●この前、配信で見た映画。

「英国王のスピーチ」 「超高速!参覲交代」

「英国王のスピーチ」:吃音に悩んでいたイギリス国王・ジョージ6世(今の女王エリザベス2世のパパ)と、少々変わり者の言語療法士の、身分を超えた不思議な交流にホッコリ。各キャスト味が出まくりですが、王妃役でヘレナ・ボナム=カーターさんが出演してる。この人、ポッターの極悪魔女だったりアリスのハートの女王だったりレミゼの強欲宿屋の女将だったり、奇抜すぎる役しかしてないイメージだったのに、ここでは普通に夫を支える美人の良妻でありました。最初映画見てる間は「どこかですげーよく見てる女優さんなのに思い出せない」と思ってて…でも後から知った方が偏見なく見られてよかったかも。こんなにも美人さんだったんだー。

「超高速!参覲交代」:B級感満載のマヌケなタイトルにずっと心惹かれてました。江戸老中の嫌がらせでいわきの田舎大名が超理不尽で超非現実的な参覲交代を命じられるんだけど、田舎の貧乏藩なりの工夫と殿の人徳がピンチを救う。これもホッコリします。佐々木蔵之助さん!今ネットで知ったけど第二弾「超高速!参覲交代リターンズ」が9月公開で準備されてるとな…へー第二弾やるほど本当に儲かったのかなアレで。あ、裏方にはテレビ東京が噛んでます。雰囲気わかるでしょ。

HULUで、「風とロックとHULU」という新コンテンツの配信が始まった。

風とロックとHulu

「風とロック」でお馴染みの箭内道彦さんが、「渋谷のラジオ」というコミュニティFMを立ち上げた。その中で箭内さんがMCとしてゲストを迎える生放送トーク番組があって、それが映像としてHULUにアーカイブされる仕組み。ダラダラとトークを聴いていられるノンビリした感じが心地よい。
●こんな、純粋には、ラジオでもない、テレビでもない、ネット配信でもない、中間地帯の空気感が楽しいし、今後はこういうスタイルがマジョリティになっちゃうかも。AbemaTV とか LINE LIVE とかちゃんと見てないんだけど、そういうことなんじゃないのかな。その第一回のゲストが、湘南乃風若旦那と、モーニング娘。'16 の皆さん。
●ここで若旦那さんがいいことを言ってた。今年40歳の若旦那さん(やべ、年下だと思ってなかった)。この節目の年の新年会は玉置浩二さんと哀川翔さんと過ごしたらしい…つかスゴイ繋がりだね…。そこで哀川さんから言われたアドバイスが「40歳からは絶対に怠けちゃいけない。怠けたら50歳になった時に仕事がないぞ!」おー。この言葉に、ちょっとシビれた。

●現在42歳のボク、サラリーマン歴20年になろうというタイミングだけど、そのまま黙ってりゃこれから20年以上もサラリーマンしないといけない(「一億総活躍時代」ってそういうことでしょ。これ戦時下のスローガンみたいで好きじゃない)。じゃあどんなサラリーマンになりたいのか?サラリーマンでいいのか?サラリーマン以外の何かになれるのか?なりたいのか?働きたいのか?働けるのか?結構このイメージ作りに悩んでいたりもしている。例えば10年後の52歳。ここでやっとボクは今の箭内道彦さんと同じ年齢だ。何やってんだ?面白いコトできてんのか?面白くするために今を努力してんのか?イメージわかないよー。


