●知的財産管理技能検定(一級)は、失敗しちゃった…。合格点に至らず…。
●すごく難しかったよ。
●また来年、再チャレンジしよう!
●気を取り直して、またブログでもセコセコ書こう。最近は勉強ばっかだったからね。



先週の朝の連ドラ「ひよっこ」がヤバかった。 
銀杏BOYZ 峯田和伸くん演じる「変な叔父さん・宗男さん」が大活躍した。 
「ひよっこ」は戦後の急成長時代の日本/東京の様子を、集団就職「金の卵」として田舎から上京してきたヒロイン・みね子(有村架純ちゃん)の目を通して描く物語。すでに時代は流れ流れて東京オリンピックを通り越し、1966年が到来。THE BEATLES 来日公演があった年だ!その騒動を胸アツなテンションで描いてくれた。 

世界的ビッグバンドの来日公演とあって、世間の注目度はすごかったみたいだ。 
THE BEATLES の音楽は高校時代以来四半世紀は聴いているけど、50年も前の当時の熱狂ぶりってのは想像したこともなかったよ。わざわざ「ビートルズガヤッテクル」と電報を打ってよこした宗男さんの為にみね子は、歯ミガキ粉をまとめ買いするのです。当時は歯ミガキ粉でチケット抽選プレゼントをやってたんだね!劇中では「DIANA」という銘柄で描かれてたけど、当時はライオン「DIA」という商品でキャンペーン展開。これがドラマの中で絶妙な再現/改変ぶりで描かれてて、NHKの神業ホント素晴らしい、本物ソックリを微妙にズラすサジ加減がニヤリとさせる。もちろんチケットが取れなかった子たち大勢いて(みね子も宗男さんも外れました)、その一部は家出同然で上京、補導者は6500人に及んだとな。


宗男さん2 

 ●さて、「宗男さん」は親戚の中には必ず一人はいるだろう、変わり者。ユニオンジャックを掲げたバイクで奥茨城の畑道を疾駆しては陽気に笑顔を振りまいている。そんな彼が THE BEATLES をめがけ突然上京してきてしまう。東京は初めてだし、チケットも持ってないのに…。そんな彼が、THE BEATLES に対する想いを語る。まさしくロックンロールの初期衝動を見事に言語化してて、思わず感涙だよ。


「思ってることをよ、カッコつけずに思いっきし叫ぶと、
 
なんだか、力が出っぺ? それに笑えっぺ? それがビートルズだ。
 だから好きなんだ、俺は。

 難しいことじゃなくていいの なんでもいいんだ。
 ハラ立つことでも、仕事休みてえでも、あの子が好きだ!でも、なんでもいいんだ。
 今思ってることをな、叫ぶんだ、音楽に乗せてな。
 エレキギターとかでよ、わーっとでっけえ声で叫んでて
 
 うるせえわって思うかもしんねえけど、
 できるだけ遠くまで届けるためになんだ、気持ちをな。
 だから、でっかい音なんだ。
 
 だからよ、聴いてっと、なんだか一緒に声出してるみてえな気分になって
 心が晴れるんだ。一緒に歌いたくなんだ。
 んでよ、それがレコードとかになっとイギリスから茨城まで届くんだよ。
 
 俺はあいつらが東京にきた時に、一緒に東京にいる。それだけで十分なんだよ
 星があんまし見えねえな東京は。でもよ、若者諸君。
 見えねえだけで、ないわけじゃねえぞ。
 東京で待ってっとう!ビートルズ!」


宗男さん 

 ●もう朝っぱらから感涙。THE BEATLES がもたらした革命の意義を、基礎知識ゼロベースかつ等身大スケールの言葉で言い表してしまった。そうだよ、それなんだよ、だから20年以上もボクは音楽から離れられないんだよ。音楽の磁力を信じてやめられないんだよ。
THE BEATLES の偉大さはいくらでも列挙できるだろうけど、宗男さんがいうように「言いたいコトをただデカイ音&声で歌った」のは、確かな真理。彼らの歌は「君の手を握りたいんだ!(デカイ声で連呼)」「彼女はキミが好きなんだ!(デカイ声で連呼)」「ハードな日の夜、犬のように働いた、丸太のように眠りたい(デカイ声で連呼)」「助けて!(デカイ声で連呼)」みたいな音楽なんだから。それがロックンロールだからね。そしてそんな音楽は、忌野清志郎が後に歌ったように、学校の授業をサボって聴いてたトランジスタラジオから流れてきてたんだ(ちなみに、主人公・みね子の前職はラジオ工場の女工さん)。

