先週末は、大学時代の親友SKくんの結婚式であった。
●超有名女性向け雑誌の中堅編集者であるSKくんは、これまた有名アパレルブランドのプレス担当の女性のハートを見事射止め、2年の交際を経て4月に入籍。この度やっと正式な結婚式を挙げることとなった。コレは絶対に出席しなくてはと、病気のコンディションを必死に調整して参列したのだった。

親友SKくんと過ごした大学4年間は最高に楽しかった。
●京都出身の彼は、異常なまでの田舎者コンプレックス(被害妄想寸前の強迫観念)がある上に、モーレツに常識がなく、毎日ユカイなトラブルや大失敗、勘違いと大暴走の連続で、ずっと一緒にいても見飽きない変人だった。大学のソバにある日当りゼロの4畳半に住んでいた彼の部屋に、週の半分近くを泊って過ごしていたボクを、当時からつきあっていた現在のボクのワイフは「あの人ホントはゲイなのかも」と心配していたほどだ。
●今では伝説となった笑い話もあれば、シャレにならないヤバい話まで、振り返るなら一晩語り明かせるエピソードがある。野菜を一ミリも食べない超偏食。突然お笑い芸人を志してコンビ「くるくるセブン」を結成、オーディションを受けまくる。学祭イベントの司会進行でなぜか半裸に全身金粉で登場。女子高生に手を出して不良高校生に取り囲まれる。交通法規を完全に誤解、駐車禁止を進入禁止と勘違いして「あれ~どこも進めねえ」。動物園に行けば、ペンギンをじっと見つめて「トリみたいだなあ…」と真剣につぶやく。「えっ!ほ乳類じゃないの?!」…もっとスゴいの一杯ありますが、社会的にカドが立つので書けません。

増量・誰も知らない名言集イラスト入り (幻冬舎文庫) 増量・誰も知らない名言集イラスト入り (幻冬舎文庫)
リリー・フランキー (2006/02)
幻冬舎

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●社会人になったSKくんは、その変人ぶりに磨きをかけて奇行のスケールもビッグになり、そのネタがリリー・フランキーさんのコラム「誰も知らない名言集」にいくつか収録されるまでに至る。しかしその一方でリリーさんをはじめ、常磐響さん、大泉洋さん、そしてアラーキーこと荒木経惟ともピシッと仕事をしてる。要領が非常にイイのか?アクセク仕事をしている気配が微塵も感じられない。いつでも19時頃電話すれば、趣味の卓球クラブで汗を流してる。「あんたホント仕事してんの?」と聞いても、飄々と「テキトーテキトー。なんとかなるのよ」
●それが今年になって、超真っ当で美人な奥さんを連れてきたのには衝撃だった。奥ゆかしくて、控えめな感じのカワイらしい女性。それでいて仕事も丁寧にこなすキャリアウーマン。少しだけ天然のニオイも。こんな普通の女性が、SKくんと付き合えるのか? SKくんのマッドな側面を、キチンと理解しているのだろうか?


お茶の水・山の上ホテルで行われた披露宴は実に真っ当なモノだった。
●かつての変人ぶりからは想像がつかないほどの、折り目正しい大人の結婚式だった。「アイツ、立派な大人になったなあ」と感慨深く思えた。ヤツの口から「お足下の悪い中お越し頂きありがとうございました」なんて聞くとは想像もできなかった。女性でオトコはガラリと変わる。この奥さんと出会ってヤツは変わったのだな、と納得した。

二次会は六本木のアートスペース「P-HOUSE」を借り切ってのパーティだ。
●なにしろ一流女性誌と有名アパレルの二次会だ。どんだけのオシャレピープルが集まり、どんだけハイブロウでスノッブなパーティになることだろう。カラダを壊す以前からほとんど夜遊びも止めていたボクには、こういうクラブ的空間は久しぶり。以前は趣味&仕事両面で入り浸った時期もあったのに。
●しかし、コレをただのオシャレパーティにしないのが、SKくんならではの鮮やかなセンスだ。ウェディングケーキの代わりに登場したのは、なんと直径一メートルの巨大な「ちらし寿司」。刺身とイクラでハートを描いている。従ってケーキ入刀も「しゃもじ入刀」。ホントにちらし寿司にドスッとしゃもじを突っ込んでいた。

