ゲーム「POKEMON GO」がとうとう日本リリースされた。

●あんだけアメリカからのニュースであおられたらさすがに気になるわ。任天堂の株価もストップ高寸前になったというし。日本の知財が世界を支配するか?中身を作ってるのは「イングレス」ナイアンティック社だけどね。
●昨日は朝イチから商談で年間1億円の取引を議論してたのに、スマホに「POKEMON リリース」のニュース速報入ったあたりで、先方さん4名も弊社チーム4名もこっそりスマホを操作し APP STORE でダウンロード。口先では真面目に議論してるくせに、手先で全然別のコトが出来るマルチタスクなボクラのスマホ指に万歳!お客さんを見送った後で今後の対策打ち合わせとなると見せかけて、一番の先輩が「で、どうやってゲーム始めるの?」デスクに戻ったら職場みんなでスマホをのぞいて「あ!ここにいた!ゲット!」とか言ってる。
●ボクは社員食堂で昼メシ食べながらゲーム開始。しかし、コレが圧倒的に恥ずかしい!若い女の子たちがキャーキャー言いながらスマホのぞいてるのはまだカワイげがあるが、40を過ぎたボクがたった一人、何もない床や隣の席にスマホをかざして「あ、ヒトカゲだ」とか言ってるのは、あまりにも痛い痛すぎる。慌ててトレイを片付けてエレベータホールに行くもそこでもポケモン探しは恥ずかしい。で、人気のない非常階段まで逃げ込んで、自分のフロアまで10階分の階段を登りながら心置きなくポケモン探し。カメラ起動しっぱなしでスマホが熱い!
●ソーシャルのタイムラインは、昨日までのフジロック自慢な書き込みを押しのけて、ポケモン探しばっかに変貌。こんなにみんなポケモン好きだったの?実は世代じゃないからボク一ミリも通ってないんだわ。思い入れ完全にゼロ!

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さて、夜11時。仕事が終わって、29歳後輩女子(「ワタシ、ポケモン世代なんです!」って言ってた)からプレイの仕方を一通り教わって…この辺だいぶ痛い情弱オッサンな感じなんだけど…、でも!夜の街に繰り出す。
●とりあえず新橋駅前、烏森神社の周辺飲み屋さん街を突っ切って、週末の居酒屋から帰路に向かう人々の流れに逆らい歩く。「ポケスポット」なるアイテムを補充する地点をめぐり、そしてポケモンを捜索する。そのまま銀座線一駅分を歩いて虎ノ門。とりあえず、20匹ほど捕獲したぞ。ふー、それにしてもこの行為、本格的に「歩きスマホ」だ。マジ危ないマジ反社会的。酔っ払いグループの連中とゴツゴツ肩ぶつけてしまったぞ。コミコだソーシャルだキャンディクラッシュだと、すでに普段から「歩きスマホ」常習のボクの感覚でも、没入度が他のサービスに比べ強力な「POKEMON GO」は危ないと思うほど。本当に信号見ないもんね。誰かが絶対事故起こす。

●で0時ごろ家に着いたら、ワイフ&息子ノマド&娘ヒヨコ、家族全員で自分の今日の成果を報告しあってる。家族四人が全員スマホにポケモン格納してる。バカ家族!ノマドなんて今日1日だけで100匹以上ポケモン捕獲して、とっととダブったポケモンをアイテムに交換しお気に入りを強化/進化させてやがる。ワイフは下北沢のスーパーで捕獲したのにGPSの具合が悪くてアプリがフリーズ。これが3回も発生してプンプン。一方娘ヒヨコは、ポケモンカワイイけど多分三日で飽きるとな。
●ワイフのママ友のライン報告によると、大学生高校生の息子が「ちょっくら10キロほど走ってくるわ」と家を出て行ったそうな。10キロの移動でポケモンの卵が孵化するギミックがあるのよね。ポケモンはそんなヘルシーな動機付けまで作るのか!?えー。どうしようかなー。週末のヨガ教室には明大前まで徒歩で移動するか?ポケモン集めて健康になるか?ワイフが夜中に郵便局のATMまで歩いて行ったら、深夜の街じゅうにスマホ片手の人々が徘徊してたという。「POKEMON GO」のアバターが着てるファッションは、実はジョギングウェアっぽいんだな。アバターと同じカッコした人たちがウロウロ。
ぶっちゃけ、うざいわー。現実世界をポケモンにハックされてて人間文明は良いのか?現実の街並みの中に、奇妙なアルゴリズムで出現する仮想生物の気配を探りながら生きなきゃならんの?VRヘッドセットが普及する前に、仮想現実の網が全世界を包んでしまった印象だわ。とりあえず、何かに納得するまで多分ボクはプレイするけどね。ワザと苦いモン飲み込んで、自分の感覚をネジッていくのが、ボクのいつものやり方なんで。



