日本の俳優さんでカッコいい人、気になる人。


SUKIYAKI WESTERN ジャンゴ スタンダード・エディションSUKIYAKI WESTERN ジャンゴ スタンダード・エディション
(2008/02/06)
桃井かおり、伊勢谷友介 他

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「スキヤキウエスタンジャンゴ」/伊勢谷友介
●日本の時代劇をそのまま西部劇に変換してみたらどうなる?という奇想天外な着想の三池崇史監督作品。キャストはほとんど日本人なのに(一人だけ、クエンティン・タランティーノがマジ出演している)、全部セリフが英語。金塊埋蔵伝説がある寒村に、平家と源氏、2派の武装集団が現れる。平和だった村は殺戮と暴力に覆われ、赤の平家・白の源氏と、カラーギャングかのようなチンピラどもがのさばっている。平家のリーダー・キヨモリに佐藤浩市、源氏のリーダー・ヨシツネに伊勢谷友介、主人公の流れ者に伊藤英明。へタレの保安官に香川照之。
日本映画で全編英語ってのは悪いジョークのように思えて、実は秀逸なアイディアだと思い知った。カラーギャングの衣装はみな奇抜でスカジャンやラグビーのヘッドギアとかつけてる。セットは日本家屋に西部劇風家具を合体させて雰囲気を作ってる。時代劇と西部劇のハイブリットのために色んな工夫を凝らしている。が、ストーリーの勧善懲悪的なシンプルさは、どうしても日本風の湿り気でベタベタになってしまう。それにカラリとした痛快さと爽やかさを与えたのが全編英語路線だ。英語じゃなければ吐けない陳腐なセリフもフシギと聞き流せる。つーか、コンセプトの詰めの甘さをどう解決するかと思案して、後から英語劇にしようと思いついたのかもしれない。
●流れ者のガンマン、伊藤英明よりも、ヨシツネ伊勢谷友介の方が、殺気&狂気共に強烈です。目が危ない。荒くれモノを力でねじ伏せるオーラがある。マッドな殺人鬼・安藤政信も頑張ってたが、伊勢谷の方がずっとクールに狂ってる。石橋貴明が弁慶役で出てるけど、こりゃどうでもイイです。
伊勢谷友介を初めて知ったのは宇多田ヒカルの元旦那紀里谷和明監督「CASSHERN」。あれはCGに塗り固められすぎてよくワカランかった。次は「嫌われ松子の一生」。いい役だったけど、出演シーンが短かった。そんで三木聡「図鑑に載ってない虫」での主演。ココでボクの中で大ブレイク。肩の力の抜け具合とテンポ感が最高。三木監督の独特のテンポに全役者の芝居がピッチコントロールされてるんだけど、その中で実にいいテンポ感を掴んで主人公役を泳ぎきった。うーん。この人、面白い。


ハチミツとクローバー ~恋に落ちた瞬間~ハチミツとクローバー ~恋に落ちた瞬間~
(2006/07/14)
櫻井翔、伊勢谷友介 他

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「ハチミツとクローバー」/伊勢谷友介、蒼井優
●有名恋愛コミックの映画化。ワイフは大好きだが、ボクは原作は1巻で挫折した。本来ならスルーするところだけど、伊勢谷友介が出てくる。だから見た。嵐・櫻井翔、加瀬亮、関みゆき、蒼井優伊勢谷の5人が、一方通行の恋に悩む美大生の群像を描く。AはBが好きだけど、BはCが好きで、でもCはBに興味がない……的な片思いの数珠繋ぎ状態がこんがらがって、でも青春だぜ!的な話。
蒼井優の笑顔は立派で、来週から始まる主演連ドラマ「おせん」(この原作コミックは好き)への期待度は高まったが、演技は伊勢谷の一人勝ち。万年留年8年生、破天荒で風来坊、でも強烈な創作の才能を持つ先輩学生の伊勢谷、ダメだこの人~と思わせといて極める時に極める男を飄々と演じる。どこか憎めず、でも憎たらしい男のさじ加減がウマい。関めぐみさんと言う人は初めて知ったが、瞳がキレイで髪の毛もキレイだった。


