紅白歌合戦のラインナップ、発表されましたね。
初登場アーティストって、やっぱ今年のブレイク組でしょ。今年ナニが流行ったかを象徴する場面だよね。主だったトコロじゃ、青山テルマ(超納得!)、ジェロ(悲願叶っておめでとう!)、いきものがかり(じわっと上がったタイプね)、東方神起(韓流最終段階最強アーティスト)、キマグレン(うん、フレッシュでイイ狙い所!)とか。大橋のぞみちゃんの「ポニョ」は世代を超えた今年のビッグアンセムだね。
●一方、羞恥心みたいなフジ「ヘキサゴン」という直球の他局番組企画ユニットまで抜擢するとは NHK も変わったもんだ。水谷豊テレ朝「相棒」ブレイク流れだし、復活 SPEED日テレ「24時間テレビ」の企画の延長と言ってイイ。難病を克服したサラリーマンシンガー木山裕策さんは、日テレ深夜のオーディション番組「歌スタ!」が、彼を襲った悲運からそれを支える家族のエピソードまで引っ括めて紹介、発掘したアーティストだ。
ミスチルが初登場ってのは意外なように見えて、連中はこういう出方を極端に嫌うタイプ。様々なアーティストがごちゃ混ぜに出演する生番組では、リハやセッティングの面で難があり、最大限のパフォーマンスを引き出すことが無理、楽曲もテレビサイズに縮めたくない、という彼ららしい音楽至上主義があるからね。フェスだってメジャーなモンに参加するんじゃなくて、自分でオーガナイズしちゃうもんね(「ap bank fes.」)。しかし北京五輪でヘビロテしてもらった縁は無視できないのか、重い腰を上げてとうとう登場だ。ココだけに NHK のプロデューサーのガンバリが感じ取れる。「紅白」番組側がアーティストに「出してやるよ」主義で交渉して来る奇妙な番組。でもココには「お願いだから出て下さい」と必死に交渉した感じが見えるもんね。

●というのは、あくまでマクラであって…。


初登場組イチバン注目は、perfume です。
●結果として、「女子エレクトロ」というサブジャンルをジェイポップ市場に確立してしまった彼女たちの無自覚な活躍(だって本人たち自身は素朴な広島弁のオンナノコ)は、偶然にも世界的な時流(フレンチエレクトロなどなど)に奇妙に乗っかっちゃったカッコになってて、最高にオモシロい状況だからだ。そんでやっぱりボクは、KITSUNE のコンピレーションとかと一緒に彼女たちのシングルを聴いちゃうんだよな。

Dream Fighter(初回限定盤)Dream Fighter(初回限定盤)
(2008/11/19)
Perfume

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love the world(通常盤)love the world(通常盤)
(2008/07/09)
Perfume

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perfume「DREAM FIGHTER」2008年
perfume「love the world」2008年
●そんな彼女たちが、1stフルアルバム「GAME」以降に出したシングルを聴く。やっぱ「ポリリズム」のあの強烈なリフレインほどの大胆なイメージを打ち出せる曲にはなってないんだけど、「DREAM FIGHTER」にはタイトルらしい勇ましさがあるし、ふっくらした優しさをもつ「love the world」もポップスとしてはイケテルと思います。
●でも一番イケルのは「love the world」のカップリング「edge」。ビリビリとミドルレンジを震わせる歪んだシンセのビープ音、シンプルで深く強い四ツ打ち、ボーカルを完全に素材使いしてる割り切り感。アイドルソングとしては全く無愛想なビートが純粋なダンス衝動に結びつく。これぞエレクトロ。プロデューサー、中田ヤスタカの顔がキチンと見える楽曲になってる。おまけにこの「edge」、8分超のEXTENDED MIX まで収録。完全にエレクトロ経由で perfume に入ったヤツら(つまりボク)を意識したパッケージだ。……あと、余談だが、やっぱ、ボクはのっちがイチバンカワイいと思う…。


一方、納得がいかないのが、やはり紅白初登場の GIRL NEXT DOOR。

偶然の確率偶然の確率
(2008/09/03)
GIRL NEXT DOOR

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Drive away / 幸福の条件Drive away / 幸福の条件
(2008/10/08)
GIRL NEXT DOOR

