●月の初めは、いつも伝票処理で大変だよ…。
●だから、タイミングがもうズレちゃった話題を、わざわざ取り上げます。途中まで文章描いてたので。


ABEMATV × 元 SMAP 三人によるお祭り「27時間ホンネテレビ」は大成功のようだった。
●Yahooニュースに掲載された記事によると

 「最終的に番組に関するTwitterの総コメント数は「約508万以上」、
 稲垣ブログは「3日連続総合1位」、
 草なぎのYouTubeは「合計再生数約536万回」、
 香取のInstagramは「フォロワ―数 100万以上、総いいね!数 1426万1000以上」を記録。
 そして、番組関連ワードのトレンド入りは「世界1位を含む107以上」、
 総視聴数は「3日間合計7200万視聴以上」という前代未聞の注目度であった」とな。

「7200万視聴以上」ってどうやって評価すべきだろうね…地上波テレビの視聴率とは直接比較できない数字だし…。全国民の半分に接触しましたとは言い難い。ただ、ABEMATV はあくまで地上波テレビのビジネス領域に食い込みたいと考えている。彼らはネット配信なのに「放送」というし、ライブ配信なのに「生放送」という。ナニこの「放送」強迫観念?だからABEMAの動向においては「テレビ」との関係に注目しなければ。だって、この Yahoo の記事だってソースは「ザ・テレビジョン」だし。テレビ雑誌がテレビ以外に軸足ずらしちゃう?

●ともかく。ABEMATV は、メディアとしての存在感をこれでより一層大きくしただろう。「亀田興毅1000万円」企画のワイルドさや「藤井聡太四段29連勝の将棋中継」といった偶然バズといったこれまでのABEMAブレイクとは違い、今回は金に糸目をつけない豪華キャスティング&大規模演出で確信的なコンテンツバリューの創出をしてみせた元SMAP三人の再始動と言われれば、市川海老蔵から橋下徹まで各界の著名人も集まるってわけですよ。
「しがらみのない政治を」は希望の党・小池代表のスローガンだっだけど、ジャニーズ時代の「しがらみ」から三人が解放されたのも事実。厳禁とされてたインターネット露出、ソーシャルメディア運営開始は序の口。元メンバーで現オートレーサー・森且行との再会はまさしくエポックメイキングな出来事でバズも世界一級に。終盤の音楽パフォーマンスで三代目 J SOUL BROTHERS「R.Y.U.S.E.I.」をカバーするなんてマネも、ジャニーズの最大対抗勢力 LDH = EXILE 軍団との関係においてはありえない演出だったと思う。
●けどね「#ホンネテレビ」というほどには、SMAP 解散の核心を吐露するほどの本音は出なかったような…。まーとりあえず三人の新たな門出にまずはお祝いを。そしてあくまで「テレビ」を意識する ABEMATV がガチの地上波テレビ業界とどうぶつかり合うのか、今後の展開も注目。でもボクは ABEMATV には冷笑的ですけど。だって藤田社長のバブルな趣味道楽みたいなんだもん。

DNyknaEVAAAlW_s.jpg(森くんと再会できてよかったね)


●そんな形に「テレビ」にこだわる ABEMATV の狂騒の中で。
一生を賭けて「テレビ」にこだわり続ける男のドキュメンタリーが公開されていました。
●ミニシアター系で東京都でも一館だけの上映だから、ネタバレも入れちゃいますね。

IMG_6863.jpg

土屋敏男監督「WE LOVE TELEVISION ?」
土屋敏男氏は日本テレビの90年代バラエティ「電波少年」などなどで武名を上げた、稀代のテレビ演出家だ。Tプロデューサーとして有吉弘行(というか猿岩石)をいじめ抜いた男だ。その彼が、初めての映画監督としてデビューするにあたり取り上げた題材が、これまたテレビの歴史を体現する伝説のコメディアン・萩本欽一だった。
●70年代〜80年代にかけての萩本欽一「視聴率100%男」だった。週三本放送されてた冠番組(「欽ドン!」「欽どこ?」「週刊欽曜日」)が全部30%以上の視聴率を稼ぐのだ。こんな偉業はテレビの歴史に存在しない。そんな萩本欽一とまだ駆け出し演出家だった土屋敏男は一緒に番組を担当するも惨敗(80年代の日本テレビは現在では想像がつかないほどダメダメな成績だったらしい)。しかし、その時の縁あって土屋と萩本には深い関係がずっと残っていた。
●ドキュメンタリーの本線は2011年に放送された彼らの特番のメイキングだ。「欽ちゃん、視聴率30%の番組をもう一度作りましょう!」土屋が得意のアポなしで本人直撃オファーするところから始まる。もちろん2010年代にあってバラエティで30%は無理な数字だ。12%程度で大成功というところ。それでも彼の仕事に密着することで「視聴率100%男」の秘密が得られるかもしれない。「電波少年」などで確立した手法を総動員して、出演者のアケスケなオフショット追跡を執拗に突き詰め、番組作りの様子を克明に記録していく。東日本大震災、相棒・坂上二郎氏の死去、共演者の脱落、新しい演出に心ときめかす様子(土屋チームラボ&猪子寿之をチームに組み込んでいた)などなど、色々なことが起こる。それでも一番の見どころは70歳を超えたとは思えない萩本欽一本人の尋常ならざるパワフルさだ。マジでスゴイ。本当に30%を信じてる。
●彼は、成功する番組に発生する「奇跡」を信じていた。「しっかり作られたものは面白くならない」。関係者全員がギリギリまで真剣に取り組んだ結果、偶然のケミストリーが発生する。それを呼び込むため、意識してか無意識か、チームの指揮にすごい指示をする。コント台本をみっちりリハーサルした上で、次長課長・河本準一「本番では全部これやっちゃダメね、同じことは二度しない」と仰天の指示。「俺は稽古もしないよ、そのままでやる」河本、プレッシャーに悶絶土屋にもプレッシャーをかける。「欽ちゃんの仕事は40%。後の60%はディレクターの仕事だからね」そしてこんな言葉も。「安心しちゃダメ。なんでも早く決めて安心したがるけど、決めない。そうすれば全員がギリギリまで考える」。安心安定志向のボクには耳が痛い。こうして明確になる萩本欽一の怪物ぶりにボクはゾクゾクと震えたよ。
●かくて、その萩本・土屋番組は放送されるも、成績は視聴率8.3%だった。ハッキリ言って失敗。しかし萩本はここで一ミリも言い訳をしなかった。ガッカリの表情は隠さないが「テレビは数字が結果。何かが足らなかったのだから反省はしよう」。あくまで彼はテレビの人間。テレビの物差し・視聴率こそが指針。
●しかし、彼は立ち止まらない。2015年には駒澤大学仏教学部に入学(&在学中)。ABEMATVやニコニコ動画にも出演、そして今年はNHK-BSでも特番を放送する。茨城ゴールデンゴールズの監督業も2005〜2010年まで務めていたが、勇退の理由は、自分が70歳になる2011年にはキチンとテレビに専心するためだったという。そういう意味で、彼は自己革新をやめない。もう一度30%番組を生み出すために努力しているし、奇跡が起こることを信じている。

