自律神経失調症とのお付き合い(その91)~「初めてヨガに挑む!」編
●今日の午前中、生まれて初めてヨガに挑戦した。そしてその結果、クッタリ疲れたのか午後に爆睡。目覚めてみるとカラダのアチコチが痛い。うーん、ただ一発目の感触としては悪くない。うん、楽しかった。

午前10時。お気に入りのカフェの二階に、ヨガ教室はあったのだ。
●シモキタザワはナマケモノの街なので、ワンサカある商店街も10時前では全部クローズしてる。フツウの店でオープンは11時、遅ければ13時、14時の店もある。人気のない休日の静かな商店街をサクサク歩くのは新鮮だ。
●常設の教室ではなくて多目的スペースを曜日借りしてるみたい。そんなに広くない…20畳程度の広さ?「こんにちわー」と声をかけるとカーテンの向こうから「ちょっと待ってくださーい」…あ、着替え中…申し訳ない…。2分待ったらスマートな女性が出てきた。年齢はボクよりも上だと思うけど、笑顔も声も明らかにボクよりヘルシーで若々しい。「unimogrooveさんですよね!」あ、ボクの名前をもう覚えてくれてたんだ……センセイには電話で予約する時に、ボクは自分の病気のコトも休職のコトも全部細かく説明しておいたのだ。


なんで、オマエがヨガなの? と、思うでしょ。ボクもそう思う。でもアレコレ考えたのよ。
●このヨガ教室のブログには 090 で始まる番号とドコモのアドレスが書いてあった。携帯に直電してアポ取る仕組みみたい。しばらく留守電ばっかだったが、3日目にやっと繋がった。「あのー、ボクは自律神経失調症を患ってまして……ヨガにはナンも知識がないんですけど、なんとなく今のボクには向いているのではないのかと勝手に思った次第で……」電話の向こうのセンセイはハキハキと応対してくれたので、ボクは自分のカラダがいかに不甲斐ない状況になってるか子細に説明したのだ。
自律神経失調症を患ってから、ボクのカラダはマトモに動かない。社会復帰のためには、コレを打開する必要がある。そもそも元々体力に自信はないし運動経験もないボクである。カラダ動かすのは大キライ。ただ、休職するほど病気の症状が極端に進んだ結果、マジでカラダが動かせなくなってた。こりゃ困った。


具体的に言うと、休職直後は、駅まで往復10分の道程を歩くことができなかった。
●駅前商店街まで到達したら、2時間ほど休憩して体力を回復し、それで家に帰る。これが最初期のリハビリ。極端な時には400メートル歩いて気分が悪くなり、その距離を移動出来ず家族にクルマで迎えに来てもらったほどだ。今はシモキタザワのカフェに異常に詳しくなったが、それは休憩場所(避難場所)として当時のボクには超重要情報だったからだ。
●リハビリが進み、今は歩行距離が格段に伸びた。毎朝、駅一つ分前に下車して、浜松町~新橋を徒歩通勤しているし、電車やバスを利用してある程度フツウに移動出来る。しかし、まだ限界がある。ボクにとっては新宿駅南口(小田急線)から伊勢丹までは危険距離で、雑踏のストレスも加えれば十分遭難する可能性が高い。六本木駅からヒルズエリアも危険距離だ。絶対バスを使う。渋谷はタワーレコードが限界点で、NHKホールまでは到達しないだろう。ロフトまで往復して帰宅後寝込んだという実績もある。
●そんな訳で、ボクには出来ないことがまだたくさんある。まず行列に並べない。長時間立ってられない。買物もなんとなくブラブラチェックは無理。ジョギングは複数の医者から禁止されてる。自殺行為だとさ。東京マラソンの松村邦洋になってしまう。

下半身はマダいい、上半身のリハビリはもっと難しい。
●下半身つまり足は毎日使うので、歩くだけで筋力の回復に繋がる。しかし上半身は、日常生活で負荷をかけるチャンスがない。筋力や持久力は衰えたままで回復しない。腕もスゴく細くなった。ヒドい肩コリと背筋の痛みはまだ克服出来ない。
一昨年の段階では、ボールペンが握れなかった。握力が失われてて、無理すればヒドい筋肉痛に襲われる。指のスジがツる。ボクにとってはPCのキーボードを叩く方が10倍自由だ。今は「宅建資格」の勉強を通じて、やっとボールペンは操作出来るようになった。
●しかし、調子に乗って筋力を鍛えようとダンベル体操をしたら地獄の苦しみを味わった。腕の筋肉痛を通り越して、ヒドい肩コリと背筋の痛み、頭痛まで引き起こす。鍼灸のセンセイ曰く「そんなムチャ出来るカラダじゃないわよ!」結果ボクのやれるコトはラジオ体操だけである。
「水泳はどうか?」と薦められたことがある。悪くないと思った。ボクはカナヅチではない。しかし、一度だけ挑戦して、15mでもうダメだと悟った。平泳ぎで大きく水をかいだだけで、二の腕、脇の下、ロッコツまわりの筋肉がツッた。こんなトコロに筋肉があったのかという場所の筋肉が、ビキビキにツリまくって、死ぬほどウンザリした。ああ、もしコドモが溺れても、ボクはコドモを助けられないだろう。夏の川遊びでお父さんが溺れ死んじゃうニュースを連想した。あのお父さんたちも、自分の水泳能力が極度に落ちているコトに気付いてなかったに違いない。