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情熱の代償 / ESCAPE情熱の代償 / ESCAPE
(2008/11/19)
GIRL NEXT DOOR

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GIRL NEXT DOOR「偶然の確率」2008年
GIRL NEXT DOOR「Drive away/幸福の条件」2008年
GIRL NEXT DOOR「情熱の代償/ESCAPE」2008年
このアーティスト、皆さん知ってました? いやボクはオタクとしてチェックしてたけど、一般レベルまでに浸透するほどのブレイクをしてるかな?まだシングル3枚のリリースしかないし(年末にアルバム出すらしい)、タイアップだってテレ朝ドラマ「ギラギラ」(ホストを演じる佐々木蔵之助が超気になるけどマダ見てねえ~。原作は土田世紀の同名マンガ)の主題歌くらい。紅白には早くないか?
エイベックスが全力で取り組んでる新人というハナシは聞いてたし、コレも優秀な「女子エレクトロ」かなーって思って聴いたのに、申し訳ないけどちょっと聴いてもうガッカリ。イツモ通りのエイベックス製サウンドから全然進化してナイじゃん。プロフィールみたら、サウンドプロデュースは、倖田來未のイモウトで最近グラビアまで始めた misono が所属してたユニット DAY AFTER TOMORROW の人だって。そりゃ進化しねえや。

●同じエイベックスなら安室奈美恵の方が今年絶対大活躍したと思う。
●近年シングルを集めたベスト「BEST FICTION」のミリオンセールスや、時代時代のスタイルをモチーフにしたコンセプチュアルなマキシシングル「60'S 70'S 80'S」はスゲエよかった。小室ファミリーから離脱した後の安室奈美恵は、迷走しているかのように見えて、スゴくエッジーなチャレンジに取り組んでてオモシロかった。最新のダンスホールレゲエをジェイポップとして昇華した「WANT ME, WANT ME」辺りから、こりゃハイブロウ過ぎて既存ファンはついて来れないかもしれないけど、間違いなくカッコいいと思ってた。「BEST FICTION」のリリースで、時代の感覚が彼女にやっと追いついたというべきか。しかしエイベックスは今回の紅白に浜崎あゆみも投入している。女帝は二人並び立たずということか。

BEST FICTIONBEST FICTION
(2008/07/30)
安室奈美恵

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「女子エレクトロ」の裾野はドンドン広がってる。

Do the Vacation!!Do the Vacation!!
(2007/11/21)
Sweet Vacation

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More the Vacation!!More the Vacation!!
(2008/04/16)
Sweet Vacation

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SWEET VACATION「DO THE VACATION !!」2007年
SWEET VACATION「MORE THE VACATION !!」2008年
●コレは完全に perfume ~ 中田ヤスタカの路線と同じくするタイプのアーティスト。ダンスミュージックとしての美味しさを追究してる。でもサウンドメーカーは東京エスムジカ鈴木大地なんだって。全然芸風ちがうじゃん!さすが東大卒ミュージシャン、手先が器用だぜ。ちと低音キック&ベースが弱いのが、本家には叶わないトコロだけど。
●その一方で、SOTTE BOSSE 以降の、名曲カバーのオモシロさを追究してるユニットでもある。SOTTE BOSSE は有名ジェイポップをボッサ風にカバーし、それに追随してあるアーティストはパンクで、またはレゲエ/ラヴァーズロックで、ラウンジで……などのアプローチが一杯あったのも去年~今年の現象。原料が洋楽名曲だったりもたくさん。そんで、SWEET VACATION、略してスイバケは、エレクトロで名曲カバーをする。この二枚のミニアルバムは、それぞれオリジナル半分、カバー半分。そのカバー曲セレクトセンスが特に注目。ある意味35歳のボクにはクスッとくるオモシロさがある。つーか、裏側にいる連中が同世代で、センスがシンクロした感じ。

