毎朝カオを出してる会社診療所。今朝はナースさんたちが全員マスク。
●あのーソレッて、豚インフルモードってコトですか?「ええ、一応」身近な場所で、フェーズ5シフトだ。パンデミック直前だ。



ああ、ヒマだ。
●会社滞在時間は伸びきったが、あくまでリハビリだから、やるべき仕事はない。…コレ一種の拷問。デスクでマンガ読んでも雑誌読んでも新聞読んでもネット見ても、毎日9時間のヒマをつぶすのには限界がある。
●だから、最近は勝手に会社を出て街をブラブラしてる。今日なんか、近所のドンキホーテで安いヨガマットを買い、ツタヤ「ポニョ」のDVDの予約をし、カフェでコーヒー飲みながら雑誌を読み、公園でひなたぼっこまでして、ヒマを潰した。
●で、ガム噛みながら新橋の駅前をボケーッと歩いてたら、なんと、横尾忠則さんがママチャリに乗って目の前を通過していった!どおおおお!横尾忠則だよ!なんで新橋で、しかもママチャリ?ビックリしてガン見しちゃったよ。向こうも、なんかヘンなヤツに見られてるなあって顔してた。薄い色のジーンズに水色のジャケット、そしてあのボサボサロングヘアをポニーテールに束ねて青のハンチングを被ってた。絶対横尾忠則!見間違いじゃない!


●とまあ、そんなミクロな報告はおいといて……とにかく最近はヒマ潰しのために試写会に行きまくってる。
日比谷や京橋など試写室のある街は、幸い会社のある新橋から近くて、歩ける程度の範囲だ。散歩の延長で映画三昧。で、今日は最近観た映画のハナシをいくつか。



白黒つけないグレーな複雑さを、そのまんまで宙に放り出すような、不安定さがリアルでした。

dear doctor

「DEAR DOCTOR」6月27日公開。
●監督:西川美和。出演:笑福亭鶴瓶・瑛太・余貴美子・香川照之・八千草薫。若手女流監督として活躍する西川美和さんの長編第三弾。テーマは、過疎地医療。人口がたった1500人の村で、たった一人診療所を切り盛りする医者を、笑福亭鶴瓶師匠が演じる。しかし、彼は映画冒頭で失踪する。彼がこの村にどうやって来て、ナニをして、どうして去っていったのか。その秘密が回顧されていく。
●前作「ゆれる」では、山深い田舎から抜け出して、都会でカメラマンとして成功した弟(オダギリジョー)と、その田舎に残り家業のガススタンドを営む兄(香川照之)の複雑な関係が描かれていた。どっちが恵まれた人生なのか、白黒つけられない関係。グレースケールのように淡く変化する気分が確かに「ゆれる」というタイトルを象徴していた。

dear doctor

●今度は、その山深い田舎に、外からやってきた男が主人公だ。高齢者ばかりの無医村にふらりと住み着き、いつしか住民から絶大な信頼を置かれるようになった医者。住民一人一人の名前を覚え、わざわざ患者の家まで出向いて健康診断をする。都会から研修医としてやってきたボンボンの若者・瑛太は、地域に密着した鶴瓶の仕事ぶりにいつしか強くあこがれるようになる。しかし鶴瓶には秘密があった。誰も彼の経歴も正体も知らなかった。しかし彼は無免許医。ニセ医者だったのだ。
●ここにまたグレーなグラデーションが現れる。彼は犯罪者として逃亡した。警察も捜査を始める。彼は無医村問題に特別な意識を持ってこの村に関わったわけじゃなかったし、結果的には信頼を寄せてくれた村人を裏切った。しかし、彼がいてこそこの村の住民は自分たちの健康に安心を持つことも出来た。彼が医者としてやったこと、でも医者じゃなかったこと、医者になろうとした動機、医者を辞めて逃げた理由。映画を観る人は、その一部始終を見ていく。そして知る。ニセ医者は聖人にも悪人にも見えるが、聖人でも悪人でもない。ただの憎めない男だし、普通に弱い男だ。
何重にも重なった入れ子構造の白黒関係が、実に人間くさいグレーの色を作る。そして彼に関わった全ての人の心にグレーの色を残していく。西川監督の作品には深刻な問題であっても、それを「突き詰めない」ゆるさが残されている。それは監督が女性だからという言い方はしたくないが、監督の強いパーソナリティに由来している作風だと思う。
●一番印象的だったのが、研修医・瑛太鶴瓶へ抱いた強い尊敬の思いと、失踪を知った時の錯乱ぶり。そして刑事との会話の時に見せる、物事を白黒ハッキリさせたい若者らしさ、単細胞なイノセントさを、静かに卒業してしまった瞬間の表情。見ごたえがありました。

