シモキタザワの行きつけのカフェにて。
●最近このカフェのお姉さんとちょくちょく短いお話をするようになった。メトコさん(仮名)は、気合いの入ったモッズ女子で、カフェまでイタリア製のヴィンテージスクーターで通勤してる。モッズ系のパーティが大好きで、その界隈で名のあるDJさんとも知合いみたい(ボクも名前知ってるくらいのDJさんだった)。映画のハナシとか、音楽のハナシとか、趣味のハナシをポチポチするわけです。そんでハナシの勢いでお店のCDを借りちゃった。「FREE SOUL」のコンピである。こういうお付き合いって、何となく常連客っぽいなあと感慨深く思うのである。
●まーそれはそれで、今日は「FREE SOUL」の音楽とその時代、意味を考える。


アレは、去年10月くらいかな。「FREE SOUL」のコンピに、激安ワゴンで出会った。

ツタヤ三軒茶屋

TSUTAYA三軒茶屋店のレンタル落ちCD激安ワゴンは、ボクの大好きなエサ箱の一つだ。毎週チェックしては、100円200円のCDをごそごそ買ってた。ボクは悪食なのだ。ハイエナのようにCDのエサ箱を漁りまわる。この東京という街にはそんなエサ場が沢山あり、ボクは習慣的にソコを巡ってチェックをしてる。
●今はCD購入を自らに禁じているボク。だからこれは数ヶ月前の話。三軒茶屋のエサ箱に、人気コンピレーション・シリーズ「FREE SOUL」が9枚売られていたのだ。しかも一枚300円。安い!この人気コンピでこの値段は激安。即座に9枚全部買った。

とはいいながら……。ボクは「FREE SOUL」がダイキライなのだ。
●6000枚もCDレコードを所蔵しながら、今までたった一枚しかこのシリーズを持ってなかった。50枚くらいあるんでしょ、このシリーズ。でも聴かない。なぜか?オシャレすぎるから!オシャレは悪!これはオシャレ女子が聴くもんで、男子たるものこんなチャラチャラしたモンは聴いてはならない!…という偏見、コンプレックスをずーっと抱いていた。喰わず嫌いじゃなくて聴かず嫌い。だってさー、彼らはパフォーマーじゃなくてコンパイラーなわけでしょ。どこかで高いレアレコード買ってきて、「ほーら、カッコいいでしょ、オシャレでしょ」って見せびらかしてるワケじゃん。絶対やなヤツらに決まってるんだって!うるせー!お前らのCDなんて聴くか、自分の聴くモンは自分で探すわ、お金ないけど!若い頃のボクは頑強にコダワっていたね。テロ支援国家指定ってくらいに仮想敵国扱いだった。
●そもそも、「FREE SOUL」シリーズは値崩れしない。中古CD屋でも叩き売りされない。常に高い。いや、別にそんなことないよーと思う人もいるでしょうが、ボクは300~800円で勝負する男、1980円でもかなり怖気付く。2000円オーバーは極力視界に入れない。そんな「FREE SOUL」はだいたい中古でも2000円以上が相場。
●でも!それが300円で叩き売りされている。それを見たときは「オシャレ気取りのオマエらも、地に落ちたもんだな~。しょうがないから買ってやるよ」とすら思った。そんな非常に屈折した感情を抱きながらレジに持っていったのだった。


橋本徹という人物。「渋谷系」文化の中で「FREE SOUL」が果たした意味。
●34歳の、一応それなりの分別を備えた(ということにして下さい)オトナとして、この9枚のCDに立ち向かい、そしてこれらのCDが活躍した90年代「渋谷系」文化のことを考えてみる。無視しようとしていたが、彼らのやってたこと、掲げたコンセプトは、世界の音楽シーンに同時進行でリンクする動きであったし、それはクールで実に価値のあることだった。キライキライ言ってましたが、それを今はハッキリ認めます。この人たちエラいと。以下、冷静に分析します。