一枚目のグッとくるカバーその1は、 CYNDI LAUPER「THE GOONIES ''R'' GOOD ENOUGH」。映画「グーニーズ」の主題歌でありながら、彼女のオリジナルアルバムじゃ聴けない未収録シングル(ベストもんでは聴ける)。1985年の映画「グーニーズ」は、海賊船の宝物を少年少女が探す冒険ジュブナイルで、ちょうど同世代の子供だったボクには猛烈に印象深い作品だ。この冒険少年の中の一人は翌年の名画「スタンド・バイ・ミー」で子役時代の RIVER PHENIX と共演する(「スタンド~」でメガネ小僧だったヤツ)。オマケにコナミがこの作品をファミコン(もち初代)でゲーム化。8ビットミュージックにアレンジされたこの曲のサビを耳タコになるまで聴きまくりながら、ボクはこのゲームに興じたモノである。選曲したヤツのアタマでは、CYNDI LAUPER の曲ではなく、ファミコンと映画の曲だったはず。ボクは少なくともそう聴いている。
一枚目のグッとくるカバーその2は、BOOWY「HONKY TONKY CRAZY」である。前の曲にしても、この曲にしても、なぜかくも確実に30歳代男性のココロのアルバムに手を突っ込む様な選曲ができるのであろうか。だってボウイだよ!ボウイ・エレクトロだよ!深くフィルターをかけたフラットな女子声に、氷室京介 A.K.A.ヒムロックのエモーショナルボーカルを置き換えるのは、ある意味無謀な大冒険で、ギリギリで冒涜寸前。実はシンプルで単調な構造の曲だったコトがこのカバーでわかったし、それを単調な曲にしなかった彼のバンドの偉大さを今一度思い知る。カバーとしてよくできてるとは言えないが、BOOWY にチャレンジしたこと、しようと発案したこと自体に敬意を表す。でも何回も出来ない裏技だよ。

二枚目のグッとくるカバーその1は、BLUR「GIRLS & BOYS」。COLDPLAY「SPEED OF SOUND」のカバーもしてるけど、そんな最近ヒット曲じゃなくて、10年以上前のブリットポップ旋風ど真ん中のヒットシングルをある意味まんまカバーってトコロがツボ。元々原曲からエレクトロ体質でリミックスも一杯あったからね。で、30歳代男子のロック経験のど真ん中であることも、見事なマーケティングでご立派。
二枚目のグッとくるカバーその2は、TMN「WE LOVE THE EARTH」。もはや手が後ろに回ってしまった「時代の寵児」による曲。実は、この曲は知らなかった。シングル「LOVE TRAIN」のカップリング曲だって。掘りドコロがマニアック過ぎるよ……TMN と改称した頃からもう聴いてなかったなあ。でも小室哲哉がいなかったらジェイポップジェイポップにならなかったかも知れないほど、彼は巨大なサウンドメーカーだったと思うよ。日本語のロックは70年代から着実に進歩発達して一般化していった。でも日本語のダンスミュージックは小室哲哉が一気に普及させたと言ってもイイ。日本には見るべきダンスムーブメントなんてソレ以前になかったし。竹の子族くらい?ディスコは単純に外来音楽で邦楽化しきれなかったもんね。そもそも日本人は人前で気ままに踊るなんてしない民族じゃん?
●ぶっちゃけ、発売停止になっちゃった globe「GET WILD」&「SELF CONTROL」のセルフカバー、本音で聴いてみたい。ネットのどっかに流出しないかな~なんて。



COPY(初回限定盤)COPY(初回限定盤)
(2008/09/03)
Aira MitsukiTerukado

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ロボットハニーロボットハニー
(2008/10/29)
Aira Mitsuki

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AIRA MITSUKI「C.O.P.Y」2008年
AIRA MITSUKI「ロボットハニー」2008年
もうジャケでエレクトロ。なんですかあのサングラスは。本人ちゃんと顔カワイいのに。「チャイナ・ディスコティカ」とか「カラフル・トーキョーサウンズ・NO. 9」みたいな曲タイトルが、既にcapsule フォロワーだって明確にしてるよね。的確にエレクトロであろうとしてる。太い四ツ打ち、歪むシンセ、フィルターボーカル。こと AIRA MITSUKI feat. TERUKADO とクレジットされてる曲「BEEP COUNT FANTASTIC」は容赦のナイ歪んだビープ音攻撃で全然カワイゲがない。TERUKADO って人物は、彼女のサウンドプロデューサーで、capsule / perfume に於ける中田ヤスタカのポジション。彼もホントは凶暴エレクトロ嗜好を隠してるタイプってことね。

