配信コンテンツ、ガッツリ見てます。
「AMAZON + よしもと」のタッグ作品が、やっぱ気になる。
ダウンタウンが本気で突っ込んでるもんね。地上波CMも打ってるもんね。

戦闘車

AMAZON PRIME VIDEO「戦闘車」
●よしもと芸人たちが、自動車をバキバキに壊しながらカースタントさながらのゲーム対決をこなしてく過激バラエティ。高級外車を容赦なくペシャンコにする、ドッキリでハメた芸人さんの私物自動車も容赦なくグシャグシャにする。確かに地上波テレビではもうやらないアプローチだろうな。自動車産業は大手スポンサーだからその商品を毀損するようなコトはやりづらいし、何しろこんな危険なゲームをマネするアホが登場したら責任が取れない。課金サービスというハードルがあってこそ「マネするにも自己責任で」というロジックが成立する。でも、80年代にはこういうバカげた企画も地上波でやってたような気も…小学生の頃だからよく覚えてないけど、ちょっと昭和の匂いがする。
●自動車をペシャンコにするのが、スカッと痛快に見えるのか、モノを粗末にする不謹慎になるのか、ソコは微妙だ。ニュービートル(極楽とんぼ・山本の私物車)が土手に激突&横転で廃車の瞬間に娘ヒヨコは「ビートルかわいそー」の反応。我が家が昔乗ってた車だから思い入れが強いらしい。高級外車がクシャクシャになるのは別に何も感じないが、芸人さんが本当に大怪我しそうで心配になるね。でも、結局のところ、オモロイよ。イイ大人がバカバカしいことにムキになるのは。

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AMAZON PRIME VIDEO「DOCUMENTAL」シーズン1〜3
「笑いを堪えたものが勝ち」というコンセプトは、年末特番「笑ってはいけない」と同じ構造と見えて全然違う「笑ってはいけない」は仕掛けられたお笑いのワナに見事やられてお尻を引っ叩かれるトコロまでがセットで「お笑い」を成立させてるエンターテイメント。こちらは賞金/現ナマ1000万円をかけた真剣勝負で、ライバルをどうやったら陥れられるかの神経戦。武器は「お笑い」なのだけど、笑いは相互作用で生まれるもので、笑うことを我慢する段階で相互作用が不全状態で成立しない。結果、奇妙な空気が漂う。いつもなら安易に笑えるネタも笑えない。それは確かにゲームのドキュメントなのかも知れないけど、ボクの同僚は「お笑い偏差値の高さを気取る感じがイヤミに思える」と評してた。ちょっとスノッブかな。いや「お笑い」のルールが絶妙に解体されてる中で、それでも根源的に生まれる堪えられない笑いの本能を観察する実験と捉えたい。
●でも、結果的に野蛮な悪ふざけの応酬になるのですわ。これも地上波では絶対見られない下ネタが炸裂。お茶の間バラエティでテキトーにスタジオを賑やかしてる芸人さんが、死に物狂いで自分の股間を晒してアホなことをする。多分不謹慎極まりないという人もいるだろう。ある意味でやっぱ芸人さんは一本ブチ切れてるな、常人じゃ絶対できないことも平気で踏み越えるんだなと、敬意すら感じる。ボクは爆笑する。あ、テレビに出せない芸人さんが出てくるのもユニークだった。テレビだとダメだけど配信だといいのか。このへんのよしもとスタンダードがわからん。
●アマゾンだからコメントもいっぱいついてていろんな意味で賛否両論あったけど、じゃあアメリカのオゲレツ番組「ジャッカス」のシリーズと比較してみようと思ったら、こっちは下ネタどころか糞尿嘔吐も晒してメチャメチャ。「ジャッカス3D」とか言ってわざわざ3D映画にもしたのね(こっちはネフリで配信中)。これを見れば「DOCUMENTAL」が素晴らしく上品だということがわかるよ。