ゆれるゆれる
(2007/02/23)
オダギリジョー、香川照之 他

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「ゆれる」/香川照之、オダギリジョー
西川美和さんという女流監督が描く兄弟同士の愛憎の形。兄・香川照之は、実家が経営する田舎のガソリンスタンドをせっせと切り盛り。弟・オダギリジョーは東京に出てファッションフォトグラファーとして華々しく活躍。兄と弟のこのギャップは何?とある葬式で久しぶりに帰郷したオダギリは、スタンド家業をけなげにこなす兄の姿に複雑な感情を抱く。兄弟の間には、幼馴染でありスタンドの従業員でもある女性・真木よう子が。弟は彼女によけいなチョッカイをかけ、兄は渓流の上を渡るつり橋から彼女を突き落としてしまう。殺人の罪を問われた兄を救うため弟は奔走するが、そこには言葉にしがたい憐憫と敬意と負い目が渦巻いていた。家業に従順だった兄と、奔放に生きた弟の人生が絡まってゆさゆさ揺れる。
●負の感情のゆらめきをきめ細かく演出した監督の力量が大前提として素晴らしい。女性であることもこの繊細さの根拠になってるのかな。見れば是枝裕和監督が企画にクレジット、制作はテレビマンユニオン、周囲は鉄壁の布陣。でもその監督の構想を、見事に表現した二人の俳優、オダギリジョー、香川照之がスゴイ。香川照之「スキヤキ~」ではコミカルなコスいキャラで笑いをさそったが、ココではヘンにシリアスにもならず、特別な人間にもならず、平凡すぎる人生をただ真っ当に引き受けたつましい男を粛々と演じる。どこか無垢で、人のよさが裏目に出るというか、そんでなぜか人をムカつかせてしまう損な男。オダギリは、奔放な人生を選び、家族も女性関係も軽薄に扱ってきた調子のイイ男。そして今、改めて兄の姿を見つめ、心を揺らめかせる。オダギリの演技の透明感が潔い。
真木よう子さん、今回初めて見たけど、テレ東深夜で「週刊・真木よう子」なる不思議なドラマ番組に挑戦してるらしい。今度録画しとこ。


アンフェア the movieアンフェア the movie
(2007/09/19)
篠原涼子

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「アンフェア・ザ・ムービー」/篠原涼子
フジテレビは、警察組織の腐敗を突くのが大好きなのか?「踊る走査線」の主人公が、ノーテンキ野郎から、陰気なオネエサンに変わっただけじゃないか?すんません、地上波のドラマは一回も見たことありません。篠原涼子はパリッとしてた。「マトリックス」かと思うような、黒いロングコートと、サディスティックな黒いピンヒール。白いシャツが水に濡れると透けるブラジャーも黒。スグに顔に被さってくる黒い髪も役作りとしてはバッチリ。まーでもそんだけか。共演は江口洋介。彼がかけてたメガネだけが気になった。カッコいいけどボクには似合わないタイプ。メガネ、いつも気になるんだよね。


となり町戦争となり町戦争
(2007/09/28)
江口洋介.原田知世.瑛太.菅田俊.飯田孝男.余貴美子.岩松了.小林麻子

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「となり町戦争」/原田知世
「アンフェア」篠原と共演した江口洋介が、ここでは原田知世と共演。ある地方都市郊外、となりあってる町同士が突如戦争を始める。町役場の広報紙にシレッと書かれている。「舞坂町はとなり町・森見町と戦争を始めます。開戦日5月7日。終戦予定日は8月31日。」 フツウに日常生活は淡々と続いているのに、役場の広報紙にはどんどん戦死者の数が計上されてる。すっごくシュール。でも江口の日常生活に戦争の気配は確実に近寄ってくる。
原田知世は、舞阪町の対森見町戦争推進室担当者。「戦争はキチンと遂行されてますよ。行政事業ですから」クールに言い放つその実直な官僚的言動&行動が、シュールであり、不気味であり、不思議である。彼女の透明な存在感が戦争のリアリティとあまりに乖離し過ぎて、初めはそのトーンを抑えたオフビートボケ設定をクスクス冷笑してればイイ程度の映画なのかなーと思ってた。しかし、バカげた設定の中に強烈な批評が、アンパンの中の針のように仕込まれててビックリ。「議会制民主主義の中でただ沈黙していれば、それは戦争に同意した事と同じです。その民主主義によって定められた任務を、私は遂行するまでです」ゾクリとする言葉。
●正直、下北沢周辺の再開発問題についてボクが興味を持つようになった一因が、この映画にある。「ただ黙っていれば、それは同意した事と同じ」 愛する我が街に対して責任を持つというコトがどういう事なのか。シャレでごまかせない問題だと思った。
原田知世さん、「サヨナラCOLOR」に続き好感度アップ。そこでレコード棚をゴソゴソ探して「時をかける少女」の7インチをかけて聞いてみた。ハイパーへたくそでビックリした。今度ユーミンバージョン探そう。


