●娘ヒヨコ、我が地元・下北沢で「おそ松さん」の缶バッジをバックパックにたくさんつけたお姉さんを見かけたとな。
●しかも、6人均等じゃなくて「十四松」だけだったとな!「十四松」!6兄弟の中でも一番奇抜な天然バカキャラ!いーねー十四松ヒヨコも大好きだよねーあのお姉さんセンスいいよねーと父娘でひとしきり笑う。でも検索すると彼の声担当が小野大輔さん。ボクでも知ってる人気声優。小野さんに引っ張られての十四松押しだったのかな。声優世界、もっと研究しないとな。



●最近は2ステップを聴いている。もうみんな忘れちゃったムーブメントじゃなかろうか。

THE ARTFUL DODGER「THE ARTFUL DODGER PRESENTS RE-REWIND BACK BY PUBLIC DEMAND」

ARTFUL DODGER「THE ARTFUL DODGER PRESENTS RE-REWIND BACK BY PUBLIC DEMAND」2000年
2ステップ1990年代末から2000年代初頭にかけて一瞬だけ煌めいてスグに消えて無くなったダンスミュージックのスタイル。パッと咲いてパッと散った時代の徒花のような存在だったように思える。1990年代を賑やかしたドラムンベースのムーブメントが成熟しきって徐々に勢いを失ってきた頃、その後継スタイルのような存在として登場。地下世界発信のゲットーミュージックの野趣が味になっていたドラムンベース/ジャングルと違い、高度に洗練されたオシャレさが少々ハイプな匂いすら感じさせていたこの音楽は、ロンドンアイや現代的高層ビルがニョキニョキと出来たりして、伝統と革新が入り混じる都市に変貌していくロンドンの楽天的な未来観を象徴していたかのように思えた。
2ステップという名前は、小節の中の2拍目と4拍目、つまり偶数拍にリズムのアクセントをつけてるのが由来。ハウスミュージックの4つ打ちフォーマットを解体した結果、そのビートは実に自由奔放となって、ベースとキックがポンポンと小気味よく弾み、可憐なハイハットが楽しげに踊るようになる。ドラムンベースによるビート実験の収穫をうまくすくい取って、自由なブレイクビーツ感覚をグラマラスでハウシーな洗練美に結晶させたような音楽。ドラムンベースゆったりしたダブベースと高速ハイハットの二重構造でフロアの楽しみ方を二通り用意したように、2ステップ四つ打ちグルーヴと偶数拍グルーヴの二重構造を採用することでが二通りの解釈ができるようにになってる。UK ガラージ とも呼ばれて、ハウス好きのクラウドを中心に、ミレニアムのダンスフロアをオシャレに沸かせていたはずだ。とはいえ華奢な印象は否めなくて。だから短命だったのかな。
●このCDは、2ステップ・シーンの中核を担ったプロデュースチーム ARTFUL DODGER がコンパイルしたミックス盤で、当時のフロアを揺らした名曲がいっぱい入っている。特に注目はやっぱり1999年に発表された彼らの代表曲「RE-REWIND」。その後ソロシンガーとしてブレイクする CRAIG DAVID をフィーチャー、彼の、歌唱とラップの中間をいくような特徴的なスタイルが実に効果的で、そんな彼の声をブンブンと唸るベースにしびれるトラックに配置してる。ARTFUL DODGER って単語を直訳すると「イカサマ」「サギ師」という意味になる。時代の徒花のようなダンスミュージックを一瞬だけでも華麗に咲かせた様子を「イカサマ」とするならば、彼らは超一流のサギ師だ。
●その他の注目曲は、これまた ARTFUL DODGER CRAIG DAVID の共作「WOMAN TROUBLE」ALL SAINTS「I KNOW WHERE IT'S AT (WIDEBOYS REMIX)」 ALL SAINTS なんてココでしか聴いたことがないよ。

MJ COLE「SINCERE」

MJ COLE「SINCERE」2000年
●ダンスフロアでの評価を高めていても、アーティスト単位のアルバムがたくさんリリースされるまでシーンが成熟するにはワリと時間がかかるのがダンスミュージックの宿命。その中でもいち早くフロアから離れてホームリスニング対応のアルバムをリリースしたのが「2ステップの貴公子」ともいうべき存在感を放ったこのトラックメイカー MJ COLE。クラシック音楽の教育/教養を備えた若き秀英は、ドラムンベースの世界からキャリアを起こしながらもすぐにこの新型ムーブメントに着目。そしてこの才能が、80年代後半以来の UK シーンを支配してきたカリスマDJ GILES PETERSON にフックアップされる。で彼のレーベル TALKIN' LOUD からリリースされたのがこのCD。アシッドジャズからドラムンベースへシフトしてきた TALKIN' LOUD が次なる潮流として2ステップにアプローチした瞬間だ。
●小気味良い2ステップのビートに、可憐な鍵盤楽器またはストリングス、ジャズギター、各種サンプルのウワモノを配置してよりガラージ感が成熟。そしてハウシーでエモーショナルな女性ボーカルがドンと乗っかる。時には、高速ビートを華麗に乗りこなすラップも活躍。この2ステップに関与した高速ラップが、後にUK独自のヒップホップ進化から産み落とされるグライムというスタイルに結実するグライムもたくさん聴いたけど、このブログでは触れきれてないな。そのうちちゃんと取り上げたいです。