●で、音楽。若旦那の湘南乃風に行くと見せかけて、モー娘。

モーニング娘 14「TIKI BUN : シャバダバ ドゥ〜 : 見返り美人」
モーニング娘 '14「TIKI BUN / シャバダバ ドゥ〜 / 見返り美人」2014年
●AKBのアイドル市場独占状況の中、ボクがオルタナなポジションのアイドルに興味を持った記念碑的音源です。この一枚以降でボクはインディアイドル系のCD100枚くらい買ってます…まー取り扱いにやや戸惑ってますけど。
●キッカケは、職場の女子の一人がハードコアなモー娘。ファンで。躊躇なく東北とか関西のイベントまで遠征するし、シングル全タイプ買うし。この女子が女子を愛でる一種「百合」的感覚って理解できそうで理解しきれてなくて。これは今後の課題。一方、そんな彼女がボクにこのシングル全バージョンの中から一枚を抜いて「よかったら一枚あげますよ。もう握手券抜いちゃったんでいらないんです」とコレをくれたのです。で彼女「ワタシよくわからないですけど、この曲、EDM?っていうスタイルを取り込んだって話題になってるらしくて」なにー?モー娘。が EDM!面白いじゃないか!是非聴かせて欲しい!
●確かに「TIKI BUN」 EDM。ステージの振り付けもヘッドホンを耳に押し付けてレコードをスクラッチする演出が含まれている。
●一方で、当時の中核メンバー・道重さゆみはこのシングルでグループ卒業(ハロプロも卒業)とのこと。実はモー娘。の歴史において彼女が在籍期間最長記録保持者だという。なんと10年と10ヶ月。全盛期の初期メンバー安倍なつみですら6年程度。スゴイね10年を戦い続けるって。彼女はその後活動休止状態にあるが、まーちょっと休養は必要だわな。

モーニング娘。’14「時空を超え宇宙を超え/PASSWORD IS 0

モーニング娘。’14「時空を超え宇宙を超え/PASSWORD IS 0」2014年
「TIKI BUN」でモー娘。’14 に関心を関心を持ったので、その勢いで一枚前のシングルも聴いてみた。実はこの二つの楽曲もモダンなエレポップのアレンジ「時空を超え宇宙を超え」はミドルテンポのポップスでスキマの多いピコピコトラック「PASSWORD IS 0」もいいようによっちゃ十分 EDM。エレクトロなダンス推進力搭載。KDDI のCMキャンペーン曲として、モー娘。+森三中・大島美幸&黒沢かずこの合体ユニット「モリ娘。」が組織されてる。「モリ娘。」バージョン、黒沢中心に弾けてます。

●さて、2014年にモー娘。「'14」(ワンフォーと読むらしい)をグループ名にくっつけて、そこから「'16」(ワンシックスと読むらしい)まで進化してまして。ネーミングの語呂の良さ悪さは置いといて、改称したのは実にイイね。改称することで2000年代前半の全盛期とは決別して、チャレンジャーの立場からこのアイドル戦国時代を戦うという姿勢の方が、今のファンは応援しやすいはず。だって「ダンスマシーン」の頃って今のメンバーまだ赤ん坊だったり生まれてなかったりだもん。ファンだってそのくらいの世代の子だよねきっと。過去のブランドとプライドを捨てて挑む感じは、日本の大企業がカッコ悪く振る舞う今のご時世の反対側にあって素敵。東芝もシャープも三菱自動車も彼女たちを見習おう。



「Hタウン」ヒューストンのヒップホップ。
●相変わらず「アメリカの歴史」という退屈な本を読み続けている(詳しくはコチラの記事http://unimogroove.blog4.fc2.com/blog-entry-1858.html)。遅々として進まない。今読んでいるのは先日よりはちょっと進んで1840〜50年代、奴隷制度を巡って南部と北部が国論を割って対立をザックリと深めているところ。そんなタイミングで南部で大きな面積を占めるテキサス州は初めてアメリカの仲間入りをするんです。1845年のこと。それまではメキシコの領土だったのに、アメリカ人入植者が分離独立して「テキサス共和国」を建国、そんですぐにアメリカに併合されるのです。その「テキサス共和国」の初代大統領がサミュエル・ヒューストンという人物。彼の名前を拝借することで、この州の最大の都市、そして今やサザンヒップホップの重要都市となった「Hタウン」ヒューストンが生まれるわけです。
●とはいえ、ヒューストンのシーンなんて、やっぱ日本じゃよーくわからーん。断片的に音源を入手しては、チクチクと調べてくしかない。(以前アレコレのヒューストンものを取り上げた記事はこちら:http://unimogroove.blog4.fc2.com/blog-entry-1710.html

