フジテレビの特番「27時間テレビ」
●テーマを「にほんのれきし」としながらも、日清戦争から太平洋戦争を全部スキップしちゃった
●え!それでイイの?それが「にほんのれきし」なの?

●一応、公式ホームページで、番組の「あらすじ」を引用しますね。

 ビートたけしと村上信五が、
 旧石器時代から現代までの、“にほんのれきし博物館”を
 27時間かけて、巡る。
 教科書ではおしえてくれない、誰も知らない!?
 お腹を抱えて笑っちゃう!思わず目が点になる!?
 そんな、れきしトリビアとともに、27時間のれきしの旅にいざないます。
 27時間かけて、彼らが気付くものとは…。
 最後に博物館を出るとき、彼らがしみじみと感じる、
 にほんの本当の素晴らしさ、過去から学ぶ生きるワザ、
 にほんの文化力、日本人のおもしろさ。
 あなたも気付く、自分が生きるこの国「にほん」は、
 こんなにれきし秘話が豊富な国だったのかっ!と。

ビートたけしさんにも、関ジャニ・村上信五さんにも全然不満はないけど、「あなたも気付く、自分が生きるこの国「にほん」は、こんなにれきし秘話が豊富な国だったのかっ!と。」とドヤっと打ち出すワリには、中途半端じゃないかい?!村上くんファンの若い子が、日本には戦争の経験がないって錯覚しちゃうかもだよ。「教科書ではおしえてくれない」日本の近現代史をモノの見事にスルーするってショックだよ。

●番組ホームページで時間構成が書いてあった。終盤に用意された現代史部分には池上彰さんが出演してるから、ここにバランス感のある戦前戦中戦後の歴史解釈が出てくると思ってた。そしたら、ボクが見逃した?、なんだかアッサリと何事もなく戦後からスタート。前のコーナーは樋口一葉とかやってて戦争には言及しない気配だったし、ホントにスポンとスルーしたんだ…。
●東アジア情勢のヘンテコな状況には「歴史問題」がいつも挟まってるのに、日本社会は「歴史については考えません」と公言しちゃったように思えてしまった。民放の雄・フジテレビが系列局の総力をあげて作る番組で、「戦争」を公然とスルーするってそういうことだと思う。国外の視点から観て「戦争については忘れることにしました」とメッセージするようなもんじゃないか。
●中国・韓国(多分アメリカも)は、善かれ悪しかれその内容には色々問題ある気がするけど「歴史認識の社会的コンセンサス」がハッキリしてる。日本社会は「歴史認識」を現在見失ったようだね。政治的イデオロギー次第で「自虐史観」「歴史修正主義」に分かれちゃう。しかしマスメディアであるテレビ放送が「中立公正」原則をすっ飛ばして「戦争を無視」ってのはいくらなんでも…もう悲しくなってくる。
NHKでは、8月には「731部隊」のタフな特集番組を放送してた。同じ日のBSでは「アメリカが無差別爆撃を始めた理由」について特集していた。いづれも苦くて辛い内容だよ。お祭り気分のバラエティには向かないのかも。しかし、それを完全に「無視」するのは、「はだしのゲン」を図書館から排除しようとした運動みたいにナンセンスだと思うよ。

古市「誰も戦争を教えてくれなかった」

古市憲寿「誰も戦争を教えてくれなかった」
●最近読んでた本。1985年生まれの著者が、パールハーバーの「アリゾナ記念館」(つまり「真珠湾攻撃」の記念館)を見学して、そこから様々な国の戦争/平和博物館を巡りながら、「戦争の記憶・記録」がいかに残されるか/残されないかを眺めていく内容だ。広島や長崎、東京各所はもちろん、中国、韓国、ドイツ、イタリア、アウシュビッツまで旅は続く。「平和ボケ世代」代表を自称する著者の立場はちょっとシニカルで、エンターテインメントとしての戦争/平和博物館をオモシロがる感覚がユニーク。第一の主眼が「戦争」そのものではなく「戦争の記憶・記録」だからだ。巻末に世界の戦争博物館を列挙し、ランキング評価してるトコロはちょっと悪趣味かも。五段階評価のマークが手榴弾だもんね。
●ただ、あまりのヤリスギ感に著者自身が面白くなっちゃってるほどの韓国の博物館などなどに比べ、日本の博物館は本当に「戦争の記憶・記録」に及び腰というのが著者の見解だ。国立の歴史博物館で近現代史を重厚に扱っているトコロはほとんどないという。それは古代史ばっかり丁寧にやって江戸時代以降はサクサク終わらせちゃう&現代史は時間切れで割愛の学校教育(そして今回の「27時間テレビ」)を連想させるスタンスだ。素材を提供するから後の解釈はご自由に、という立場もありがちとのこと。博物館がそんな状況でいいのか?という問題提起がなされている。もちろん日本にも広島平和記念資料館とか、立派な場所があることはわかりますよ、ただし海外はもっとスゴイと。「4D映画館で戦闘を疑似体験」とか「人体実験が行われた場所がそのまま残ってる強制収容所跡地」とか、色々な意味で強烈なのだ。

「誰も戦争を教えてくれなかった」から、世界中の戦争博物館を巡ることになった戦後世代の若者がいる。その一方で、「戦争を無視」した「にほんのれきし博物館」を堂々と放送するテレビ局がある。なんだか複雑な気持ちでいっぱいだよ。

視聴率は、8.5%ですって。去年よりは0.8ポイント上昇。でも歴代記録としてはワースト2位。イイのか?悪いのか?よくわからん。あ、「27時間テレビ」って今年で31回目だったそうな。そんなにやってたんだ。



●体調がよくないので、優しい音楽。

JANISIAN.jpg

JANIS IAN「JANIS IAN」1974〜1977年
●70年代を代表する女性シンガーソングライター JANIS IAN の日本編集盤ベストLP、らしい。甲府のレコード屋さんで100円で購入。早熟の天才少女って印象が伝わってくるジャケ写だね。でも代表曲「AT SEVENTEEN」は24歳の時の作品だそうで。
「WILL YOU DANCE ?」が聴きたかった。品が良い端正なダンスを踊るように、静かにシンプルに弾む曲。でも歌詞の内容はどこかシニカル。堕落する世界の中で、それでも私たちは美学を持って立ち振る舞う。可憐さとしなやかな強さを感じさせる音楽。

 窓辺で待っている人がいる 階段の踊り場で泣いている人がいる
 死にゆく者たちに書かれた予言に溺れていく
 嘘をつく人がいる 信じる者は誰もいないけれど
 
 死にかけている人がいる 誰も街のパニックから逃げられない
 聖なる革命が幻を見せてくれるのを待っている
 快楽に身をひたす人がいる

 さあ踊りましょう 踊りましょうよ
 キャビアと薔薇の香りがするわ
 子供達に教えてあげて 私たちがとても仲良しだってことを
 
 さあ踊りましょう 踊りましょうよ
 朝の光はステキ 淫らになるのはとてもロマンチック
 退屈な生き方かもしれないけど 最後まで生き残るのはあなたと私よ
 






 
 
 
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