最近、お芝居にハマってます。
●先日、下北沢演劇文化の中心「本多劇場」に観劇に行ったコトを報告しました。正直、ことのほか楽しい経験だったので、最近色々な小劇場で舞台を観ているのです。ボクは音楽好きでライブハウスやコンサートホールにはよく行ってたけど、カラダをこわしてからは長時間立っていられなくなってしまいました。ところが演劇はずっと座ってみてられる。カラダに実に優しい。
●そもそも今まで未経験だった全く異質の文化に触れて、とてもワクワクしています。映画とは全く異質のライブ感、舞台空間という制約を逆手に取った演出の工夫、音楽のライブとはまた違ったキャストとお客の一体感、出る人観る人が今まで出会う事のなかった人種で、それをウォッチングするだけで新鮮。
●お芝居は高額だとかチケット入手が難しいというイメージがあったけど、下北沢には大小沢山の劇場があって、そんなにすごく高くもないし、ちゃんとした時間にいけば当日券も容易にゲット出来ることが分かった。体調に合わせて行きたい時にフラッと行く。事前に公演時間が何分か聞いておくとイイ。劇場は狭くて窮屈だから、具合が悪くなっても途中退出出来ない。あまり長い芝居はカラダをおかしくするので、一時間半程度の芝居を選んで観てる。
●ボクは完全な演劇素人なので、全く予備知識なく劇団や演目を選んでいる。だから感想もデタラメなので、ご了承ください。

スチュワーデスデス

クロムモリブデン「スチュワーデスデス」@下北沢駅前劇場(1月6日)
●ホントに駅前南口広場にある雑居ビルの3階に、2つも劇場があった。演劇オンチのボクはこの街在住5年目にしてその存在を初めて知った。ちなみに2階は居酒屋「坐和民」
●フライヤーの雰囲気で、スチュワーデスのお話かなーと思ってた。コスプレものから入った方が演劇素人のボクでもスッと入れるかなーなんて考えてた。ところがどっこい、一ミリもスチュワーデスは出てこないし、セリフにも「スチュワーデスデス」って言葉は2~3回出てきたかなって程度。芝居はフライヤーでは内容を判断することはできないということを知った。
●でも内容にはとても満足。役者の衣装はみなアニメキャラのようにカラフル、コミカルでハイテンポな展開はマンガのようなポップ感が愉快。しかし見かけと入り口はチャーミングでも、テーマはワリとドス黒い。死刑判決が出た瞬間に昏睡状態に陥った囚人を、遺族たちが刑務所から誘拐して拉致監禁。この殺人鬼を巡ってどんな復讐をしてやろうかと皆が思案していると、当の男が目を覚ます、全ての記憶を失って…。「スチュワーデス DEATH」
クロムモリブデンは、1989年立ち上げというから結構立派な劇団なのでしょうか。気になった役者さんは、ちょっとイカレた殺し屋を大げさなキザっぷりでバカバカしく演じてたイケメン板倉チヒロさん、その殺し屋の便利な配下の女の子奥田ワレタさん、ダイフクのように愛らしい丸顔女子渡邉とかげさん、そして、記憶を失いつつもその狂気にオートマチックで目覚めていく殺人鬼を、無垢でありながら妖しい目つきで演じた森下亮さん。覚えとこ。

ラブリース

GEO'S COMPANY「ラブリーズ ~君に捧げるハーモニー~」@下北沢小劇場楽園(1月13日)
VILLAGE VANGUARD 下北沢店と同じ建物(つまり本多劇場とも一緒)の地下一階にある小劇場「楽園」。その名の通りマジ小さい。補助席入れてキャパ80人。おまけに会場中央にドでかい柱(1m四方ほど)が立ってて、客席を二つに分断。役者は柱の左右に座る2方向のお客に向けて演技しなくてはならない。

楽園

●内容は、学校も学年もまちまちな少女たち4人が作った「なんでも応援団・ラブリーズ」の物語。草野球の試合から町内のご長寿歌合戦まで、依頼とあれば何でも応援します!明るく快活な彼女たちが、こんな応援団を結成したワケとは…。
●演じるのはローティーン~ミドルティーンの女の子。みんな小学生の頃から舞台やミュージカルで活躍している子役タレントさんたちだ。演技は爽やかで瑞々しいと思いました。その関係か、狭い客席は子役仲間の女の子たちやそのお母さんお父さんみたいな人でいっぱい。顔見知りも多いのか「あ~ら○○ちゃんママ、こんにちわ~」といった会話がチラホラ。神木隆之介くんや志田未来ちゃんなど子役上がりのビッグタレントが昨今の注目を集めてるが、セッセとステージを目指して努力する少女(&ママ)が沢山いるんだなと噛み締めるのでありました。