●で、ファーストアルバムの直後にリリースされたニューシングルが「ロボットハニー」。なんと10トラック収録。でも10曲収録じゃない。メイン曲4コ、そのリミックス2曲、残りはメイン曲の「DIGITAL mp-3 MASTERING VER.」なんです!mp3プレイヤーで聴くリスナーに向けての別マスタリングって?うっひゃー、音楽業界とうとうココまで来た。オンライン配信流通革命が、コンテンツのキモであるマスタリングの考え方まで変えた。元来、オーディオ技術は高音質高品質というベクトルで進化してきたはず。CDかアナログかって議論はまだ尽きないが、いつの間にか SHM-CD なんて規格まで登場してる。でも、mp3プレイヤー、ひいては携帯電話の着うた水準のハードに合わせるのは、レベルダウンのベクトルじゃない?違うの?
●で、聴き比べ…と思ったけど、ボクこのシングルレンタルで借りたから、やっぱ即座にiPodに受けちゃって、すぐ返却しちゃったのよね。だからCDで聴くフツウのマスタリングってのが既に聴けない。iTune から我が家のメインシステムである BOSE のシステムで鳴らしても、全部 m4aファイルに圧縮しちゃったから、もう違いがわかんない。……やっぱ、そういうスタイルの音楽視聴がもう社会に浸透し切ってるのね。
●音楽を聴くって大変だ。作る側は聴かれるハードを想定して制作するし、聴く方は音楽のタイプで聴くハードを選ばないと正しく聴こえないって訳ね。ヒップホップの連中が「12インチのビニールに深い溝でドープな低音削り込みました」と言うならアナログで、彼らみたいに「小さいプレイヤーに圧縮してちっこいヘッドホンで聴いて下さい」と言うなら、そう聴かないといけない。ただ残念なのは、エレクトロとして命であるキックとベースの低音部分がどうも弱い。ちっこいヘッドホンが得意なミドルレンジが強調されすぎてて、キックを聴こうとしてボリュームを上げると中音域が割れてしまう。うーん、不完全燃焼。


BEAMBEAM
(2007/12/05)
MEG

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MEG「BEAM」2007年
●このアルバムは、capsule 中田ヤスタカプロデュースなんで、ハッキリ言ってもろ直球で perfume です。うん、1人perfume。ただしスローテンポ曲もアリでアルバム楽曲のバリエーションは幅があってよろしい!
女子エレクトロの傾向として深いフィルターボーカルがやっぱり特徴的なんだけど、特にココでのボーカルの加工のホドは凄まじいもので、曲のタッチで気分が全然変わる。コレ本人のボーカル能力?それともキカイのチカラ? このCD聴いてたら、将来 CHARAYUKI といったユニークな声を持つ傑出したボーカリストは、近い将来フツウの声をPC技術で加工することで簡単にねつ造できるんじゃないかと思った。
●ただし、中田ヤスタカべったりの perfume と違って、彼女はイロイロなプロデューサーと組んでる。デビュー曲は岡村靖幸!と共作、デトロイトテクノの大物 THEO PARRISH とコラボしたり、電気GROOVE のレイブフェス「WIRE」に出演したり。この前のアルバム「AQUABERRY」ナカムラヒロシ(i-dep、SOTTE BOSSE)と組んでるし、このCDには韓国&カナダ人のクラブ系ユニット CLAZZIQUAI PROJECT のリミックスまで収録してる。最近は宇川直弘の作品に参加してるというから、フットワークが軽いもんだ。カフェやアパレルのプロデュースも手掛けているというから、自己プロデュース能力の高い人なんだろう。