●さて、今週はフジロック開催日。今回で20回目だって。そっかー20年経ったかー。ボクは一回目と二回目しか行ってない。苗場には一度も行ったことがない。
●そんなフジロック3日目最終日の大トリが、屈強なベテランバンド、THE RED HOT CHILI PEPPERS だ。彼らの最新譜を聴く。

THE RED HOT CHILI PEPPERS「THE GETAWAY」

THE RED HOT CHILI PEPPERS「THE GETAWAY」2016年
レッチリと、気鋭のプロデューサー DANGER MOUSE がコラボ。今回はそれが目玉!レッチリはもちろんのこと、DANGER MOUSE もボクにはずっと注目のアーティストだった。GNARLS BARKLEY でメジャーシーンに堂々登場した以降も、様々なアーティストとのコラボでどんどんその武名を大きくしている。彼の出自は確かにヒップホップだけど、もはやヒップホップに囚われては彼の音楽は理解できない。とっくのとうにもっと大きな世界に漕ぎ出している。今回のコラボは DANGER MOUSE の方からの申し出だったそうな。歴戦の武闘派レッチリの面々、コラボが生ぬるいようなら楽器を放ってスタジオを出てく覚悟もあったようだが、結局は意気投合、素晴らしい結果を生み出せたようだ。
●90年代の傑作アルバム「BLOOD SUGAR SEX MAGIK」1991年以来ほとんどの仕事をプロデューサー RICK RUBIN と組んできたバンドだ。で、これも全く間違ってなかった。さて、これがパートナーを変えてどうなっちゃうの?という期待でいっぱい。そしたら、ことのほか円熟したグルーヴが飛び出してきた。ロスのヤンチャな悪ガキがそのままマッチョなオッサンになってしまったこのバンドも、近年のアルバムには大昔からのバカ騒ぎとは一味違うメロウなアプローチを忍ばせてきたもんだ。ただ、今回は、アルバム全体のグルーヴに丸みと落ち着きがあって、元来の強力なファンクネスと絶妙に共存している。いぶし銀のスローチューン「CALIFORNICATION」を連想したが、あの曲単品だけじゃなくて、アルバム全部が統御されてる。決して派手じゃないけど、こくまろの味がイイ。まさしくバンドの探っている方向性をプロデューサーが一気に切り拓いたかの印象だ。
そしてもう一人のキーパーソン。ミキシングに NIGEL GODRICH が入ってる。この人物も音響デザインの達人。プロデューサー/エンジニアとして RADIOHEAD、BECK、R.E.M.、TRAVIS などなどを手がけたツワモノ。この人の BECK での仕事、特に「THE INFORMATION」2006年とか大好きだな。丸みのあるグルーヴはこの人の技が関与してるかも。あ、BECK「MODERN GUILT」2008年は DANGER MOUSE のプロデュースとな。似たところで仕事してる二人。そして BECKフジロック2日目のトリ