●DJ集団/フリーペーパーだった「SUBURBIA SUITE」の中心人物、橋本徹さんが94年に立ち上げた「FREE SOUL UNDERGROUND」というクラブイベントが、一連の活動の核になってる。 この「SUBURBIA SUITE」「FREE SOUL UNDERGROUND」は 当時の「渋谷系」文化の中で非常に大きな影響力を持っていた。橋本さんはエラい。個人的な思い出を交えて彼の仕事を総括してみる。


まず第一点。「SUBURBIA SUITE」という名前がクールだ。
●英語の「SUBURB」「郊外」という意味。「SUBURBIA」郊外居住者、郊外族という意味らしい。「郊外」。ボクはまさしく郊外育ちの人間。東京という大都会の周辺部を数回引っ越しして人生を過ごしてきた。都会でもない、田舎でもない。「郊外」というカテゴリーが社会学のテーマとして盛んに取り上げられたのは80年代頃だと思う。そのコミュニティのあり方、新しい生活様式などなどが研究されマーケティングされた。バブル経済が拡大した80年代に東京通勤圏はより拡大し、関東平野の隅々までが宅地造成された。あの土地価格高騰の時代に、埼玉や千葉の奥地の建売り住宅買ったサラリーマンは一杯いたと思う。我が家は東京三多摩地区、都心まで1時間30分の地点にマイホームを購入した。今となっては、ボクが住んでいる下北沢から見ると恐ろしく遠くて出来るだけ行きたくない距離だ。
●そんな現代的なテーマに、橋本さんはもう一個の意味を引っ掛けてたのだと思う。橋本さんはDJとして、音楽の「郊外」を冒険しようとしたのだ。つまり、いわゆる古典的名曲・名盤ではなく、その周辺/辺境を掘り下げることで今まで無視過小評価されていた音源に新しい価値を与えようとしたのだと思う。当時の SUBURBIA は70年代のサントラ物からグルーヴィーなモノやソフトリスニングなモノを次々と発掘し、見事なディスクガイドを出して、新しい価値観を提示した。(このディスクガイドも、値段が高いんだよね…)

Suburbia Suite; Evergreen ReviewSuburbia Suite; Evergreen Review
(2003/09)
デザインエクスチェンジ、橋本 徹 他

商品詳細を見る


第二点。「FREE SOUL」の思想。
「FREE SOUL」のCDには、どっかしら内ジャケの隅っこに次の言葉が書いてある。「NEW DIRECTION OF ALL AROUND SOUL MUSIC」。ソウルミュージックの周辺から新しい方向性を見出す! 狭義にとらわれていたソウルを解放し、拡大解釈してその多様性を再解釈する。
ソウルやR&Bという分野は、かつてドエラく閉鎖的でコウルサいマニアオヤジが闊歩するフィールドだった。ジャズだって、難しい評論言語で堅苦しく構えるカタブツマニアばかりで、老舗のジャズ喫茶とか行くと一言もしゃべったらダメ、ジャズはマジメに黙って聴くもんだ的なイデオロギーがまかり通ってた。
「FREE SOUL」は、その名の通り、そんな因習から自由に音楽を解釈し、ジャズ、ファンク、ソウル、ディスコ、フュージョン、ロックなどなどジャンルを完全に横断してソウル周辺の音楽に新解釈を与えた。言うなれば、80年代末のイギリスで起こったレアグルーヴ運動の日本版と考えてイイと思う。実際「コレをソウルって言っちゃうの?ちょっと違うんじゃないの?」というような選曲をしてる。大胆すぎるくらいに。古来からのソウルマニアオヤジに言わせれば邪道中の邪道。偽物中の偽物。それを新しい感覚、新しい耳で、自由に「コレってソウルだよね」って言い切っちゃう痛快さ。アナログからCDへのメディア変換期に起きた過去音源へのフレッシュな眼差し。CDで再発された結果、再発見される音楽。旧メディアとして忘れられようとしてるアナログメディアから、宝探し的な好奇心/冒険心で発掘される音楽。日本の「FREE SOUL」渋谷系カルチャーは、完全にイギリスのレアグルーヴ~アシッドジャズ、アメリカのヒップホップネタ探し的観点とリンクする世界同時多発的感覚の現れだった。


