プロレスリング・ノアの三沢光晴選手が、6月13日に亡くなりました。ご冥福をお祈りします。

三沢光晴(正直、マイケルの時よりも衝撃を受けた…。)

●ボクのキャラを個人的に知る人は、ボクがプロレスを語ろうなどするのが意外と思うに違いない。実際自分でも無謀だと思う。もっと熱い思い入れを持つ人こそが、かの英雄を語る資格があると思う。この文章で気分を害する方がいるのなら、最初にお詫びしておきます。

そんなボクがなぜこの悲報にショックを受けたのか。
●生まれた瞬間の小鳥が初めて見たモノを自分の親と思い込むのと同じ仕組みで、ボクにとっての純粋な「プロレス体験」は、まさしく「NOAH 体験」であり「三沢体験」なのです。鍛え抜かれた肉体のぶつかり合いを、生で、しかもリングサイドで見た経験。アレはあまりに衝撃的で、この激しいエナジーを得るがために人々が集まるのだなと、骨の髄まで思い知らされた。
●最初は仕事のお付き合いで、試合を観に行ったんだわな……たしか2005年頃……選手の名前もわからないし、きっとどんな技が決まってるかもわからない……楽しめないだろうな、と思って会場に向かった。そしたら、なんと用意してもらってた席がリングサイドだったのだ。どわー、リングサイドかよ!テレビでしか観た事ない風景が見えるよ!つーか、リングアウトした選手が目の前に転がって来るよ!
●そこからは、キラキラ光る照明の中で戦う男たちの華麗な技に、そのまま酔いしれてしまった。丸藤正道が空中を軽やかに回転し、相手の身体に絶妙な角度で飛び込む!KENTA の生意気で挑発的な顔!本来はベビーフェイスで身体も大きくない彼が、俊敏な動きと剥き出しの闘志で一回りも二回りも大きく見える。そして重戦車・秋山準。デカい…!いかにリングサイドの席でもテレビカメラのアップほど実際に近くに感じる事はできないだろう。でもその闘気は会場全体に放射され、一つ一つの打撃が目の前で炸裂するように感じられるのだ。ヘビー級の打撃で飛び散る汗で全身がズブ濡れになるかのように思えた。
●一番印象深いのは、小橋建太。常に満身創痍。度重なる欠場。その後腎臓がんまで患ってしまう。でも、小橋が力の限りに打ち込む袈裟切りチョップの渾身の連打は、彼が苦しんだリハビリ生活、鬱屈とした日々、復帰に向けた厳しいトレーニング、その全てを剥き出しに語ってしまっているのですよ。コレがプロレスなのか!ドラマチック!
●そして、エメラルドグリーンの閃光。三沢光晴。実は彼がタイガーマスクであったコトは、今回の事故報道で初めて知った。ボクは彼の偉大なキャリアの最末期しか知らない。それでも、若手が繰り出す向こう見ずなエネルギーを全て受け止め、そして倍返しでブチカマす三沢社長の凄まじさは瞬間的に理解出来た。会場から「ミサワ!」コールが湧き上がる。カリスマってこういう事だ。音楽ファンであるボクは、ボクの位置と格闘ファン、プロレスファンの位置がそんなに違わないコトを深く理解した。素晴らしいパフォーマンスは人を魅せるし、それは音楽であろうとプロレスであろうと、本物であれば、リアルであれば変わらないのだ。

●それからは、ホンのお付き合いのツモリだったコネを最大限に利用しては、重要な大会に潜り込んだものだった。今思うとスゴいコトだが、リングサイドの席が取れなかった時は、放送席のスミッコに座らせてくれたのだ(つーか、これナイショ?ヤバい?)。ホントすいません、ホントお邪魔しました。ホントよくしてもらいました。スタッフの人たちみんなイイ人でした。放送席なんで、マジで選手が転がり込んで来る。凹むテーブルにひっくり返るパイプ椅子。おーライブだわ。


●しかし、三沢さんの悲劇は、ボクにとってプロレスノアの思い出が終わってしまったような意味に響いてしまった。ボク自身が病気になってからは会場に行くのは完全に無理になってしまったし、深夜の「プロレスノア中継」も終わっちゃったし…。
●あの番組は結構よく見てたんだ…終電も終わった深い夜の残業の合間、クタクタになって仕事しながら、あのプロレス中継を見てるとコッチが励まされてくるんです。丸藤 KENTA がアメリカ武者修行を経てヘビー級へと挑戦して行く時期は、世代も近いとあって素朴に頑張れー!って思ってたもんね。…でも今では番組は終了しCS放送に行っちゃった…。そんな風に、ノアが、どんどん縁遠くなってく中での、この悲劇だ……。