現在76歳のコメディアンと、60歳のテレビ演出家。老兵が古いメディアに妄執してるだけと笑うか?
でも、自分の全てをかけた表現への真剣さは、心を打つよ。


●ここで話題は、いきなり岡村靖幸へ。

ステップアップLOVE-通常盤B-DAOKO

岡村靖幸「忘らんないよ」2017年
●さて、この映画の主題歌を担当しているのが、なんと岡村靖幸土屋から既存曲の使用許諾オファーを受けたところ、ラッシュ映像を見て岡村本人が「新曲の書き下ろしでやらせてください」と申し出たそうな。
●彼には珍しく、アコースティックテイストが際立つバラードだ。ボーカルそのものは紛れもなく岡本ちゃんの瑞々しいパワーがこもってるけど、リリックは晩秋にふさわしいメランコリーが切ない。

 「あんちくしょうって笑いながら 泣いてた顔が忘らんないよ 
  だって今もこんなに感じてる
  あなたの何を許せばいいの? 
  形あるもの みんな同じ 孤独が寄り添っているのに」

●…なんとなく、土屋さんが最初にオファーをしてた既存曲がなんだったのかも知りたい気もする。
●あと、これを聴いたのはスポッティファイね。岡村音源懐かしいのイッパイあったわー。80〜90年代の EPIC SONY 時代がクラクラする。個人的なフェイヴァリットはアルバム「家庭教師」1990年ね。


ÉTIQUETTEパープルジャケット

岡村靖幸「ETIQUETTE(PURPLE JACKET)」2011年
●こっちはスポッティファイに収録されてない、セルフカバーアルバムだ。90年代の絶頂期から薬物問題(逮捕3回!)で転落した低迷の00年代をくぐり抜けて、やっとシラフになってのリスタート。これが今聴くと、あまりにマッシブな超合金ファンクぶりで、やっぱこの人スゴイと惚れ込む。元からアクの強い既存曲を、さらにアップデートして説得力を持たせる実力。打ち込みでアレンジされてる?キック&ベースの強度はマシマシでクラクラするほどのテンション。そこにフリーキーなボーカルが暴れまわる。
「どぉなっちゃってんだよ」「あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう」「だいすき」とリアルタイムで原曲を体感してたクラシック楽曲はもう無条件に楽しんじゃうけど、比較的後期の「マシュマロハネムーン 〜 セックス」強烈なマッドぶりが、この人の底の知れなさを見事に表現してて最高。

岡村靖幸「ETIQUETTE(PINK JACKET)」

岡村靖幸「ETIQUETTE(PINK JACKET)」2011年
●前述「PURPLE JACKET」と同時発売の姉妹作セルフカバー。基調は変わらないけど、こちらは名曲「カルアミルク」のウエットなライブ音源が収録されてる。ああーこの曲はいいなあ。お酒が飲めないボクだけど、この曲のおかげでカルアミルクにトライし続けた時期が20歳代にあったよ。それと「だいすき」のフォーキーなライブ音源もある。「だいすき」は二枚両方に収録されてるんだけど、超合金ファンクとは別の味としての、アドリブで歌詞を変えちゃうフランクな弾き語りもいいわあ。



●「忘らんないよ」MV。
●監督は土屋氏。さすがの土屋氏もMVは初めての経験でビビったとな。
●そこで、なんと映画の主役・欽ちゃんを引っ張り出してしまったとな。この2ショット、カッコいい。


●最近は、地上波テレビで不景気な話題が多い。そこは今後もチェックしていきたいんだわ。
●配信だいすきだけど、「テレビがオワコン」って流れを安易に受け止めたくはないんです。
●それはスポッティファイからアナログレコードまで横断して楽しむボクの習性で。
●そして、それぞれのメディアには良し悪しを超えた個性があって、それを理解することの方が前向きだと思うから。


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