西海岸アンダーグラウンド、LIVING LEGENDS の一人、MURS の音楽を聴いてます。

MURS「SWEET LORD」

MURS & 9TH WONDER「SWEET LORD」2008年
西海岸アングラヒップホップの最奥部で活躍するアーティスト集団 LIVING LEGENDS のメンバー ELIGH について先日の記事で触れた。だから、今日はやはり LIVING LEGENDS の創設メンバーであり(現在は脱退?)、ELIGH とは高校時代からつるんで活動していたラッパー MURS に触れたい。……でも、彼の音楽大好きなのに、それを表す言葉が見つからなくて…。随分と愛聴しながらもブログで紹介できなかったアーティストでした。

●チョイと飛躍があるのは重々承知なんだけど。アメリカの現職大統領オバマさんが広島を訪れて、原爆資料館を見学して、献花して、被爆者のおじいさんとハグし合った、あの一連のニュースにはジンワリ感動した。任期の最後の茶番と批判する人もいるかもしれない。「核なき世界」なんぞナンセンスという人もいるかもしれない。イラク戦争を閉じるどころかイスラム国というトンデモない化け物を引っ張り出したマヌケと批判する人もいるかもしれない。でも、あの人のリベラルな理想主義に共感してるボク自身がいるんだよな。そんな黒人大統領を本物にしたアメリカの理想主義にも共感してるんだよな。あの国も問題山積で恐ろしい病に取り憑かれてるのも、だからこそ不穏な人物が新しい指導者になるかも知れないのも承知した上で、清らかなあの国の一面を信じたい気持ちがボクにはある。

●そんな前提から聴きたくなったこのアルバムのタイトルは「SWEET LORD」「甘い君主」っていいフレーズだね。このアルバムには「MURS FOR PRESIDENT」という双子のような存在の作品がある。「MURS FOR PRESIDENT」がメジャー流通なのに対して、コッチはそのメジャー盤を買ってね!という意味でファンへタダで配られたインディ発のオマケ的存在だった模様。しかしどっちにしろ、ココらで登場してくるのは、星条旗がよく似合うチャーミングな指導者だ。今はこの陽気さやユーモアに身を浸していたい。
●どこか楽しげでコミカルな雰囲気が漂うのは、元気よく跳ねる MURS のフロウのせいか、コラボの相方、プロデューサー 9TH WONDER のカラフルでファンキーなトラックのせいか。盟友 ELIGH のラップがストイックで頑なな印象があるのに対し、MURS のフロウにはソウルフルなノリと味が痛快で親近感がわく楽しさがある。もちろん高度なスキルは当然の前提。
●トラックメイカー 9TH WONDER LITTLE BROTHER というトリオでナード系な東海岸風ヒップホップを軽やかに鳴らしていた男。THE NEPTUNES JUST BLAZE がブレイクした後の次世代注目プロデューサーみたいな位置付けでボクは見ていたし、実際、辣腕トラックメイカーとしてメジャーアーティストの仕事をバリバリこなしてる。JAY-Z、DESTINY CHILD、ERYKAH BADU …大物がゾロゾロ出てくる。その一方で、DJ PREMIER、PETE ROCK、J DILLA といった東海岸風のクラシックで王道のトラックメイキングの系譜に続く男でもある。2人連名でのコラボはすでにこれで3枚目、カラフルなサンプルが絶妙にパッチワークされてて、MURS のアングラ感を完全脱臭してくれている。

MURS 9TH WONDER「316 THE 9TH EDITION」

MURS & 9TH WONDER「3:16 THE 9TH EDITION」2004年
MURS9TH WONDER が初めて連名でリリースしたアルバム。彼らのタッグはその後10年以上も続き、2015年にもこの名義で作品を出してる。当然この段階では大統領パロディとか関係ない。厳密に王道なヒップホップが展開。多彩なサンプルと抜けのイイキックとスネアで組み上げられたトラックと、その上で力強く泳ぐようにラップする一人の男のカッコヨサ。
●レーベルがあの個性的な DEFINITIVE JUX ってのも注目!COMPANY FLOW のリーダー EL-P が主宰するアブストラクトでユニークなサウンドの巣窟ニューヨークの地下で育った異形の美学みたいな部分で光まくるこのレーベルを、ボクは探し回ってた時期もありました。とはいえ、MURS & 9TH WONDER の音楽はそのチャーミングさもひっくるめて地に足ついたメジャー感があって、レーベルイメージのアングラ気分と無縁な感じ。わずかな客演として、9TH WONDER のグループ LITTLE BROTHER のラッパー/シンガー PHONTE が一曲参加

MURS 9TH WONDER「MURRAYS REVENGE」

MURS & 9TH WONDER「MURRAY'S REVENGE」2005年
●このコンビ名義でのセカンドアルバム。この次が冒頭の「SWEET LORD」。この二枚をリリースしているのは RECORD COLLECTION とかいうロスのレーベル。ヒップホップというより、RED HOT CHILLI PEPPERS のギタリスト JOHN FRUSCIANTE不思議なソロアルバムを一年強で6枚もリリースした事で有名なレーベルらしい。FRUSCIANTE のソロは別の時期のヤツを聴いてて、バンドの印象とは無縁すぎるロウファイぶりにちょっとドン引き…そこから手が出てません。
●でも、この二人がやってることは変わらず、チャーミングなラップとカラフルなトラックを、鳴らしてる。ジャケの印象もあるのかな…妙に男臭いラップにも聴こえるなあ。こっちにも LITTLE BROTHER のメンバー BIG POOH の客演があるね。


●音、つけときます。

●MURS & 9TH WONDER「LOVE THE WAY」




●MURS & 9TH WONDER「BAD MAN !」




●MURS & 9TH WONDER「L.A.」




●MURS & 9TH WONDER「D.S.W.G (DARK SKINNED WHITE GIRL)」



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