GETO BOYS「UNCUT DOPE」

GETO BOYS「UNCUT DOPE : GETO BOYS' BEST」1988〜1992年
ヒューストンだけでなく、サザンヒップホップ全体における先駆的存在のユニット。なんてったってキャリアが80年代スタートだからね。WILLIE D、BUSHWICK BILL、SCARFACE の三人組。彼らの音源を発信した地元ヒューストンのレーベル RAP-A-LOTサザンシーンの先駆的拠点だね(そして今も健在)。時代が早すぎるので、90年代後半から台頭するバウンスビートみたいなサウス系に特徴的なサウンドはまだアリマセーン。むしろ同時代の DEF JAM RECORDINGS(ニューヨーク)みたいなミドルスクールのスタイルや RUTHLESS RECORDS(ロサンゼルス)が N.W.A. で過激に打ち出したギャングスタラップの影響がタップリ。ビートの一つ一つがまだドラムマシーンむき出しのピコピコカチカチ気味だけど、丁寧にサンプルも仕込んでてガッチリグルーヴさせたトラックに、三人マイクが華麗にリレーしまくるスリル感。まさしくミドルスクール!そしてギャングスタラップだけど、G-ファンクまで到達してない感じがとっても時代感を反映。
●ただ一曲、「DAMN IT FEELS GOOD TO BE A GANGSTA」という曲だけが特別にレイドバック〜ノンビリした感じで好き。というかこの曲ちゃんと聴きたいので買ったほど。「ギャングになるっていい感じだぜ」って実にノーテンキな話だが、殺伐としたギャングの暮らしにも、ホッコリとしたお休みの一日があって、午後ののどかな時間をゆっくりデッキチェアにでも寝そべってうたた寝してるかのような気分が漂ってる。
●なお、その後彼らは分裂していくが、SCARFACE は 前述 DEF JAMサウス系専門レーベル DEF JAM SOUTH が1999年に設立した時にレーベルの責任者として抜擢される。そんで LUDACRIS とそのクルー DISTURBING THA PEACE を発掘してレーベルの第一弾スターに仕上げるんだよね。LUDACRISジョージア州アトランタを拠点としてたので、ボクはてっきり SCARFACE も同じアトランタ系だと思ってたよ。アトランタヒューストンじゃ大分雰囲気違うからね。

Z-RO「HEROIN - CHOPPED SCREWED」

Z-RO「HEROIN - CHOPPED & SCREWED」2010年
ヒューストンの老舗レーベルとなった RAP-A-LOT に今なお所属してるラッパー・Z-RO のアルバム。前述 GETO BOYS の音源から30年も時代が隔たってるよ。だから当然スタイルが全然違う。今やサウス〜ヒューストンの代名詞的スタイルとなった、チョップド&スクリュードのアルバムですわ。このスタイルは90年代末期にヒューストンのカリスマ DJ SCREW が編み出したもの。
●サウス系とくにヒューストンのヒップホップは、普通のアルバムと、全編がチョップド&スクリュードのリミックスを施されたアルバムの二種類が用意される傾向あり。ちょうどルーツレゲエに普通バージョンとダブバージョンがあるみたいに。テープの回転速度を限界まで遅くして、結果トラックもラップもモッタリ遅く音も低くなるこの手法は、ドラッグの酩酊感を象徴するような脳ミソゆるゆる感覚がタマランそうだ…南部の沼に腰まで浸かって身も心もドロドロになってく感じ…。ましてや Z-RO はマジのドラッグディーラー経験者でデビューしてからも薬物所持で服役してる、クスリと縁が切れない人。アルバムタイトルも「ヘロイン」だしジャケもスプーンでクスリあぶってるし、ホンマもん過ぎる迫力があるよねー。
Z-RO の作品では「CRACK」(←これも直球で名前が薬物…)を聴いてるけど、チョップド&スクリュードじゃなくて普通バージョンのトラップなスタイルだった。ドロリとした酩酊感狙いならまさしくスクリューされてる方がいい。しかしこんなの朝の電車の中で聴いて気持ち良く仕事できないけどね。つか日本の市民生活の中で、スクリューがふさわしい場面が思いつかねえっす。