タナカヒロシのすべて デラックス版タナカヒロシのすべて デラックス版
(2005/11/23)
鳥肌実、ユンソナ 他

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「タナカヒロシの全て」/鳥肌実
●残念!コレ鳥肌実のマッドな部分全然引き出せてなーイ。全然面白くなかったー。まー脱臼系コメディとしてはボチボチの出来でしょうが、素材にあの鳥肌実を使ってんのに、これしきかよ、という失望感。ただ一点、ホントに主演が鳥肌実ってコトだけで、ボクの中じゃハイパーハードル上がっちゃったんだよね。
鳥肌実といえば、あの疑似右翼デタラメ演説集会「皇居に向かって敬礼」「欲しがりません勝つまでは」「ニイタカヤマノボレ」と訳の分からんフレーズをヤンキー特攻服ばりに刺繍で縫い込んだブラックスーツで、珍妙な演説をぶち噛ます伝説のネタで全国を回っている孤高の芸人である。このままじゃ死んでも地上波出れない、日本のタブーをいたぶり回す狂気の人。それをノッペリノホホンと使ったらダメですよ。もうガッカリ。
●もう十数年も前になるか、とあるお笑いライブ(勝ち抜きネタ合戦的イベント)に知合いの芸人さんを応援しに行った時に、初めてこの鳥肌実という人物を見た。その頃はまだ右翼演説ネタは確立されてなかったが、狂気のテンションは底知れぬブラックホールのようで、「ワタクシ永遠の42歳、処女膜開いてパクッ!処女膜開いてパクッ!波動砲発射!ドピュピュピュピューン!」とか意味の分からない下品な言葉を機関銃のように巻き散らかしていた。スゴかった。当然、グランプリ受賞だった。右翼ネタ確立以降はもうチケットがとれない状態だった。日本青年館完売状態だった。あ、ちなみにこのネタ合戦、無名時代のふかわりょうも出てて、一回戦秒殺だった。


太陽太陽
(2007/03/23)
イッセー尾形、ロバート・ドーソン 他

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「太陽」/イッセー尾形
今日取り上げた映画の中で、一番衝撃を受けた作品。監督はロシアの硬派、アレクサンドル・ソクーロフ。ボク的には「エルミタージュ幻想」という作品で驚異的な存在と認知。「エルミタージュ~」では、あのサンクトペテルブルグのエルミタージュ美術館をスミからスミまで使い、完全1カットのドリーショットで90分間の物語を描いた。完全一発撮り、帝政ロシアの秘宝が並ぶ大美術館の中を、過去と現代を交錯させながら夢うつつの世界へと見るモノを誘う。スゲエ。ある意味狂ってる。旧ソ連時代はことごとく作品上映禁止をくらい、ペレストロイカ~冷戦終結でやっと世間に認知された不屈の人。
●そんな監督が、この映画で題材に取り上げたのは「昭和天皇」。第二次大戦末期からマッカーサー進駐への時期、人間・昭和天皇が何を感じ、何に苦しんだのか、それを克明に描く。
昭和天皇を演じるのはイッセー尾形。これがもはや神懸かってる演技。日本語を解さないであろうソクーロフ監督が、昭和天皇の仕草、表情、口調に細かい演出を施したとは思えない。イッセー尾形自身が、精密な研究を重ねて役作りをしているのだ。立ち振る舞い、口癖、間の抜けたような口の動き(ずっと半開きで、意味なくパクパク動かしてる)、有名な「あ、そう」というフレーズなども完全コピー。……いや、完全コピーってのは違うな、あの時の天皇の人となりを知るものなどいないのだから。イッセー尾形は、巧妙に精巧に「昭和天皇」を造形したってわけだ。
●皇室、天皇という存在は、社会の教科書(憲法の勉強)とワイドショーの愛子さまネタくらいしか、日常生活で接点がない。しかし、この映画を見る事で、自分の潜在意識の中で「天皇」という存在が特別な位置を占めている事に気付かされた。意識の最下層でチリッチリッと、居心地の悪い違和感がちらつくのだ。外国人が描く天皇。日本人ならこうは描けない、普通の日本人には描く勇気の持てない領域に、この外国人監督は平気で踏み込んで行く。アメリカ軍兵士の無作法さや、マッカーサーとの屈辱的な会見や、時に滑稽な振る舞いをする天皇の日常生活や…。無意識にフタをしていた部分に手を突っ込まれた気分になる。そして、そんなコトを感じる自分に衝撃すら覚える。
●ドキュメンタリー「靖国」が上映中止など物議を醸しているが、アレにジタバタ騒いでいる人は、この「太陽」をどう見るのだろう。そして同時に「靖国」がスゴく見たくなってきた。あの映画はボクの潜在意識のドコをまさぐって来るだろう。とても興味深い。

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