ゲスの極み乙女。「当面の間活動を自粛することとしました」だってさ。
●ボーカルの川谷絵音「未成年者と飲酒をしていた事実がありました」ってさ。
●ご本人は同日 twitter で「必ず戻ってくるので、待っていてください」って言ってるので、あんまり懲りてない気配ですけど。
●こういう価値観が、「ゲスの極み」と名乗る所以なのか。


●このバンドの音楽を、真面目に取り上げる事もなかろうと思ったけど。
●やっぱ普通に聴いてたもんだから、一応言及してみるね。うまくまとめられる自信はないけど。

ゲスの極み乙女。「ロマンスがありあまる」

ゲスの極み乙女。「ロマンスがありあまる」2015年
●このシングル曲、おいっ子のカケル当時幼稚園生が可愛げたっぷりに歌ってたのが楽しくてねー。「ロマンスがありあもー、ロマンスがありあもー、うーう」うんうん、ありあもーだねえ、いいねえカケル。天下の TOYOTA がCMソングに選んだくらいだったからねえ。へんな名前のバンドだけど立派になったねえ。そう思ってたんだよ。いろいろなトラブルがまだ起こる前だったからさ。

ゲスの極み乙女。「ドレスの脱ぎ方」2013

ゲスの極み乙女。「ドレスの脱ぎ方」2013年
●ボクがこのバンドを知ったのはこのファーストミニアルバムの時だね。タワレコでたまたま見つけたインディ盤…レーベルの名前は GESUKIWA RECORDS。CDの帯コピーは「世界中のゲスの皆様、お待たせ致しました。どうも、ゲスです。」なんだか猛烈に露悪的なバンド名。なんだか猛烈に負のオーラ。その悪趣味さ加減に関心を持ってそのまま購入してしまいました。
●CDに添えられたバンド紹介が「4人組ヒップホッププログレバンド」「高い演奏技術を駆使した何が起こるかわからない曲展開に全てを飲み込んでしまう声。ヒップホップを基調としながらも独自のポップメロディを奏でる天才集団である。」って書いてある。しかし、聴いてみたところ、どこもかしこもヒップホップじゃないし、どこもかしこもプログレじゃないのだ。「ロマンスがありあまる」がヒップホップだって思う人いないでしょ、この初期音源でも全然そんな気配ないのですよ。うわーどうやって聴いたらいいか分からんわー。ということでしばらく放置。
●ボクは、基本的にリリックに関心が薄い人間なので、奇妙なバンド名や思わせぶりなアルバムタイトルと同質っぽいリリックから漂うダメオーラの腐臭をほんのり感じながらも、別に取り立てて気になるモノを察知することはできなかった。もーねー、ボク40歳超えたオッさんだからさー、ドレスを脱ぐとかさ、そのドレスで無駄に着飾ってるとかさ、そのドレスは自分で着たもんじゃないとかさ、産まれた時からドレス着せられてたとかさ、今自分でドレスを脱ぐ時が来たとかさー、もうどうでもよくなっちゃってるんだよね。痛みきったカラダでゲス通り越してキチガイまで行ってるしね。ゲス気取る余裕もねーっつーの。

●だからメジャーにのし上がってきた彼らを、TOYOTA のCMで発見した時はビックリしたよ。しかも現行のメジャーなジェイポップシーンで一番ヒップなレーベル UN BORDE(ワーナー系)からのデビューじゃん。UN BORDE には、神聖かまってちゃんがいるし、TOFUBEATS がいるし、きゃりーぱみゅぱみゅ中田ヤスタカ(CAPSULE)がいるし、RIP SLYME がいるし、高橋優がいるし、パスピエがいるし、ANDROP がいるし。生きのイイアーティストがぎゅっと集まってる。おーっと思ったよ。

ゲスの極み乙女。「私以外私じゃないの」

ゲスの極み乙女。「私以外私じゃないの」2015年
●音楽の聴き方も飲み込めたよ。このバンドのピアノは、繊細な場所で最低限の音を鳴らしてグルーヴに粘りをつける。ゲスじゃない、とても上品だよ。ドラムもベースも堅実でテクニカル。ギターも含めて、無理に音を詰め込んだりしないでも、スムーズで軽妙なグルーヴが推進できるって分かってる。川谷絵音のボーカルも、ヘンにエモーショナルにならない力の抜けた感じが、ポップミュージックとしての安定感になってる。メロディラインも気負いがないようでいてユニークにフラフラと展開してファルセットまで行っちゃう。…聴き返せば「ドレスの脱ぎ方」の段階からバンドのスタイルは何ら変わってない。ヘンテコな「ヒップホッププログレバンド」なんて自称をしなければ、もっとシンプルに理解できたのにな。だから、悪い音楽じゃないと思ってる。今でもね。素朴に面白いよ。
●だからシングル表題曲の奥に隠れてるB-SIDEの曲も好きだよ。「ロマンス〜」の2&3曲目「サイデンティティ」「INK」も、「私以外〜」収録の「パラレルスベック」も。

●ただ、歌詞はねー。ここまでコトがコジレてれると評価のしようがないよ。
●どうしたってバイアスかかるでしょ、ベッキーと禁断不倫してたら、さすがにイロイロなモンがありあまるわ。
●で、なんかよくわからんけど、19歳の女の子にちょっかいかけて半同棲して、お酒飲ませましたって…。この19歳女子は舞台を降板して、NHKの番組も干されたとか。

●多かれ少なかれ、すべからく人間はダメでゲスで無様で卑怯なので、文章を書くこと歌を歌うこと音楽を鳴らすことを稼業にする連中が、それをネタにすることは別に珍しいことでもないし、指差されることでもない、とボクは思う。それがオモシロイならアリです。
●しかし、優等生タレントだったベッキーや、19歳の将来ある女の子のキャリアを破壊しても平気な顔してるヤツを、擁護するほどの立場には立てません。もうコレはオモシロくないから。ただの野暮です。

●そしてもう一点。「ゲスでいることがアーティストの特権/ゲスを許されるのがアーティストの特権」と考えている人がいるとすれば、それは大間違いであるとボクは言っておきたい。
●もう一度言うけどすべからく人間はダメでゲスで無様で卑怯。その自分のゲス具合と対峙して折り合いをつけていくのが人生。自らのゲス具合に人生を破滅させたり命を落としたりする人もいる。そのゲスリスクにどう始末をつけるか、これが人生の大事だからこそ、アーティストは万民へ普遍的に伝わるテーマとしてゲスを取り上げる。その価値がある。アーティストなら安全地帯でゲスを謳歌できると思ったら大間違い。ゲスに命かけるからオモシロイんだろ、調子に乗ってるだけならとっとと退場しろ。さもなくば、ゲスの業火に巻かれて死んでしまえ。


●こんなこと書いてるボクが野暮だ。オモシロくねーなー。


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