本日、プロ野球開幕戦。読売巨人軍初戦快勝でスタート。
●スポーツに一ミリも興味がないボクにとって、野球は意味不明で恐ろしく退屈な物件だ。
●同じ意味不明な物件にしてもサッカーの方が100倍とっつきやすい。しかし。

「乃木坂やAKBの顔は覚えられても、巨人の選手は覚えられませんよ」とボクがぼやいたら。
●先輩が「巨人の選手は、オッサンにとっての AKB だ!」とドヤ顔で一言。
●なんだか微妙に意味がワカランけど、なんだか異様な説得力を感じた。
アイドルファンが乃木坂の誰々がセンターとったり卒業したりにザワザワするように、オッサンは、巨人の誰々が2000本安打達成したりケガして苦労したり引退したりにザワザワするのだ。なるほどー。
●じゃーもしかしたら、ボクが乃木坂楽しめるように、巨人軍を楽しめるかもしれない。そう思った。
●だから、マジで職場のテレビで意味なくナイターを眺めてたよ。こいつがWBCで活躍した小林ってヤツかーイケメンだなーイケメン坊主だなー、とか考えながら。

グラゼニDモーニング

森高夕次/アダチケイジ「グラゼニ〜東京ドーム編」
●ということで、最近は野球マンガを読んでいる。アプリ「Dモーニング」で2014年くらいのバックナンバーをダウンロードし直して、この「グラゼニ」を読んでる。これが面白い。
「グラウンドにはゼニが埋まってる」=「グラゼニ」は、プロ野球選手がグラウンドの外で考えてる、年俸とか引退後のキャリアとか二軍落ちとか移籍とか、影に隠れた生々しい現実生活にフォーカスを当てた内容。一攫千金のスタープレイヤーではなく、華のない二流ピッチャー(中継ぎ?ストッパー?先発とかはしない)である主人公・凡田夏ノ介の小市民的でセコイキャリア戦略の悲喜こもごもに「プロ野球選手も大変ねーサラリーマンと変わらんねー」という視点を与えてくれるお話。しかし、小市民で臆病だからこそ切り開けるニッチがある。豪快なスポーツエリートの大味さを巧妙に出し抜く弱者の知恵がある。そこが面白くてたまらない。ボクも会社の中での立ち位置がかなり邪道なので、親近感たっぷりなんだよ。
「プロ野球名鑑」オタクである主人公・凡田は選手の年収がインプットされてる。年収の額が自分より高いと萎縮し、低いと強気になれる。小市民。ボクも「プロ野球名鑑」を買って読んでみようかな。

●そんで、このマンガがちょっとだけ音楽ネタに絡んでくる。
登場する球団の名前がみんなグループサウンズのバンドの名前なのだ。
 ・名古屋ワイルドワンズ
 ・文京モップス
 ・神宮スパイダース
 ・大阪テンプターズ
 ・川崎ブルーコメッツ
 ・瀬戸内カーナビーツ

●ね、全部 GS でしょ。ボクはカーナビーツが一番気になるけど。
●で主人公はこの「東京ドーム編」文京モップスに移籍することになった。当然モデルは読売ジャイアンツね。最初は神宮スパイダーズだったのに、無理矢理メジャーに挑戦するハメになり、失敗するも業界関係者の暗躍で一発逆転名門の一員に加わるコトになったのだ!しかし、そんな球界の盟主にわざわざバンド・モップスの名をハメるセンスがシビれる。GS としちゃ一番エグい異色のバンドじゃん。フロントマン鈴木ヒロミツじゃん。メインストリームじゃないじゃん。むしろサイケデリックじゃん。

●ということで、今日の音楽は。
昭和元禄グループサウンズ的なものから、ネオブリットポップまで。

ザ・シロップ「ザ・シロップの世界」

ザ・シロップ「ザ・シロップの世界」2000年
昭和!昭和ビザール!ファンキーなオルガン、唸るファズギター、うねるベース、洒落たフルート、ウイスパーな女子ボーカルからのエロいスキャット。甘美なサイケグルーヴに昇天、モンキーダンスで踊りたくなる。歌謡曲にスライドしていった王道のグルーブサウンズとは一味違う、米軍キャンプをドサ回りしてるワイルドな連中のポジション。そんな音楽を2000年という時代にリバイバルした連中。コモエスタ八重樫氏がクラブプレイして評価されたって話も納得だ。名古屋・大須を拠点にしてるってのもイイわ。今は電気街のイメージの方が強いのかな?でもボクにとっては古着屋やレコ屋がいっぱいあって下北沢と匂いが近い街という印象。なんだかワカランままに大須演芸場にも行ったことあるよ。
●とはいえ、グルーブサウンズ・リバイバルって結構いろんな局面で出てくるよね。90年代にはデキシード・ザ・エモンズなんて連中もいたし。これって、イギリスで言うところのネオモッズとかネオブリットポップみたいな文脈なんだろうね。

