●本日は、久しぶりに、演劇鑑賞。ギリシャ古典劇なのに、含む、下ネタ。

女の平和 

JAM SESSION.12 「女の平和」@アトリエファンファーレ東新宿
「この戦争をやめないかぎり、私たちはセックスいたしません!」戦争に夢中な男たちに対して、交戦国双方の女性たちが結集してセックスストライキで和平を主張!戦争に女が口を出すとは何事か!と怒る男たちも、ギリギリまで焦らしながら最後まではサセてくれない女性の巧妙なテクに辛抱タマランと降参、ナシ崩しに和平条約締結を約束するという顛末…。
●これが、なんと紀元前5世紀、今から2400年前の古代ギリシャで書かれた戯曲を原作としてるのです。作者はアテネの詩人/劇作家のアリストパネス(アリストファネス)という人物で「女の平和」は彼の代表作。ボクは大学受験の世界史勉強で彼とこの作品のあらすじを知って、古代ギリシャのギャグ/ユーモア感覚スゲエ!とビックリしたものですわ。もちろん、その段階ではデティールは知ることができなかったわけですが、脳ミソのスミッコでは一体どんな内容なのか、興味津々だったのですわ。
●そしたら先週たまたまこのお芝居のご案内を知人からいただきまして。知ってる人が関わってる上に、題材がこの「女の平和」かい!これは観なくては!

●もちろん、ギリシャ古典劇をそのまま再現は無理なので大胆なアレンジが加わっている。役者さんは男女それぞれ4人づつ。大根抱えてダンスしたり、ホウキを振り回して兵隊と戦ったり。4人の主張する女性は全員和服。男性は軍服と燕尾服。とはいえ、別に舞台を現代日本はたまた軍国主義日本に置き換えたりはしてなくて。戦争当事国はアテネとスパルタ。
原作由来か現代風演出なのか、結構な下ネタが振りまかれてまして。女性は女性で「やっぱり我慢できない」って本音が出てきたり。お色気振りまいての寸止めブリがメロメロセクシーだったり。強烈だったのが、ストライキの結果、男性陣が我慢ならなくなっちゃった様子を、股間に大根よりもブットいモノをドーンと衣装の下から築き上げて身悶えまくるという演出で表現。「毎朝、この息子がツラくて!」といって客席に突っ込んで見せたり。わーすげーなー。大胆な解釈だなー。笑っちゃいました。
●と思ったら、この股間にブットいモノ(「革製の陰茎」)をぶら下げる&おっ立てる喜劇演出は、古代ギリシャでは普通だったとな(「女の平和」WIKIPEDIAより)。マジ!アレは2400年前のお笑いセンスをそのまま採用してたの!男女の関係は、紀元前5世紀から根本的には変わってないのね。それが一番の収穫だったよ。


●お次は、古典バレエを現代風にアレンジした案件。

『眠れる森の美女』 マシュー・ボーン振付、ニュー・アドベンチャーズ(2013) 

「MATTHEW BOURNE'S SLEEPING BEAUTY - A GOTHIC ROMANCE」2012年
●これもズバリ「森の眠れる美女」ではある。しかし演出家 MATTHEW BOURNE という人物が異色。彼のカンパニー「ADVENTURES IN MOTION PICTURES」=現在は「NEW ADVENTURES」は、男性ダンサーをメインにして「白鳥の湖」を演ったコトで一気に武名を上げた。映画「リトルダンサー」で見事ダンサーになった主人公エリオットが、成人して舞台に立つラストシーン、その時に演じているのがこのカンパニーの「白鳥の湖」なのだ。
●ワイフは、バレエが大好きなので、勝手に娘ヒヨコを連れてこのカンパニーの来日公演を見に行ってる。だからバレエには知識がないボクでも、その場その場でワイフがオーディオコメンタリーのように解説してくれるからとても便利。「本来は可愛らしい妖精さんが来るところなのに、半分が男の人でしょ。おまけにこの妖精さんたち、吸血鬼って設定まで付け加えられてるの」メイクも「ゴシックロマンス」というだけあって、濃い。妖精たちは白塗りの上に目の周りだけ真っ黒く色を塗ってる…ボクから見ると映画「ブレードランナー」のレプリカントだわ。振付も奇妙だよ。門外漢のボクから見てもイレギュラーだと感じる。呪いの当事者である悪の妖精がイケメンすぎてマブしい。
●ヒロインは100年の眠りに落ちるんだけど、その100年後ってのが2011年という設定になってる。この辺で現代風のアレンジも加わる。愛を込めてキスするはずの青年は、ナイキのパーカー着てるだけでめっちゃ冴えない。やっぱバレエに似つかわしくないわー。その他細かいツッコミどころが満載。バレエ現役ダンサーである娘ヒヨコも含めてワイワイ楽しんじゃった。