宗男さんは、この時代に跋扈してた、単純な欧米かぶれのヒッピーじゃないよ。 
●彼のバックグラウンドは、別の放送回で明らかになって、またしても朝から感涙。 
●1966年時点で彼は44歳。「宗男、お前、行ってたんだろ?」他の登場人物の問いかけに、彼は初めて自分の過去を語る。「ビルマ戦線におりました…」「インパールか?!」彼はあの悪名高き「インパール作戦」に従軍した生き残りなのだ。大失敗に終わる「インパール作戦」の陰惨さは作中では簡単なナレーションで処理されるけど、その作戦名だけあれば、彼がどれだけの地獄を見たかは想像がつく。 
●ここ近年ボクが知る限りの朝ドラは、昭和戦前戦中の時代を取り扱う時、いつも国内の窮状や世情を描くに止まっていて登場人物たちが実際の戦地前線で何をしてきたか、ほとんど触れることがない。そんなタブーを打ち破って、彼は最前線での経験を語る。斥候任務の中、深夜のジャングルで突然出くわしたイギリス兵とのヤリトリ…その出会いが帰還後の彼の人生観を変えた。THE BEATLES ですら、あの時のイギリス兵と入り混じって感じるほどだという。これ以上の内容説明はヤボなので NHK オンデマンドをご利用ください。


●さて、今日の音楽は。
●この流れで行けば、当然 THE BEATLES に行くだろうという感じですが、
●敢えて、さらに THE BEATLES の先輩にアプローチします。
武道館公演の一曲目でバンドが鳴らした楽曲は「ROCK AND ROLL MUSIC」! 
ロックンロールの創始者の一人、CHUCK BERRY の生み出した名作だ!このレジェンドの音楽を聴く!



CHUCK BERRY「AFTER SCHOOL SESSION」 >CHUCK BERRY「ONE DOZEN BERRYS」
CHUCK BERRY「CHUCK BERRY IS ON TOP」 CHUCK BERRY「ROCKIN AT THE HOPS」
CHUCK BERRY「NEW JUKE BOX HITS」 CHUCK BERRY「CHUCK BERRY TWIST」 

CHUCK BERRY「AFTER SCHOOL SESSION」1957年 
CHUCK BERRY「ONE DOZEN BERRYS」1958年 
CHUCK BERRY「CHUCK BERRY IS ON TOP」1959年 
CHUCK BERRY「ROCKIN' AT THE HOPS」1960年 
CHUCK BERRY「NEW JUKE BOX HITS」1961年 
CHUCK BERRY「CHUCK BERRY TWIST」1962年 
●こんだけまとめ聴きがガツンとできるのはスポッティファイのおかげだよ!技術革新バンザイ!彼が長年所属した CHESS RECORDS の全音源を網羅したボックスセットも全部聴ける。こんなのマトモに購入したらナンボするだろう。
●さて、まずは彼の初期キャリアのアルバムを網羅CHUCK BERRY だけあって、STRAWBERRY にモジッたジャケやタイトルがあるね。シングルベースで売れた有名曲はこの中に散らばってる。鉄板の代表作「JOHNNY B. GOODE」も、THE BEATLES がカバーした「ROCK AND ROLL MUSIC」「ROLL OVER BEETHOVEN」も、THE ROLLING STONES がデビューシングルに選んだ「COME ON」もあるよ。
●彼はミズーリ州セントルイス出身のアフロアメリカンで、当然ながらズブズブのリズム&ブルースの文化の中で育った。しかし、その一方で、彼は白人由来のカントリーミュージックも大好きで、白人キッズの学校生活を想像するような歌詞まで書いてみせた。これが「ロックンロール」になる!ラジオしかなかった当時のメディア環境では、彼を白人シンガーと勘違いしていた人までいたようだ。ホンキートンクピアノとエレキギターが爆走するスピード感、そして爆裂するボーカルが、きっと新鮮に響いたのだろう。これで新しい時代が幕開いたのだ。
●実は、個人的には THE BEATLES THE STONES がカバーした名曲たちを原曲でキチンとチェックしたのはほとんど初めてで、原典の素晴らしさにビビった。耳馴染みで言えば、もう THE BEATLES & THE STONES バージョンが刷り込まれちゃって CHUCK には違和感を感じちゃうんだけど、迫力はコッチの方があると思う。「COME ON」なんてコッチの方が絶対カッコいい。
●と、破竹の勢いでヒット曲を連発した彼に、災いが降りかかる。1959年、児童買春防止みたいな法律に引っかかり逮捕されてしまうのだ(「児童買春防止みたいな」という中途半端な物言いは、やや CHUCK にヒイキした表現だが、「カフェのウェイトレスをしてた14歳の少女を州境を超えて連れ回した」というのが彼の逮捕理由。当時はこれがダメだったわけです)。起訴されての一審では懲役5年の判決!第二審でも三年の判決で、1962年に実際に服役、一年半で釈放されるまでキャリアは一旦足踏み状態となる。そんな服役直前に収録した楽曲が前述シングルの「COME ON」だったのでした。

