突然、クラシックを聴いてる。
スポッティファイは最高だね!全くの未知領域に、サッと手が届く!

THE BARTOK QUALTET「MENDELSSOHN」

THE BARTOK QUALTET「MENDELSSOHN: OCTET / SCHOEMBERG: VERKLARTE NACHT」2014年
●えーとですね、村上春樹「騎士団長殺し」をタップリ楽しんでいるのです。物語は下巻に突入、小田原郊外の山の中の屋敷、主人公の画家は白髪の紳士と出会い、騎士団長に出会い、中学生の少女に出会い、そしてそして不思議な出来事に巻き込まれていく。ゆっくりゆっくり楽しんでます。
そんな物語の折り目折り目に、BGMのように、クラシックの音楽が流れてくる。主人公が暮らす屋敷はかつての住人が集めた膨大なレコードライブラリーがあって、登場人物たちはそのレコードを丁寧に聴く。その様子が実に端正で、彼らの聴いてる音楽が無性に聴きたくなったのだ。そんでスポッティファイを検索すると、ザクザク出てくる!わお、宝の山だよ。これがフリーで聴けるなんて最高!
●早速、アルバムを一枚選んで聴く。「弦楽八重奏曲 変ホ長調 作品20」メンデルスゾーン16歳の時に作曲村上春樹も小説の中で「神童だ」とコメント。しかし…ぬぬぬ?弦楽八重奏とな?弦楽四重奏が2組合体して演奏してるのか!なんじゃそりゃ!?後期 KING CRIMSON のダブルトリオみたいなもんか?ORNETTE COLEMAN「FREE JAZZ」1961年のダブルカルテット対決か?そんな好奇心からいざ再生すると、ぱーっと花が開くような華々しさが眩しいほどの美しさ。画家と絵画が重たい意味を持つこの作品、まるで本の中から鮮やかな色彩の渦が巻き立ったかに思えた。ワリと淡白でアッサリした文体が特徴の村上春樹が、この華やいだ音楽のイメージをもってペンを走らせてると思うと、この作家の作品をボクは全部読み間違えてたんじゃないかと不安になったほどだ。

こりゃ楽しいぞ、クラシック!と思ってモリモリ検索、「騎士団長殺し」というプレイリストを作っている。オペラもいっぱい登場するので、プッチーニとかモーツァルトシュトラウスなどなどを並べてる。オペラって三時間以上もあるのねーと再生時間の表記を見ながらビックリしてるけど、小説の中にはオペラのLPを聴きながら居眠りするシーンもあるので、ボクが怖じ気つく必要もナシ!と判断。ベットにPCとヘッドホンを持ち込んで聴きながら就寝したね。

●しかし、翌朝になったら、一ヶ月の無料範囲であるところの15時間をオーバー、「今月はもう聴けません」のメッセージ。寝てる間にオペラ二本再生したらそれで6時間だよね…アホかボクは。「スマホなら聴けますよ」とあるが、曲順がシャッフルされちゃう。オペラでシャッフルはありえないでしょ。ライブレコーディングなのに曲間に広告が挿入されるのも大分ヘンテコ。普通のロックやポップで広告の違和感は感じなかったが、オペラではかなり邪魔だ。えーこのままボクはスポッティファイにもお金払うハメになるの?さすがに課金はキツイよー。で、今は AMAZON PRIME で探ってる。コッチは元から年会費払ってるからね。わーますます音楽が楽しくなるよー。


話題はスッ飛んで、オザケン。
●アメリカ文学に親近感があるという意味では、村上春樹小沢健二は一緒だね。

小沢健二「流動体について」

小沢健二「流動体について」2017年
●さてさて、19年ぶりのシングル。このジャケット、海岸と砂浜、彼の渡米以前のアルバム「球体の奏でる音楽」1996年を連想した。20年前のアルバムではジャケで砂浜を駆けてくのはご本人。今回のチビッコは息子さん?なんだか幾何学めいたタイトルに、そのハナにつく小賢しさは健在なんだなーと思った。
●アレンジはポップでゴージャス、楽しい気分はなんとなく伝わるけど、スットンキョウに高い声を出すあのメロディにイイところが見つけられない。どちらかというと不安定な場所でメロディがフラフラしてる印象がこの人の音楽には昔からありまして、今回も何の仕掛けが仕込まれてるのかよくワカラン。それに加えて、あの抽象的なリリック。そもそもあの人には、ポップミュージックを作ってるつもりがないのかも知れない。彼をポップスターにしたのはあくまでボクらリスナー側であって、ポップスターの立場に堪えられなくなって渡米したって今では本人も公言してるもんね。
●とはいえ、結局これはポップミュージックだ。「羽田沖」から東京を見下ろす彼はアメリカから覚悟とともに帰ってきた。スットンキョウな高い声で「間違いに気がつくことができなかったら」と叫ぶ時、つまり彼は何かの間違いに気づいて帰国したのかも。でもそんな「タラレバ」なんて全部ぶっ飛ばして、意思と言葉で都市を作り変えて、躍動する流動体になって、彼はダイナミックに新しい冒険に挑むのだ。そんな彼の蛮勇がチラッと見える。タダのオッサンになったという意見もあるけど、オッサンだからできる冒険もあるんだよ。ボクのようなオッサンに響いている以上、彼はやっぱりポップスターなのだ。

今は名古屋に暮らす妹が、オザケンが好きとソーシャルでコメントしてたのは驚いた。そもそも好きな音楽なんてあったのかと思った。彼女によれば、ボクが家でずっとオザケンを鳴らしていた影響だというけど。…うん、90年代当時は散々鳴らしてたよ。
村上春樹小沢健二の作品に触れてた高校生〜20歳前後のボクは、確かに彼らの醸す小賢しいスノビズムに憧れてた。それは正直な告白。でも、そのスノビスムで突っ張り続ける気概も根性もボクにはなくて、オザケンがアメリカで過ごした約20年間を、丸々泥臭いサラリーマンとして過ごしてきました。
でもボクには「タラレバ」はないんです。オザケンリリックみたいに「並行する世界の僕はどこらへんで暮らしているのかな」なんて考えないよ!「あの時に戻れれば」なんて時代はない!人生振り返って、もう一度同じトコロからやり直せなんて無理!もうギリギリのところをすり抜けて今があるんですから、これ以上の現在なんてありえない。下北沢にたどり着いてここで家族と十数年暮らしてる現況が最高!つーかそれ以上のパフォーマンスをボクに求めないで。恥多いボロボロ人生ってのはわかってるけど、これ以上はもう限界なのよ。
オザケンだって、アメリカ生活を巻き戻すつもりなんてないのさ。ジャケにアメリカで作った家族の写真使ってるんだから。彼なりの現況を肯定して、それを乗り越えて帰国した。だからその結果がスットンキョウであろうと、ボクは彼の蛮勇を応援する。ま、すぐ帰っちゃったとしてもね。それもOKだよ。


●「MENDELSSOHN: STRINGS OCTET E-FLAT MAJOR OP.20」



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