●台北ツアー2日目。またホテルでブログ書いてます。
今日は、台北の街を離れて、九份(ジョウフェン)という土地を訪ねました。

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ジブリ作品「千と千尋の神隠し」のモデルでは?と言われる小さな山村であります。この建物「阿妹茶酒館」なんてズバリ「湯屋」をイメージさせるじゃないですか。ココでゆっくり美味しいウーロン茶をいただきました。

●そんなホッコリなイメージとはウラハラに。
●この九份(ジョウフェン)は、今や大量の観光客で殺人的な混雑ぶりを極めるオソロシイ場所になっておりました。

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●本来は金の採掘で知られた場所。山の斜面に細く繋がる石段やかつてのトロッコ道が、現在は超超過密オミヤゲ屋さん地帯になって、幅4メートルもないトコロに大量の観光客がドロドロとさまようだけ。本来のレトロ情緒なぞ霧散して、ただひたすら目標のない行列と、目標のない買い物を強いられる。台北に帰るためのバス停周辺はまさにカオスで、難民が救援を待つような殺伐とした状況を醸しております。お子さん連れの方はマジで気をつけて。迷子になったらもう会えない気がする。中学生であるウチの娘息子ですらヤバイと思って今日は丁寧に歩きましたよ。

実は、ボク、20年前にこの場所に来てるんです。20年前の印象からの変貌ぶりが激しすぎる。
●1996年2月。就職する直前の卒業旅行で、ボクは台北に一週間ほど滞在。その流れでこの村にも来てました。元来この土地は侯孝賢(ホウ・シャオシェン)監督の映画「悲情城市」1989年のロケ地として知られていて、当時アジア映画にハマってたボクはわざわざこの寒村まで足を伸ばしたのですわ。2001年「千と千尋」公開前のコトです。台湾映画の巨匠として知られる侯孝賢は、当時の香港や北京の監督たちに比べても、恐ろしく地味な作風。代表作である「悲情城市」日本統治時代最末期の台湾をレトロ情緒たっぷりに描いたクラシカルな映画で、小津安二郎チックな空気感が爆睡の誘惑すら醸す傑作であります。
●鉄道と路線バスを乗り継いで訪れた当時の九份は、静かで本当にナンもない場所。伝統的で素朴な家屋がただ斜面に張り付くだけで、自動車なんて入れない細い道におじいさんや野良犬が小雨がパラパラと降る中を歩いてるだけ。外国人どころか観光客もほとんどいない。古い建物をリノベーションして趣味のイイお店にしてるトコロを見つけて、あーあの映画を見てこの場所に注目する人もいるんだーなんて考えてたものです。ケバケバしい赤提灯もこんなにたくさんはぶら下がってなかったし。あてどなく1〜2時間散歩して、お茶を一杯だけ飲んで、またスカスカの路線バスに乗って、東シナ海に面した港町・基隆に移動しました。台北のパワフルさとは異質のノンビリした時間の流れ方。侯孝賢監督はそんな空気を掴みたくてこの土地に注目したのでしょう。来てよかったなー。そんな昔の思い出。
しかし20年も経つと、状況はこうもガラリと変わるのか。地元は確かに経済的には潤ってるはずで結構なコトでしょうけど。侯孝賢映画のタイトル「悲情城市」「戯夢人生」の名を持つカフェは確かにボクも気になった。でも村の入り口にはファミリーマートセブンイレブンがドスンと居座っていて、いろは坂みたいにクネクネ曲がるバス通りはタクシーで大渋滞。運転手とトラブった日本人旅行者に出会いました…しかも2組も。

●日も暮れて帰路につく前、大行列をなす公衆トイレでワイフを待ってた瞬間、小さな石階段が脇道に繋がってることに気づきました。そこを十数メートル進んでみたら、ああ、20年前の静かな九份が、しっかり残ってました。静かに斜面にへばり付く簡素な家々と小さな小道たち。そっか、ボク自身がガイドブックの地図に引きずられすぎて、極端な場所にしか足を運べなかったのか…。コドモたちにはこの風景をシッカリ見せておきました。「湯屋」のモデルやオミヤゲ屋だけじゃない、普通の生活の風景。宮崎駿だって、きっとそんな景色に魅せられてアニメを作ったはずなのだから。

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娘ヒヨコは、全部ひっくるめてスゴく楽しんでくれたようなので、わざわざ連れてきた立場としては十分満足。ちょっと疲れたけど、台北のデパ地下で小籠包やギョーザをパクパク食べたら家族全員元気になりました。中華料理はパワー満載だね。お店の名前は「鼎泰豊」っていうトコだったけど、なんか有名なトコロなの?「餃子・宇都宮みんみん」のようなオーラだったけど。