今年のキーワードでよく耳にしたのは「乙女ハウス」というフレーズ。

元気ロケッツ I-Heavenly Star-(DVD付)元気ロケッツ I-Heavenly Star-(DVD付)
(2008/07/02)
元気ロケッツ

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元気ロケッツ「元気ロケッツ I -Heavenly Star-」2008年
ハウスってあまり得意分野じゃない。少し享楽的過ぎて、禁欲主義的なテクノ/エレクトロに比べて軟派なイメージがある。偏見だと承知で言うけど「ユルくて甘い」オトコ=テクノ、オンナ=ハウスという構図、もう一歩踏み込むとオンナ(+ゲイ)=ハウス。あ、ゴメンナサイ、ゲイの人に対する偏見と取られると困る……。でもボクが会ったゲイの人、みんなハウス大好き。キラキラしたモノへの鋭敏な感覚、ゲイの人はホントに優れてると思う。あとゲイの人、霊感も強い。なぜ?
●主観的な意見をもうちょっと言うと、テクノ/エレクトロはビートを一打一打踏みしめていく感覚がある。ドンドンドンドン!とね。あくまでビートが主役。ハウス/トランスはリズムを流していく感覚がある。上モノの美メロがビートを超えて舞い上がる。この可憐さを「ハウシー」って言ったりするじゃん。ヒップホップもファンクも大好きなボクは、ビートを流し聴きすることは出来ない。ハウスが苦手なのはそういう理由。似てる音楽なのにボクの中ではこうも違う。
●そんな感じでハウスを捉えてたボクには「乙女ハウス」って、絶妙に本質を掴んだ表現だと思った。ハウスの持つ、キッチュなくらいのギラギラなグリッター感を、微妙に「乙女」チックにおすましさせて、パッケージングした感じ?こりゃオモシロいと思った。

元気ロケッツは日本のクリエイターとしては「乙女ハウス」第一人者ということなので、早速聴いてみた。スペーシーな空間の奥行き、深くエコーする女子ボーカル。下へ下へとズンズンビートが這い回るエレクトロ感覚と違い、上へ上へと高く飛翔していくメロディアスな展開がまさにハウシー。
●しかも、元気ロケッツには、芝居がかったコンセプトがあった。「宇宙生まれの『30年後の19歳」が''HAPPY''を地球に発信 !!」。ボーカリストである LUMI ちゃんは、今だ生まれてない未来人のオンナノコ。宇宙生まれで地球に降りたことはマダない。このアルバムについてたDVDのライブ映像は、ホログラム映像をステージに投影してのパフォーマンス。ぶっちゃけフロアはノリずらそうな空気で、ちとウザイ設定なのではとも思った。DAFT PUNK のロボットキャラは、ツッコミ待ちのバカ設定で、連中はアレでカッコつけてるつもりないでしょ。映画まで作って悪ノリし過ぎだけど、ヨーロッパ人のユーモアってヤツ? でもとにかく LUMI ちゃんカワイいし、乙女キラキラだからゼンブ許す!オールオッケー!


異形の8bitミュージックとファミコン魂。YMCK。

YMCK SONGBOOK-songs before 8bit-YMCK SONGBOOK-songs before 8bit-
(2008/09/24)
YMCK

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YMCK「YMCK YMCK SONGBOOK -SONGS BEFORE 8BIT-」2008年
YMCK は数あるエレクトロ・アーティストの中でも特別なポジションに位置するバンドだ。30歳代にはノスタルジックにさえ聴こえる、ちゃっちいピコピコのファミコンゲームのBGM風サウンドで楽曲を作るという芸風を貫き通す、8ビットミュージックの達人だ。もうソレしかしない。その決意たるや潔し。そのチープなサウンドと女子声でポップでダンサブルな音楽を作ってきた。初代ファミコンへの愛情は海より深く、別のアルバムじゃ、あの「一秒間に16回ボタンを押すオトコ」高橋名人とコラボレーションしているほどだ。
そんな彼らが、より一層異形な挑戦に出た。「ソングス・ビフォー・8ビット」、8ビット以前の音楽を8ビットミュージックでカバーするという挑戦。具体的には、70年代の日本フォークミュージックをチープなエレクトロでカバーするという無茶なチャレンジ。スゴいよ、井上陽水、森田童子、泉谷しげる、吉田拓郎とかに挑戦しちゃうんだもん。
●フォーク世代のエルダーな方々にどう響くか全然わかんないけど(つーかNG?)、その強引さとキッチュっぷりはビックリだわ。8ビットという味(制約)は、音をたくさん重ねない、スキマ感たっぷりでスカスカしてる、高域にアクセントはついてもバスドラキックは弱い(ベースは頑張ってる)。よってマジでボーカル勝負にもなってる。
●原曲がフォークだし、ダンスミュージックにし切れないよね、小田和正「言葉にできない」とか吉田拓郎「人生を語らず」とか、ピコピコしててもダンスはしてないもん。…てか、ピコピコがウザイ……。残念、原曲を乗り越えられなかった。女子声曲である森田童子「ぼくたちの失敗」は、フィルター女子ボーカルで、なんとか気分は伝わった。井上陽水「夢の中へ」吉田拓郎「人間なんて」は、ダンスアレンジの行き先が見えちゃって、意外性がない…。
●でも唯一オモシロかったのは遠藤賢司「満足できるかな」。つーか原曲がダイスキってのが前提であって(ホンモノは1971年の録音で、バックバンドをはっぴいえんどが務めた、不思議なグルーヴ感を持つ曲なのですよ)、グルーヴ感を独自解釈してアレンジがどんどん展開してく気分が最高。井上陽水「傘がない」も健闘だと思う。あの曲をダンスミュージックにしちゃってるから。