第三点、。カフェ/ラウンジという提案。
橋本さんが次に世に問うたのは、カフェで聴く音楽だ。クラブでダンスするのではなく、カフェでお茶を飲むためにDJをするというスタイル。それを渋谷に構えた彼のお店 CAFE APRES-MIDI で実践してみせた。東京カフェブームはココからスタートしたと言ってもイイでしょう。このスタイルもそのままコンピレーションCDとなって世に広く出回っている。彼のこの提案は、90年代半ばに進んだクラブ遊びの多様化、DJスタイルの多様化を一気に推進した革命の一つだと思う。



で、この9枚のCDのライナーを行きつけのカフェで読んでたら…。
「あれ、イッパイですね~フリーソウル」と声をかけてきたのはココのカフェのフロアを仕切るオネエサン、メトコさん(仮名)。度々このカフェに通ううちに顔なじみになり、ちょくちょく会話してるんです。冒頭に書いた通りね。いやー、あんま好きじゃなかったんだけど、一枚300円だったからイッパイ買っちゃって…。「ウチにも何枚かありますよ~」お店のBGM用のCDを見せてくれた。「WE LOVE FREE SOUL 2」「WE LOVE FREE SOUL 3」だ。言わば「FREE SOUL」のベスト盤的存在である。
●このCDのライナーで、橋本徹さんとフリーソウルの中心人物が「FREE SOUL」原体験~立ち上げ時代の頃を振り返ってる。ここでちょっと感動。「FREE SOUL」の人たちも、ボクと同じような感覚で新しい音楽、古い音楽に向き合っていたんだ、と知ることが出来た。先日ボクがこのブログで綴った UK のブラックミュージックや「渋谷系」カルチャーについての考え方とアレコレ関連する部分が出てくる。ボクは、イギリス人がブラックミュージックの良きリスナーであったと考えていたが、「FREE SOUL」の中核人物もそのイギリスのセンスを経由して新しいソウル感に目覚めることが出来たことが明確に記されている。そして80年代末のレアグルーヴシーンとの関連が重要。ここで世界同時多発的音楽革命が起こるのだ。以下部分引用。

 山下洋「70年代ソウルを聴くのはイギリス人っぽいんだって知ったのはやっぱり THE STYLE COUNCIL や THE BLOW MONKEYS だったな。THE BLOW MONKEYS は来日公演の一曲目が CURTIS MAYFIELD の「SUPERFLY」のカヴァーだったり。イギリスのブラックミュージック好きなアーティストがカッコいいなって思うようになったのはそんな経験からだね」
 橋本徹「さらに深く掘り下げて行くと、イギリス経由で知ったソウルの方が、日本のジャーナリズムで推されてるようなディープな歌ものよりも肌に合うなと思ったんだよね……。あとは80年代半ばをすぎて日本に伝えられた、イギリスの『ジャズで踊る』クラブシーン」
 山下洋「…そして、いよいよアシッドジャズの誕生」
 橋本徹「言ってみればあの辺がビッグバンだったね。SOUL II SOUL も登場して、グラウンドビートの幕が開いて、ヒップホップも DE LA SOUL や A TRIBE CALLED QUEST が出てきた NATIVE TONGUE の時代」
 橋本徹「ORIGINAL LOVE も FLIPPER'S GUITAR も 東京スカパラダイスオーケストラも、U.F.O. や COOL SPOON や MONDO GROSSO も、あの頃は同世代のシーン全体が活気づいてたね。ロック/ニューウェーヴを聴いていた人も、もともとブラックミュージックが好きな人も、クラブを背景に出てきた人も、みんなうまい具合に混じり合っていたというか。イギリスに目を向けても、JAMIROQUAI が登場してきて、PRIMAL SCREAM が冴えてて…」

