●体調は絶不調でもグダグダしてるだけって訳にはいかない。頭痛はコワくてコワくてしょうがないけど。あの頭痛地獄で仕事ができなくなったんだもの…。着々と次の手を打つしかないでしょ。


息子ノマドに手紙。

ゆうまくん

●幼稚園のクラスメートだったのだけど、小学校は別々になってしまった友達ユウマくんから手紙が来た。ユウマくんはノマドと同じ図鑑マニアな文系少年で、お互いシャイなあまり、幼稚園時代にはあまり接点がなかったのだか、最終的に意気投合。小学校になってもノマドのことを忘れないでいてくれて、「あそぼう!」と手紙を送ってくれた。ノマド、なにげに友達に恵まれている。

一方ヒヨコは、公文教室で、ノマドの今のクラスメートに会ったらしい。
リュウくんという名前だけで、ノマドの会話に出てくる子と察知して、一方的に話しかけたという。「リュウくんはね、ヒヨコがノマドのイモウトだってしらなかったよ」そりゃ知らないだろ。オマエだってカオ知らないでよく話しかけるなあ。いわゆる逆ナンじゃん。この社交力はどこから出て来るんだろう。
●近所の黒い大型犬プーちゃんも、ヒヨコのお友達に一方的に認定されました。「プーちゃん!プーちゃん!コンニチワ!」自転車でプーちゃんの家を通り過ぎたり、踏切で出くわしたら一方的に話しかける。飼い主さんは全然面識ないし、もう先方も苦笑いするだけ。
●ヒヨコには、人間や動物だけではなく、妖精さんの友達もいる。ある雨の日。「きょうはアメプチちゃんのうんどうかいだね!オトコのコもオンナのコもいっぱいだよ!」




サザンオールスターズ、無期活動休止になっちゃいましたね…。
●勝手に「サザンオールスターズ再聴」キャンペーンというモノをやって過去の音源をつぶさに聴いてきたのですが、まさかその途中でサザンが活動を休むっつーのは想定外でありました。……すでに過去6回にわたってサザン&桑田佳祐の音源を聴いてきたのですが、まだ道半ば、ボクはまだ1995年~2000年あたりをウロチョロしているのです。

過去の関連記事はこちらに。
 「サザン再聴、その6」http://unimogroove.blog4.fc2.com/blog-date-20080327.html
 「サザン再聴、その5」http://unimogroove.blog4.fc2.com/blog-date-20080317.html
 「サザン再聴、その4」http://unimogroove.blog4.fc2.com/blog-date-20071214.html
 「サザン再聴、その3」http://unimogroove.blog4.fc2.com/blog-date-20071206.html
 「サザン再聴、その2」http://unimogroove.blog4.fc2.com/blog-date-20070802.html
 「サザン再聴、その1」http://unimogroove.blog4.fc2.com/blog-entry-69.html


ボクはサザンの変遷を時期に区切って考えてます。
 ・第一期:1978年~1982年 バンドデビューから、異形のバンドとして立場を作った時代
 ・第二期:1982年~1986年 デジタル楽器を導入してサザンサウンドを確立する時代
 ・第三期:1986年~1989年 KUWATA BAND、初のクワタソロの時代
 ・第四期:1989年~1995年 復活サザン、小林武史とのコラボ時代、クワタセカンドソロ
 ・第五期:1995年~2000年 サザン、商業的には絶頂期……でも…?
 ・第六期:2000年~2008年 クワタソロ活発化、そして大作「キラーストリート」…。

●うーん、ボクは、この第五期の取り扱いに正直苦しんでいるんですね。どう評価したらいいモノか?イイ悪いが極端で…、活動休止の遠因もこの時期にあるんじゃないかと思ってしまうのです。今回も中山康樹「クワタを聴け!」を副読本に、悩みながら聴き進めようと思います。

クワタを聴け!