LIL KEKE「PLATINUM IN DA GHETTO」

LIL KEKE「PLATINUM IN DA GHETTO」2001年
ヒューストンのカリスマ DJ SCREW SCREWED UP CLICK というクルーを組織して地元の活性化を図りました。で、Z-RO もその一員、こちらの LIL KEKE は創設メンバーの一人であります。DJ SCREW はあまりにもクスリと相性がイイ音楽を作り過ぎたのか、2000年にドラッグ禍で落命してしまいますが…。ただ、80年代に GETO BOYS が登場した時以来のビッグウェーブが、この時期ヒューストンに到来したのは間違いないことで、ボクのイメージでは LIL KEKE はこの時期のヒューストンのメジャー感を代表してたかのように思えます。
●これがもう王道のブラックミュージックとして成熟してて。流通は IN THE PAINT とかいうインディ系なのに、ジャケのブリンブリン感に負けないメジャー感、西東南といったローカルのスタイルに関わらないエンターテインメントになってます。LIL KEKE 個人のスタイルである、耳の中で転がるフロウ・デリバリーが気持ちのいい緊張感を孕んでダレがない。そこにド派手なフックラインを客演ラッパーやR&Bシンガーと共にサビに投入。それを前提にした結果か、トラックもサウス系特有のタテ方向のバウンス感のいいトコロと、スムーズに太いベースがヨコ方向へ滑っていく西海岸Gファンクのいいトコロを折衷したテイストになってる。で、これがまさにヒップホップの王道、ファンクの王道。結果、名盤。
●その後の彼の音楽は5〜6年くらいかけてより濃くサウス系に傾いていくようだが、実際のところ2001年段階でトラップ/バウンスビートはまだサウス系全域のアイデンティティを示すスタイルにまで成熟してなかったのかな。ボクの1998〜2004年くらいのリアルタイムな認識でも、バウンスニューオリンズの局地的なスタイル(CASH MONEY RECORDS、NO LIMIT RECORDS が代表的レーベル)だったし。ヒューストン、アトランタ、ニューオリンズ、マイアミと、拠点が分散しているサウス系の地理的特徴かもね。


●でさ、今回初めて知ったんだけど、このへんのアーティストの音源が Amazon Prime Music の聴き放題サービスに結構収録されてるんですわ。
マジかよ!正直、このへんの音源って結構入手に手こずる物件なんですよ。ほとんど偶然みたいなノリで発掘するか、アメリカのAMAZON から取り寄せるか、すげー面倒くさいトコなんですよ。なのに、GETO BOYS の古いヤツとか、今日紹介した Z-RO のアルバムそのものとか、LIL KEKE の楽曲単品とか、結構収録されてやがる! AMAZON 時々すげーマイナーな音楽が入っててビックリするわ!この前もベルギーのレーベル LES DISQUES DU CREPUSCULE のネオアコがあったからね!これわざとAMAZONが弱小インディから買い漁ってるってコトなの?それともフィジカル収益では立ち行かないインディがどんどんライセンスを出すからなの?とにかくもう侮れねー!


●動画はあるのかなあ?



●モーミング娘。'14「TIKI BUN」。振り付けがイイねえ、キレがあって。




●GETO BOYS「DAMN IT FEELS GOOD TO BE A GANGSTA」。




●LIL KEKE「PLATINUM IN DA GHETTO」。シズル感たっぷりのファンク。







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