THE ANIMALS The Twain Small Meet

ERIC BURDON & THE ANIMALS「THE TWAIN SMALL MEET」1968年
●話題を巻き戻してまたまたモップスへ。彼らがカバーしたサイケロックの名曲「SKY PILOT」の原曲がこのアルバムに収録されてる。モッズシーンから登場して R&B への憧憬をそのままに活躍した THE ANIMALS もまー悪くないが、渡米して西海岸ヒッピーカルチャーに感化された時期の ERIC BURDON & THE ANIMALS(←メンバーチェンジしまくって名義が変わってる) はこれまた全く別の魅力を持ってる。
「SKY PILOT」の、マリファナ決めたかのような陶酔&酩酊グルーヴ。本当に中毒性が強い。単調なようで7分強の長尺を執拗に繰り返すリズムと「スカーイパイロッツ!」という投げやりなコーラス、中盤のフリーキーなノイズジャム合戦+なぜかバグパイプまで鳴り出す攻撃、そしてそのままストリングスアレンジの端正な世界に突入、万華鏡のようなサイケ桃源郷へ聴くものを放り込む内容が最高。モップスだけじゃなく、ザ・バーンズというGSバンドもカバーしてて、これも大分イカれててオモシロイ。ギターとボーカルのバランスがおかしくなって、そのままノイズと煙幕の中に全てが消えてしまうかのような、和製サイケガレージの臨界点。
「SKY PILOT」の後は、より混迷を深めるサイケ空間。牧歌的なお花畑フォークと見せかけて、危うげなアシッドジャムがゴニャゴニャ。それが8分続いた後は、インド音楽/シタールを絡めて6分間。LPB面が全部ひとつながりのサイケ世界になってるわけです。もちろん前半も侮れないですよ。
●イギリスのモッズだった ERIC BURDON は、この時期の前後で西海岸ヒッピーに没入。完全にアメリカへ拠点を移して音楽性もガラリと変えた。ヒッピームーブメントが一区切りついた以降は本物の黒人音楽にコミットしてファンクバンド WAR などとコラボ。「朝日のあたる家」だけじゃないのですよお。

CANDIE PAYNE「I WISH I COULD HAVE LOVED YOU MORE」

CANDIE PAYNE「I WISH I COULD HAVE LOVED YOU MORE」2007年
●こいつはマニアックなシンガーかな?この音源の時代2007年あたりといえば、AMY WINEHOUSE DUFFY が登場してモータウン・スローバックな音楽で一世風靡してた時代。ADELE が早熟の天才として登場したのもこの年の前後。つまり英国・非ブラック系女性シンガーがブラックミュージックに深くコミットしてた頃。その中で彼女の音楽は、ブラックミュージックに直接アプローチするんじゃなくて、ブラックミュージックを模倣しようとしてその手前のポップスに落ちていた60年代ポップミュージックをモダンにアップデートするというアプローチ。そんな微妙なさじ加減のニッチを狙ってるという意味でユニークなシンガーなのだ。
PHIL SPECTOR 風のウォール・オブ・サウンドなオーケストラ・アレンジをゴージャスに背負ってるトコロとかが、あくまで米国ソウルでなく英国ポップな感じ。グルーヴもファンク感というよりは、スパイ映画のサントラかのようなスリルが重視。そして普通にカワイイ声で歌っちゃうトコロもソウル感薄め。でもそのフェイク感覚が面白いわけですよ。ザ・シロップの音楽も本当のGSとは違う訳で。そしてこの女性シンガーも本物からジワリずらしてるニッチな戦略がおもしろいのです。ネオモッズというよりかは、ネオブリットポップ。本当は MINNIE RIPERTON ROBERTA FLACK が好きなんだけど、マネしきれませんから私のやり方で行きますっていう潔さだね。
●ただ、この一発でアイディアの在庫が品切れたのか、彼女のアルバムはこの一枚切り。ちと残念だね。お兄さんが THE ZUTONS のドラマーだってのは検索して初めて知った。いやーなおのこと、ネオブリットポップだね。

LUCKY SOUL「THE GREAT UNWANTED」

LUCKY SOUL「THE GREAT UNWANTED」2007年
●バンドの名前に「ソウル」が入ってるけど、ソウルもR&Bもほぼ完全に置き忘れて、60年代風のバブルガムポップスをアップデートしたバンドだね。カワイコちゃん女子ボーカルを中心に甘口アレンジ満載で多幸感タップリなポップスを展開。60年代の英国アイドルは実際キラキラしてたし、ボク自身も一時期この辺の60年代バブルガムを発掘してた時期もあったんだ。それを思い切り聴きやすくしてるのがこの人たちって言えばいいかな。これもまたネオブリットポップ






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