憶では映画「キャノンボール」1981年&「キャノンホール2」1983年での出演が印象深くて。お金に意地キタナい性分で、高額賞金の全米横断公道違法レース・キャノンボールにエントリー。なんとニセ神父に扮装、その話芸で周囲を翻弄しながら、ブロンド美女と一緒にドライブとかしちゃう。主役は別にいるんだけど(バート・レイノルズ)、その主役を食うほどの存在感があって。このシリーズにはまだ香港のローカルスターでしかなかった頃のジャッキー・チェンも脇役で出てるよ(しかも英語しゃべれない日本人という設定)。
●でもこのレコードは、ぐっと時代がさらに古くて、1954〜1959年、DECCA RECORDS に所属してた頃の彼の歌唱がコンパイルされてる。両親ともに舞台芸人だった彼は子供の頃から舞台の上で活躍、演技も歌もモノマネも達者。タップダンスまで勉強して一流の腕前。そこをあの FRANK SINATRA が惚れ込んで、自分の一派に引き込んだ。ミュージカルのスタンダード曲や、自分のブロードウェイの舞台の曲を録音してるけど、この時代では SINATRA 風の朗々とした歌唱でオフザケは少なめ。でも、思い切りスウィングするビッグバンドジャズに合わせて奔放にスキャットで歌う彼がかっこいいな。ちなみに60年代に入ると、SINATRA が立ち上げたレーベル REPRISE に移籍。

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●コレ、裏ジャケの写真。かっこいいなあ…いったい何歳ごろの写真なんだろう?



●これ、話題に上ったサントリーのCMね。1973年のもの。


●同時期のジャズものをもう少々。ビバップの先駆者、MONK。

THELONIOUS MONK「THELONIOUS HIMSELF」

THELONIOUS MONK「THELONIOUS HIMSELF」1957年
●今、どの本に書いてあったかよくわからなくなってるんだけど、このモダンジャズの偉人とされてる THELONIOUS MONK演奏スタイルは、基本は「朴訥」としたトコロにポイントがある、みたいなコトを読んだのです。実際、その武名の大きさの割には、バンドの中での演奏で彼が大きく出しゃばったりする印象ってないよなーむしろ何してるかワカランくらいだなーと思ってたので、この「朴訥さ」という言葉にはメッチャ腑に落ちるものを感じたわけですわ。
●で、この、MONK がたった一人でピアノを演奏するアルバムを聴いてみることにした。彼のソロピアノは、やっぱり派手さや華麗さとは無縁な、地味な印象。音の数も少ないし、ゆったりノンビリしていてスキマたっぷり、わかりやすい超絶プレイは登場しない。しかし!テンポ感/タイム感が実に自由奔放で、自分のエモーションの赴くままに、時間感覚が緩急を繰り返し拡大縮小して絶妙な場所にアクセントを残していく。この計算とは思えない天性のバランス感覚が彼を偉大たらしめている、そんな風に納得しちゃった。一曲「MONK'S MOOD」では JOHN COLTRANE とセッション。パートナーがいればその人物との関係で、的確な場所に音を配置する。それが絶妙すぎる。COLTRANE の方も味わい深い。
●ボーナストラックに収録されている「'ROUND MIDNIGHT」21分バージョンの様子がすごく興味深い。この曲、MILES DAVIS のバンドでアルバムタイトル曲になるほどのスタンダードになる MONK の代表作。でも、この21分間は… MONK 自身がピアノがちゃんとなるのか一音一音確認するような、緊張感あるリハの様子を生々しく収録してて、ダメだと思ったらコンソールのスタッフと軽くヤリトリして、演奏をやり直したり、テープを一度止めたりするトコロまでそのまま録音されてる。どこにどんな音を配置したらいいのか、自分の美学と指の動きの感覚とピアノの鳴りを、じっくりじっくり確認…。誰かが彼を「ジャズの高僧」と呼んだらしいが、なるほど納得がいくかも。
●あ、ちなみに MONKベレー帽夜でも取らないデカめのサングラスは彼のトレードマークだったそうです。