 橋本徹「印象に残ってるのは、93年の春に渋谷クアトロで SUBURBIA のイベントをやったときに、僕が CAL TJADER の『I WANT YOU BACK』から EL CHICANO の『WHAT'S GOING ON』 でDJを終えたら、WACK WACK RHYTHM BAND(山下のバンド)が『WHAT'S GOING ON』~『I WANT YOU BACK』の順にカヴァーでライブを始めたこと」

んっ?このイベント、ボクは現場にいたような気がする。クアトロで SUBURBIA でしょ?メトコさん、ボクこのイベント行ってるわ!なんか感動。歴史にリンクしてる感じ。当時大学生だったボクが、よくつるんでた女の先輩ノリピーさん(仮名)と一緒に遊びに行ったヤツだ。そりゃ超楽しかったですよ。この時ノリピーさんに他の大学に通う友達ワッキーさん(仮名)って人を紹介された。で、なんとこのワッキーさん、偶然にもボクの今の会社の先輩なんだよね。今でも時々一緒に仕事してる仲なんです。

●スゴいじゃん。橋本さんエラいじゃん。そう思うでしょ。実際そうですよ。けど!でもね、やっぱりね、やるコトなすコト全部オシャレすぎるの!ボクはね、オシャレが大嫌いなんですよ! 音楽聴く事がオシャレとか思ってるヤツ、大嫌いなのです!若いころのボクは本当に世間のハグレモノというコンプレックスに苦しみ、この世のオシャレさんを地獄の業火で焼き尽くしてやりたいと思ってたもん。
●ボク自身は、当時最新だったこの手の洗練された音楽に影響されてもいたけど、その一方で洗練とは無縁の、忌々しいロックやディープなファンク、ハードなテクノにもハマっていた。だからどうしても、キレイ過ぎる「FREE SOUL」には馴染めなかった。


そんなコトを前提に、音源に向き合ってみる。

Free Soul ImpressionsFree Soul Impressions
(1994/04/21)
オムニバス、ジェイムス・メイソン 他

商品詳細を見る

「FREE SOUL IMPRESSIONS」
●コレが一番最初の「FREE SOUL」コンピなのかな。印象的なのは EDNA WRIGHT「OOPS! HERE I GO AGAIN」。コレイントロを DE LA SOULがサンプルしてる。シンガーの名前は見ただけじゃわからんかったけど、INVICTUS レーベルの看板女子グループ HONEY CONE のメンバーさんとのこと。あと「WE GETTIN' DOWN」という曲をやってる WELDON IRVINE。 玄人好みのヒップホップレーベル STONES THROW MADLIB がこの人のトリビュート盤を出してたんだけど、ボクはそれを聴きつつもこの WELDON さんがどんな人なんだか全然わからんかった。洗練とネチッこいファンクが同居するスゴいバランス感覚。おまけにこの曲も A TRIBE CALLED QUEST にサンプルされてる。そして BRIAN AUGER'S OBLIVION EXPRESS「INNER CITY BLUES」。モッズのオルガンプレイヤーとして一時期ハマって集めてました。60年代はモッズジャズなんだけど、70年代に入るとプログレっぽくなってアレレって感じなんだけど、でもその後スゴくキャッチーでハッスルなファンキーロックに戻って来るんです。この変遷を追うと面白い。ライナーには20年早かったアシッドジャズって書いてある。

