今週、会社診療所でカウンセリング。メイドカフェトークで盛り上がる。
●センセイ「先週、今週はどうだった?」えー、マンションの管理組合の都合で資格講習を受けたんですよ。内容もよく分からない講習を、しかも秋葉原にある講習所というアウェーな場所で、二日もカンヅメ拘束されるってのは結構病気的に不安でした。でも、結果的に無難にこなせましてですね、で、達成感で気分もよくなったんですよ。そんで帰り道にメイドさんたちがチラシを配ってたのを見て勢いづいちゃって、そのままメイドカフェに行っちゃったんですよね。
●センセイ「ほう!それはスゴイね、どんな所なんだい、メイドカフェってのは?」 いやーオモシロイ場所でしたよ。カフェオレがおいしくなるように、メイドさんと一緒に魔法をかけましたよ、「おいしくなぁーれ!ミュンミュン!」って。センセイ「お金は安いの?」ぼく、キャバクラみたいなモンとイメージしてたんですけど、仕組みも雰囲気も大分違いました。単価は安いと思いますが…ホットケーキセット頼んで2000円でしたかね。センセイ「今度、機会があったら連れて行ってね」
●資格講習を受けて、メイドカフェに行く根性があれば、経過は順調だろうと思われたのか、ボクの会社滞在時間はさらに延長され、9:30~18:30になった。つまりウチの会社の就業規則が定める勤務時間と同じ時間になって、リハビリも最終段階突入だ、ということだ。メイドカフェでカウンセリングが盛り上がってリハビリ最終段階とは、なんとも愉快なもんだ。


秋葉原。この街は時代の境目を示す断層みたいなモンをさらしだしてる。
●資格講習で訪れた久しぶりの秋葉原は、なんか異様なテンションをむき出してて不思議な感じがした。巨大なヨドバシカメラつくばエクスプレスの駅が出来て人の流れが一変し、自慢の電気街は必ずしもこの街のメインストリートじゃなくなった。UDX をはじめ超高層オフィスがニョキーっと林立し、ピカピカの存在感を放っている。
●一方、かつては電気街の顔だった家電量販店たち、ラオックス九十九電気、サトームセンといったお店が姿を消したり、シャッターを下ろして無残な屍をさらしたままになってる。駅に併設されてた「アキハバラデパート」は、梅図かずお「漂流教室」のように建物全体が未来へワープしたかと思うほど、キレイにスッパリ切り取られて消滅してた。ここのお店の軒先は、かつて実演販売の聖地で、口達者なオジサンたちが、ユニークなカタチの包丁とかを巧みに操って素晴らしいプレゼンしてたんだけどな…。今はメイドさんがチラシ配ってる。
●でも、高架下の部品屋さん地帯が残っててよかった。でも少しスケールダウンしたかな…。超小規模のお店が高密度に集積し、細かい電子部品をザラザラ並べているあの場所。この気分は映画「ブレードランナー」ハリソン・フォードがうどんをすすってた未来都市ロサンゼルスに匹敵するサイバーパンクぶりだし、ウォン・カーウァイが見たら「天使の涙」冒頭の重慶マンションでのロケシーンを、この場所で撮り直したいと言うに違いないと思う。そんくらい特殊。誰か写真集としてココの記録を残して欲しいな。きっとこの手のパーツ屋さんは姿を変えて、ボクの知らないこの街の日陰に潜り込んで、より熟成されていると思う。

で、目下アキバのエッジーな部分を代表するのは、パフュームもビックリの「コンピューター・シティ」の側面だわ。
●つーか、PCそのものよりも、PCにまつわるコンテンツとその周辺文化が、街の表面を膜のように完全に覆い尽くしたというか。世界標準言語「OTAKU」という大味な言葉じゃもうくくりきれない、多彩に分化したエッジーなカルチャーが、門外漢には見えない秩序で折り重なり、極彩色のグラデーションを織り成している。
●まー、そんなゴタクはどーでもよくって、とどのつまりは、中古ゲームショップとか自作PCパーツ店とかトレカショップとかガシャポン専門店とかアニメ美少女のビルボードとか初代ファミコン・スーファミのようなオールドスクール・ゲームのワゴン売りとか「同人女子向け」「男子向け」という言葉とか麻生首相のイラストを刷り込んだおミヤゲお菓子とか、一見さんにはちと理解が難しい価値観のバリアーが張ってあるようで、素人のボクは少々ひるんだのでありました。


