●自律神経失調症とのお付き合い(その102)~「久々に沈んだ&クスリの飲み合わせ」

●ウチの会社は「夏期休暇」として3日の時限付き有給休暇をくれる。で7月から10月までの間でソレを使えと言われる。カラダをブッ壊す以前のヘビーワーカーだった頃のボクは、夏休みを冬の11月に取り、正月休みを6月に取ってたりしてたので、せっかくの「夏期休暇」は使われずにムダに消えていった。一方で休日出勤が無限にあったのでその代休を使えば一週間くらい簡単に休めたんだけど。
●しかし、今年から状況が違う。自律神経失調症他アレコレの病気になって、その上で仕事復帰した今では、休日出勤禁止で代休は生じない。そんで「夏期休暇」も3日全部をもう使ってしまった。具合が悪くて出勤できない時は、コレを使うしかない。先々週に息子の風邪を伝染されて2日休み。そんで今日も休んだ。コレで今年の「夏休み」終了。トホホ。
●今日は、左半身全体の筋肉の激しい緊張と痛み、それと久々のビッグな不定愁訴だ。「不定愁訴」ってのは仰々しい医学用語でなんだか立派なモンに聞こえるが、手っ取り早く言って「激しく気分が落ち込む」ことだ。猛烈にローなのだ。

「不定愁訴」ってなんだよ?
●一緒に復職リハビリをしていた「ルームメイト」くんも、現在は立派に現場復帰してセッセと働いているが、仕事上の特別なプレッシャーがかかった時には「不定愁訴」で会社を休むコトが月に1回くらいで起こると言ってた…。まー、ボクら病人にとっちゃよくある話ってワケ。「会社休むホドって、どんだけローなんだよ?」とフツウの人は思うだろう。しかし、ボク自身も「休む/休まない」の境界ラインなんてドコにあるかわからないので説明出来ない。
●ただし、ボクにはワイフがいる。客観的にどのくらいヤバいかチェックしてくれる人間がソバにいるのはいいコトだ。ワイフはボクには直接言わないが、「ホンジツのダンナの崩壊度は00%」と日々ボクの様子を観察している。「ハナシがまるで通じない、ナニを言ってるか全然わからない、ナニかに異常にイライラしている/崩壊度100%」とか。
●で、今朝の崩壊レベルは「ハナシが通じないわけではないが、細かいコトがまるで出来なくなってる」級であった。定期券のパスが見当たらなくってパニックになった段階で、ボクはもう「今日は無理!仕事も会社も無理!」そしてリビングの床にコテン&もう動けません状態。ワイフも即座に同意、「確かに今日は無理。ただ病院だけは行きなさい。その前に風呂に入って気分を落ち着けなさい」と端的に指示。午前中イッパイを使って気分を落ち着かせて、病院に行った。

心療内科のセンセイ、クスリの飲み合わせについて語る。
●息子に伝染された時に処方された風邪グスリをまだ使ってる、とセンセイに行ったら「ゼンブ見せてご覧なさい」。総合感冒薬のペレックス顆粒、ツムラ漢方の葛根湯、鎮痛剤ソランタールなどなど。センセイ、クスリの辞典をペラペラめくりつつ、むーんと渋いカオ。「葛根湯はまだ飲んでるの?コレは風邪の引き始め時期のクスリだから、長引いている今の段階では飲んでもダメ。ソレと鎮痛剤との飲み合わせはサイアクで、胃を荒らすわよ」あ、そうなんですか。最近はむしろ筋肉の緊張が辛かったんで、ツムラ漢方の釣藤散をメインに飲んでました…ダブル漢方も禁じ手なんですよね…だから葛根湯は飲んでないです。「それでよし。あとね、このペレックス。コレはワタシが出してるクスリ(精神安定剤・メイラックス、ムードスタビライザー・デパゲンR、睡眠薬・ドラール)の効果を大きくしてしまう傾向があるから、出来れば避けてもらった方がイイかも」なるほど…。最近気分が不安定なのはそのせいもあるのか?


