やっぱりヒップホップだよね。その9。
●今日はチカーノラップに挑戦してみる。

アメリカ社会の中でのヒスパニックカルチャー。
●中南米系住民つまりヒスパニック系と呼ばれる人たちの人口が、アメリカ全人口の13%を占めるに至り、アフリカ系住民つまり黒人さんを超えて第一位の民族的マイノリティグループになったと発表されたのは2003年のこと。2004年のヒスパニック人口は約4130万人、2010年には4700万人に達し、全人口の15%を超えると呼ばれている。

ヒスパニックと一括りにしても、スペイン語を話すと言う意味で親和性はあるが、やはりお国の出で随分とカルチャーは違う。
ニューヨーク州には、カリブ海諸国、プエルトリコからの移民が多く260万人もの人々が住んでいる。彼らは70年代に N.Y.サルサを盛り上げ、80~90年代のディスコ/クラブカルチャーを支えた。ニューヨリカンという言葉も出来たくらいだ。00年代に入り、やはりカリブ海の音楽レゲエのエッセンスを盛り込んだ新型ヒップホップ、レゲトンが彼らの中から生まれた。
●アメリカ本土で大きくメキシコ湾に突き出したフロリダ州にもヒスパニック系住民が200万人以上住んでいる。彼らの多くはキューバ移民で、やはりサザンヒップホップの中にその影響を及ぼしている。
メキシコと陸続きになっている州はやはりヒスパニック系が多い。ニューメキシコ州は40%以上、テキサス州は30%以上の人口を占めるに至っている。テキサスでは、60年代の頃からメキシコ音楽の影響を受けた TEXMEX というサウンドが盛んに作られ、ファンキーなレアグルーヴとして好事家に好まれている。
●そしてカリフォルニア州。アメリカ全土のヒスパニックの40%以上、1000万人以上の人々がここに暮らす。彼らは60年代から70年代にかけて独自のチカーノロックを展開(代表選手は SANTANA)。今も大きな存在感を持っている。

●このヒスパニックという大きな民族集団を、音楽的傾向から便宜上ザックリ言い分けるボク自己流のやり方を言っちゃいます。陸続きでメキシコから来た西側のグループを、「チカーノ(CHICANO)」、海を渡ってカリブ海やもっと遠い国から来た東側のグループを「ラティーノ(LATINO)」。東西のカルチャーの違いをこう呼び分けます。よろしくです。

そんで、チカーノラップ。
●数年前から、TOWER RECORDS のような大型店では、ヒップホップコーナーの中で、チカーノラップは独立したコーナーとして扱われている。これが気になってしょうがない。
●ロサンゼルスの街ではブラックに限らず、チカーノ系もタフなゲットーライフ/ギャングスタライフを強いられている。仲間意識も強いし、クスリのディールで揉めれば互いに殺し合いになる。なんかの映画で見た一シーン。アジア系(日系?コリアン?)の若者2人がクルマでロスの街を流す。気持ちよ~くストリートを走ってたら、イカツイ黒人さんのグループが思いっきりガンつけてきた。「バカヤロ、早くグラサンを外すんだ!目をみせろ、チカーノと間違われたら殺されるぞ!」ロスはケッタイな街です。
●だから、チカーノも立派なギャングスタラップを鳴らすのです。チカーノがヒップホップのマイクを握ったのは80年代。KID FROST(現 FROST。もうオヤジだから KID がとれた)が先駆だった。今日は、最近聴いてるチカーノラップを3枚紹介。

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A LIGHTER SHADE OF BROWN「BROWN & PROUD」1990年
●彼の JAMES BROWN はその昔、こうシャウトした。「SAY IT LOUD, I'M BLACK AND I'M PROUD !」。彼ら「明るい茶色の影」も自分たちの肌の色を誇る。表題曲「BROWN & PROUD」「LATIN ACTIVE」は気合い入っててカッコいいっす。カサカサした速めのビートは、立派なミドルスクール風ヒップホップ。ちょっぴりニュージャックスウィング? キメ時にスパニッシュ入れるのもカッコいい。時にゆるくノドカにレイドバックするのはチカーノゆえの特性かな?「ON A SUNDAY AFTERNOON」でセクシーな女性ボーカルをフィーチャーしてほっこり平和気分。
● 94年にはメジャーからリリースしたシングル「HEY DJ !」が全米で大ヒット、でもその一発屋と思われがちなのが可哀想。グループが解体した後も、メンバーの DTTX は今だチカーノラップの世界で一人戦い続けている。