MJ COLE「CUT THE CHASE」

MJ COLE「CUT TO THE CHASE」2003年
●歌モノ/メロディーものとしての成熟でホームリスニング仕様に傾けた感がある前作に比べ、フロアオリエンテッドな気配がちょっと濃くなった彼のセカンドアルバム。もちろんレーベルは TALKIN' LOUD。ジャマイカから ELEPHANT MAN を召喚するなどラガ要素ダブ要素が濃くなったり、グライム系ラッパー/シンガーの活発な起用などでよりカラフルに芸風が広がったとも言える。
●完璧な2ステップのトラックにグライムな高速ラップが乗る「LIVE MY LIFE」や、ダンスホールレゲエのグルーヴと2ステップが合体した「RUFF LIKE ME」文字通りラフ&タフな野趣がいい感じ。一方で、可憐でキュートな高速2ステップ「PERFECT PITCH」フィリー系ネオソウルの女傑 JILL SCOTT を召喚してるあたりも大成功。でも、ストリングスで華麗にドレスアップされたハウス感覚がフロア/ホーム両方で最高に機能してる「HONESTY」が一番好き。
●結局、アルバム単位でのリリースは MJ COLE にとってこれが最後になってるみたい。ダンスミュージックは徒花。継続的にアルバムをリリースしていくのは難しいようだ。でもシングル単位のリリースは継続してて、リミックス仕事でも活躍中。
2000〜2003年のダンスミュージックといば、2ステップの他にもたくさんの動きがあって。ヨーロッパのエピックトランス(オランダ系が強くてダッチトランスとも呼ばれてたような)、イギリス国内で支持を集めてたディープハウス〜プログレッシブハウス、そんで日本のパラパラ(ある意味で強烈に奇矯なダンスカルチャー)が局地的に猛威を振るってた。その後は KITSUNE 一派から端を発するフレンチエレクトロの旋風、それと並走してバンドサウンドと合体するニューレイヴ、それを乗り越えての2010年代 EDM の登場って流れがあるのかな。2ステップに先行する1997〜99年頃にはスピードガラージってシーンもあったけど、それこそ徒花過ぎてほとんどチェックできなかった。

CRAIG DAVID「GREATEST HITS」

CRAIG DAVID「TRUST ME」

CRAIG DAVID「GREATEST HITS」2000〜2008年
CRAIG DAVID「TRUST ME」2007年
ARTFUL DODGER によってフックアップされて「REWIND」で彼の絶妙なボーカル/フロウが評価されたのは1999年のこと。2000年でアルバムデビューした時で彼は二十歳になるかならないか。実に早熟。この段階で、完全に独特のシンガーとしてのスタイルがこの段階で出来上がっていたのだから。繊細なハイトーンを駆使して、ラップのように言葉をギュッと詰め込んでみたり、その甘い美声を伸びやかに聴かせてみたり。その緩急のバランスも実にユニークだった。ファーストアルバム「BORN TO DO IT」2000年の時、彼の音楽を最初にボクが聴いたのはフィンランド・ヘルシンキのホテルに旅行で滞在してた時の音楽テレビ番組だったっけ。すぐにヘルシンキの街で探したけど見つからなくて。結局日本で買ったです。その初期の名曲「7 DAYS」「FILL ME IN」「REWIND」もしっかりこのベスト盤「GREATEST HITS」には収録されてる。
●しかし、彼はセカンドアルバムの段階から既にスタイルとしての2ステップには距離を作って、もっとオーセンティックなUKソウルの王道を目指す。この路線変更には当時正直言えばだいぶガッカリした…もっと2ステップの可能性を拡大してくれればいいのに、普通のシンガーになっちゃったよ…ってな感じで。時間が経った今だから冷静に聴けるのかな。STING の90年代の楽曲「SHAPE OF MY HEART」からフックラインを拝借した「RISE & FALL」などは UK らしいアーバンR&Bに仕上がって、耳に心地いい。ただ、一旦は彼から興味が失せた時期があったのは間違いないんだよね。しかし4枚目の大味な攻撃には面白くなっちゃった。
●彼の4枚目にあたるアルバム「TRUST ME」では DAVID BOWIE の大ヒット曲「LET'S DANCE」を大胆に大ネタ使い。同じ時期には中東系シンガー KARL WOLF TOTO「AFRICA」大ネタ使いがあったりもしてたけど、コッチの方が大胆で効果的。ドメジャーなシンガーとしての貫禄がつきまくっている。やはり80年代気分のメロウネスが印象的な「KINDA GIRL FOR ME」、 軽快なダンスステップが楽しい「6 OF 1 THING」、客演に RITA OLA を迎えたほんのりモータウンスローバックなアーシー気分の「AWKWARD」グライム系ラッパー KANO を召喚した「THIS IS THE GIRL」など、聴きどころは多い。2ステップとは関係ない文脈で、才能を存分に発揮する立派なシンガーに成長してる。

