80年代のポップスが聴きたかったんだ。
村上春樹「騎士団長殺し」には、主人公の旧友がカーステレオのカセットテーププレイヤーで80年代のポップスを聴くシーンが登場する。老画家はLPレコードでクラシックを聴き、その息子に当たるこの人物はカセットで80年代ポップスを聴く。ヘンなコダワリだ。
●まー最近はアナログレコードだけでなくカセットテープまで再評価されつつある時代だ。ディスクユニオンですらカセットテープをちょっぴり売り出したりしてる。中目黒にもコダワリのカセットテープのお店があるんでしょ。ボクも一昨年までカセットテープデッキを持ってたよ。さすがに壊れて動かなくなったので捨てちゃったけど。近々小さなラジカセでも買おうかと思ってる。

VANGELIS「CHARIOTS OF FIRE - MUSIC FROM THE ORIGINAL SOUNDTRACK」

VANGELIS「CHARIOTS OF FIRE - MUSIC FROM THE ORIGINAL SOUNDTRACK」1981年
●そんなノリから、下北沢のレコ屋で80年代モノを数枚買ってきたんだけど、何だか気分が乗らなかった…アレ?調子悪いなあ。でも、その数枚の中で一番ピンときたのがコレ。映画「炎のランナー」サウンドトラック。ギリシャのシンセサイザー奏者 VANGELIS の代表作だ。324円也。
●荘厳なメロディとシンセサイザーのツヤツヤした音響、ある意味でチルアウトなビートレス感覚が気持ちをリラックスさせてくれる。映画本編は見たことないので、スッパリと映画の文脈から切り離して音楽だけにフワフワと身を浸す。今となればチープかも知れないけど、シンプルなシンセ音響は BRIAN ENO のアンビエント実験と同じように作用するよ。A面最後に収録されてるイギリス愛国歌「JERUSALEM」だけには、聖歌隊の美しいコーラスが添えられて実に清らかだ。
●よくコンピなどに収録されてる表題曲「CHARIOTS OF FIRE」3分程度のバージョンは、ここでは「TITLES」という名前で収録されてる。本物の表題曲「CHARIOTS OF FIRE」は、B面のまるまる全部を使った20分で一曲を成す長い楽曲。シンセが醸すアトモスフィアと可憐で控えめなピアノに、あの有名なテーマがちらりちらり浮かんでは消える、とてもとりとめのない演奏。クラシック音楽のような組曲構成がホワンとトボけたイメージを連想してもらえればよいかと。そのとりとめのなさが一種の抽象美になってるんだけどね。
VANGELIS って有名なようで、実はどんな人物かよく知らなかった。今回調べてみて初めて知ることも多かった。プログレバンド YES へ勧誘されたのを断ってたり、実は楽譜が読めなくて70年代はインプロヴィゼーションでライブ演奏してたってのも興味深い。映画「南極物語」のサントラも重要な仕事だが、この「炎のランナー」の次の仕事だったよ。「ブレードランナー」の音楽も手掛けてるんだね。それと今更思い出したけど、2002年日韓共催FIFAワールドカップのアンセムも彼の楽曲だった。石野卓球ミックスが同じだけ有名だったな。



●この動画は、3分ショートバージョンの「TITLES」の方だね。シンセのアトモスフィアが好き。


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