●ちなみに、根性の脱臼感フリーペーパー「風とロック」4月号のオダギリジョー超ゆるゆるロングインタビューで、彼は西川美和監督をライバル視してると公言。「同い年だし、ほんとにいい脚本書いちゃうから、それはもう腹立たしいんですよ。くそっ、こいつだけこんな才能持ちやがってって思うし。」だって。



サイバラ世界の原点が映画化。&生サイバラ目撃。

女の子ものがたりパンフ

「女の子ものがたり」今夏終わり頃公開。
●原作は、西原理恵子の同名マンガ。四国のドイナカ出身である彼女の少女時代をほのめかす半自伝的作品を映画化。出演:深津絵里・大後寿々花・森迫永依など。毒舌サイバラ泣けるサイバラ、二つの持ち味を使い分ける西原センセイの、一番の「泣ける」サイドがピックアップされました。そんで見事狙撃されました。不覚にも泣きました。
●決して裕福と言えない四国の田舎で、三人の少女が少しずつ成長し友情を育む物語。いつしか三人は、大人にならなくてはならない時期を迎えて、それぞれの人生の分岐点がやってくるのに気付く。その様子が切ない。誰もが心当たりのある、もう後戻りできない子供時代の思い出のお話。

女の子ものがたり3ショット

●監督の演出方針は、パッと見カワイイ(でも実はただのロウファイ)画風のサイバラワールドを重視した模様。3人の少女たちの衣装をはじめ、色の配置を細かく工夫、決して画面や物語が暗くならないように、アレコレ手を尽くしてデフォルメしている。サイバラ作品全部の中にちりばめられてる彼女の故郷の描写は、明らかにスゴいゲットーで、一体ホントにこんな場所が日本にあるのかとビックリするほどの場所のはず。だが、映画は敢えてそのリアリズム描写は避けた。主人公の親友を演じた少女たちは、ティーン誌のモデルを務める美少女で、貧困の悲壮感を感じさせない。それでもクライマックスは見事涙腺を狙撃されちゃうんだけど。

女の子ものがたり記者会見

●ボクの見た試写会は、出演者あいさつがあって、深津絵里さんたちと一緒に、サイバラさん本人もステージに登場した。おー、あれが生サイバラ。フシギな貫禄がある…つーか、無駄に笑わないし…目がギロギロしてるし…。およ、会場のスミの席には、サイバラマンガでいじられまくってる高須クリニックの高須院長までいるじゃん。

女の子ものがたり女の子ものがたり
(2005/04)
西原 理恵子

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●原作「女の子ものがたり」は、故郷を出たその後の彼女を描く「上京ものがたり」、完全ギャグモードで、仕事をつかんでいく様子を描く「営業ものがたり」と続く。ほんで、現在「毎日新聞」に週一連載中の「毎日かあさん」が、育児モードのリアルサイバラさんを描いている。いわば、サイバラサーガがどんどん更新中ってこと。

毎日かあさん 5 黒潮家族編毎日かあさん 5 黒潮家族編
(2008/12/13)
西原 理恵子

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●第4巻の「毎日かあさん」は単行本書き下ろし部分として、元夫で子供たちの父親・カモちゃんのガン死が描かれていてる。これまた号泣モード。最新刊の第5巻では、普段のギャグモードにもどりつつも、世界各地の海でカモちゃんの遺骨を撒く様子が書かれてて、サイバラさん独特の夫の弔い方が出てて興味深い。
サイバラさんちのお兄ちゃんは実にアクティブなケモノで、それに比べてウチのノマドはとっても貧弱。ワイフに「今日は学校でトモダチと遊んでらっしゃいよ」と言われて「ヤダ!バトスピのニューカードのケンキュウをするんだ!」って泣きそうになりながら抗議する。そこはそんなにムキになる所か?あ、あと、先日買い与えた辞書を使って、毎日わかんない言葉を調べてる。「らせんってなんだ?マキガイのようなうずまきってかいてある?」辞書でココまで盛り上がるって、オマエ変人だよ。
サイバラさんちの妹ちゃんは、とっても利口な子。ウチのヒヨコはハイパー天然のままで、軌道修正のしようがない。ピーはねハズカシイくせがあって、それがどうしてもなおらないの」何?そのクセって?「ギュウニュウをぐいーってのむと、そのあと、ぜったいプハ~ッっていっちゃうのとー…」それは、ゆっくり飲めばいいだけだろうよ。「あと、ジブンのこと、どうしても、ピーっていっちゃうこと」…ヒヨコ、自分のこと「ピヨ」とか「ピー」とか言ってるの、ガッコウでもやってるのかい?「そうなのー」マジ恥ずかしい…イジメラレね-か?で、ピーって言って他の子はなんか言う?「なんにもいわなーい」……じゃあ、いいんじゃねえの?そのままで。