MILES DAVIS「ROUND ABOUT MIDNIGHT」

MILES DAVIS「'ROUND ABOUT MIDNIGHT」1955〜1956年
●さて、同じ曲を演奏している MILES DAVIS のブツを聴いてみましょう。正確な曲名は「'ROUND MIDNIGHT」「'ROUND ABOUT MIDNIGHT」なのか、諸説あるようですが、どっちでもいいみたいです。作曲者の MONK ですらあんまりよく覚えてなさそうですから。
基本的に MILES DAVIS MONK は相性が悪かったようで…有名な「ケンカセッション」では、MILES「オレのソロの時はオマエは一切音出すな」と言い放ったりとか、せっかくいい感じに録音が終わりかけたところで「おーい、便所どこだっけ?」 MONK が声をだすとか、大人気ない二人の様子が伝承として残ってます。でも、実は彼らは似た性質があるから相性が悪い。
●これも引用元が見つからなくなってるんだけど、両者とも少ない音数を絶妙なタイミングに配置して音楽を作っていくタイプ。しかし、それぞれのテンポ感やタイム感は全然違うもの。そんな二人が簡単にかみ合うはずがない。特に MILES は自己主張が激しいし。で、この「'ROUND ABOUT MIDNIGHT」には MONK がいるはずもなく、ピアノはこのへんの時代の MILES バンドの常連 RED GARLAND が担当してます。
●…「'ROUND ABOUT MIDNIGHT」全然同じ曲と思えない…。ミュートを効かせて抑制させた MILES のメロディは明快でわかりやすくクールですわ。MILES を中心に統御されたバンドの規律正しさはクッキリしててわかりやすい。ここでも JOHN COLTRANE が演奏してるけど、なんだかすごくキビキビしてますわ。

THELONIOUS MONK「THELONIOUS MONK TRIO」

THELONIOUS MONK「THELONIOUS MONK TRIO」1952〜1954年
●はい、もう一回 MONK に戻ってきて、今度はピアノトリオ構成中心のアルバム。ドラムに ART BLAKEY MAX ROACH。ベースは、PERCY HEATHGARY MAPP(ベースの二人はよく知らん… PEACY HEATH MJQ の人だな)。リズム隊のお膳立てあって、軽快なピアノプレイが小気味良い感じだけど、無駄な力みも、無駄な気取りもなく、いたずらに音を増やすだけでもなく。なんだか実直で素朴な感じがする。

THELONIOUS MONK「GENIUS OF MODERN MUSIC VOL1」

THELONIOUS MONK「GENIUS OF MODERN MUSIC VOL.1」1947年
今まで聴いてきた音源とは一巡り古い時代の録音。ピアノに MONK、ドラムに ART BLAKEY、そしてサックス、トランペット、ベースが加わったカルテット編成がメインですわ(他の人々はよく知らない…)。ビバップというジャズの新しいスタイルが世界に発見されたばかりの頃なので、自由奔放に弾けるプレイが若々しくも聴こえるし、カシマシくも聴こえる。スウィングもいっぱいしている。で、そんな大騒ぎをしているので、油断すると MONK が何してるか全然わかんなーい。よく聴いたとしても MONK が活躍しているように聴こえなーい。相変わらず地味。ソロを取っても地味。ホントに「朴訥」
●それでもこのアルバムがわざわざ THELONIOUS MONK 名義になっているのは、後年からの評価でコンパイルしたからかな。一点はっきりしているところでは、収録21曲のうち半分以上の12曲が MONK 自らの作曲だということ。すでに「'ROUND MIDNIGHT」も含まれている。これは確かに才能なんだろう。…え?持ち歌として10年も演ってる曲なのに、「HIMSELF」であんなに神経質にリハし続けてるの?ああ、こりゃある意味マジで天才かも。

●ちなみに、このCDは BLUE NOTE から。最初の「HIMSELF」 RIVERSIDE「TRIO」 PRESTIGE から。MILES DAVIS はすでにドメジャーの CBS に移籍してる。ここに上がったレーベルはどこも名門と呼んでいい良心的なジャズ専門レーベルだったけど、やっぱり所詮インディーズ。流通量も少ないし認知も低い。メジャーと契約を結んだ MILES は、やっぱメジャーは違うぜインディでやってた仕事なんて誰も知らねえと思い知った上でメジャーなスターに変身していったのでした。


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