AYUSE KOZUE「A♥K」

AYUSE KOZUE「A❤︎K」2007年
ジェイポップの中に、2ステップのエッセンスを導入して登場した早熟な歌姫。もっともっと彼女の野心的な音楽は評価されてほしい!デビューの瞬間から彼女の音楽に惚れ込んでそのまま4枚わざわざシングル全部買った上で、満を持して迎えたこのファーストアルバムは、長い時間が経ったけど今だにボクのオールタイム愛聴盤です。
●彼女が二十歳そこそこでシーンに登場した2006〜2008年ごろは、着うた系 R&B シンガーのブームが最盛期(または「着うた」という音楽聴取スタイルが最盛期)だった頃で、青山テルマ加藤ミリヤ西野カナなどなどが世間から注目を集めていた…そんなジャパニース R&B のアプローチに2ステップをブッ込んできたのは実に新鮮だった。彼女はシンガーソングライターで、作詞作曲だけでなくプログラミングまで担ってトラック制作もアレンジもする。なんと!この2ステップも彼女本人由来のセンスか!?確かにプロデュースに TEI TOWA TAKU TAKAHASHI(M-FLO)など、日本へ2ステップを紹介した人々が関与してるけど、完全に自分のものにしてる。CRAIG DAVID のように、ラップのように歌詞を詰め込んでいく場所と、のびのびとファルセットで歌い上げる場所のメリハリを作っていて、 その緩急が実にスリリング。そんなアプローチが他のアーティストと彼女の存在感を圧倒的に差別化していた。加えて言えば、彼女の声、そして楽しそうに歌うMVでの表情が、すごくキュートなんだよね。
TOWA 氏バックアップのデビュー曲「BOYFRIEND」は、それこそゴージャスなアレンジで洗練された純然たる2ステップで、そのビートに日本語が絡む新鮮さが今でもユニークなラブソング。スチャダラ BOSE さんを召喚した「SUNDAE LOVE」は若い彼女のチャーミングさと瑞々しさが炸裂。このへん、他のR&BよりもBPMが速くてボクにはよりキャッチーに聴こえるんだけどね。スローテンポ楽曲「思い出すよ」では BUMBLE BEE という女性ラッパーを客演に招いてる。このラップが朴訥としてていい味…。アルバムを通すと決して2ステップ一本槍ではないけど、トラックメイキングにいちいちワザアリな感じが一貫してる。それがメランコリックなバラードであっても。
●シングルまでチェックするとリミックスでも気合が入ってることがますますわかる。本場 UK ドラムンベースの大御所 SHY-FX & T-POWER や北欧のハウスプロデューサー RASMUS FABER、京都の新鋭ハウスアーティスト HALFBY などに依頼してる。すげーなー。
●当時、日本で2ステップを導入しようとしていたのは、前述の TEI TOWA さん。SWEET ROBOT AGAINST THE MACHINE 名義の DENIECE WILLIAMS カバー「FREE」2003年がめっちゃ佳曲。M-FLO もだいぶ早いアプローチで、三人体制時代のヒット曲「COME AGAIN」2001年ですでにトライしてる。MONDO GROSSO大沢伸一氏もアシッドジャズからハウス路線に傾く中で「LIFE」「BUTTERFLY」2000年というシングルをリリースしてる…彼の場合その後はハードなエレクトロにまで突き進んでいくのだけれども。

●ダラダラ書いたけど、結局は AYUSE KOZUE ちゃんのことをキチンと紹介したかっただけです。



●動画はあるかなー。

●ARTFUL DODGER FEAT. CRAIG DAVID「RE-REWIND」。




●MJ COLE「CRAZY LOVE」。バンドスタイルのテレビ出演だ。




●CRAIG DAVID「FILL ME IN」。何しろ基本がイケメンなんだよな。




●CRAIG DAVID「HOT STUFF (LET'S DANCE)」。2ステップ関係ないけど。




●AYUSE KOZUE「BOYFRIEND」。




●AYUSE KOZUE「SUNDAE LOVE」FEAT. スチャダラパー BOSE。



スポンサーサイト
Secret

TrackBackURL
→http://unimogroove.blog4.fc2.com/tb.php/1869-e2b1dc6a