今週は、息子ノマドが進学する近所の公立小学校の見学公開日である。
●土地柄なのか小学校「お受験率」が高いこの地域で、早々公立小学校への入学を決意していた我が家。サバサバと「公立でいいんじゃん?」と決めたはイイが、その公立小学校の正体を知らないのもいかがなものか。従って、運動会の代休と公開日が重なった今日、一家総出で学校を訪れたのであった。

ウチが公立小学校に決めた理由はいくつかある。

●その1:兄ノマドと妹ヒヨコは、年子である。
●コイツらがそれぞれで「お受験」に挑戦した場合、二人が別々の学校に通うことになる可能性が高い(脳ミソのレベル差もある程度ハッキリしてるし…)。2つの小学校に電車(または自動車)を使って別々に通学させるのは、面倒をみるワイフの負担が重すぎる。日々のオペレーション効率が悪すぎる。加えて、ほとんど双子状態になってる仲良し兄妹に、今から格差をつけるのもイヤだなあと考えた。金銭的な教育コストも格安だしね。

●その2:電車(または自動車)で通学する学校じゃ、放課後の交流はほぼありえない状態になる。
●少なくとも低学年/中学年程度じゃ電車乗り継いでまでして「○○ちゃん遊ぼ!」って行けないだろう。だから、幼稚園で培った地域のコミュニケーション(親/子両方)をそのまま踏襲するために、地元の小学校を選んだ。親友ユウタくんは、ノマドにはかけがえのない存在のようで(「ノマド、ダイガクもユウタくんといっしょにいく!」といってた)、彼から引きはがすのは友達作りが苦手なノマドには酷だなと感じた。

●その3:「お受験」勉強のもたらす影響
「お受験」小学校の高邁な思想や教育設備の充実は、確かに魅力だ。公立小学校の「ゆとり教育」的荒廃ぶりはニュースで知るたびに暗くなる。しかし「お受験」対策として、ある決まったフォーマット(「お受験」的ごあいさつ、「お受験」的テスト対策)を正確になぞって正解&合格!という経験が、分別もつかない今のノマドにメリットになるかどうか?「ある問題を解決する手段はコレコレのみで他は不正解」という単純一元的な思考様式を植え付けることにならないか? 様々な多様性と自由解釈のスキマ(誤解/失敗も含めて)に、今はまだ身を浸しておいてイイのではないか?

そんなコトを考えながら、訪れる近所の小学校。
●選挙の投票所に使われてるから、度々来たことはあるが、中を詳しく見るのは初めてだ。
●1学年2クラス、1クラスが24人。第二次ベビーブーマーのボクらには寂しくなるほど小規模だ。ボクの小学校は44人クラスが6つ。中学校に至っては11クラスあったのに。一方で我が家の徒歩10分圏内には3つも小学校がある。統廃合した方が効率化できるんじゃないの、世田谷区さんよ!不思議だな。

教室の後ろから授業の様子を覗かせてもらう。
●まずビビったのが、生徒が座る机/イスの脚が、全てテニスボールにくるまれているコトだ。一個一個ボールを切り裂いて脚を突っ込んでる。コレ手作業っぽいなあ…。スゲエ…。イス机を動かす騒音を静めるための工夫だろう。なるほど消音効果は間違いない。でも反対に、それだけ生徒の動きがウルサいってコトなのか?確かに姿勢ワルい子多いなあ。上履き履き潰したり、貧乏ユスリしたり…。よし、イスの座り方は自分でシツけよう。
●ワイフが気になったのは、「先生と生徒のコール&レスポンスが少ない」ということ。最初に先生が説明、その後プリント的なモノを黙ってやらせて、それができたらオシマイ。……あれ、授業ってこういうモンだっけ?公文と変わらなくない?「この問題わかる人!」「ハイ!」みたいなヤツ、今日は全学年で一回も見なかったぞ。偶然見なかっただけか?普段からそういうものなのか…?
●あと、音楽の授業。CDラジカセに合わせてみんなが歌ってた。アレ、先生がオルガンで弾くモンじゃなかったっけ? ちょっと違和感…。別に問題はないけど…。
●一方で小規模人数の利点を生かしてか、理解度の低い子と高い子をクラス越境で区別して、別々のやり方で授業していた。3センチ8ミリが38ミリと同じというコトを、普通に説明されているマジョリティの隣の部屋では、8人ほどのマイノリティがより丁寧に、大きな定規を黒板に貼付けて、ゆっくり言い含めるように説明されていた。
●さらに感心したのは、「国語」の他に「日本語」という教科があるというコトだ。一体ナニが違うんだ? ただし「日本語」の授業では古文漢文を扱うらしい。百人一首とか。小学校一年生からやるんだ!ボクらの時代は古文なんて中学からだったはずだよな。その反面で「社会」「理科」はない。「生活」という教科にくくられる。これが「社/理」に分化するのは3年生からだ。