フリー・ソウル・アヴェニューフリー・ソウル・アヴェニュー
(1995/12/02)
オムニバス、ダン・ペン 他

商品詳細を見る

「FREE SOUL AVENUE」
●このコンピでは「コレがソウルかよ?」って大胆な選曲がなされてて、ソコが興味深い。なんてったって LOU REED「WALK ON THE WILD SIDE」が収録されてる。いくら A TRIBE CALLED QUEST がサンプルしたからってコレソウルってキツいでしょ。JAMES WALSH GYPSY BAND も、前身は GYPSY という名のプログレ~サイケ系バンド。それがヒヨって AOR 風味になった曲を入れてる。LOU REED は好きだけど、コッチはキツい。あとソウルかどうかは別にして、JOSE FELICIANOSTEVIE WONDER カバー「GOLDEN LADY」は最高。ブラジリアンなアレンジと伸びのいい声。JOSE は最近よく聴いてます。王道ソウル、ファンクチームとしては THE MAIN INGREDIENT、THE NEW BIRTH が収録されてる。収録曲は?だけど、いずれも好きなグループです。

フリー・ソウル・アースフリー・ソウル・アース
(1998/03/21)
オムニバス、B.T.エクスプレス 他

商品詳細を見る

「FREE SOUL EARTH」
●一曲目の BABY HUEY「MIGHTY, MIGHTY」がディープファンクで最高。ボクの好みはこのくらいの暑苦しさなんだよな。レーベルは CURTOM らしい。ABBA「DANCING QUEEN」を楽しくカバーした完全ディスコもの CAROL DOUGLAS も掘り出し物。TODD RUNDGREN「I SAW THE LIGHT」まで入れちゃうのは大胆。TODD とソウル、普通なら繋がらない発想。アシッドジャズ期に再評価されたフュージョンバンド FUNK INC. は、あの90年代を思い出させてセンチにさせるスムースファンク。

フリー・ソウル~ユニヴァースフリー・ソウル~ユニヴァース
(1998/06/10)
オムニバス、テルマ・ヒューストン 他

商品詳細を見る

「FREE SOUL UNIVERSE」
●中盤に繋がれる、重心の軽いディスコダンサーが気持ちよくて思わずウキウキしちゃう内容。ボクも探した STEPHANIE MILLS「NEVER KNEW LOVE LIKE THIS BEFORE」がキラキラで、そのテンポ感そのままで KURTIS BLOW の1STから選んだディスコティーク・ヒップホップへと突入。そこからなんと DEXY'S MIDNIGHT RUNNNERS「COME ON EILEEN」!80年代ニューウェーブロックの大ヒット曲かい!で次が GLORIA GAYNOR の陽気なディスコファンク。「I WIL SURVIVE」以外の GAYNOR って知らなかった。まだまだ続く80年代スタイル、GRACE JONES「LA VIE EN ROSE」。美輪明宏さんも歌う EDITH PIAF の名曲をド直球のニューウェーブでカヴァー。ボクは80年代音楽の全てが好きと言うわけじゃないけど、この流れは気持ちイイ。

SRCS-8770.jpg

「FREE SOUL GRAFFITI」
●今度は AOR 攻撃か!BOZ SCAGGS、AL KOOPER、TOTO、NED DOHENY。AORの大看板を連打連打。この辺をソウルと解釈するのは大胆だよな~。ボクは AOR が苦手だから、 なおのコトツライ。ただのオシャレ音楽じゃなくて、田中康夫「なんとなくクリスタル」的なオシャレ音楽なわけじゃん。カッコ悪いー!(←じゃあ聴くな)ハードロックとファンクロックの中間にいたはずの EDGAR WINTER までもがメロウな AOR をやっててビックリ。KOKOMO ってバンドもUKの白人バンドらしい。でも一曲大好きな物件が収録されてた。SHUGGIE OTIS「STRAWBERRY LETTER 23」。THE BROTHERS JOHNSON もカバーしてるけど、この独特の浮遊感ブルースは他人にはマネできない。