昨日は、ディファ有明で三沢光晴選手のお別れ会が行われた。
●故人を偲んで25000人のファン/関係者が集まったという。その日の深夜に放送されてた追悼特別番組では、三沢選手のレスラー人生を総括した名勝負を紹介していた。一人夜更けに番組を見てて、素朴にスゲエなと思った。故人となってしまったコトを忘れて、その見事なファイトに魅入ってしまった…。格闘技も多様化細分化されている時代において、プロレス/ノアのスタイルが果たして本当に有効なのか?そうした議論は格闘技ファンの人々に任せます。門外漢であるボクが言えることは、戦う者同士が、互いの力を限界まで振り絞る姿は、純粋にカッコいい。ただソレだけです。

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(リング上に捧げられた大量の献花。故人の偉大さが忍ばれます。)



ここで全然話が変わるのですが…名古屋出身のヒップホップグループ nobodyknows+ がノアの大ファンなのです。
●ナゼそんなコトがわかるのか?ボクが数回行ったノアの試合、リングサイドでの観戦で、見つけてしまったのです。やはりリングサイド席で、猛烈に盛り上がっている nobodyknows+(略称ノーバ)のMC ヤス一番?さんと、ノリ・ダ・ファンキーシビレサスさんを。しかも二回も!コレ絶対ハードコアなファンであるコトの証拠になり得るでしょ。プロレスファンと音楽ファンは大きくカブルもんでもないから、その会場でヤスさんとノリさんの存在に気付いてたのは多分ボクだけ。でも異常な盛り上がり方でスゴく目立ってたのです。……ちなみに今知ったんだけど、ノーバの公式HPのグラフィックがルチャリブレになってます…あの人たちはハードコアなプロレスファン。もう絶対偶然じゃないよね。

だから今日は、輝かしいノアの記憶と折り重ねて、最近のノーバのシングルを聴くのです。


Villain’s Pain/イマイケ サンバVillain’s Pain/イマイケ サンバ
(2008/07/30)
nobodyknows+

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nobodyknows+「VILLIAN'S PAIN (HERO'S COME BACK !! ~OTHER SIDE~) / イマイケサンバ」2008年
nobodyknows+(略称ノーバ)の存在を知ったのは、2004年頃だったと思う。名古屋の公園で5000人のフリーライブを成功させたというニュースを聞き、名古屋独自のヒップホップシーンが熟成されているコトを、彼らの存在を通じて初めて認識する。よくコメントをくれる ohguchi に言わせればより深いアンダーグラウンドシーンがあると解説してくれるだろうが、5年前のボクは、東京以外のローカルでシーンが生まれるというのは、アメリカのヒップホップが東西2大都市に限定されてた段階から全米に拡散していく過程とリンクして行くように見えて非常にクールな状況に思えた。そんで、この年の年末、彼らは「紅白歌合戦」に出場するまでに至るのです。
ノーバはスピード感溢れる5MCのマイクリレー(←当時。現在は4MC)が売りで、個性派MCばかりを集めたスタイルが、ボクには WU-TANG CLAN を連想させた。ことリングサイドでアゲアゲだったヤス&ノリの2MCは完全に切り込み隊長のポジション。名古屋、フトコロ深し。
●このシングルは既発曲「HERO'S COME BACK !!」の続編?的位置にあるかのような、RUN D.M.C.ばりのハードロッキンなギターリフが鈍く光る金属トラックで、多分ヤスさんがリードヴァースを握ってる。カップリングの「イマイケサンバ」はベタなタイトルのワリには骨太なハウシービートとサンバが絡んだ高速トラックで、4MCそれぞれの見せ所がハッキリしててカッコいい。実にオトコ臭く、ヒップホップに忠実なような気がする。

Fallin’Fallin’
(2009/02/11)
nobodyknows+ feat.シゲルBROWNシゲルBROWN & The Spice Stars

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nobodyknows+ FEAT. シゲルBROWN「FALLIN'」2009年
●本来は今年2月のリリースなんでジャケが完全冬です。で、シゲルBROWN って誰?って話ですが、声聴けばわかります。サビのフックラインを太い声で歌い上げる存在感。従える女性コーラスはなんと AMAZONS。久保田利伸の作品で活躍してその後単体デビューした3人コーラスだよね。シゲルはそんくらいベテラン。いやいやもっとベテラン。1988年という設定でディスコファンクライブバージョンのテイクが収録されてます。込み入った設定だ。ヤス一番?の筆によるシゲルBROWN のポートレイトがCDにプリントされてるのでスキャンします。CDの色がシゲル本人の肌の色をそのまま示してます。ね、誰だか一発でわかるでしょ?

シゲルBROWN(はい、松崎しげるさんです。)


nobodyknows+ SEAMO(A.K.A. シーモネーター)、HOME MADE 家族 といった2000年代に登場して来た名古屋のヒップホップアクトを、ボクは個人的に「名古屋スクール」と呼んでます。彼らは、地元名古屋の同じシーンの中からキャリアを起こし、それぞれの戦略でメジャーシーンに登って来た男たち。それでいながら、レペゼン名古屋の精神を失っていない。今度、彼らのコトをまとめて考えてみたいと思ってます。

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