●申し訳ないけど、昨日に続いて今日もレコ屋行ってます。

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誠品 信義店(THE ESLITE XINYI)
台北市信義區松高路11號
●台北が誇る超高層ビル「台北101」がある信義区は、高級ブランド店がひしめく超ハイソサエティなエリア。その中にライフスタイル全体を提案する書店グループ「誠品生活」の大型旗艦店があるのです。その地上6階地下2階の中身は台北最大規模の書店を軸に、BEAMSのようなアパレルから雑貨、カフェ、レストラン、ワークショップ空間まで網羅してまして、当然ながらボクの大好きなCDショップもそこにはあるのです。書店・雑貨・CDと言って、下北沢界隈のヴィレッジヴァンガードみたいなサブカルヨゴレと一緒にしてはいけません。あくまでエスタブリッシュかつクール
「誠品生活」グループは、台湾全土に数十店舗、香港や中国・蘇州にも展開してる企業で、世界的な出版不況に逆らって勢いをますます拡大してる模様。タフな美術書からハリポタ最新作、「君の名は」翻訳「你的名字」まで網羅してました。

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●で、問題のCDショップ。とってもキレイな店内には、英語(西洋)、中国語、日本語に加えて韓国語音源も網羅。特に嬉しいのが「台湾獨立楽曲」というコーナーがあること。つまり「台湾インディ音源」ということですわ。ココに注目して早速店員さんにオススメを伺う。なんだかふかわりょうみたいなもっさりヘアなお兄さんが、カタコト英語で一生懸命音源の説明をしてくれました。「ディスイズ・ポストロック!」「ボサノヴァ…アンドジャズ」なるほどなるほど。なんだか地下アイドルみたいな音源もあったので調子に乗って購入。商品のバーコードを読み取って音楽を再生する試聴機は初めてみた。
このお店にはアナログ音源もありまして。ただアナログ新譜系は有名ポップスのファン向け嗜好品な気分でボクから見ると買う必然性はないかな。ジャズの名盤で再発重量盤(180g)みたいなヤツは台北市民には貴重でも、ボクがココで買う必要はないかも(CDで持ってるし)。中古盤となると、ほとんどがクラシックで神保町の老舗みたいな品揃え。でなければ70年代ロックの定番モノで盤質に難アリの気配。この国でアナログは難しいのかな。


●いきなりだけど、GEORGE MICHAEL 死去。
●台湾でもニュースになってるよ。「英国歌手 喬治邁可 離世享年五十三歳」とな。

WHAM !「WHAM ! THE FINAL」

WHAM !「WHAM ! THE FINAL」1986年
●とりあえず、iPod に入ってる彼のバンド末期のベスト盤を聴く。このベストに収録の「LAST CHRISTMAS」を歌ってる人が、クリスマスの日に死ぬってどういうこと?とワイフがウマイこと言いやがる。そもそも「LAST CHRISTMAS」は去年のクリスマスに失恋した思い出を歌う残念ソングであって、喜んでクリスマスに聴くもんでもない。山下達郎「きっと君は来ない 一人きりのクリスマスイブ」とかなりシケた歌だ。みんな歌詞聴いてない。
●このベスト盤で初めてキチンとデビュー曲「WHAM RAP !」を聴いた。1982年の段階でラップ〜ヒップホップに挑戦するってのはナカナカの慧眼だよね。彼ら英国人のくせして米国ニューヨークのローカルシーンを研究してたって訳だから。

GEORGE MICHAEL「LISTEN WITHOUT PREJUDICE」

GEORGE MICHAEL「LISTEN WITHOUT PREJUDICE VOL. 1」1990年
●これは彼のセカンドソロ。ファーストソロ「FAITH」は世界中で大ヒットしたけど、ボクにはリアタイで聴いたコッチの方が思い入れが深い。「偏見なしで聴いてほしい」というタイトルは、のちに明らかになる彼のゲイセクシャリティに関する苦悩を仄めかしているよう。WHAM ! 時代に期待されてたような明るいディスコミュージック路線は放棄されてて、スローでメロウでシットリとしたブルーアイドソウルが瑞々しく響いてる。
●シングル曲「WAITING FOR THAT DAY」は時代を反映してか、奥ゆかしくもグラウンドビートなアレンジが忍び込んでて、彼のボーカルの繊細さを補強してる。さらにこの曲、アウトロにストーンズ「無情の世界」のサビを拝借したりするんだよね。
「FREEDOM '90」も大好きな曲だ。WHAM ! 時代の能天気なヒット曲「FREEDOM」に対応して、アダルトにセクシーに更新、さらにゴスペルテイストを大胆に導入してる。もちろんコッチの方がボクは好き。




GEORGE MICHAEL 関連、SPOTIFY も駆使してアレコレ聴いたんだけど、当たり前ながら挿入される広告が中国語バージョン。日本と全く使い勝手が変わらないのに、中国語の広告が流れてくるとドキッとする。グローバルサービスが世界を支配するんだねー。


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