超余談だけど、このCDの特集記事で、高橋名人とYMCKのメンバーの対談があった。
高橋名人自身はフォーク世代のオトコだったので「なんだオレにも声かけてくれればよかったのに」と完全トモダチ気分。そんで一つ秘密を公開。超人ワザ「16連打」で名を馳せた高橋名人、実は「17.6連打」までイケル能力を持っていたとな。でもPC業界じゃ「16」という数字は座りがイイから(PCのスペックには16の倍数がたくさん出て来るもんね)、敢えて「17連打」を「16連打」と称したらしい。名人スゲエ。やっぱリビングレジェンドだわ。



そんじゃ「女子エレクトロ」本家の中田ヤスタカは何してんの? capsule 新譜リリース。

MORE! MORE! MORE!(初回生産限定)(DVD付)MORE! MORE! MORE!(初回生産限定)(DVD付)
(2008/11/19)
capsule

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capsule「MORE! MORE! MORE!」2008年
●初期 capsule は、PIZZICATO FIVE のフォロワーだった、と以前このブログで取り上げた。(その記事へリンク)それが海外のエレクトロシーンとシンクロするように現在のベキベキビートに進化してきた過程はソコでチェックしてみましたです。その延長にコレが来た。で、キター!って感じ。サイボーグ度はより上昇、まさに「オレのカラダの筋肉はどこをとっても機械だぜ」(BY DIE KRUPPS)状態。タイトルチューン「more more more」からスッパスッパと切れ味のイイ鋭角ビートのメリハリでビリビリシビレマス。モア!モア!モア!もっと強烈なビートをブチカマシテくれ!もっとシンセを歪ませてくれ!
●衝撃は三曲目以降。「the Time is Now」「JUMPER」では、イツモよりもさらに20%増量の強力シンセビートに、英詞リリックを速射砲ラップでシャウト!つーかノーマル録音を高速再生加工? コレ完全新路線。海外エレクトロとドンドンシンクロ度上がってます。M.I.A とか SANTOGOLD とか CSS とかの新種エレクトロの音楽がどんどんアタマの中に湧き上がって結びついていく。もはや「女子エレクトロ」ポップスプロデューサー中田ヤスタカはココにはいない。エレクトロ超合金で出来た凶暴な牙と爪を剥き出しにして、聴く者の耳を切り裂くケモノが一匹疾駆してるだけ。中田氏のプロデュース仕事が増えれば増えるほど、capsule危険なエレクトロ実験場として、新型化学兵器の人体実験をしてるような凶暴さを備えていく。ココでの実験を糧にして、中田氏は職人プロデューサーとして進化をしていくつもりなのかな。とにかく、capsule には今後も最先端を突き進んでもらいたい。

●全然カンケイないハナシ。「capsule」って綴る度に連想してしまうんだけど、マンガ「ドラゴンボール」のヒロイン、ブルマちゃんって「capsule corp.」というハイテク企業の社長令嬢って設定があったよね? おっきなメカをちっちゃいカプセルに収納して、使う時はボンッとカプセルを破裂させると中身が出て来るみたいな。あまりにも古い時期の「ドラゴンボール」だから、記憶が不確かだけど。どうしてもブルマちゃんのカオがちらつく…。