「YOUNG LOVE」1996年
サザン12枚目のアルバム。このジャケットを見たときはテンション上がりましたわ!今日はジャケ大写しで見て下さい。メンバーのコスプレをよーく見て下さいね。

サザンオールスターズ「YOUNG LOVE」

●まず桑田佳祐のポーズ。これ BOB DYLAN「NASHVILLE SKYLINE」1969年のジャケのマネ。ディランがアメリカのルーツ、特にカントリーに注目した頃の作品です。ギターを持ち帽子をあげてる所が一緒でしょ。

BOB DYLAN「NASHVILLE SKYLINE」

BOB DYLAN「NASHVILLE SKYLINE」

●手前を歩くギター大森のポーズは、THE BEATLES「ABBY ROAD」1969年のマネかな。横断歩道を渡るように大股に歩く大森、白い服は JOHN LENNON、裸足は PAUL McCARTNEY を連想させる。

ビートルズのラストアルバムとなった「ABBY ROAD」

THE BEATLES「ABBY ROAD」

●ベースのムクさん/関口は、THE BEATLES「SGT. PEPPER'S LONELY HEART CLUB BAND」1967年のコスプレだね。

THE BEATLES「SGT. PEPPERS LONELY HEART CLUB BAND」

THE BEATLES「SGT. PEPPER'S LONELY HEART CLUB BAND」

●となりでヘンなトンガリ帽子を被ってるドラム松田弘は、THE ROLLING STONES「SATANIC MAJESTIES」1967年の MICK JAGGER コスプレだ。

THE ROLLING STONES「SATANIC MAJESTIES」

THE ROLLING STONES「SATANIC MAJESTIES」

●ロバを従えて、ギターとともにジャンプしてるケガニ野沢も、THE ROLLING STONES のライブ盤「GET YER YA-YA'S OUT !」1970年の CHARLIE WATTS を完全にマネしてる。これ一番目立たないけど、一番のソックリ大賞。

THE ROLLING STONES のライブ盤「GET YER YA-YAS OUT !」

THE ROLLING STONES「GET YER YA-YA'S OUT !」

原由子のフリフリ純白スカートと白帽子、そして空を仰ぎ見るポースは… IT'S A BEAUTIFUL DAY「IT'S A BEAUTIFUL DAY」1969年のジャケのマネ。サンフランシスコのフラワームーブメントを象徴する一枚っす。

 ITS A BEAUTIFUL DAY「ITS A BEAUTIFUL DAY」

IT'S A BEAUTIFUL DAY「IT'S A BEAUTIFUL DAY」

●背景で炎上する飛行船は、言わずもがな LED ZEPPELINのファースト「LED ZEPPELIN」1969年でしょ。これ明らか。

 LED ZEPPELINのファースト「LED ZEPPELIN」

LED ZEPPELIN「LED ZEPPELIN」

●残念ながら後ろの建物の意味だけ分からない…。知ってる人いたら教えて下さい。一階テラスに赤いシャツの人がちょこっと立ってるのが気になるんだよなあ。
でもさ、ジャケだけでこんだけワクワクできるって素晴らしいと思うでしょ!コレはリアルタイムで買ったし、その瞬間からこりゃ中身も最高だぞ!って確信できた。ボクがサザンを好きでいる理由は、こんな風にハズカシいほど露骨に自分たちの憧れ、自分たちのルーツである欧米のロックへの憧憬を表明する所なんだ。サザンのアルバムでどれが一番優れているかという議論は色々あるけど、ボクが一番好きなアルバムはこれ「YOUNG LOVE」なんです!