Huluでは、不思議なコメディ「アトランタ」が気になる。

「ATLANTA」

「アトランタ」2016年〜
2016年のゴールデングローブ賞テレビドラマ部門作品賞(ミュージカル/コメディ部門)受賞などなど各所で評価されたコメディがHuluで日本上陸。アメリカ南部の中心都市アトランタに暮らす黒人青年アーンのトホホな生活を、オフビートかつどこかシュールなタッチで淡々と描く内容。名門プリンストン大学を中退して、家なし金なし仕事なしのアーンは、ある日いとこのアルフレッドがラッパー「ペーパー・ボーイ」として地元でプチブレイクしてることを知る。そこでアーンはアルフレッドのマネジャーを務めると申し出るのだが…。アルフレッドの家に居候してる変人ダリウス、アーンと付かず離れずの距離感が微妙な彼女のヴァンと2歳の娘などなどが、毎日を暮らす様子を、なんとも不思議な空気に包んでご提供。
●これって「黒人さんあるある」の笑いなのかな。普通のハリウッド映画じゃ描かれない、ごく普通の黒人さんの生活。別にギャングじゃないしサグじゃないしピンプじゃないし、ましてやヒーローでもない。殺風景な部屋の中でクタクタのソファに寝そべってずっとテレビ観てるかゲームしてる。トラブル起こして警察に厄介になると拘置所は変人ばっかりで辟易。マリファナでちょっと羽目外したら尿検査で失業。あら、文字で書くと全然面白くないぞ、困ったな。確かにこれ見よがしのコメディではないんだな。でも面白いんだけどな。
●主役のアーンを演じるのは、ラッパー CHILDISH GAMBINO の名でも知られるコメディ俳優ドナルド・グローヴァー。彼は本作のメインプロデューサーでもあり、エピソードのいくつかを自分で監督してる。彼の音楽はまだ聴いたことないなあ。それと気になるのが HIRO IMAI って人物が半分くらいの監督を務めてること。プロデューサーとしてもクレジットされてる。日本人?と思って検索したら、確かに東京生まれらしいけど子供の頃からロス暮らしらしい。


で、トラップを聴くこととする。
●そもそもでジョージア州アトランタは、全米の中においても間違いなく超重要なR&B/ヒップホップの発信地だ。で、このドラマ「アトランタ」でラッパー・ ペーパーボーイ が演っている音楽が、どうやらトラップのようなのだ(4話まで見たけどラップのシーンは全然ないのです)。そうときたら、ボクも我が家の在庫の中からアトランタのアーティストでトラップものを探してみよう。

TI「URBAN LEGEND」

T.I.「URBAN LEGEND」2004年
「アトランタの王」として知られるラッパー T.I. のアルバム「TRAP MUZIK」2003年を取り上げて、「トラップ」ってどんな音楽だろう?ってのはかつてこのブログでも触れたんですよね。それがこちらの記事(http://unimogroove.blog4.fc2.com/blog-entry-1705.html)。その時に見つからなかった、彼の次作アルバムである本物件を結局買っちゃいました。100円だったんで。
「トラップ!トラップ!」というサウンドシグニチャーは健在で、そこにゴンゴンと響く低音のキックがクール。とはいえ、ここで耳に残るのはトラップのスタイルで立身したトラックメイカーよりも、メジャー系プロデューサーがトラップに挑戦している場面だな。同郷アトランタの JAZZE PHA LIL JON、ニューオリンズの MANNIE FRESH、そして SCOTT STORCH THE NEPTUNES まで参加。THE NEPTUNES はいつもの PHARRELL 節でトラップじゃないか。
●それにしても、サウス系/アトランタの流儀なのか、ラップのフロウがルードでレイジーな感じがいかにもでタマラン。

GUCCI MANE「TRAP HOUSE」

GUCCI MANE「TRAP HOUSE」2005年
●2010年代に入ってジャンルとして確立し、ヒップホップの枠をはみ出て大型フェス系 EDM の世界にまで影響を与えてるトラップのサウンドは、この00年代においてはまだまだ洗練とは程遠い。その中でもこのアルバムも最初期のトラップとして名が知れてる。なにせタイトルが「TRAP HOUSE」ですから。そもそもで「トラップ」ドラッグ取引を行う場所を指す言葉のようで、ズバリ「トラップハウス」ドラッグ取引を行う不良の溜まり場になってる家のことみたい。
チキチキのスネア&ハイハット、ゴツいキック、そしてウワモノとしての不穏なシンセと打ち込み濃度が上昇してるのに、GUCCI 本人のフロウがズルズルのルードっぷりなのでドロドロのファンクネスはなんら損なわれてないのが絶妙。ただしトラップがシンセミュージックとして進化していく萌芽はもうここで見えてたのかもね。