中田ヤスタカの別ユニット、COLTEMONIKHA。

COLTEMONIKHACOLTEMONIKHA
(2006/05/17)
COLTEMONIKHA

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COLTEMONIKHA2COLTEMONIKHA2
(2007/09/26)
COLTEMONIKHA

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COLTEMONIKHA「COLTEMONIKHA」2006年
COLTEMONIKHA「COLTEMONIKHA 2」2007年
●デビューしたばかりの capsule は、ボクにはPIZZICATO FIVE のマネっこばっかで退屈だったのです。それは前の記事にも書きました。(その記事へリンク)しかし中田氏は、決してエレクトロ魂だけのプロデューサーではなく、チャーミングな女子ポップスも大好きだということは忘れちゃいけない。で、自分でもそう思ってるのか、初期 capsule 女子ポップス部分だけを抽出したユニットを同時並行で走らせている。それがこのユニット、コルテモニカ
マジで甘い。ダンスミュージックという軸はぶれてないけど、今の capsule みたいに歌詞がビートに埋没するような過激さはない。ボーカルにフィルターはかかってないし、ウイスパー系の萌え声にまとめてる。萌え声で「みーみーまみもー」「やむやむやみー」とか歌ってる。アレンジはデコラティブで多彩。時に疑似ボッサとかラウンジーとか。マジで PIZZICATO FIVE がアタマをよぎる。中田ヤスタカのバランス感覚を楽しむ。


突然だけど、木村カエラ。

JasperJasper
(2008/02/06)
木村カエラ

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木村カエラ「JASPER」2008年
なんでカエラちゃん?彼女は元気なロック少女でしょ、と思うでしょ。この曲だけプロデュースが石野卓球(電気GROOVE)なの。ジャケもバリバリのニューレイブスタイルだし。
●トラックは石野卓球ソロによく見える、手数の多いザクザクした高速テクノの路線。でもシッカリポップスに着地する手堅い仕事になってる。とくにCメロへの急展開がダイスキ。いつもムダだなと思ってるシングルのインストトラックですら楽しめた。半ば電気GROOVE風のリリックに影響されたかのような、無意味寸前のリリックBYカエラちゃんもナイスっす。
●でも残念ながら卓球プロデュースはコレ一曲でカップリングはいつもの元気ロックだった。


最後は「男子エレクトロ」。電気GROOVE。

YELLOW(初回生産限定盤)(DVD付)YELLOW(初回生産限定盤)(DVD付)
(2008/10/15)
電気グルーヴ

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電気GROOVE「YELLOW」2008年
今年は二枚のアルバムをリリース!マジでビックリ!前作「J-POP」は8年ぶりのリリースだったんだよ!ソレが今度は半年でアルバム投下。早過ぎる!
●前作「J-POP」は、アルバムタイトルを深読みして、彼らなりのジェイポップ批評を嗅ぎ取ろうとしたけど、正直、彼らが何度もインタビューで言ってる「深い意味はナニもないです」つーのがホントの本音だというのが、聴き込んだ上での最終的な結論。そんで矢継ぎ早に打ち出された新作も、やはり前作同様の、笑いさえ消え去ったナンセンスの荒野が広がるエレクトロ無間地獄でした。
●前作の段階で曲のストックは一杯あったらしいけど、なんかメンドクサイから全部最初から作ったという楽曲群は、「ツアーをこなしながら、その途中で作った初めてのケース」だったらしく、ある意味肩のチカラが抜けてて、現場(ライブ、ダンスフロア)での有効性に特化したシンプルさが素直に出てる。そんで結果として実に野郎臭い匂いを放つに至った。コレをクルマでラウドにかければ、助手席の彼女は憮然と「あのさ、このCD変えてくんない」というだろう。「女子エレクトロ」「乙女ハウス」にはあり得ない反応だ。仕方がない、コレは「男子エレクトロ」なのだから。

●ボクはミュージシャンでも音楽業界の人間でもないからホントに不思議なんだけど、どうしてこうも低音の響きに差が出てくるのだろう。この「YELLOW」のキックの強さの満足感たるや、今日取り上げた全ての音源の中でズバ抜けて最高なのよ。しかも、BOSEのシステムでもiPodでも多分どんなオーディオでも間違いなくヘヴィイに低音が響くのよ。で、ダンスフロアで聴いたら失神するかもってくらい効くんだろな。
●そんで、反対に彼らはそのヘヴィイなキックとベースだけしか提供しない。歌詞は意味不明で聴き取れもしない。上モノも最低限。原始アシッドハウス回帰。スコップでザクッと重低音をすくいあげて、燃え盛る蒸気機関のカマに放り込んで出来上がり!はいよ、冷めないうちに喰えよ!という大味テイスト。まさにコレが「男子エレクトロ」中田ヤスタカのアレコレのプロデュース技術も、シンプル過ぎるこの攻撃には小細工にしか見えない。さすが日本の誇るテクノゴッド。……あ、コレホントに一般的な聴き方じゃないから。真に受けると痛い目会うかも。ノレナイ人には退屈で苦痛かも。彼らはもう90年代の電気GROOVEとも違う領域に入ってるからね。