●80年代のファーストソロから90年代の前半全てを共に活動してきたプロデューサー小林武史の姿はココにはいない。「もう一人のサザン」とも言うべき存在感だったのに、ココで決別したのはなぜだろう。それは謎のママだが、サザンが初心回帰/ルーツ回帰(ジャケでもうビシビシ伝わるでしょ)、セルフプロデュースで心機一転しようという意気込みが感じられる。内容はスゴくプログレッシヴにもなってる。このアルバムは侮れないよ。


●まず一曲目からシビれる。「胸いっぱいの愛と情熱をあなたへ」。LED ZEPPELIN の名曲「WHOLE LOTTA LOVE」の邦題が「胸いっぱいの愛を」でしょ。ジャケでも飛行船燃えてるし、聴く前から期待たっぷり。そしたらね、サザン版 THE BEATLES「SGT.PEPPERS LONELY HEART CLUB BAND」または「MAGICAL MYSTERY TOUR」なんですよ。もちろん90年代ポップスの要件は全て網羅した上で、完璧なオマージュになってる。アルバムの冒頭を飾るにふさわしい、勇ましいギターサウンドに摩訶不思議アレンジ。意味はあるかないかワケ分からん歌詞だけど、痛快なリフにシックリハマって、そのままクワタ裏声ファルセットのサビへ!そんでぐるりと展開するCメロへ、そしてサビへサビへサビへ!

●3曲目でシングルにもなった「愛の言霊 ~SPIRITUAL MESSAGE~」は、ある意味最高のプログレッシブサザン!サザンというバンドの収穫を全て投入しながら、全然別のステージに突入した楽曲。シングルとして高機能ジェイポップの役割を果たしながら、かなり革新的なアイディアを盛り込んでます。スゴいです。一回程度聴いただけでは全然意識しませんが、これは90年代ダンスミュージックへのサザンなりの回答です。
●実はトラックはかなり硬質なエレクトロファンク、太い4ツ打ちが腹に響きます。ソコに、実に抑制されたクワタの声、ココで彼はシャウトを敢えて封印。メロディに起伏はなく、その代わりにスゴい情報量の上モノを乗っけてる。ダブ処理の深く施された金管楽器やヴィブラフォン、スクラッチ、狙いでチープなシンセリフ、間奏にはエレピソロからインドネシア語のラップ、ミュートトランペットとクワタのユニゾンスキャット。そのキャバレージャズノリからまた、四ツ打ちに復帰。和風めいた言葉選びはクワタの常套手段だが、サビの歌詞はこの頃には意味が解体されてて、「言霊」というタイトルの通り、神社で祈祷される祝詞のように意味の分からない謎の呪文に成り果てる。なんてスリリングな曲だろう。そして大変にプログレッシブなのだ。音楽的には90年代サザンの頂点がココにあります。

●他にもシングル曲はあるけど、サザンのアルバムは重箱の隅をつついて、クワタの遊び心に付き合って笑うのがお行儀。6曲目では、ソロ「孤独の太陽」で確立したトーキングブルーススタイルBOB DYLAN ごっこを展開。ピリリと皮肉を利かせた歌詞を聴き取り不能寸前のスピードで弾き出す。このトーキングブルースでヒップホップをやるのはいいアイディアだと思うけどな。誰かやんないかな?
●9曲目「マリワナ伯爵」ではテコテコした打ち込みビートで70年代末ディスコファンクを再現。切れ込むホーンもシンセで作ったストリングスアレンジもチープでお遊び感満点。歌詞はやっぱり特に意味なし。
●10曲目「愛無き愛児(まなご)~BEFORE THE STORM~」は透明感なるバラードと見せかけて、キャバレージャズぽくグラリと足取りを崩してみたり、サイケに展開してみせようかとして不発したりと、アイディアはあってもカラぶった感じ。
●一方で次の「恋のジャックナイフ」サザン王道のアゲアゲロックチューン。シンセ武装で突進する「怪物君の空」「死体置場でロマンスを」的な系譜の中にある楽曲の90年代版。アレンジはよりカラフルになってます。
「SOUL BOMBER(21世紀の精神破壊魔)」は、KING CRIMSON 1969年の超名曲「21世紀の精神異常者(原題:21ST CENTURY SCHIZOID MAN)」をどうしても連想するけど、さすがにこの大曲とガブリ四つで組むのは無理と、サラリとかわしてしまった印象。原曲みたいな本物の狂気と底意地の悪さ は、サザン&クワタには似合わない。踏ん張ったロックにはなってるけどね。
●そんでシメはバラード「心を込めて花束を」。この曲の流麗なオーケストラアレンジは、昭和歌謡の巨匠・宮川泰ザ・ピーナッツを育て、「宇宙戦艦ヤマト」から「ズームイン!!朝!」&「ズームイン!! SUPER」のテーマ曲まで手掛けた男。昭和歌謡のエッセンスをタップリ吸い込んで育ったクワタにとって、まさに「心を込めて花束を」贈りたい人が宮川泰その人だったはず。歌詞は結婚する子供から父母へのお礼ソングだけど、大衆歌謡の歴史を受け継ぐ師弟愛にも聴こえてくる。宮川泰は2006年に亡くなる。クワタとの最初で最後のコラボ。