Free Soul GardenFree Soul Garden
(1996/01/25)
オムニバス、アラン・トゥーサン 他

商品詳細を見る

「FREE SOUL GARDEN」
●目を引くのがオオネタ2つ。ARCHIE BELL & THE DRELLS「TIGHTEN UP」 THE DOOBIE BROTHERS「LONG TRAIN RUNNING」。ダンクラディスコ王道キラーチューン。敢えてど真ん中な選曲もしちゃう「FREE SOUL」。一曲目 HERBIE HANCOCK「WIGGLE-WAGGLE」立花ハジメがネタにしたジャズファンクで熱い。さらに気になるのが BARBARA KEITH BOB DYLAN カバー「ALL ALONG THE WATCHTOWER」。切羽詰ったグルーヴが熱い。ここまでくれば立派なロックだ。THE BRAND NEW HEAVIES がカバーした MARIA MULDAUR「MIDNIGHT AT THE OASIS」もニューオリンズ産ファンクなのにこの洗練さは刮目。カバーヴァージョンからは想像つかないニュアンス。ALLEN TOUSSAINT「SOUL SISTER」もホッコリ味のニューオリンズファンクでいいなあ。つーかこの曲、前から持ってるじゃん。こういうのが悔しい!他人の編んだコンピで、自分が聴き飛ばしたCDの価値を思い知らされるのって。

フリー・ソウル・トラヴェルフリー・ソウル・トラヴェル
(1998/11/18)
オムニバス、マデレイン 他

商品詳細を見る

「FREE SOUL TRAVEL」
●一曲目からショック!「THREE IS A MASIC NUMBER」。JACK JOHNSON がカバーし、DE LA SOUL もネタにした曲。ボクはてっきり DE LA SOUL のオリジナルのフレーズだと思ってたのに…。しかもこの歌、かけ算の3の段を覚える数え歌みたいなモン。教育テレビのコドモ番組でかかってたらしい。日本で言えば「1本でーもニンジン、二足でーもサンダル、3そうでーもヨット…」的なポンキッキクラシックってこと…? しかしこの盤は激レア曲ばっかりでよく分からんアーティストばっか。フィンランドのジャズファンク、ニュージーランドやイタリアの AOR なんてわかんない。他の曲も含めていつもよりもメロウ度が高いねえ。BOBBI HUMPHREY のフルートソロが冴える「BLACK AND BLUE」、続くブラジル TANIA MARIA「RUAS DO PIO」、洗練されたサンバ JOYCE「FEMININA」がよかったなあ。うーん、ブラジルにはいつか真剣に向き合わないといけないな。ポルトガル語が美しいのですよ。

フリー・ソウル・ウィングフリー・ソウル・ウィング
(1999/09/22)
オムニバス、アヴェレイジ・ホワイト・バンド 他

商品詳細を見る

「FREE SOUL WING」
●冒頭「THE PEANUTS」スヌーピーの飼い主チャーリーブラウンの歌から始まる脱臼ぶりだが、中盤のブラジリアンソウルがたまらん。MADELLINE BELL、DOM UM ROMAO、CAL TJADER など今まで知らなかったアーティストを教えてもらった。こと CAL TJADER「I WANT YOU BACK」「TAMBU」には完全にやられた。ANTENA の80年代ボッサもココではいい響き。それでいて、THE KINKS の曲を忍び込ませる茶目っ気も。最後の TODD RUNDGREN「STRAWBERRY HILLS FOREVER」カバーは、本家をバリバリ意識したカッチリ感で音響職人魂に震えるしかない。