ハナシは、紅白歌合戦にいきなり戻ります。
●ラインナップに関わる、ボクの注目したポイントは、ハロープロジェクト勢の全滅。1998年モーニング娘。の出場以来、ズーッとハロプロは関連ユニットも含めて必ず食い込んできたのに。うーん、ここでひとつのディケイドが終ったのね…と感慨深い思いが。
●正直、昨今のハロプロに興味は持てないんだけど、コドモの見てるアニメ番組でたまたま耳に刷り込まれちゃったハロプロ系ユニットが、今年は2曲もあるので紹介しちゃいます。「コイツ、アイスランドのヒップホップからハロプロユニットまでチェックしてんのかよ…」と呆れる方もいるでしょうが、節操なく聴きまくるのがボクの主義。


アナタボシアナタボシ
(2008/04/30)
MilkyWay

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MILKY WAY「アナタボシ」2008年
●アニメ「きらりん☆レボリューション」の主題歌でした(10月クールで変わっちゃったけど)。主人公のオンナノコ月島きらりちゃんがアイドルを目指してがんばる物語で、モー娘最後の大物(?)久住小春が、アニメの声優、主題歌をゼンブ担当してたモノ。久住オルターエゴのソロ活動として「月島きらり」名義のCDリリース&パフォーマンスをしていた。プロレスラーみたいね。武藤敬治&グレート・ムタとか。
●で、現在アニメの主人公は三人組アイドルユニット「MILKY WAY」で活躍中。ストーリーと同時進行で、「ハロプロエッグ」(←プロ野球で言うトコロのファームみたいなもんなの?)から二人のシンガーを抜擢、アニメと同じようにリアル「MILKY WAY」を結成する。もちパフォーマンスでもアニメのキャラを引っ張ったまま。
●そんで彼らの持ち歌がこの「アナタボシ」で、そんで結構イケル。タンバリンをたんたん鳴らす振り付けがアニメのアクセントになってるんだけど(おもちゃメーカーのマーチャンダイズアイテム)、コレをうまく活かして、しかもアイリッシュダンスを意識した高速リズムアレンジがハッと耳を惹く。多分ツタヤの100円中古に埋まってるから見つけたら聴いて下さい。

ロッタラ ロッタラ(通常盤)ロッタラ ロッタラ(通常盤)
(2008/11/12)
Buono!

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buono!「ロッタラロッタラ」2008年
●これもアニメの主題歌。「しゅごキャラ!」ってヤツで今我が娘ヒヨコ5歳の最高のお気に入り。buono!(ボーノ!と読む)は Berryz工房 ℃-ute のエースを集めた三人組で、もう5枚もシングル出してる。
「ロッタラロッタラ」ってなんだよ?って思ったけど、「LOTTA LOVE」を連呼してるのよね。ひらすら「LOTTA LOVE LOTTA LOVE LOTTA LOVE」とリフレイン。もう分かりましたね。バリバリのアイドルソングだけど、元ネタは LED ZEPPELIN「WHOLE LOTTA LOVE」1969年ですわ。世界で最初のハードロックリフとして有名な「ダダーダダー ガッ!ガッ!ガッ!」ROBERT PLANT が歌ってました。「WHOLE LOTTA LOVE…WHOLE LOTTA LOVE…WHOLE LOTTA LOVE」って。
「ロッタラロッタラ」のサビには「胸いっぱいの愛」ってフレーズが何回も出て来る。もうココで間違いなし。「WHOLE LOTTA LOVE」の邦題は「胸いっぱいの愛を」だもん。作り手がお茶目な遊び心を忍び込ませてるのが愉快。アニメ見てる子たちには分かんないけど、さて子供のパパさんたちにこのパロディがどれだけ伝わるだろう?ってスタッフが楽しんでいるのが見える。

Led Zeppelin IILed Zeppelin II
(1994/07/04)
Led Zeppelin

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