●今日は中野で仕事の打ち合わせだったので。
●打ち合わせ終わりはそのまま中野ブロードウェイにシケ込み、二階のカフェ BAR ZINGARO でエアロプレスの美味しいコーヒーを飲んで過ごしてた。で、資格試験の勉強してたんだけど。
●カウンターに「カイカイキキ 会社説明会」というボードがあってビックリ。確かにこの BAR ZINGARO はアーティスト・村上隆の会社「カイカイキキ」が経営するお店だけどさ、こんなところでしっかり採用活動してるとはー、なんか意外!


才能あるラッパーが、若くして亡くなりました。PRODIGY OF MOBB DEEP。

MOBB DEEP「AMERIKAZ MIGHTMARE」 

MOBB DEEP「AMERIKAZ MIGHTMARE」2004年
ニューヨーク〜東海岸スタイルのハードコアヒップホップを90年代から体現していたデュオ MOBB DEEP のラッパー PRIODIGY が亡くなった。42歳。ライブでラスベガスを訪れた後、体調を崩して入院、そのまま帰らぬ人になってしまったそうな。ラッパー含め、ミュージシャンは短命な人が多いなあ。
●そこで、彼らのキャリア中盤のアルバムを聴く。90年代に一世風靡した後のなんとなく落ち着いちゃった時期とあって、あまりヒットもしなかった作品らしい。なにしろ激安ワゴンで100円の投げ売りだったし。ボクも入手したのはごく最近。とはいえ、地味にストイックなループを繰り返すトラックを、淡々としながらも密度の濃いラップで黒く塗り込めるスタイルこそ東海岸のハードコアな姿勢であって、その意味ではこのアルバムもそのマナーは踏襲されてる。時代が降ってサンプルが使いづらくなったとあって、多少質感は変わったけどね。トラックメイキングも務める相棒 HAVOC とマイクを交換しながら PRODIGY はねちっこいループの上にタイトに言葉を配置していく。うむ、ストイックすぎて、苦い。ラップに取っ付きやすさがない。硬派ってこういうことよ。ハードコアってこういうことよ。
●その一方で、ギョギョという大ネタサンプル使いが意外な戦法でビビった。「GOT IT TWISTED」という曲で80年代テクノポップのヒット曲 THOMAS DOLBY「SHE BLINDED ME WITH SCIENCE」をガッツリ使ってる。原曲からスクリュー気味にテンポダウンしてる感じが奇妙な怪しさを醸していきなりキャッチー。この一曲だけでも価値がある。
●その他気になるゲスト参加曲。やはり今や故人の NATE DOGG が美声を交える「DUMP」の湿り気がナイス。何気に東西交流してるじゃん。サウス系では LIL JON がクランク風のガナリ芸を披露する「REAL GANGSTAZ」も気分かな。注目は KANYE WEST がトラック提供してる「THRO YOUR HANDS (IN THE AIR)」ストイックさを残しながらも、丁寧なプロダクションで KANYE 流の華やかさが漂う。もちろん KANYE 自身もマイクを握る。
●このアルバムの後、2006年に MOBB DEEP 50 CENT 率いる G-UNIT 軍団に加盟表明。HAVOC G-UNIT 軍団にトラック提供してる関係値はあるとしても、明らかに後輩の 50 CENT の配下に入らないでもいいじゃんと思ったものだ。その軍団の中でアルバムを一枚リリースするも、一時活動休止。2014年に復活を遂げて新譜を出すも、今回の悲劇に見舞われてしまった…。レスト・イン・ピース。

Thomas Dolby - The Golden Age Of Wireless - 1982 

THOMAS DOLBY「THE GOLDEN AGE OF WIRELESS」1982年
●さて、MOBB DEEP が使った80年代の元ネタ音源を聴いてみましょう。ちなみにコレをサンプルしたのは THE ALCHEMIST というプロデューサー。結構アチコチで名前を見る人だね。しかし、「ワイヤレスの黄金時代」というアルバムタイトル、ひと昔に流行ったバズワード「ユビキタス」を思い出すけど、80年代のワイヤレス技術って、テレビのリモコン程度しかなかったんじゃないか? 
●とはいえ、ご本人は本気でマッドサイエンティストな演出をモリモリにしてますわ。ジャケもまるでフランケンシュタイン博士の悪い実験みたい。ただ、こうした80年代エレポップ=テクノポップは、この時代の技術革新で新しい表現を切り拓いた足跡そのものであって、THOMAS DOLBY 自身がこの点に十分に意識的だったコトを反映してるわけですな。その意味で80年代エレポップ=テクノポップにはSFの感覚がつきまとう。YMO KRAFTWERK もその未来感覚をイメージとして十分に活用していたしね。サンプルネタのヒットシングル「SHE BLINDED ME WITH SCIENCE」もメッチャ科学者気分。
●でも、やってる音楽は、シンセサイザーを目一杯採用しつつも、しっかりしたメロディを持つポップソング。少しダークかもしれないけど、ダンスミュージックとはあまり関係なくて、ポップスとしての構造はむしろ古典的。丁寧な職人気質が見え隠れ。この頃 THOMPSON TWINS FORIGNER のアルバムにキーボード奏者として客演なんかもしてる。自身でアーティスト活動をしながらプロデューサー業にも進出。PREFAB SPROUT など英国ポップスの名譜の裏方仕事もやってる。
●まーしかし、MOBB DEEP のサンプルには、その辺の文脈はスッポリと剥ぎ取られてます。サンプルとはそんな裏切りも醍醐味ってわけで。

THE PRODIGY「BABYS GOT A TEMPER」 

THE PRODIGY「BABY'S GOT A TEMPER」2002年
●こっちは同じ PRODIGY でも、イギリスのビッグビート・ユニットの方ね。世間的にはこっちの方が有名じゃないでしょうか。イギリスの方を THE PRODIGY、アメリカの方を PRODIGY OF MOBB DEEP なんて呼び分ける場面もあったかと。そもそも PRODIGY という単語は「天才/神童」という意味。しかしイギリスの THE PRODIGY はむしろバカと紙一重の暴れん坊ってイメージですねー。
●で、このシングル。ベスト盤とかに収録されてない楽曲なので、わざわざ単品買いしました。どうやら歌詞がゲスな内容で批判された結果、黒歴史として封印された?「デートレイプ」に用いられて悪名高い睡眠薬・ロヒプノール(別名サイレース)のコトを歌ってるらしい。実はこのボク、このクスリを一時期飲みまくってたけど、睡眠薬としては完全入門編なので、正直物足りなかった。ただ、クラブで踊ってお酒あおりながらキメたらヨロヨロするかな。酒とクスリは一緒に飲んじゃダメよ。




●いい感じの公式動画が見つからないので、初期の傑作シングルを貼る。
●まさしく東海岸ハードコアのお手本かと。


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