それでだ、「ヨガ」だ。

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Nintendo Wii

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●ワイフの実家の皆さんがニンテンドー Wiiヨガをやってると、ワイフが言う。コドモたちもジジババのウチにある Wii は大好きだ(我が家は基本ゲーム禁止)。ふーん、ヨガねえ…。確かにヨガはカラダをユックリ動かすので無理な負荷をかけないかもしれないし、それでいて全身を射程距離に入れた運動だ。コレはボクの救いになるかも知れない。
●しかし、コナミのジムや、エグザスのスタジオに行って、ヨガのクラスにこのボクが挑戦出来るか?タダでさえナニが起こるかワカランカラダだ。30人ぐらいのスタジオの中で、ボクが足ツって悶絶しててもインストラクターのセンセイは助けてくれるだろうか?よしんば助けてくれても30人のセッションを中断させるのはこっ恥ずかしいのでヤダよ!不安でやる気になれない。

そしたら、記憶のスミから、シモキタのカフェで見つけたヨガのポストカードが出てきた。
●とあるカフェでポストカードを手に取った覚えがある。残念ながら紛失したが、コレが趣味のイイカードだった。世田谷区によくあるような小さな並木の遊歩道、生い茂る立木と逆光で受ける太陽、そしてそのスミにひっそり奇妙な姿勢で倒立する女性。そんでハジッコに小さくURL。一見ヨガ教室のフライヤーには見えなかった。
ヨガ教室の広告ならもっとダイエット効果とか健康美容効果を羅列すればいいものを、ヨガ~!と押し付けがましくないバランスに好感が持てた。こういうセンスのよいモノを作れる人なら、信用できるような気がする。よし、あの教室を探そう!……ネットを検索してセンセイのブログに到達するのは簡単だった。

●電話で話した所によると、フリーの立場で様々な場所にクラスを持つセンセイは、小規模クラスで最大8人程度しかイッペンに相手をしないという。センセイとの距離が近いのはボクにとっては安心だ。センセイに自律神経失調症の知識がどれだけあるのかは計りかねたが、細かく相談に乗ってくれるような気がする。でもボクはホントにヨガの知識がないのだ。ボク「あのー、ジムで履くようなスニーカーとか用意した方がイイんですか?」センセイ「うふふ、ヨガは裸足ですよ、靴下も履きません」

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(ボクのヨガに関する全ての知識はこの本の内容だけ。「嫌われ松子の一生」で自我崩壊寸前まで追い込まれた中谷美紀さんが、ホウホウのテイでインドに逃げ出しヨガの修業をするつもりが、パスポートを盗まれたりと珍事件に巻き込まれまくる紀行エッセイ。賢く真面目な彼女の文章が、オマヌケな事件に出くわした時の動揺を丁寧に説明する様子自体が妙にオカシクて、ボクはクスクス笑っちゃった。そん時は自分がヨガをするハメに陥るなんて思っても見なかったけど)



クラスの開始時間。10時15分。
●他のメンバーさんは、50歳代の男性と女性、ボクと同い年くらいの茶髪の女性、そしてショートヘアのオシャレな20歳代の女性。ボクを含めてたった5人。男性はややメタボだが快活でアイサツの声も大きい。ショートヘアの女性はロハススタイルを実践しているようなヘルシーオシャレのオーラを発していた。そうなのだ、健康産業は健康に興味津々な人がマジョリティで、健康をゴッソリ損なった人はマイノリティなのだ。明らかにこのメンバーの中でボクが一番ヨボヨボである。病気になる前もジムに通ってたことがあるが、深い疎外感を感じてた。センセイが醸すアットホームな気分がボクの救いだ。ヨガマットをはじめとしたグッズは全部教室で貸してくれる。ホントに身一つでイイのだ。


思った以上に解剖学的な解説をつけてくれるセンセイのヨガクラス。
「今日は骨をイメージした内容にしてみましょう」センセイ小学生向けの人体図鑑を開き、筋肉や骨格のページを開いては、ポイントになる関節や骨について話をする。「フツウ皆さん骨盤と言ってますが、骨盤は二つの尾てい骨が間の仙骨とセットになってるモノです。仙骨はその先についてる尾骨と一緒で脊髄の最後のブロックでもあります。この仙骨と尾てい骨を別々に動かすことは出来ませんが、股関節をウマく動かすことで、脊髄経由で伝わる神経の流れを良くすることができます。股関節をよくイメージして今日は動いてみましょう」おおお、ヨガってのはもっと不可思議な専門用語が出てきて神秘主義っぽいモンだと思ってた。実に明快な解剖学的知識から出発するのね!こりゃオモシロいわ!

