村上春樹「騎士団長殺し」
●出ました新作。発売当日に神保町・書泉グランデにて購入。

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村上春樹が大好き!というほどのファンじゃない。「カフカ」「ノルウェイ」も読んでない。とはいえ「羊男」4部作や「ハードボイルドワンダーランド」、あと「パン屋再襲撃」「TVピープル」などなどの短編集は若い頃に読んだっけ。それと「1Q84」ね。楽しみました。
●ただ、いっつも思うのは、彼が描く主人公の、浮世離れっぷりだ。社会とは最低限の接点しかなくて、漂泊してる感じ。これに惹かれる自分を見つける。サラリーマン20年やってても全然馴染んだ感じが得られなくて、何かの集団やクラスタへの帰属感すら感じられなくて、いつもこのままフラリ旅に出てアジアの小都市の安宿に潜り込みたいとか妄想してて、そんでリアルに2年のヒキコモリ経験まであるこのボク自身の、心の中にある宙ぶらりんな感覚をまさに体現する主人公がお出迎えしてくれるのが、村上作品のスタンダードなのだ。今回も「離婚して一人になった肖像画家」という、実に世間と縁の薄ーい男がお出ましだ。仕事も全部捨てて、山の中の一軒家で描けない絵を描いてるだけの男。さあ、この浮世と縁が薄い男と不思議な世界にさまよい込もう。

村上作品の特徴は、結構な頻度で音楽が鳴ってるところだよね。
●高校生のボクが THE BEATLES にハマった一因は、彼の小説にたくさんの楽曲が出てきたからだよ。「1Q84」は冒頭からチェコの音楽家ヤナーチェクが登場したもんね。彼が書くジャズのエッセイも楽しいし。新作でも、メンデルスゾーンベートーベンやオペラの古いレコードを主人公は聞いてるよ。THE ROLLING STONES「TIME IS ON MY SIDE」をもじった表現も出てきたし。
●そんでね、すごく無造作に SHERYL CROW の音楽がカーステレオから鳴ってる場面があって。全然前向きな意味で描かれてない。でも、ほー SHERYL CROW ねー、と思った。じゃあ、今日は彼女の音楽を聴こう。

SHERYL CROW「TUESDAY NIGHT MUSIC CLUB」

SHERYL CROW「TUESDAY NIGHT MUSIC CLUB」1993年
彼女の音楽って、大雑把なくくりでは、カントリーミュージックなんだよね?彼女を TUMBLR とかで画像検索すると、カントリー系のミュージシャンとイベントやライブをいっぱいしてるみたいで。彼女自身もアコギを抱えてパフォーマンスしてるし。今はナッシュビル在住だっていうし。
●でもその割には、リズムがグルーヴィーかつファンキーなんだよねー。このでニューアルバムから大ヒットした「ALL I WANNA DO」は間違いなくリズム感覚にアクセントがあってリラックスした楽しさを増幅してる。そしてアルバムの他の曲には「ALL I WANNA DO」なんかよりもズッと凝ったファンキーアレンジが随所に出てくるんだ。「SOLIDIFY」って曲とか。カントリーがファンキーであっちゃイケない訳ではないけど、下手すると近い時代の BECK にやや先行してるくらいに足腰のグルーヴ感覚またはループ感覚を重視してる気がする。そこがカーステレオ向きな感じになってるのかな。とはいえ、カントリーミュージック独自のシズル感たっぷりのギタープレイや、フォーキーなアプローチもしっかりあるけどね。
●ボクは「LEAVING LAS VEGAS」という曲が好き。あの享楽の街での負けっぱなし人生から潔く脱出する女性の歌。同じタイトルの映画があるけど関係あるのかな。

SHERYL CROW「CMON CMON」

SHERYL CROW「C'MON C'MON」2002年
●彼女の四枚目のアルバム。ドラムプログラミングも駆使して彼女なりのロックを鳴らす。ヒットシングル「SOAK UP THE SUN」の繰り返されるサビが痛快。曲名を日本語に訳すと「日光浴をする」って意味なんだって。この曲はゲストコーラスでオルタナ期の女性アーティスト LIZ PHIAR が参加してる。彼女の脱力系な音楽、好きだった。
●WIKI を見て知るのだけど、このアルバムはゲストが多いね。ロックなリフが印象的な「YOU'E AN ORIGINAL」では LENNY LRAVITZ がいるね。2曲参加してるのは元 FLEETWOOD MAC STEVIE NICKS。女性ロッカーとしては大先輩か。ドラマ「GLEE」ホリー・ホリデイ先生として歌に演技に大活躍した GWYNETH MALTROW も登場。元 EAGLES DON HENLEY もいるなあ。

DON HENLEY「ACTUAL MILES - HENLEYS GREATEST HITS」

DON HENLEY「ACTUAL MILES - HENLEY'S GREATEST HITS」1984〜1995年
●うわ、名前見ちゃっただけで、DON HENLEY の話題にワープ。ご存知 EAGLES のオリジナルメンバーで、ドラマーなのにボーカルしたりしてた人。ベストとはいえ、ソロキャリアを始めたばかりの80年代ヒット曲ばっかりなので、パリパリのアメリカンな産業ロックです。EAGLES のイメージからかけ離れたシンセサウンド導入に戸惑いますわ。でもでも、やっぱ「THE BOYS OF SUMMER」青春ロックな感じで好きだな。過ぎ去る夏と失恋に思いを馳せる少年の歌。
村上春樹にはほとんど関係ないけど、「騎士団長殺し」には中古車を買ったって話も出てくるので、なぜかジャケで中古車店オーナーのカッコしてる DON HENLEY も仲間に入れてあげる。




●動画つけます。

●SHERYL CROW「SOAK UP THE SUN」




●SHERYL CROW「LEAVING LAS VEGAS」




●DON HENLEY「THE BOYS OF SUMMER」




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