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●そしてバンドの生パフォーマンス。伝説のカルトバンド「水中、それは苦しい」の登場だ。みうらじゅん、リリー・フランキー、峯田和伸銀杏BOYZ)、猫ひろしなど一部の著名人から絶賛されているが、その活動も内容もアンダーグラウンド(&珍妙)すぎて世間の理解が全く追いつかない、悲しき孤高の才能である。

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●ギターボーカル、バイオリン、ドラムという変則軽量級サウンドを高速疾走させて弾け散る音の火花。そこにリーダー、ジョニー大蔵大臣のヤケクソな咆哮が聴く者の耳をつんざく。その不必要なまでに高カロリーな絶叫でヒリ出されるメッセージは、シュルレアリスムとダジャレの間を光のスピードで反復横跳びし、意味も意義も意図も不明なまま、まき散らす混乱をハイテンションで押し流す。
●一曲目の「サンダーウェディング」から始まり、新婦に捧げる書き下ろし楽曲などを絶唱。奇跡のアンコールに応え、「えー、結婚式場で5年バイトして知った事実は、披露宴でも下ネタはチョッピリならアリってコトです!」とのたまい、バンド初期の名曲「デビルセックス」を演奏。「デビルセックス!デビルセックス!デビルセックス!鬼のよう!」ああ、「水中」、最高です。

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「水中、それは苦しい」の中心人物、ジョニー大蔵大臣は、新郎SKくんとボクの共通の知人であり、その出会いは10数年前に遡る。音楽評論家田口史人氏が主宰する前衛レーベル「OZ DISC」の第二弾リリースとしてデビューした「水中」に、一般リスナーとしてボクが激しく反応したのがキッカケだ。
「SK、この人たちを学祭に呼ぼうよ!」と仲間を集めて企画立案。アマチュアバンドコンテストという体裁で、司会進行がSK、裏方がボク、審査員にはみうらじゅんさんを招いた。「水中」のパフォーマンスは予想通りに強烈なインパクトで賛否両論の嵐だったが、みうらさんが絶賛!ボクら的には大成功だった。

ジョニーは当時早稲田大学の現役学生で年齢も一緒と判明、ライブに通う中でいつしか友人として付き合うようになる。実はボクの結婚パーティでも彼にはパフォーマンスしてもらった(あの時はソロユニットだった)。就職してからは会う頻度が少なくなってしまったが、SKは頻繁に連絡を取り合っていたらしい。
●最近のジョニー顔面神経痛を煩い、顔の左半分が動かなくなるというアクシデントにも見舞われていたという。目も閉じないから涙が流れっぱなし。病気になる直前に発表したアルバムタイトルが、奇しくも「顔にやさしく」。これが偶然とはスゴい。

顔にやさしく 顔にやさしく
水中、それは苦しい (2006/03/08)
UK.PROJECT

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●今回の結婚式で数年ぶりに再会したジョニーとボク。正式な披露宴で一曲パフォーマンスする際に「ちょっとアウェーな雰囲気だけど大丈夫?」と声をかけた。するとジョニーは「いつだってアウェーだから。やることをやるまでよ!」大学を卒業して10数年、ずっとこの表現に拘ってきた彼の覚悟、カッコいい。立派だよ。


●二次会の締めくくりは、出席者全員参加のオクラホマミキサーだった。見ず知らずの男女が懐かしのフォークダンスを踊る。これは愉快だ。贅沢を言わせてもらえば、最初にコレをやってくれれば、イロイロな女の子に声をかけやすくなっただろう(笑)。SKは、見事に自分の味を生かしたオリジナルなパーティを仕切りきったというわけだ。面白かったよ。


披露宴から二次会まで乗り切るには、病気を抱えるボクにはかなりの大冒険だった。
●クスリを普段よりも多めに飲み、気合いと勢いで乗り切った状態だ。旧友たちとの再会もうれしくてボクのテンションは大分上がっていたから、当日は大丈夫だったのだろう。
●しかし、その後日は具合が悪くなって寝込むハメになった。虚脱感が抜けず、アタマがずーっと混乱して落ち着かない。睡眠も不規則になり、軽いパニック発作が起こる。今だに余波が続き無気力状態から抜け出せない。やっぱり普通の社会生活をこなすにはまだまだ時間がかかると思い知らされた。ブログすら更新できなかったからね。ふう。
 
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