なのに、メイドカフェ。
●自分をアウェーに放り出す感覚。ちょっぴりの冒険心。これは楽しい。ボクの全人生はそんなよそ見運転と脇道探検遠回りで全部出来ているような気がする。やんなくてイイってことに首を突っ込みたくなる。それが自分にとって苦行であったり、趣味や信条を裏切る場合でもやってしまう。コレはボクの性分。
メイドカフェに吸い込まれる瞬間は、完全に「おーオマエほんとに行かなくちゃいけねーのか」とビンビンに心の中の常識感覚が叫んでるんだけど、看板を見て「ボッタクリじゃねーよな」とかの最低限のチェックだけして、ボクは雑居ビルのエレベータに滑り込んでしまったのだ。

「ご主人様のご帰宅でこざいまーす!」
●広くない店内に10人ほどいるメイドさんが明るい声でお出迎え。うぉー、ひるむぜ、いきなり出鼻からメイドさんモード!「ご主人様、こちらへのご帰宅は初めてでらっしゃいますか」は、はい、そうです。マニュアル通りにテキパキお店の仕組みを説明してくれるメイドさんの顔が恥ずかしくて見られない。だって、マジでフリフリのメイドさんなんだもん。どこ見ていいのか…?「今日は雨の日なので、特別の雨の日用制服なんですよ!わたしも初めて着るのですごくうれしいんです」あー、だからリボンが水玉なのね、そっかー!カワイイねー!…ヤベえ!気圧される!コッチもテンション上げないと!キャバクラよりもテンション上げないと、ついていけない!「メイド」というキャラがカッチリ決まってるだけに、彼女たちのテンションは普通女子とは明らかに違い、ハイレベルにデフォルメされ、アンプリファイされてる!マジ真剣勝負!(←オマエ、本当にココが勝負のしどころなのか?)
●メイドさん「本日は、平日限定のホットケーキセットがオススメです!ソフトドリンクとホットケーキがセットになっておりまして、ご主人様の目の前で、メイドがチョコレートクリームでニャンコのお顔をケーキの上にお描きします!あと、お好きなメイドとチェキで写真も撮れます!」あっそー!それじゃ、それお願いしちゃおうかなー!(ボク、必死にアゲテマス)メニューを見ると、ソフトドリンクだけじゃなくちょっとしたお酒もあるし、オリジナルカクテルをメイドが目の前でフリフリしてくれるサービスもあり。料理はガッツリオムライス(やはりケチャップでメイドが絵を描いてくれる)やスパゲティもあった。

●店内を見渡すと、テーブル席には女性客もいるしカップルもいる。外人さんが物珍しげにキョロキョロしているのも見える。そこだけ見ると普通のカフェと同じレイアウトだ。しかし、ボクが案内された席はカウンター型で、男性ソロ客は全部カウンター席に座らされてる。カウンターを挟んでメイドさんとトークするのだ。驚いたのが隣の男性。普通に茶髪の今時風の若者なんだけど、カウンターに広げているのは大量のチェキ写真の数々。たくさんのメイドさんと彼が2ショットでニコニコしている。100枚は下らないぞ…アルバムにキレイに整理されてる…きっと常連さんなんだ…。彼はその後、ステージ上に上げられ、「本日でご帰宅(紛らわしいけど、つまりは来店という意味なのね)が200回になりました。メイド全員と記念撮影させていただきます!」と表彰されてた。めちゃうれしそうだったし、メイドさんとも超馴染んでる。
●メイドさんに声をかけて聞く。ねえねえ、200回も来てるってすごいよね、そんな常連さんがいるんだ?「200回は珍しくないですよ。2000回って人もいますから」2000回!彼女いわく、来店回数に応じてカードがお客には与えられるのだが、200回でクリスタル、1000回でプラチナ、2000回でブラックカードにランクアップするらしい。すげえ…。「ご主人様は今日初めてですから、ブロンズカードを差し上げます!」あ、ありがとう!
●冷静に見渡すと、メイドさんにフレンドリーに会話しているのは、一部のお客だけ。接客に不均衡がある……いや、そうじゃない……彼女たちメイドさんはメニューにあるサービスはカッチリアレコレやってくれるのだが、いわゆるキャバクラのような一対一接客はしないし義務付けられてもいない。彼女たちは毎日顔を会わせているような常連さんと、素の知り合い感覚で自由にトークしているまでなのだ。何もしないとホントに放って置かれちゃう。しかし、彼女たちの関心を引きつけるには500円支払ってピコピコゲームに興じるなど、サービスをアレコレ注文しないとダメだし、常連さんたちはそれに大金と時間を投下してフレンドリーな関係を積み上げたわけだ。これではキャバクラとコストパフォーマンスを比較できない。むむう。あなどれぬ。奥深い。