この「YOUNG LOVE」周辺時期のシングル曲。

「マンピーのG★SPOT / メリージェーンと琢磨仁」

「マンピーのG★SPOT / メリージェーンと琢磨仁」1995年
●アルバムに先行してリリースされたイケイケチューン。結構ヒットした印象はあったのにアルバム収録はされなかったんですね。タイトルがコレまたキツいワルフザケ。桑田佳祐一流のお下劣意味なしソング、でもなぜかヘルシーに聴こえるロック。歌詞をよく聴くと「芥川龍之介をスライを聴いて『お歌が上手』とほざいたと言う」とか言ってる。サザンの曲は意味とか考えずに全部勢いとグルーヴと夏祭りのテンションで楽しむのが正解なんですね。
●カップリング曲も完全に意味分かんないタイトル。琢磨仁って誰だよ?正解は KUWATA BANDのパーカッショニスト。でもこの曲に参加してるわけでもない。元湘南ボーイのオッサンが、サザン流ファンクでダンスでバンプでハッスルする感じの曲。結局このシングルは前アルバム「万葉の~」の流れの延長なんだよね。
「あなただけを~SUMMER HEARTBREAK~ / LOVE KOREA」
●「あなただけを~SUMMER HEARTBREAK~ / LOVE KOREA」1995年
●歌詞に出てくる「キョッポ」ってのは韓国語で「僑胞」、つまりは在外韓国人のことを差す言葉。在日韓国人も「キョッポ」って言われる。
●韓国出張で付け焼き刃の韓国語でタクシーの運転手さんと必死にコミュニケーションしてたら「あんたらキョッポか?」と言われた。「キョッポ?…ボクらはイルボンサラムンイッソヨ(日本人です)」運転手さんは「ふーん、へんな韓国語を一生懸命しゃべろうとしてるからキョッポかと思った。キョッポは日本に住んでる韓国人」つーか運転手さん、日本語しゃべれるんじゃん。このウタは、そんな在日韓国人の故郷によせる思いを、陽気にゲイシャフジヤマ的な韓国語をまき散らして歌ったもの。オモニ、アボジ、チョゴリ、キョッポ、アンニョンハセヨ、ゲンチャンナヨ!

「太陽は罪な奴 / 君に贈る LOVE SONG」

●「太陽は罪な奴 / 君に贈る LOVE SONG」1996年
「君に贈る LOVE SONG」は作詞作曲リードボーカルをドラム松田弘が担当。これが意外とイイ。チャカポコギターがファンキーに色添えするメローグルーヴに、さっぱり透明感のヒロシの声。フルートやブラス隊のアレンジも巧妙で楽しく聴けちゃう。今までクワタ以外の曲にあまり興味持てなかったんだけど、ここで初めてイイ感じじゃんと思えた。十分フリーソウルじゃん。