眠ってるはずのお姫様、夢遊病なのかだいぶ激しく踊ってます。完全ゼロとは思えないけど目隠しで視界が制限されたママでこの振付を踊るのはスゲエなと思った。ヒヨコ、裸足で踊るのは結構大変じゃないか?「周りの人が靴履いているのに自分だけ裸足は怖すぎる、練習の時でも踏まれたら大ケガになっちゃう」なるほどー実感こもった感想だ。最愛の恋人はナイキのグレーパーカーでカッコ悪いです。




●お芝居ついでに、とってもお芝居がかった80年代のアーティストを。

KLAUS NOMI「ENCORE !」 

KLAUS NOMI「ENCORE !」1983年
彼は、クラシックオペラにインスパイアされて、カウンターテナー〜ソプラノの超ハイトーンなボーカルを歌っちゃうシンガーだった。音楽シーンにはゴシック美学が影響する場面があるけど、彼の場合はゴシックを通り越してバロック美学まで行っちゃってるもんね。ジャケでわかるように、ギラギラのヨーロッパ王侯貴族のノリだもんね。キャリアの最初期にはこのあまりに個性的なルックスから DAVID BOWIE に注目されて、彼が出演した「サタデーナイトライブ」でバックシンガーを務めたほどというからスゴイ。
●70〜80年代が「ニューウェーブ」の時代だったってのは確かに本物だね。ドイツ出身の彼はニューヨークに拠点を映して「ニューウェーブ・ヴォードヴィル」というスタイルを打ち出していたとな。ヴォードヴィルと言えば、歌や踊り、お笑いまで含めた20世紀初頭の大衆舞台の総称。映画が普及するまではエンタメの主役だったはずだ。そんなものをオペラも交えてリバイバルさせるなんて…そんな一口で理解し難いモノでも受け入れられる素地があったんだろう。
●本当にスットンキョウなほどのハイトーンソプラノが80年代特有のバタバタしたビートに乗る「TOTAL ECLIPSE」などにまずはビックリ。ピコピコエレポップの「SIMPLE MAN」の神経質なボーカルもまさしく80年代ニューウェーブ。その一方で、朗々としたテナーで ELVIS PRESLEY「CAN'T HELP FALLING IN LOVE」をカバーしたり、CHUBBY CHECKER「THE TWIST」をカバーしたり(←一回聴いただけではカバーと思えない)、「オズの魔法使い」からカバーを選んだりと射程距離もユニーク。サン=サーンスのオペラ「サムソンとデリラ(SAMSON AMD DELILAH: ARIA)」にも直球で挑戦してる。
●しかし、彼が現在も記憶される理由は、彼の死因だろうね。このアルバムがリリースされた1983年に彼はエイズで亡くなってしまう。オリジナルアルバムが「KLAUS NOMI」1981年「SIMPLE MAN」1982年の二枚しかないのもキャリアが短すぎたせいだ。ウィキには、エイズで亡くなった初めての有名人とされている。80年代のエイズ禍の犠牲者。生前には発表されなかったようだけど、彼はゲイだったそうな。



●衣装もメイクもスゴイが、身のこなしがロボットみたいで奇妙。ヴォードヴィル的なパントマイムの気分があるのかな。すごく芝居掛かった動き。




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