Two_Great_Guitars_-_Bo_Diddley__Chuck_Berry.jpg 

BO DIDDLEY / CHUCK BERRY「TWO GREAT GUITAR」1964年
●さて、このアルバムは服役を終えて初めてリリースしたスタジオアルバム。友人であり、CHESS RECORDS のレーベルメイトでもあった BO DIDDLEY とがぶり四つのバトルセッションだよ。オリジナルアナログでは収録曲が四曲しかないんだけど、うち2曲の「CHUCK' BEAT」「BO'S BEAT」はそれぞれ10分越えのインストジャムセッションで、ジャンプブルースっていうのかな?ロックンロールとはまた異質な粘りあるグルーヴにザクザクとギターが活躍する様がまさに迫力満点。ボーカルがなくとも、個性的なギターの音がどちらの演奏かハッキリさせてて、その個性の応酬が最高。BO DIDDLEY もいづれガッツリ聴きたいアーティストだね。

Chuck_Berry_-_Live_At_The_Fillmore_Auditorium.jpg 

CHUCK BERRY「LIVE AT FILLMORE AUDITORIUM」1967年
CHUCK BERRY にはライブアルバムがわんさかあって(中には普通の演奏に拍手をオーバーダブした擬似ライブ盤まである)、それぞれ面白い。このアルバムは、60年代ロック/カウンターカルチャーの一大拠点となったサンフランシスコの伝説的ライブハウス THE FILLMORE での演奏。この当時は FILLMORE AUDITORIUM って名前だったのかな?FILLMORE WEST という名前でも有名だよね。THE GRATEFUL DEAD THE DOORS、JANIS JOPLIN、JEFFERSON AIRPLANE、SANTANA、FRANK ZAPPA が演奏してた場所だ。ロックの殿堂と思われてるけど、一方でジャズやソウルにも目配せが効いてて、MILES DAVIS ARETHA FRANKLIN のライブも収録されてて、いづれも名盤だ(ARETHA のライブに RAY CHARLES が飛び入りするヤツとかスゴイよ!)。
●ほんで、我が CHUCK BERRY も演奏してる。ここでの注目はバックバンド!STEVE MILLER BAND が本格派のブルースで先輩を支えている。STEVE MILLER BAND と言えば名曲「FLY LIKE AN EAGLE」が大好きだがアレは70年代中盤の音源。ここでは真っ黒になりきってブルースに一心不乱。
●自分の曲をカバーして一躍ヒーローになった THE BEATLES & THE STONES はすでにオノレ独自の路線を見出してる時代。CHUCK CHUCKロックンロールという狭いジャンルにとらわれず、自由に音楽を楽しんでる様子だ。