そんで、サザン最大の問題作、うーん、踏み込んで言っちゃえ!最大の失敗作アルバムが登場する。

「さくら」1998年

「さくら」1998年
●さっきの「YOUNG LOVE」と同じだけど、サザンのアルバムでどれが一番劣ってるかという議論は色々あるけど、それを抜きにして、このアルバムがボクは一番好きになれないのです。サザンは様々な過去の音楽(洋楽&邦楽)をイイ意味でパロディ化してそれをジェイポップにしてきたバンドだか、結成20年目にして、とうとう自分の音楽をパロディ化してきたようなのだ。サザンによる<サザン再生産。サザンはフォロワーを生まなかったほどの強烈な個性を持つバンドだが、サザン自身がサザンのフォロワーになってしまった感が漂うのだ。

●一曲目は必ずビターなギターロックから入るのがサザンのありがちな行動パターンの一つだが、今回の「NO-NO-YEAH / GO-GO-YEAH」はその中でも最もハードなブギーロックになってる。90年代的に言えば遅めのグランジってくらい。これは非サザン的な取り組みでよかったと思う。
●でも2曲目は印象にも残らず、三曲目「マイ フェラ レディ」はラテンジャズ歌謡のパクリ大作戦、しかもスペイン語を空耳っぽくもじったダジャレ猥談イミなしリリック。「俺と寝ろ 我 雑踏に消えろ 舌の根を勃て舐めくわえろ…」このアプローチもやり尽くしてないでしょうか…。
●シングル曲が2つ。「LOVE AFFAIR~秘密のデート~」フィルスペクター風アレンジだけど、もうオナカイッパイのサザン王道パターン。「BLUE HEAVEN」ビーチボーイズ張りのハーモニーが新味だけど派手さにはかける。この次の「唐人物語(ラシャメンのうた)」ハラボーボーカルで一服の清涼剤。これは気持ちイイ。
●で、ぶっちゃけもうココからが長い…。はやく終わってくれ。曲が多過ぎる。「湘南SEPTEMBER」サザンの自己イメージを自動複写したようなミドルバラード、「PARADISE」も90年代にやり尽くしたサザン型ファンクの一ヴァーション。「私の世紀末カルテ」ではあれだけ日本型フォークに批判的だったクワタが、ギター一本でダラダラ四畳半フォークをする。続いてサザン型歌謡曲「SAUDADE~真冬の蜃気楼~」ハワイアン昭和歌謡「SEA SIDE WOMAN BLUES」などなどナカナカ終わってくれない。

●この「さくら」の制作には2年以上の時間がかかったという。そして次作「KILLER STREET」発表まで7年かかる。サザンは、この時期煮詰まっていたんだ思う。サザン活動休止の前触れはココに始まっていたのでは? だって次まで7年も間が空いてるってだけでももう本来は異常事態だよ。そしてファンがサザンに求めているモノが固まってきちゃって、自己革新が出来なくなってきてた…。


この「さくら」周辺時期のシングル曲など。

「01MESSENGER~電子狂の詩(うた)/ SEA SIDE WOMAN BLUES」
●「01MESSENGER~電子狂の詩(うた)/ SEA SIDE WOMAN BLUES」1997年
●リード曲は、アルバム「さくら」以前にリリースされたモノだが、この曲はアルバムでは大胆に改造されて「(The Return of) 01MESSENGER~電子狂の詩(うた)~ (Album Version)」として収録された。テクノっぽい着想から出発してるみたいだけど、シングルバージョンはかなり立派にギターロックになってる。一方アルバムバーションは、ドラムンベースなリズムや目まぐるしいシンセアレンジまで導入してるけど、やっぱりギターロック。アレコレ一杯工夫してます。出来は、うーんと、ドッコイドッコイです。