話題それて恐縮ですが、「サプリ」9巻がこれまたイタい。気分を滅入らせる。

おかざき真里「サプリ」9巻

おかざき真里「サプリ」9巻
●広告代理店を舞台に、働く女性のリアルな生き様をヒリヒリと描くこのマンガ。アラサー女性の恋愛観や仕事観を絶妙な形で浮彫りにしてくれる作品。安野モヨコ「働きマン」もそうだったんだけど、このテの話はホント痛々しいほどボクに刺さる。
●8巻では主人公・藤井ミナミちゃんの恋愛がウマいコトいってて安心して読めたのに、今度は最低な悲劇が起こって登場人物全員の心に大きな波紋を作る。働くアラサー女性にちらつく「結婚」という現実。無視も出来るがソレはただのモラトリアムかもしれない。今は没頭出来る仕事があるが、その先の将来にはナニが待ってる?
●今までつばぜり合いで火花を散らせてきたライバル女子たちは、今や戦友のような連帯感で結ばれてて、この巻の冒頭ではマージャン卓を囲んでる。掘りゴタツ&美味しい食事&ステキな内装なお食事処でマージャン打てるってどんな店?実在するなら行ってみたい&女子と卓を囲みたい……あ、徹マンなんて出来るカラダじゃないんだっけ今のボクは。
●ソコで語るトークが実に痛いリアル。「ねえ私たちいろいろなものを手にいれてきたじゃない?」「仕事とか 恋愛とか 友達とか 立場とか 自由とか お金とか 自分の力でもぎとってきたじゃない?」しかし実家に帰れば誰もが口を揃えて言う。「仕事どうするの? これからどうするの?」「そんなに頑張っても会社は助けてくれないわよ」「適当にして帰ってらっしゃい ''あなたのために''」
「子ども」となると、さらに重いね。「ーで、まだなのかね?」最年長既婚者田中サン吠えます。「あげく国まで!少子化問題とか少子化対策とか!いい大学出て就職していい子だったっつーの!それがこの歳ではじめて''問題児''扱いよ!''対策''されるわけよ!''対策''よ テロリストか!」

でも、既婚者でありコドモも2人いて、しかもオトコであるオマエが、なぜ痛がるんだよ?
仕事/職業との距離感ってのが、彼女たち「サプリ」の登場人物とボクは同じなんですよ。「そんなに全てを投げ打ってまでなんで仕事にハマるの?」って前提が一緒なんです。「仕事」があって、その上で恋愛も友情も存在するのです。「仕事」に傷つけられ「仕事」に励まされてる生活ってのは、男女カンケイないモンがあると思います。
●でさ、彼女たちはココに来て、その「仕事」との距離感の見直しを要求されてるんです。一生懸命仕事しました、楽しい事もツライ事もありました、でもそれとは違う次元の問題として、そろそろ「結婚/出産」というライフイベントに対して態度を明確化せにゃアカン時期に到達しました。その成り行き如何では「仕事」とサヨウナラかも知れない。「仕事」とサヨウナラってコトは、それに絡んだ恋愛も友情もサヨウナラ。
●一方、ボクはその「仕事」にノメり込み過ぎて「健康」を損なった。それでもリハビリに精を出しやっと職場復帰。そんで仕事に復帰し約2ヶ月が経過。そんでバシッと思い知らされた、「仕事」戦闘能力が超下落してるコトに。そりゃもう去年10月の東証株価のように大暴落よ。結果、昔のようには全然動けない。だって社外の打合せでもうカラダがクタクタ。長い会議では頭痛が起こる。プレゼン資料作るにも集中力が持続しない。しかもその資料の出来に自分で納得がいかない。イテえ。イテえっすよ。落ち込みますよ。「不定愁訴」に追い打ちをかけますよ。つまりボクも「仕事」との距離感の見直しを要求されてるんです。


ボクの好きなレコードレーベルに「THRILL JOCKEY」ってのがある。
「THRILL JOCKEY」スリル・ジョッキー。初めて聴いた瞬間からイイ言葉だなと思った。ハードワーカーだったボクと「仕事」の付き合い方って、文字通り「スリル・ジョッキー」だった。「マジで無茶じゃネエの?この仕事量?!」「あり得ないでしょ、明日までにコレ間に合わせるって!?」というドキドキ感がいつもボクの仕事にはつきまとった。そんな毎日はスリル満点で、それをウマくサバキ切った瞬間の達成感/充実感は格別のモノだった。まさしくスリルを乗りこなす騎手(ジョッキー)。
ぶっちゃけ、今の仕事にあのスリルはない。上司が丁寧にそんなヤバい仕事からボクを遠ざけてくれるコトには素直に感謝。そしてあのスリルに持ち堪える健康がボクにはナイのも事実。だからホント贅沢な言い分だと思うが、今とっても仕事がつまらない。全部が中途半端で、ボク自身が中途半端な人間に思える。あー、今日はマジ落ち込んでいる。たとえソレがクスリの副作用だとしても、「サプリ」にシンクロしてボクは今落ち込んでいる。もうボクはスリルジョッキーにはなれない。