カミノコクウ

大駱駝館「カミノコクウ」@世田谷パブリックシアター(12月22日)
●日本映画の怪優、麿赤兒さんが主宰する暗黒舞踏集団「大駱駝館」。フライヤーを見て一目瞭然ですが全身白塗りでグネグネやる系です。もちろんこんなの見るの初めて。荒木経惟が撮った上記の写真の迫力、麿さんの面構えに魅かれました。ていうか、今見なかったら多分一生縁のナイ世界かも、ならヒマ人である今のウチに観ちゃおうという好奇心?
●コドモのバレエ発表会を見に行った時、一つの発見がありました。年次の高いダンサーさんによる「コンテンポラリー」というスタイルの演目があったのです。「コンテンポラリー」って? いわゆる古典バレエの様式から逸脱したより自由度の高い舞踏スタイルのようです。ふーん。現代美術の本とかでよく出てくるマーサ・グラハムとかマース・カニングハムがやってるコトってこういうことなのかな? 古典バレエのように数世紀もの時間をかけてその様式を洗練させてきた表現技法は、その様式の美しさを研ぎすますことこそが訓練の到達点なのだろうけど、このコンテンポラリーには自由と風通しの良さがある。なんかオモシロそうだ。この非バレエ的舞踏というものを観てみたい。そんな風に感じた。
それでいきなり「白塗り」かよ!というツッコミ、誰でもしたくなるでしょ。飛躍しすぎてるっつーの。心療内科のセンセイまで言ってたですよ。「これまた極端ですね~、で、オモシロいんですか?ワタシにはきっとワケ分かりませんでしょう」はい、ボクにもワケ分かりませんでした。でもオモシロかった!
麿赤兒主宰の「大駱駝館」プロフィールには「常に忘れ去られた身振り・手振りを採取・構築」って書いてある。なるほど! ピンときた! 人間の身体は実に細かく動かす事が出来、様々な価値観/世界観によってその身振り・手振りに細かい意味付けがなされている。お辞儀、握手、喜怒哀楽の表現。古典バレエが洗練させてきた様式は、バレエという価値体系において美しいとされる身体表現の集積だし、新体操やフィギュアスケート、歌舞伎や社交ダンスも身体表現文法の集積と言える。「大駱駝館」の狙いはこれら既存の美的価値観からこぼれ落ち、名前すら与えられていない身体の動きを発見し、それを舞台上にて表現する。それが「常に忘れ去られた身振り・手振りを採取・構築」
●結果、その身体表現は異形のモノになる。醜いがゆえに避けられたモノを敢えて引きずり出しているんだもん、当たり前といえば当たり前。男性はスキンヘッドにフンドシ&全身白塗り、女性も髪の毛は黒いけど基本白塗り、ほとんど裸で白い荒縄を体中に巻き付けて微妙な所を隠してる。まるで縄文土器だ。麿さん以外は完全に匿名化されて個人の識別は不可能、結果その身体の奇妙な動きだけが観衆の目に焼き付けられる。時に猥雑すぎる動きがボクの中の性的タブーに抵触する。女性があんなカッコで踊るなんて…。既存価値観を乗り越えて直接ボクの深層意識に接触してくる振り付け。これはスリリングだ。ボクは今この舞踏に攻撃されてる。
●冷静にその動きを見ていれば感じる事だが、デタラメな動きをしているようで各個の動きはスゴく訓練され洗練されてる。苦悶の表情でのたうち回ったりしてるんだけど、ボクは自分の足を突然トカレフで撃ち抜かれたとしてもあんな風に苦しんだり痛がったりできないだろう。身体に隠された未知の動きを自分の中から発見し定着させる不断の訓練がなされている。スゴい。迫力がある。
●結局、パフォーマンスのどのへんが「カミノコクウ」なのか、全く分かりませんでしたけど、メチャメチャ楽しかったです。舞台終演後、メイクも落とさずに着流し姿でロビーに現れた麿赤兒さんは、バナナのタタキ売りでもするかのように自分の写真集にサインを書いてた。メチャカッコよかった。
 
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