いけちゃんとぼくいけちゃんとぼく
(2006/09/01)
西原 理恵子

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●今年はサイバラ・イヤー。原作絵本「いけちゃんとぼく」も映画化されるし、「毎日かあさん」はアニメ化されちゃう。そんでこの「女の子ものがたり」ビッグコミックスペリオールでは新連載もスタート。ノッテマス。

自虐の詩 プレミアム・エディション [DVD]自虐の詩 プレミアム・エディション [DVD]
(2008/03/14)
西田敏行中谷美紀

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●DVD「自虐の詩」
●原作は業田良家の4コママンガ。監督:堤幸彦、出演:中谷美紀、阿部寛など。死ぬほど幸薄い主人公・中谷美紀が、瞬間的にブチキレてちゃぶ台をひっくり返すパンチパーマのチンピラ阿部寛に、盲目的に尽くしまくる物語。その救いゼロ状態をひたすら笑い飛ばすしかないコメディと見せかけて、「幸せってナニ?」という問いを投げかける作品に仕上がってる。
●で、「女の子ものがたり」と同じく、主人公の少女時代、そしてそこで知り合った親友を回顧するシーンが重要な役割を果たしてる。貧乏で誰にも相手にされないモノ同士が、人間関係の最低ポイントで出会い、似たもの同士が持つ愛憎まみれた感情をぶつけ合う様子。その意味ではこの「女の子~」と「自虐の詩」は近い感覚で感動できる物件だと思います。



日本海軍潜水艦艦長に、現代日本に望まれてるリーダー像を見ちゃったかも。

真夏のオリオン

「真夏のオリオン」6月13日公開
●太平洋戦争最末期、日本海軍の潜水艦「イ-77」とアメリカ海軍対潜駆逐艦の死闘を描く海戦アクション映画。監修・脚色に福井晴敏さん参加が、ボクの引っかかりポイント。実は「亡国のイージス」「ローレライ」も観てないんですけど、彼が執筆している小説「機動戦士ガンダムユニコーン」がアニメ化されるらしいとのことで、こりゃチェックしないとなと思った次第。「ユニコーン」は久しぶりの宇宙世紀モノで、ザビ家の遺児ミネバ・ザビちゃんが16歳のヒロインとして活躍する物語。脇役でブライトさんも出てくるみたいだし、「逆襲のシャア」で活躍する戦艦ネェル・アーガマも登場する。注目!
●主演は、玉木宏。ドラマ「ラブシャッフル」からの流れで注目度アップ。彼がオキナワ上陸戦へ物資を供給する米軍艦艇を13隻も沈めた、才能ある潜水艦艦長を演じる。ココも重要な引っかかりポイント。彼は今見ていたい俳優!今年は手塚治虫70年代の傑作を映画化する「MW(ムウ)」の主演も控えてる。
●脇を固めるのが、CHEMISTRY堂珍嘉邦。当然俳優仕事は初めて、イケメンぶりをドアップでお楽しみ下さい。そんで平岡祐太くん、初めてちゃんと観た。「スウィングガール」のヘタレくん以来だな…イイヤツっぽいけど、ココリコ遠藤さんに見えるんだよね…。渋みが滲みまくるベテランクルーには、益岡徹、吹越満、吉田栄作など。ドランクドラゴン鈴木拓が、相方に負けじと真っ当に役者しているのも見所。