●すると、ボクが注文したホットカフェオレがやってきた。「砂糖とミルク、お使いですか?」あー、ミルクお願いします!…冷静に振り返るとカフェオレにミルクってオカシイぞ。「はーい、それではミルクをたーっぷり入れて、いっぱいおいしくなるように一緒に魔法をかけましょう!わたしが、『いっぱいいっぱいおいしくなーれ』と言ったら、そろって『ニャンニャン』って言ってくださいね!」やりましたよ。男ですから。胸張って。「ニャンニャン」を。チカラいっぱいね!
●ホットケーキは、チョコレートクリームでネコちゃんの顔を描いて仕上げるのだが、代わりに他の絵もお願いできるという。他の絵って?「ワンちゃんとか、ドラえもんとか、アンパンマンとか…」じゃあ、バイキンマンを。「えー、そんなのかけるかなー、わたし絵ヘタだから」全然オーケーだよ、メイドさんだから!上手上手!うわー死ぬほど甘い、甘くて胃モタレするくらいだー。

「えー、チェキをお待ちの unimogroove サマ、ステージにお越しください」うわー呼び出しかかった。今からメイドさんと2ショットで記念撮影だ。さっき女の子の写真が並んだボードを見せられて、どのメイドがお好みですかって聞かれたんだよね。でも写真じゃよくワカランから、質問してきたアナタをお願いします、って言っちゃった。なんかミニモ二っぽいチビっ子でいかにもメイドさんって感じだったし。おテテでハートを作ってにっこりスマイル!「チェキに描き描きしてから渡しますね」わー、ステージ上で記念撮影してもあんま恥ずかしくなくなってるー。どっか麻痺したかなー。家帰ってこのチェキをワイフに自慢げに見せたら、スゴく怒られたもんね。

●なんとこのお店のメイドさんたちは、時にライブ活動をしたりして、しかもそのステージをDVDにして販売までしている。店内に流れるアニメソング風のBGMも、実は彼女たちのオリジナル楽曲なのかも。2000回ものリピーターを持つほどの強い中毒性があれば、タレント的な活動までもっていけるんだろうなー。反対に言えばリピーターが常に満足できる企画を絶えずクリエイトしていかないといけないのだろう。
●それと、もう一つ大事なこと。ココのメイドさんたちは、多かれ少なかれメイドさんであることを楽しんでる。単純にメイド服を着させられてるのではない。系列5店舗131人所属の女の子たち全員に、一定水準のサーヴィスホスピタリティを浸透・教育させるのは、他業種では至難の業のはずだ。しかし、「メイド」というキーワードが彼女たちの自発性を奮起し自然と高いレベルの職業意識を作ってる。多彩な企画も自然発生的に浮かび上がってくるのだろう。すごいビジネスモデルだ。

●お客は一時間単位でお勘定となり、カラオケのようには延長できないようだ。このルールで一定の回転率を保つことが出来る。よく練られたシステムだな。ボクのフシギな一時間は終わり、退出の時が来た。出口ですれ違ったお客さんは、「おっ、○○ちゃん!久しぶり!」とメイドさんに声をかけていた。常連さんになって馴染みの女の子が出来たら楽しいだろうな。
●帰りのエレベータでは、メイド服を脱ぎ武装解除した女の子と乗り合わせた。明るく染め上げた金髪と黒基調のゴス系私服。さっきまでの高テンションと、このエレベータの沈黙のギャップは大きい。メイドさんのハレとケ。雑居ビルを一歩出れば現実世界。いやー、イイ体験をしたわー。