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CHUCK BERRY「CONCERTO IN B. GOODE」1969年
●これもユニークなアルバムだ。LPのB面にあたる最後の曲が、なんと18分間ノンストップのインストジャムセッション。「CONCERTO IN B. GOODE」という楽曲で、ハイテンポなグルーヴに合わせてただひたすら CHUCK がギターを弾きまくる。単純なブルースでもロックでもなく、でも個性的でどこかユーモラスなギタープレイが延々に続く。人生に一度でいいから、ダマされたと思って是非ご賞味ください。サービス精神旺盛な、陽気な彼の人柄が伝わってくるプレイですよ。
「JOHNNY B. GOODE」はもはや彼の別人格みたいになってて、この曲みたいに時々登場してくる。60年代初頭の服役前にも「BYE BYE JOHNNY」という曲があるんだ。「JOHNNY B. GOODE」の続編みたいな曲だよ。スターを夢見てるギター少年の歌が「JOHNNY B. GOODE」で、その少年が本当にブレイクして故郷を離れる時の母親の気持ちを歌ったのが「BYE BYE JOHNNY」さ。お金貯めてギター買ってあげて本当によかったと母親は涙するんだよ。

CHUCK BERRY「HAILHAILROCKNROLL」 

CHUCK BERRY「HAIL! HAIL! ROCK 'N' ROLL」1987年
●さすがに時の流れには叶わない。彼の70年代〜80年代のキャリアはやや停滞して、なんだかタダの懐メロ歌手みたいになってきちゃった。そんな中で彼にスポットライトを当てたのが、彼に影響を受けまくった世代のミュージシャン。THE STONES の KEITH RICHARDS が彼のドキュメンタリーを作ろうとプロデューサーの役を買って出た!CHUCK 還暦60歳のお祝いとして、故郷セントルイスのライブの模様を切り取る内容なのだ。
●このアルバムはその映画のサントラなのだが、KEITH は後ろでずっとギターを弾いてるし、ゲストに ERIC CLAPTONLINDA RONSTADTJOHN の息子 JULIAN LENNON まで登場する(JULIAN がコラボする楽曲は「JOHNNY B. GOODE」。でも彼の父親 JOHN はすでに故人だった)。ジャズシンガー ETTA JAMES もやってくる!一緒に「ROCK AND ROLL MUSIC」をやってるんだよ!
●ただ、そこで演奏されてる楽曲は、それこそ彼の50年代のビッグヒットばっかで、やっぱり彼は往年の懐メロ歌手だったのかもしれない…。

CHUCK BERRY「CHUCK」 

CHUCK BERRY「CHUCK」2017年
●還暦も過ぎたし、後はゆっくり余生を静かに…。なんて行かないのですよ、彼はロックンローラーだから!地元セントルイスに拠点を構え、毎月ライブハウスで演奏する生活。そんで90歳の誕生日に、これから新譜をリリースすると発表する!オリジナルアルバムとしては1979年以来の38年ぶり(ベスト盤は腐る程あるけど)。セルフプロデュースで、40年以上も一緒にプレイしてきた仲間や、家族(息子&孫?)と演奏するという内容だ。しかし残念ながら、このアルバムがリリースされる前に彼はこの世を去る。彼は文字通り死ぬまで現役を通したのだ。
●しかし、この内容がスゴイ!これが90歳の音楽か!今日紹介した全ての音源をすっ飛ばして、このアルバムだけ聴いてもらって欲しいほどのテンション!往年のロックンロール・マナーを100%踏襲しながら、その録音は実にモダンで、タフでラフなギターがザクザクと炸裂しまくっている。その朗々としたボーカルも見事。女性とデュエットするブルースもあるんだけど、これって奥さんの INGRID BERRY さんかな?ハーモニカも吹いてるみたい。「LADY B. GOODE」って曲もあるんだ。スターになった JOHNNY B. GOODE を故郷で待ち続けて最後に結ばれる女の子の歌。いい人生だったんだね。
●キチンとクレジット見てたら、シングル「BIG BOYS」に元 RAGE AGAINST THE MACHINE のギタリスト TOM MORELLO が参加してるわ。ナニやってんだ?!



●シングル曲「BIG BOYS」。少年のまま、90歳の生涯を走り抜けた男。




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