潜水艦戦の息詰まる困難さ、見えない敵との心理戦、潜水艦映画の醍醐味はたっぷり。
●個人的な発見は、その潜水艦艦長というポジションの特殊さ。玉木が劇中で語るセリフが「潜水艦は自由だ」。規律の厳しい海軍の気風の中、潜水艦だけはいざ実際に作戦行動に入ればその艦独自の判断で行動できるという特例があるという。というか、戦闘状態に入った瞬間で味方との細かい連携など不可能になるかららしい。
加えて、潜望鏡から外を覗く事が出来るのは艦長ただ1人。潜水すれば海図とコンパスだけが頼りでメクラのままに船を操る。100人のクルーは巨大な金属に包まれた狭い空間で全く外界から遮断され、自分の位置も敵の位置もよくワカランまま艦長の命令に従い、モーターを動かし、魚雷を装填し、舵を動かす。つまりクルーは自分の命を艦長の判断に全部委ねてる。誰もが艦長の一挙一投足にビリビリに注目している。そんな時、常にどこか余裕を残し、笑みをたたえて部下をねぎらう玉木艦長は、限界状態のリーダーとして見習うべき部分があると思った。だれもがヤベえ!って思うタイミングに「おう、メシだ!メシ食おう!」とか元気よく言っちゃうんだもん。
世界金融危機以降、来月来期の会社が見えなくなった経営者のあわてぶりはホント見苦しい。完全ヒステリー状態になってコストカットだけを叫ぶ。潜望鏡で外を見ているのは経営者だけ、社員には外が見えないのは自然の道理。「会社は今や危機にある!それをキチンと理解しているのか?」と社員に叫ぶ経営者はナンセンスだ。アンタほど危機を理解出来る立場はいないのに、都合の悪い事実の説明は省いて、負担だけを部下に強いる。ああ、自分の社員をこの人は信用してないんだなーと感じる。そんなリーダーは愚かですね。

●一方で、いつの間にかCDデビューしてたのね、玉木くん。

SLOW TIME(DVD付)SLOW TIME(DVD付)
(2009/04/22)
玉木宏

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玉木宏「SLOW TIME」2009年
声はもう、あの玉木声なんで。芯のシッカリした少し低め。で、音楽はレイドバックなアフターサーフ風の爽やか系。ファンの方には大事なアイテムなのかもだけど…音楽好きとしてはそんなに重要じゃないかも。



息子ノマドと行ったのは、あのアニメの実写版。

ヤッターマン

「ヤッターマン」公開中。
●コレは友人がチケットをくれたから、劇場に息子と二人で見に行った。まわりのお客は、ボクらみたいな子連れがメインかなという予想を裏切り、櫻井翔くん目当ての女子中学生が多かった…。内容は……ボクの職場の後輩の言葉を借りると、「三池カントク、ありゃヤリスギですよ!好き放題悪ふざけしまくってるだけじゃないですか!」えーそのー、ボクもほぼ同意です。でも怒ったってしょうがないじゃん。そのヤリスギを笑うべきじゃん。実際大爆笑したよ、ボクは。そんでノマドも大喜びしてたし。
●監督:三池崇史、出演:櫻井翔・福田沙紀(ヤッターマン一号・二号)・深田恭子・生瀬勝久・ケンドーコバヤシ(ドロンボー)など。ヤリスギ感丸出しのCGフル出力。ぶっちゃけ役者はこの映像の出来上がりがどうなるか100%不明なまま、グリーンバックで演技してるんじゃなかろうか。
生瀬さんの、目玉を終始ひん剥く勢いでテンションを上げてる「ボヤッキー」ぶりは超マッドで最高!シラフじゃ出来ねーよこんなこと!ってほどの勢いが超笑える。アニメよりもグッと饒舌で、しかも的確なボケ&ツッコミが小気味いいケンドーコバヤシ「トンズラー」もナイス。アニメ版よりも好き。
●そして話題のフカキョン・ドロンジョ様。映画前半戦で登場する「ドロンボーの唄」3ショットのダンスの、全然やる気がコモッてない表情が爆笑。野比のび太から未来少年コナンまでこなす大声優・小原乃梨子(本人のカメオ出演アリ!)のオリジナルドロンジョに比べれば、あの独特の高飛車&スレッカラシ感はなくって、むしろ設定通りの「永遠の24歳?」らしい、気分の変わりやすいワガママ娘にデザインされててチャーミング。結果としてアリ!あのドロンジョ・コスプレ、ドンキホーテで売ったらすごく儲かると思う。
●家に帰る時、息子と二人で誰が一番カワイかったか話し合った。「パパはヤッターマン2号だったな」「じゃあオレはアイちゃん!」結局、福田沙紀ちゃんが親子でお気に入りだったと判明した。

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