ATOM FOR PEACE「AMOK」

ATOM FOR PEACE「AMOK」2013年
レッチリ関連作としてこの一枚を。RADIOHEAD のフロントマン THOM YORKE に、レッチリのベース・FREA、そして前述の「THE GETAWAY」のミキシングを手がけてきた NIGEL GODRICH などなどというメンツで結成された、いわゆるスーパーバンド。本来は THOM YORKE のソロアルバム「THE ERASER」の内容をツアーで演奏するためのバンドだったみたいなんだけど、まーこんだけのメンツですからインスピレーションがモクモク湧いてしまって、バンド単位でアルバム制作&ツアーをすることになっちゃった。
●この作品の質感が「THE GETAWAY」に近い。そりゃそうだ、FREA & NIGEL GODRICH と二人も当事者がカブってるのだから。繊細なエレクトロニカの構造でありながら、プログラミング音響の冷たい肌触りを巧妙に回避して、不思議な人肌を持つに至っている。THOM YORKE はいつものようにどこかこの世ならぬオーラを放射しながら歌唱してるけど、FREA はじめリズム隊はどこか利発なケモノめいたグルーヴをモコモコとウネリ倒して、結果バンドはしっかりと重力の下で力強く立っている。雄々しいシカ、俊敏なヒョウ、誇り高きオオカミ、そんな猛獣たちが、凛々しく自らを律して抽象化された生命のリズムを刻んでいるかのような印象。
●全裸でステージを駆け回りベースを弾き倒す怪物 FREA がこんな演奏を?という意外さよりも、今回のレッチリがこのバンドに接近してしまったことの驚きの方が勝る。ちなみにこのCDは、中野ツタヤのレンタル落ちで200円。これもイイ買い物だったな。

DANGER MOUSE SPARKLEHORSE「DARK NIGHT OF THE SOUL」

DANGER MOUSE & SPARKLEHORSE「DARK NIGHT OF THE SOUL」2010年
さて、今後は DANGER MOUSE 関連作品を。この作品は SPARKLEHORSE という名のアメリカのインディアーティストとのコラボを軸に、たくさんのオルタナ系シンガーをフィーチャーした作品。招集されたシンガーは、IGGY POP に始まり、SUZANNNE VEGA、元 PIXIES BLACK FRANCISTHE FLAMEING LIPS、THE CARDIGANS、SUPER FURRY ANIMALS、THE SHINS、THE STROKES のボーカルたちなどなどと本当に豪華絢爛。そして超特別ゲストに DAVID LYNCH。あの映画監督の DAVID LYNCH だよ。「ブルーベルベット」の、「ツインピークス」の、「マルホランドドライブ」の、DAVID LYNCH がボーカル参加だよ。この人近年音楽活動にハマっちゃってるっぽいからね。
●マルチ演奏家である SPARKLEHORSE DANGER MOUSE、どちらの持ち味が作用してるのかよくわからないのだけれども、どこかサイケデリックで退廃的な空気感がただれ気味。オルガン/キーボードが甘美すぎる。奥ゆかしいフォークロックがそんなアレンジに甘く包まれている。穏やかな優しさがにじみ出るような場面もあれば、マジで DAVID LYNCH の映画サントラみたいな、変な汗がにじむような気配も漂う。実はこの作品のコンセプトには DAVID LYNCH がかなり前ノメリに関与してて、本当だったら、DANGER MOUSE と SPARKLEHORSE と DAVID LYNCH の三者連名作品になっていたのかもしれなかったという。それがそうならなかったのはそれなりな事情があったでしょうけれども、そこはよく分からん。結果的に何かがモメてリリースがドエラく遅れた模様。それに対抗して意図的にネットにリークまでされたみたいだし。
●しかし、この作品、ここで終わらない。正式リリースの数ヶ月前にパートナーの SPARKLEHORSE自殺。リリース前年2009年にもフィーチャーシンガーのひとりであるシンガーソングライター VIC CHESTNUTT自殺している。死人が二人も「DARK NIGHT OF THE SOUL」…闇が深すぎる。