今日のより重要なテーマは、ノマドに「学校は楽しい」と思わせることだ。
●ノマド、小学校入学まで残すところ約半年。小学校入学に完全にビビリ気味。よくわからない不安にただ怖じ気ついている。そこでリアルな情報を開示提案してイイ印象を植え付けることが必要だ。
●ノマドに教室の中のデティールを解説してやる。「ノマド、今日は作文をするみたいだ」先生が黒板で原稿用紙の使い方を説明している。「あの紙は大人も時々使うからな…。おっ、右上に今日の日付を書いて下さいだって。先生、漢字で「十」って書いたぞ。次は漢字で「九」だ…。10月9日のことだな。」
●奥にあるのは、ランドセル。イロイロな色がある。オレンジ、茶色、深緑、紺色…。ランドセルは多様化したなあ。ボクらの時代には黒&赤以外はありえなかったもんな。「ノマドもカッコいいの買おうな」
「ノマド、あのお兄ちゃんの机の上を見ろ」筆箱はドラゴンボールZ、下敷きはポケモン。みんな自分でカッコいいのを持ってきて使ってるんだぞ。机の中は道具箱。それぞれが自分の机を持ってて大事なものをアソコに入れるんだ。
●ノマドは教室の後ろに展示してある工作に注目。牛乳パックを集めて作ったメカとかが気になる。どのクラスにも水槽があって、金魚やザリガニがいる。「これを面倒見てやる係の人がいるんだぞ。ノマド、やるか?」

給食の時間も興味深い。ノマドには新しいカルチャーだろう。
●給食係の子が白衣に着替えて生徒全員の食事を配膳する。トレーを持った一般児童が彼らからお皿に盛った食事をもらう。「ノマドもアレやるんだぞ。楽しそうだろ」妹ヒヨコもノってきた。「ヒヨコはやくガッコウいきたい!そしたらギュウニュウいっぱいのめるから!」キミ授業には全く反応しないのに、そういうトコだけビシッと反応するのね。ヒヨコの即物的なマテリアルガールぶりは、パパちょっと不安…。「ルイヴィトン買ってもらっちゃった」とか言って悪いオトコに騙されるような娘になったら困るなあ。

そんな給食の風景を観察してたらクラスの男の子が我々に声をかけてきた。
「そこにすわっちゃダメなんだぞ!」一年生なのにノマドとは30センチ以上も身長がデッカい子だ。ボク「ごめんごめん、みんなの給食を見てたんだよ。しかしキミは背が大きいね。クラスで一番かい?」男の子「オウ!キックもパンチもイチバンつよい!」力強く素振りを決めるカレ、どうやらこのクラスのガキ大将らしい。ボク「この子(ノマド)来年この学校に入るから、面倒みてやってね」男の子「そうだな、イジメラレそうになったら、オレがまもってやる!」
●ノマド、この子の勢いに完全に気圧されて、ボクの足にペットリしがみついて隠れてる。腰砕けでフニャフニャ状態。ガキ大将、それを見て一喝「ちゃんとシャキッと立て!」いろいろな子供がいるな。この雑多な環境がイイんだよな。