悪いけどもっと脱線するね。会社のエレベーターで、同い年の知合いの女性にあった。
●部署が全然違う彼女は、なんとなくの知合いでしかないのだが、非常に陽気で外向的な性格なもんで、会えばよく近況を話す仲であった。いつもパリッと決まったパンツスーツで、長いロングヘアーをバシッとマトメてキビキビ働く。歩幅が広くて大きな声で話しとてもよく笑う。どっからどう見ても高性能なキャリアウーマンだった。そして「仕事」がダイスキで、「結婚なんてイッショウしない!」と自分でも公言していた。
●ところがだ、久しぶりにあった彼女は、なんか印象が全然違うのだ。足はぺったんこのサンダル、クタッとしたラインのユルいTシャツを重ね着して、ヒザ丈の黒いパンツをやはりユルくはいてる。パリッと決めてるはずのメイクにも生彩がなく、ビビッドなリップがアクセントになってた顔は、それがなくなってるのでシマリがないように見えた。…あ、なんか今日はイマイチユルくない?…とは突っ込めない気配だったので「なんか今日は夏っぽいね!」と言ってみた。
●そしたら彼女「あーそうねー、近所のスーパーに洗剤買いに行くようなカッコよねー。いや、今週後半はイロイロ気を使う用事でスーツを着ないとイケナイから、今日だけはヌイとこうかなーと思ってさー!」……わあ…ちょっと強がりなイイワケ…口を開けば能弁な彼女、しかし今は言葉を並べれば並べるほどよりイタく見えちゃう。アトで人に聞けば、彼女はボクが休職している間に二回も異動して、昔とは違う閑職セクションにいるらしい。もちろんナゼかは誰も知らない。本人が納得イッテナイのだけはみんな知ってる。あらら。彼女もスリルある「仕事」から剥がされたのだ。これが抜け殻のようになってた印象の理由。アラサー女子の哀愁。


●以前の「自律神経失調症とのお付合い」シリーズは下記の記事にまとめております。ご参考に。
 http://unimogroove.blog4.fc2.com/blog-entry-557.html




「THRILL JOCKEY」はポストロック、シカゴ音響派の中心となったレーベルだ。
●このレーベルの看板アーティストは、TORTOISE THE SEA AND CAKE だ。TRANS AM ってバンドもいる。TOWN & COUNTRY ってのもよく聞く名前だね。日本のアヴァンギャルド、BOREDOMS、OOIOO、竹村延和なんかもココとアメリカでのディストリビュート契約を結んでいる。今ここのサイトに行けば、THE FIERY FURNACES というバンドの音源が1曲フリーダウンロード出来る。
●このレーベルがニュージャージーからシカゴに拠点を移した頃、この街ではとある小さな人脈の中で新しい音楽実験が活発に始められていた。中心人物は JOHN MCENTIRE JIM O'ROURKE という男。ドイツのジャーマンプログレや、レゲエのダブ、ミニマリズムなどの前衛音楽の影響を受け、抽象的でエレクトロニカを採用した音楽を録音していた。既存のロックとは質感を異とする趣に、評論家は彼らの音楽を「ポストロック」と命名。コレが00年代のエレクトロニカ、スロウコアなどにも繋がる一大潮流となる。
●特に当初注目されたのが、ハードディスクレコーディングという手法だ。今の時代じゃ当たり前かもしれないが当時は革命的なインパクトを与えた。テープではなくハードディスクに音源を収録する事で、デジタル処理や自由な編集が簡単に出来るようになり、彼らシカゴ音響派と呼ばれるようになった連中は自分たちの音楽にその新技術の成果を存分に盛り込んだ。結果、生演奏なのか打込み処理なのかという区別は意味がなくなってしまった。これ、多分1996年くらいの事。