GUCCI MANE「BACK TO THE TRAP HOUSE」

GUCCI MANE「BACK TO THE TRAP HOUSE」2007年
●何枚かのアルバムを間に空けて、GUCCI がまた「トラップハウス」に帰ってきた模様です。彼はドラッグディーリングにご執心で、トラップ経営に夢中なのか、ミックステープなどにはトラップを銘打つタイトルがいっぱい。「TRAP HOUSE」は第五弾まで続くし「TRAP GOD」というシリーズもある。その後も「TRAPOLOGY」「I AM TRAP」「TRAP BACK」などなどトラップ稼業が止まらない。トラックのテイストは古典的トラップと言えないものも混じってるけど、シンプルな反復とラップの繰り返しが酩酊感を誘うマリファナ向きな曲もあるような…。ここら辺のトラックを作っているのは地元アトランタの ZAYTOVEN、NITTI、SHAWTY REDD という男たち。全然知らない。GUCCI はこの段階ではあくまで地元の仲間にこだわってるようだ。

GUCCI MANE「MURDER WAS THE CASE」

GUCCI MANE「MURDER WAS THE CASE」2009年
GUCCIトラップ稼業が過ぎたのかとうとう殺人に及んでしまった?「MURDER FOR FUN」という楽曲で、OX なる男がラガマフィン風のフロウで凄みを出しまくる。トラップのトラックに凄みのあるラガ風味はなんとも相性がイイことが判明。地元人脈かトラックメイカーは前述の ZAYTOVEN DJ SPEEDY、MEL-MAN と全然知らない連中。なんだかトラックの作りがどんどんスカスカになっていくぞ…不穏なシンセが薄く響いて後は軽いスネアがパチパチと鳴るだけ。お風呂ラジカセみたいなチープなシステムで聴くと、スネアとズルズルのラップだけの、チョー耳障りな音楽になっていく。そこにタカタカタカと転がるようなブレイクが聴こえてきて…。00年代型のトラップに徐々に近づいてる感じ。

GUCCI MANE「THE STATE VS RADRIC DAVIS」

GUCCI MANE「THE STATE VS. RADRIC DAVIS」2009年
●同じ年に二枚もメジャーアルバムをリリースするハイペースで、GUCCI はとうとう州政府と対立?!話がどんどんデカくなります。さすがに大事になり過ぎて刑務所入りして弱り顔?でも手錠外して逃げちゃった?
「MURDER WAS THE CASE」が地元人脈のアングラ/ストリート志向だったのに対して、こっちは客演もトラック製作陣も豪華でバラエティに富むメジャー志向な内容。ゲストと言えば LIL WAYNE、CAM'RON、RICK ROSS、USHER、KEYSHIA COLE、NICKI MINAJ、BUN B、DEVIN THE DUDE、E-40などなどと東西南各方面からラッパー/シンガー色々召喚しとります。歌モノのフックラインを備えた曲なんて優雅な印象すら感じるよ。
トラップのトラックも洗練された感じがある。アトランタ勢が中心だけどメジャー路線のプロデューサーが集まった結果か。JAZZE PHA、J.U.S.T.I.C.E. LEAGUE、POLOW DA DON、BANGLADESHなどなど。FATBOI DRUMMA BOY ってヤツが目立つな。スポッティファイでは、このアルバムのインストトラックだけを集めたアルバム「INSTUMENTALS」2010年が配信されてる。これを聴くとトラックそのものは実にシンプルでテカテカと磨かれたようにクールな音響に仕上がってるのがわかる。そんなビートなのに、ルードでダーティなファンクネスでズルズルに仕上がるのはやはり GUCCI の才能か。ラッパーってスゲえなあ。
「BINGO」という楽曲に客演している WAKA FLOCKA FLAME というラッパーが、10年代トラップを本格的に始動させた人物だとされてる。彼が新興トラックメイカー LEX LUGAR と組んだ楽曲「HARD IN DA PAINT」2010年が、新時代のトラップだ。90年代から続くアトランタ・ヒップホップの伝統〜クランクやトラップのビートをさらに進化させて、より凶暴なスタイルを生み出した。彼は GUCCI MANE の元でキャリアを起こした男で、これをキッカケに一気にブレイクする。でも2013年には師匠の GUCCI と決裂しちゃうんだけどね。




●GUCCI MANE「WASTED」。マイアミから参戦の PLIES がこれまたルードなラップでたまらん。

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