DANDER MOUSE DANIELE LUPPI「ROME」

DANDER MOUSE & DANIELE LUPPI「ROME」2011年
DANGER MOUSE の仕事はそれでも止まらない。DAVID LYNCH との仕事に影響を受けたのか、擬似サントラアルバムを制作。ここでのパートナーはイタリア人映画音楽家 DANIELE LUPPI。実はこの男、「DARK NIGHT OF THE SOUL」にもレッチリ「THE GETAWAY」にもストリングスアレンジとして関わってる。DANDER MOUSE のメジャー出世ユニット GNARLS BARKLEY でのアルバム制作で初コラボ、そこで「マカロニウエスタン」映画のサントラ趣味で意気投合した仲だという。ここに加えて、シンガーとして声をかけたのが、あの NORAH JONESTHE WHITE STRIPES を解散させたばかりの JACK WHITE。むー。DANGER MOUSE 人脈すごいなあ。
●なんでタイトルが「ROME」なのか?と言えば、本当に「マカロニウエスタン」を標榜して、ローマでレコーディングしているからだDANIELE の故郷というだけではない。ズバリ「マカロニウエスタン」で名を挙げた映画音楽の巨匠 ENNIO MORRICONE が作ったスタジオで、彼らは完全アナログレコーディングにトライしている。さらには MORRICONE と一緒に仕事したミュージシャンたちともコラボ。MORRICONE と共に音楽を作ったベテランということはみんな70〜80歳くらいの古参兵。しかし腕は超一流。
●1960年代から70年代にかけて、なぜかイタリアで盛んに作られた西部劇アクション映画、それが「マカロニウエスタン」。個人的には、たまたまこのジャンルに関する本を今読んでて、興味津々。激しいガンファイトに過激な暴力シーン、ニヒルな人物描写と乾いた作風が特徴とされる一連の作品群は、タランティーノ始め現在のクリエイターにでかい影響をおよぼしているとな。
●そんな流れの延長において、今回のこの音楽において、ガンマンたちの男気部分を体現しているのが、シンガーJACK WHITE の役割らしい。ビンテージ機材にこだわるこの男も、二人の思想に共鳴。ただいつもの爆発力はグッと抑えて、抑制されたトーンの中に佇んでいる。ただしその手にはリボルバーを握りしめて。
NORAH JONES は、流れるようなストリングスの動きの中で、憂いを込めたトーンでこの荒廃した世界を眺める女優さんみたいだ。とてもメランコリックだね。そもそも今回の音楽ではストリングスと怪しく艶めく(昭和っぽい)エレキギターが、ビンテージなサントラの味を構成してるのだが、その世界観に的確にフィットしてるよ。ジャズシンガーの印象が強い彼女だけど、実はジャンル越境の好奇心が旺盛な彼女。今回の仕事もとっても楽しんだみたい。

NORAH JONES「LITTLE BROKEN HEARTS」

NORAH JONES「LITTLE BROKEN HEARTS」2012年
DANGER MOUSE はそのまま NORAH JONES のオリジナルアルバムのプロデュースを担当。彼の本来の持ち味である、ビンテージ趣味とそのスタジオ密室感、そして結果導き出される柔らかいポップ感覚が、NORAH JONES のチャーミングさをさらに引き出している。
●この仕事では、NORAH DANGER MOUSE は、彼のプライベートスタジオで誰にも知られずこっそり5日間ジャムして過ごし、その音源をブラッシュアップすることで完成してるみたい。ていうか、そのシチュエーションって羨ましい!NORAH みたいな美人さんに「ボクのロスのスタジオでコッソリジャムして遊ぼうよ」って誘うって、誰にも使えない必殺技でズルすぎる!いいな!いいな!くっそー、このスタジオ密室感も二人だけのコッソリ密会気分の反映なんだな。イチャイチャしてるかと思うとタマラン気分になる。DANGER MOUSE、高身長でイケメンだしなー。シングル曲「HAPPY PILLS」は楽しいポップソングで明るい気持ちになれる。


●ということで、縦軸ほぼ DANGER MOUSE な文章でした。
●この文章書いている間に、ボクのスマホにポケモン4匹飛び込んできて捕獲しました。パラスとドードー、クラブにカイロス。ちっとも思い入れできねえザコキャラなルックス。これ今後育てがいがあるのか教えてくれ息子ノマド!


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