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それから90分間ほどセッションは続いた。
●一つ一つの体操のバリエーションはとても説明しきれないので割愛するが、センセイの指示は簡潔でリズムよくカラダを動かせた。チルアウトなBGMをバックに、センセイは細かく矢継ぎ早に指示を出す。「ハイこの姿勢で3回呼吸、1回…2回…3回…。そしたら両手を天井に向けて掌は外側に。で、右手を上にして腕を交差、指と指を絡めて…そのまま右に倒す…その時、肩甲骨が床を転がるのを意識して…胸骨を内側に引っ込めて、肩甲骨が広がって行くのを感じて下さい…」
●漫然とカラダを指示されたように動かすのではなく、常に筋肉や骨格の動きを自分の意識で追跡するよう指示される。丹田から真横に線を伸ばした辺りの骨盤の位置を意識して…、胃から十二指腸、小腸大腸へと呼吸を送り込むように…、首の下にある甲状腺がスーッと伸びるのを感じて…、奥歯の力を緩めて、さらに奥歯の裏、アゴ、首のチカラを緩めて…。この感覚は、ボクの経験だと「自律訓練法」やピラティスによく似ている。
「自律訓練法」は自己暗示で手足の緊張を解除する心理療法のテクニックだが、その時に右腕、左腕、右足、左足と、緊張を解きほぐすために意識を集中させる。カラダの特定の部位に意識を集めていくのはヨガに似ている。しかし、慣れればもっと細かい筋肉を調整できるが、一本の骨、一回の呼吸まで厳密に操作するヨガのような厳密さはない。
ピラティスは、以前仕事関係で簡単な講習を受けたことがある。ピラティスは厳密さで言えばヨガを上回るほどだったかも知れない。腹筋の中の奥にある右から斜めに走るナントカ筋にチカラを入れろなど、素人には理解不可能な指示がバシバシ出て戸惑った。だが、ピラティスは明確に筋肉トレーニングを目指していたが(アレはバレエダンサーや器械体操の選手のトレーニングとして考案されたんでしょ)、ヨガは筋肉に困難な負荷をかけようとしなかった。目指すのはリラックス。筋肉からいかにチカラを抜くかを指示された。ストレッチのようなポーズでも、筋肉を伸ばすのではなく、呼吸で弛緩させるようなイメージを感じた。

●呼吸に意識を集中させていると自然と目をつぶって、センセイの指示を耳だけで捉えてしまうのようになるのだが、ふとセンセイのポーズを見ると、おそろしく洗練されたキレイな姿勢でビックリする。人間、姿勢だけココまでキレイに見えるか、と思ったほどだ。身長はボクと同じくらいのはずのセンセイが、ズッと長身に見える。手足が真っ直ぐってセクシーだわー。
●一方ボクは普段から姿勢がクシャクシャに悪いオトコで、グレン・グールドのように猫背の姿勢でピアノを弾く様子とかをカッコいいと思ってる節もある。そんなヤツなので、今日のセッションでは真っ直ぐ立つだけの行為が出来なくて衝撃を受けた。両足の親指とカカトをつけて立つとグラグラしてしまうのだ。

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(カナダのクラッシックピアニスト、グレン・グールド。1932~1982年。天才とも奇才とも言われた。多分その実態はかなりの変人。)


クラスが終わると、センセイがドリンクを振る舞ってくれる。
「グレープジュースで割ったノニでーす!ノニはスゴくカラダにイイんですよ!」ノニタヒチ原産の果物で、緑色の汁を薄めて飲むのがレギュラーだ。一部の健康マニアの間ではスゴく評判がイイ。が、コレが死ぬほどマズい!かつてボクも仕事先で知り合った人に薦められたのだが、とても飲めたシロモノではなかった。申し訳ないことに大瓶一本頂いちゃったのに、一口も飲めずにダメにしてしまった……後で知ったが、なんと大瓶は2万円以上する高級品だった!
●でもグレープジュース割りはフツウに飲めた。十分に薄めてくれたのだろう。本来高価なノニジュース、そう簡単にサービスで振る舞えない。「ワタシはノニ毎日飲んでますよ!苦手って人もいますけどね。そういう方はむしろカラダにオカしい所があって、カラダがノニを受け付けないってコトも考えられます」あーボクはまさしくそのケースだ。ドコもカシコも自信を持ってオカしい。

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(センセイおすすめのブランドのノニジュース。ノニにも色々なブランドがあるみたいで…。)


●次回のヨガは、ゴールデンウィーク明けだ。カラダの虚脱は否めないが、今までやったスポーツの中でイチバンの手応えを感じた。もっとヨガに詳しくなりたいし、もっとカラダを自由に動かせるようになりたい。

●以前の「自律神経失調症とのお付合い」シリーズは下記の記事にまとめております。ご参考に。
 http://unimogroove.blog4.fc2.com/blog-entry-557.html

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