「BLUE HEAVEN / 世界の屋根を撃つ雨のリズム」

●「BLUE HEAVEN / 世界の屋根を撃つ雨のリズム」1997年
●コレも「さくら」に先行したシングル。カップリング曲がアルバムから弾き出されてしまった訳だけど、奇妙な変拍子まで使って複雑に展開するロックで不思議。サザン楽曲としては珍しいタイプで、よく聴くとオモシロいかも。でも、グッとくる盛り上がりはないので、よく聴かないとオモシロくない。プログレのマネ?そこまではいかないなあ~。


ここからは、「さくら」とは関係なくリリースされた音源達。ココでサザンは商業的には絶頂期を迎える。


「海の YEAH !!」

「平和の琉歌」1998年
●2枚組のベスト盤「海の YEAH !!」で初めて正式にCD収録された曲。「この国が平和だと 誰が決めたの? 人の涙も渇かぬうちに アメリカの傘の下 夢も見ました 民を見捨てた戦争の果てに」沖縄風の三線アレンジを施した穏やかなメロディに、沖縄が抱える社会問題歴史問題をド真ん中から見据えた重たい歌詞を、夏の夜風に乗せるようにフワリと歌い流す。淡々とした展開がより歌詞の重さを浮き立たせ、クワタの声はより優しく聴こえる。CD収録はこの年だけど、「YOUNG LOVE」発表後1996年のツアーでプレイされてた曲。「さくら」の煮詰まった感じとは違う抜けの良さ。イイ曲です。
「イエローマン~星の王子様~ / 夏の日のドラマ」
「イエローマン~星の王子様~ / 夏の日のドラマ」1999年
●なんと、サザン、ビッグビートに挑戦!FATBOY SLIM のようなロッキンビートをドクドク鳴らしてます。結構ビックリした。クワタのボーカルすらビートに埋まりかけるほどのバランスで攻める。しかし節回しにはオリエンタル趣味もあり、大衆歌謡の軸足からは離れない。当世流行の最新ミュージックに対するあざといパロディ精神は、もう一歩踏み込んだら、モー娘。「恋のダンスサイト」までイってたかも。あーコレボク的にはホメ言葉です!「ジンギスカン」的B級ディスコを20~21世紀の変わり目にヤリ切った「恋のダンスサイト」はボクの中で名曲です。あん時のつんくと、アレのアレンジを手がけたダンス★マン(空耳日本語歌詞でディスコカバーしてた人、みゃお~~ん!覚えてる?)は神がかってました。なんてったって「恋の重低音」ですから。ヘヴィイ!あ、セールスは燦々たるモノだったそうで。
●カップリングは、ドラムのヒロシのボーカル曲。薄口。「君に贈る LOVE SONG」のような感動はないなあ。

「TSUNAMI / 通りゃんせ」2000年

「TSUNAMI / 通りゃんせ」2000年
●で、ここでこの曲がくるわけよ!セールス300万枚達成、サザン史上の最大のヒット、いやオリコン歴代3番目の超巨大ヒット曲となる。サザン王道バラードが完璧に構築されてる。ココまでの大型バラードは確かにかなり久しぶり、多分、ライブで生で見たら感動するだろな。でもボクのサザン興味にはあまり関係がないんだわ。「いとしのエリー」とか「メロディ」のような鉄板バラードの一つって程度です。
●それよりも注目はカップリング。コレがフザけてて笑える。「サザンのバラードはステキね~」と一曲目を聴き終えた瞬間に、突然般若心経の読経がドロドロ出てきて、さっきまでの気分は台無し。その読経のリズム感を引っ張ったままドロドロのブルースロックで「通りゃンセ」って言われちゃう。バラードの甘い気分だけじゃ帰さない、サザンの正体はそんなに行儀のいいモンじゃないぜ、この泥道通ってオウチに帰れ!と300万人のリスナーに突き付けた。愉快じゃないですか!