だからね、今日はTHE SEA AND CAKE を聴く。
●ポストロックを直球で体現しているバンドは TORTOISE だと思う。バンドリーダーはあの JOHN MCENTIRE だし。でも個人的にはもう散々リアルタイムで聴いてきたバンドなので、今日は聴かない。だから、その JOHN MCENTIRE がカケモチしてたバンドの方、THE SEA AND CAKE の方を今日は聴くのだ。ちなみに、このバンド名の由来は、もう一人のキーパーソン JIM O'ROURKEJOHN MCENTIREが関係してたユニット GASTA DEL SOL の曲名に由来してるんだって。GASTA DEL SOL「CAMOUFLEUR」1998年も神盤なので是非聴いてください。


THE SEA AND CAKE「THE SEA AND CAKE」 「THE SEA AND CAKE」
THE SEA AND CAKE「NASSAU」 「NASSAU」
THE SEA AND CAKE「THE BIZ」 「THE BIZ」

THE SEA AND CAKE「THE SEA AND CAKE」1994年
THE SEA AND CAKE「NASSAU」1995年
THE SEA AND CAKE「THE BIZ」1995年
●この頃のこのバンドの音楽は、ポストロックにアリガチなインスト楽曲ばっかでもなく、むしろ奥ゆかしいフォークロックな趣きがある。当時はロウファイな時代でもあって、ムチャクチャ粗雑に宅録してガサガサな音質で堂々と作品と言い張るのが流行りだったのですが、彼らは素朴な音を丁寧に録音し、慎ましやかにシンセで彩りを添えていた。JOHN MCENTIRE にとっては TORTOISETHE SEA AND CAKE も同じ時期に始めたバンドみたいだったけど、コチラでは完全に一ドラマーとしての役割に徹しているらしい。主導権はソロアルバムもリリースしているボーカルの SAM PREKOP ってヤツにあったのかな?微妙にレイドバックした気分は、後の時代にサーファーたちから鳴ってくるアフターサーフな音楽にも繋がる。余計な熱もないが、かといって冷めてもいない感触は、コッチの感情をフラットにさせる。ココロが荒れてる時には心地いい。


THE SEA AND CAKE「THE FAWN」 「THE FAWN」
THE SEA AND CAKE「TWO GENTLEMEN」 「TWO GENTLEMEN」
THE SEA AND CAKE「OUI」 「OUI」
THE SEA AND CAKE「ONE BEDROOM」 「ONE BEDROOM」

THE SEA AND CAKE「THE FAWN」1997年
THE SEA AND CAKE「TWO GENTLEMEN」1997年
THE SEA AND CAKE「OUI」2000年
THE SEA AND CAKE「ONE BEDROOM」2003年
●徐々に本格的なポストロックに接近、進化していく時期の音源。エレクトロ楽器やシンセサイザーによる彩りが若干増えていく。淡い水彩画だけど、色がカラフルになっていく。少し時間を空けた「OUI」2000年の段階だとかなりエレクトロの度合いが強く、編集での作り込みも目立ってくる。アレンジも多彩になって、ボッサテイストまで垣間見える。それでも控えめなボーカルパートはなくならない。奥ゆかしい謙虚さはそのままで、結果「THRILL JOCKEY」という名前とは釣り合わない、スリルのナイ世界。それが他のバンドとのチガイかも。TORTOISE は時々スリルなコトするし、TRANS AM に至ってはメタルじゃねーか!って思うほどだもん。
「TWO GENTLEMEN」1997年はリミックスを含めたミニアルバム。リミックスって段階で、ポストロックなんだよね。グランジロウファイもそういうことはしない。しかしバンドは2003年で一度活動停止。

THE SEA AND CAKE「EVERYBODY」

THE SEA AND CAKE「EVERYBODY」2007年
●活動再開アルバム。このアルバムが発表された2007年には、ポストロックの音楽実験の成果は全ロック/ポップスに拡散し、SIGUR ROSMOGWAI のような力強いフォロワーがさらなる表現の拡大に挑んでいる。ハードディスクレコーディングなんてのは宅録ミュージシャンのような素人でもやってる事でナンも珍しいコトじゃなくなった。だからこそ、彼らは今、基本に忠実になってる。ただ純粋に可憐なフォークロックを鳴らしたい。ただそれだけ。
●一曲目の瑞々しいアコギのストロークで、サウンドの質が変貌した事がわかる。ボーカルの存在感はより際立ち、エレキギターの存在感も浮き上がってきた。クセがないと言えばソレまでだが、ポストロックというカテゴリーを必要としないポップさをしっかり捕まえた。そんな潔さを感じる。
●バンドは翌2008年「CAR ALARM」というアルバムも出してる。でもそっちはまだ未聴です、ゴメンナサイ。

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