フリー・ソウル:クラシック・オブ・カタリストフリー・ソウル:クラシック・オブ・カタリスト
(2003/04/23)
オムニバス、ゲイリー・バーツ 他

商品詳細を見る

「FREE SOUL. THE CLASSIC OF CATALYST」
「FREE SOUL」は、レーベルごと、アーティストごとのコンピもいっぱい作ってる。レーベルだと、MOTOWN STAX、BLUE NOTE、TALKIN' LOUD といった有名ドコロを手がけているけど、この CATALYST ってレーベルはかなりマニアックだ。当然今まで全く知りませんです。なにやら西海岸のジャズシーンで70年代の間の2年間ほどだけ活動しただけの弱小インディーレーベル。そんな音源に光をあてるなんて、ホントオタクですね~。でーも、これがことのほか気持ちよかった。ストレートなジャズとブラジリアンなリズムがいい塩梅に入り混じり、スムースにサックスの音が響いていく。4曲目「SPRING SONG」から「BRAZILIAN TAPESTRY」「D'JU LIKE ME」「THE LATIN THING」へのつながりが快感。パーカッションなどリズム隊には西海岸チカーノロックバンド、AZTECASANTANA などと同時代に活動)にいたメンバーも含まれてるそうな。ともかく王道と前衛の中間に位置したこのレーベルの絶妙なバランス感を楽しむべし。ちなみに、この時代には黒人が運営したインディージャズレーベルが多々勃興。代表選手は、STRATA EAST とか BLACK JAZZ。こういう音楽を「スピリチュアルジャズ」というらしい。江原啓之さんかいな?またまたジャズ世界に底の見えない巨大な穴が出現した。「スピリチュアル」の穴、今後探検してみよう。


「WE ♥ FREE SOUL 2」「WE ♥ FREE SOUL 3」
●カフェで見せてもらったこの2枚のCD、メトコさん(仮名)にお願いして貸してもらっちゃった。ボクって図々しいなあ。内容は「FREE SOUL」ベスト盤とあって、ベタベタの王道ソウル~ディスコファンク満載。THE SALSOUL ORCHESTRA、THE BOYS TOWN GANG、B.T EXPRESS、THE POINTER SISTERS、KOOL & THE GANG、CHAKA KHAN、BARBARA ACKLIN CURTIS MAYFIELD……。電気グルーヴ唯一の商業的ヒットシングル「シャングリラ」の元ネタ曲 SILVETTI「SPRING RAIN」が収録されてたのは感動。あの美しいストリングスアレンジが無限ループ。うーん、本物聞いたの初めて。これはうれしいっす。

WE LOVE FREE SOUL Vol.2 NEW DIRECTIONS OF ALL AROUND SOUL MUSICWE LOVE FREE SOUL Vol.2 NEW DIRECTIONS OF ALL AROUND SOUL MUSIC
(2006/07/26)
オムニバス、グロリア・スコット 他

商品詳細を見る
We Love Free Soul 3We Love Free Soul 3
(2006/09/27)
オムニバス、エド・タウンゼント 他

商品詳細を見る



●34歳になって、やっと「FREE SOUL」の世界に馴染めたバカなボク。
●結局、90年代アタマの音楽体験をボクは「FREE SOUL」の人々と多くを共有してて、音盤に向き合う姿勢も根っこの部分は同じで、聴いてる物件も大分カブッてることがわかっちゃった。激レア盤は追いつかないけど、CD化されてる範囲は結構カバーしてる。聴くポイントだけはちょっとズレテる。ボクはもっと暑苦しくて、汚れモノが好きだから。ただしブラジルとスピリチュアルジャズに関してはまだまだ勉強不足と思い知った。コレをキッカケにこの暗黒大陸へ冒険に出かけることにする。


●ご参考に、ボクが過去に綴った関連記事へのリンクを。

1992年以降、90年代の東京を彩った「渋谷系」カルチャーを綴ったお話。
http://unimogroove.blog4.fc2.com/blog-entry-240.html

80年代末から現在まで、UKのブラックミュージックを一気に俯瞰するお話。
http://unimogroove.blog4.fc2.com/blog-date-20080420.html

スポンサーサイト
Secret

TrackBackURL
→http://unimogroove.blog4.fc2.com/tb.php/425-78f40d04