「HOTEL PACIFIC / 虫歯のブルース~インディアン狂想曲[MEDLEY]」

「HOTEL PACIFIC / 虫歯のブルース~インディアン狂想曲[MEDLEY]」2000年
クワタ「茅ヶ崎でライブやりたいね」発言が波紋を呼んで、出身地・茅ヶ崎でファンの間に署名運動が起こり実現に至った伝説の2000年「茅ヶ崎ライブ」。このライブのために録り下ろされたのが「HOTEL PACFIC」。どうやらホントに実在してたホテルみたいだし、「江ノ島にかかる桟橋」「茅ヶ崎あたりのモーテル」「エボシ岩」など地元ローカルトーク的キーワードが満載の歌詞。茅ヶ崎育ちの後輩君が誇らしげにイベントに行ってたなあ。内容はホーンが弾けるド派手なラテンロック歌謡の大パーティチューン。前半クワタボーカルに伴走するフルートが隠し味でニクい。ヒット曲だからみんな知ってるでしょ。
●カップリングはコレまたしょーもない曲(いい意味で)で、「歯から血イ出た、歯から血イ出た、ベイベ~」とかヨタッタブルースが始まって「相変わらず人をクったようなモノを…」と思った瞬間にイキナリ曲想がガラリと変わり、爽やかなギターポップが楽しく始まる。あー一応メドレーって書いてあるしな…コッチの後ろの曲だけで何が悪いんだろうか…と思ってると、ハラボー「虫歯のブルース?んなもなァダメ!」ってお説教の一喝。クワタ「なんでェ…?」曲の中で悪フザケにダメ出しがでる。そんなこんなで楽しい曲です。

「この青い空、みどり ~BLUE IN GREEN~ / チャイナムーンとビーフン娘 / いなせなロコモーション(茅ヶ崎ライブVERSION)/ 心を込めて花束を(茅ヶ崎ライブVERSION)」2000年

「この青い空、みどり ~BLUE IN GREEN~ / チャイナムーンとビーフン娘 / いなせなロコモーション(茅ヶ崎ライブVERSION)/ 心を込めて花束を(茅ヶ崎ライブVERSION)」2000年
●この音源は12インチでゲットしたので、CD盤より一曲多いです。あの「茅ヶ崎ライブ」の音源がひとつ多く収録されてるんですね。このライブはスゴく楽しそうだなあ~。雰囲気がスゴく伝わってくる。「茅ヶ崎に生まれてよかったでーす」なんてMCも。
●さて主役の曲は、構造的には爽やかなカントリーロックで、テンションを上げていくタイプの曲じゃない。けれども、ゆったり流れるメロディには、未来への漠然たる不安や無常観を、冷めた諦観を込めた歌詞を乗せていて、訥々と歌うクワタの声に長く浸っていたい気分になる。アレンジには淡くオルガンが添えられてて、乾いたハーモニカもよく響いてる。カントリーロックとは書いたが、そんな様式には関係なく2000年代のジェイポップとしてよく機能してます。地味にイイ曲でした。
「チャイナムーンとビーフン娘」ハラボー作曲ボーカルのチャーミングなポップソング。横浜中華街の小さいお店で働く女の子の健気な生活と淡い恋ゴコロが爽やかに歌われてます。途中にカワイイ語りまであり。「朝陽門にむかって20メートル 煙草の自販機がある角を 細い路地に入って3軒目に私の働く店があります。遠い親戚だからといってオジさんは甘やかしてくれないけど、たくさん働いている方が気は楽です。美味しいビーフン作れるようになりました…」この娘のビーフンがとっても食べたい。




●さてさて、90年代後半のサザンを俯瞰しました。商業的には絶頂期。しかしクリエイティブとしては結構デコボコ。活動休止が明らかになった今から見れば、その結果に至る前兆はこの時代にあったと思える。…そして21世紀。桑田佳祐のソロ活動はより充実活発化、サザンというバンドの位置づけが、クワタ氏の中で変質してきたのか…。何が起こったのかは、また別の機会に考えてみます。

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