図書室も見せてもらった。
●品揃えは、絵本から図鑑、児童文学や学習まんがまで。ノマド、ココの本を借りて読むことが出来るんだ。ノマド「うちゅうのホンある? ノマド、うちゅうのカガクシャになりたいから、うちゅうしらべる!」ノマド、宇宙の研究者になるには、ここにある本全部読むくらいは出来ないとダメだぞ。
●多岐にわたって蔵書を見てるとボク自身も楽しくなってくる。これは今後ノマドに頼んでボクの好きな本を借りてきてもらおうか。「ユニセフコーナー」と題された本棚にはコソボ紛争の中の子供達をテーマにした写真集があったり、ゆったり見てみたかった外国の絵本の翻訳があったり。

懐かしの大発見があった。「学研」の「ひみつシリーズ」である!
● ボクが小学生の頃、読みまくってた学習まんがシリーズで、「海のひみつ」「宇宙のひみつ」「恐竜のひみつ」などなどテーマごとに何十種類もあったモノなのだ。コレを親に買ってもらうのが楽しみで、熟読しては色々な知識をアタマに詰め込んだ。なにしろマンガなので読みやすいし分かり易い。しかし、いつしか店頭からこのシリーズは消え去ってしまった。今のコドモはあのテのモンは読まないのか…寂しいな…、と勝手に思っていたものだ。とある古本屋でビンテージ状態の美本を発見した時は、必要もないのに買いそうになったくらいだ。
●しかしこれが、パッケージも内容も一新してゾロリと揃っているのだ。「ああ!『ひみつシリーズ』じゃないですか!コレ滅びたんじゃなかったんですね!」思わず司書の先生に語りかけてしまった。「ええ、ワタシにはよくわかりませんけど、ちゃんとありますよ」先生、ちょっと当惑気味。「いやー、ボクはこれに随分お世話になったんですよ。もうなくなっちゃったと思ってました」ノマド、これ見ろよ、マンガになってて色んなこと書いてあるんだぞ!

20071009214857.jpg

●中身を見ると、社会も科学技術も進化したので、昔のバージョンの痕跡はなく現在形の内容に全部描き直してある。シリーズも幅を広げ、「インターネットのひみつ」「銀行のひみつ」「宅配ピザのひみつ」などなどタイトルも現代型になってる。「下着のひみつ」なんてのもあったぞ。どんな秘密があるのか是非教えてもらいたい!

20071009214753.jpg

20071009214717.jpg


夕食時、ノマドに今日の感想を聞いた。
「ノマド、小学校、面白そうだろ?」ノマド「ふつう…。」……しばらくすると「ノマドおなかへってない…。」とつぶやいてリビングにへナッと横たわる。食事の途中にどうしたことか、と普段なら小言をいうトコロだが、ワイフと目配せして敢えて放っておく。ノマドのアタマの中は小学校への不安でイッパイイッパイになってるのだ。「ママ、ちょっとおなかイタイ…」おいおいイッチョマエに神経性の腹痛かい。ママに甘えんぼになってる。
●ヒヨコは周りの雰囲気にすぐ流されるノー天気な超楽観主義者なので「はやくガッコウいきたいな!」とか言ってノリノリになってる。が、心配性で臆病、何事も慎重派のノマド(すいません、ボクの遺伝です)は、新しい環境変化と冒険にドキドキしてる。3月まで時間をかけてモチベーションを熟成させるか。差し当たりコドモ部屋を模様替えして勉強机を買ってあげよう。そしたら、気持ちも入れ替わってくるぞ。
 
スポンサーサイト
Secret

TrackBackURL
→http://unimogroove.blog4.fc2.com/tb.php/230-555d97d6