秋葉原の魔窟。CDショップですら面食らった。
●中古ゲームショップもガレージキットのフィギュアショップも、完全にボクにはアウェーだ。でもCDショップはホームのはず。と思ったら、そうじゃなかった。ハイパーショック。

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「ソフマップ音楽CD館」
●一階は普通のCDショップで、ジェイポップを定価販売してるだけ。しかし二階に上がってビックリした。そこは「ゲームCD」「アニメCD」「ドラマCD」というカテゴリーの専門売り場で、「美少女系メーカー別」とかいう秩序で棚が構成されてる。んんんっ!一体コレはナニ?紛らわしいことにゲームソフトと一緒に売ってるから、この「ゲームCD」がゲーム音楽を収録したCDだと飲み込むのにすごく時間がかかった。アニメといってもボクが知ってるタイトルなんてないから、全部同じに見えちゃう。難易度が高いです。
「ドラマCD」ってのは果たして一体ナニが入ってるのか…イメージするのにすごくテコズッた。CDには「ドMの方にオススメします!○○ラジオ」とか「妹にまとわりつかれて眠れないCD」とかの帯コピー。むむむ、全然内容が分からない。一度試聴させてもらえたらいいのにな…。「ヤンデレの女の子に死ぬほど愛されて眠れないCD」ってのは強烈だわな。新しいぞ「ヤンデレ」!サイコに病んでてデレデレしてるのか~。ジャケの女の子が包丁持っててイカス。ボクは一応病気ヤロウだから、リアルなヤンデレにも心当たりがあるけど、モノホンは怖いぞー。

●ボクは、メキシコシティの路上でLPレコードをダンボール売りしてたオッちゃんとも楽しくトーク出来たし、中国・広西チワン族自治区の地方都市で海賊版VCDを一枚10円単位で叩き売ってる店でも普通に買物してきた。フィジーのインド系家電店で、ガラスケースに大切にしまってある十数枚しかないCDを出してもらってボリウッドダンスミュージックのオススメを教えてもらったりしてきた。
●そんな経験を踏まえつつも、ぶっちゃけ、今までで一番理解を超えたCDショップに出くわしてしまったと感じた。ニューヨークのヒップホップ専門店で、巨漢のブラザーたちが大声で楽しげに店員さんとトークしまくる中、たった一人異人種のチビとしてレコードを選んでる時よりも、100倍緊張しちゃった。しかもトウキョウシティのど真ん中アキハバラでだよ。マジで意味がわかんないんだもん……まだケツが青いぜ。トホホ。

●じゃあさ、そういう場合、スルーすればいいじゃん、わからないならさー。
●でもスルーできないのがボクの性分。特売100円で売られてたCDを一枚買ってしまった。「ゲームCD」のカテゴリーに入る物件らしい。

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33rpm featuring SIMONGER「CANDY☆GIRL」2005年
●ふーん、うん、普通のエレポップだ。多分そんなに立派な機材は全然使ってないと思うのに、特別な違和感も感じない。エレクトロの感覚になれたボクらの世代は、その機材が安かったり古かったりしても、それを「味」と捕らえる耳を育てた。元はウィンドウズ・マシンのゲームだ、ゲームで音を聴いてた人にとってはより高音質に聴こえるに違いない。個性的で面白いとは言わないが、ジェイポップにはこういうのがあっても別にいいじゃん、という印象。
しかし、ビックリしたのが、このCDの内容でなくって、元ネタになったゲームの内容。

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「ワルイコトシタイ」2005年(廃盤)
●調べたら、コレ、エロゲームでした。100%エロ。ほわー。CDのジャケットにも歌詞の内容にも全くその気配はなかったのに、純然たるエロゲーム。女の子のイラスト一枚CDにはないのに。そんなに名作なエロゲームなの?わざわざサントラを発売しちゃうほどの物件なの?
●商品として企画するとき、お客がコレをレジに持っていくとき、どんな動機付けが作用してるんだろう。エロゲームのBGMをもっと聴きたいなーって思うのかな?いや、コレがエロを超越したエンターテインメントなら、それもアリだと思うけど、ネットで見る限りそんなに名作ってわけでもないみたい…。それでもマーケットとして成り立つインディシーンがあるのかなあ。アーティストやシンガーに特別な意味があるのかな?うーん、奥の深い世界だ。

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