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MR. CAPONE-E「DEDICATED 2 THE OLDIES」2003年
●レーベルは THUMP RECORDS。鉄板のローライダー系御用達レーベルだね。ジャケもバッチリローライダーチャリンコだし。チカーノラップって、しっかり G-FUNK を踏襲して見事なファンク魂みせてくれるんだけど、一方で懐メロオールディーズもダイスキみたいなんだよね。このヘンの感覚フシギなんだけど。MR. CAPONE-E は現代チカーノ界の顔役だけど、ノンビリレイドバックしたローテンポの爽やかサウンド(ときにドゥーワップなコーラスまで入る)で、ゆったりラップしてる。一方で極上の G-FUNK もちゃんと搭載。「THE CHRONIC」的古典 G-FUNK はもはやチカーノラップから探した方がイイかもね。

Merry Go RoundMerry Go Round
(2002/01/01)
Delinquent Habits

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DELINQUENT HABITS「MERRY GO ROUND」2001年
●コレは超掘り出し物。最高!チカーノロックのむさ苦しさ、マリアッチの哀愁までもを、サンプルとしてヒップホップの中に昇華してしまった怪作。「RETURN OF THE TRES」がとにかく衝撃。スパニッシュラップも取り混ぜて飛び切りのユニークさを盛り込んでる。G-FUNK リスナーを十分満足させる音楽だろうけど、G-FUNK を超えてます。オリエンタル風味から、フィメールシンガー MICHELLE をフィーチャーした哀愁ラテンナンバーまで、非常な多芸ぶりを披露。
●元々はチカーノラップのビッグアクト CYPRESS HILL のメンバー SEN DOG に見出されたユニット。その CYPRESS HILL の影響か、最近はミクスチャーロックも取り入れてハードコア化し過ぎてるかも知れない。


チカーノじゃないけどオマケにもう一枚。

New Funky NationNew Funky Nation
(2000/04/25)
Boo-Yaa T.R.I.B.E.

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BOO YAA ! T.R.I.B.E.「NEW FUNKY NATION」1990年
小錦関(A.K.A. KONISHIKI)の従兄弟が結成した6人組のサモア系ヒップホップユニット。G-FUNK前夜、90年の段階にしてこのファンク感はまさに時代の一歩前を先取りしてたと言う意味で衝撃。このファンク力は、彼らがヒップホップの手法に依存するのを避け、トラックを生演奏で構成するコトにコダワリった結果。機材まで70年代のモノを使ったらしい。彼らのパワフルなラップとスリリングなマイクリレーはブラックロックとも相性がよく、ゴリッとメタルな曲にも挑んでる。ヒップホップバンドとして、東の STETSASONIC、西の BOO YAA って言ったら言い過ぎ? 現在も活動中で、体重はよりいっそう増加中とのこと。



ホントに最後に一言だけ。
「機動戦士ガンダムOO」最終回、ホントにアレでいいのか?急ぎ過ぎてねえ?セカンドシーズンあるなら、重要人物もうちょっと生き残しといてくれよ。無駄死にさせ過ぎ!フラッグの隊長さんとか死ぬ必然性低~い。アレハンドロさんの乱心ぶりは、あのゴールドのモビルアーマーの唐突ぶりと同じくらい理解できねえ。ムチャし過ぎ。とにかく、ふんぎりつかない決着だよ!そんで大オチが「地球連邦軍創設」とは恐れ入った。宇宙世紀にこのままツなげるのは無理が強いでしょ。だってファーストガンダムより、この時代のガンダムの方がハイパー強いぜ。

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