8月最終週。我がカゾクたちはタイ・プーケットに行ってしまった。
●ワイフのお父さんお母さんが面倒見てくれて、ワイフと2人のコドモ、ノマド&ヒヨコは昨日の朝イチで成田に出て行った。で、ボクは留守番。夏休み休暇は、体調不良の日の休みに使い切ってしまったので、ボクにバカンスはない。まあ、ある意味では一人っきりも気楽なんだけど。今週五日間は、こうして一人暮らしをすることになる。
「旅行」はボクにとって非常に大切な行為で、毎年テーマを決めては国内外問わずイロイロなトコロに行くのが楽しみだった。渥美半島からフェリーで鳥羽に渡りそのまま伊勢湾を一周するツアーとか。京都の町家造りの家に泊まり、市街のレコード屋を巡るツアーとか。ムーミンランドを目指してフィンランドを旅するとか。ホウ・シャオシェン監督作品「戯夢人生」の撮影地を訪れる台湾ツアーとか。
●しかし、自律神経失調症を患って思い切り体力が衰弱してからは、旅行には行けなくなった。長距離移動や長時間歩くのがとてもシンドく、翌日寝込んでしまうようでは、ホテルの部屋から一歩も出られない。休養中は「リゾートでゆっくりすれば」とよく言われたが、気温や湿度、食べ物、水の急激な変化に、カラダがどんな反応を起こすかワカラナイ。…ただし、旅行が好きだっただけにコレはとってもガッカリな事実だ。


そんな、旅行に行けないボクの、留守番読書。

「クレーターと巨乳」

藤代冥砂「クレーターと巨乳」2007年
藤代冥砂さんと言えば、小説というより写真家のキャリアで有名だろう。奥さんはモデルの田辺あゆみさん。「月刊○○○○(女優さんの名前)」シリーズをはじめ、女性の写真がイイ感じ、そんでさらには、旅の写真がイイ。雑誌「SWITCH」によく載ってる写真では世界中を旅してるような印象がある。
●そんな得意分野、「女性と旅」がテーマになってるような内容の短編集がこちら。フツウの女性を主人公に据え、その女性が恋に落ちる瞬間を切り取る短編が11コ。気持ちよく読んだ。風通しがイイ文章。
●ココに登場する11人の女性は、ストーンと恋に落ちる。レンアイ偏差値が低いボクにはよく分かんない世界ではあるが、そのストーンと落ちる恋の落下スイッチは、思った以上に簡単にカチッとオンになる。「前歯が一本抜けていて、頭が悪そうに見えた」コレでスイッチオン、ストーン!「よく仕事をしている女性誌の編集者が芝生の壁を見て、なんだかエロいね、と言った時には驚いた」コレでスイッチオン!「目の前の彼に対して、この人はヤクザなのかもしれないと思った」コレでもスイッチオン!……うーん、ダウジングみたいなモンでこのスイッチの場所を探知できたらどんなに便利だろうか。パチパチパチ!モテモテモテ!この世にはどっかでこのスイッチを押す達人の男がいるのかもしれない。そう思うだけで、率直にうらやましいと思う。
●そんで、ストーンと落下した女子は、その段階である意味での「旅」に出る。世界が別のモードに切り替わる。線を一歩踏み越えると、国境を超えたように違う国と文化と世界観が待っている。「旅」に突入していく女子は、立派な「旅人」だ。重たい荷物(「過去」というコトバで言い換えられる)をポーンと捨てて、身軽に新しい場所に踏み出していく彼女たちは実に逞しく潔い。そして気持ちイイ。多分、きっと容姿も美しくなっているに違いない。
●正直、今、ボクはカラダが重たいんだよな~。「旅行」にも行けないし、ストーンと身軽にはなれない。ただ、将来、病気が治って旅行に不自由がなくなったら、息子ノマドを連れて、二人でバックパックな旅に出たいと思う。ノマドには、恋の落下スイッチの押し方と、身軽になる潔さを身につけてもらいたいから。



さて、話は変わり、ノマドの自由研究。
●前々から宇宙科学者に就職希望というノマドは、先日の日食にも触発されて、なんと「ちきゅうぎを作りたい」と言い出した。ヤツは世界地図が好きで、イロイロな国の場所を覚えている。アフリカや南米の国の配置とかを得意げに話すのだ。「世界地図にすれば?」というワイフの提案を無視して、あくまで立体にこだわるらしい。
●実は、ボクは、息子に世界の広さを意識してもらいたいと思ってたので、幼稚園の頃から世界地図や地球儀を与えてた。ノマドという名は、英語の「nomad」という単語に由来する。【遊牧民】という意味のコトバだ。世界中を旅してまわるグローバルな人間になってもらいたいという願いが込められている。ヤツが宇宙に行きたいと言うのなら、マジで行って欲しい。だから、「ちきゅうぎ作り」も大歓迎だ。


「ちきゅうぎ作り」その1。
●東急ハンズで発砲スチロールの球体を買って来た。直径25センチ。

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「ちきゅうぎ作り」その2。
●まずは、海の色を塗る。絵の具でペタペタ。

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「ちきゅうぎ作り」その3。
●ゴミ箱が、ボールを転がらないようにするのにちょうどいい台になるコトに気付いた。

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「ちきゅうぎ作り」その4。
●トレーシングペーパーで、本物の地球儀から陸地のカタチを写し取る。

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「ちきゅうぎ作り」その5。
●トレーシングペーパーでの写し取り、カンセイ!

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「ちきゅうぎ作り」その6。
●ココでちょっとママの助けを借りる。トレーシングペーパーをスキャンして直径25センチの縮尺に合うサイズに縮小。それを元に、折り紙で大陸のカタチを切り出す。写真は北アメリカ大陸。

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「ちきゅうぎ作り」その7。
●ソイツをペタペタ貼る。実はエンピツで薄く経度と緯度の子午線を記入して、大陸のバショを間違えないようにしている。「角度」の概念を初めて知るノマド。

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「ちきゅうぎ作り」その8。
●お次は、地球儀の台座作り。紙粘土で台座を作り、エンピツのキャップを埋める。地軸となる木の棒を差して、角度を調整。地軸の傾きは23.6°、それを分度器で計る。ノマド分度器デビュー。

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「ちきゅうぎ作り」その9。
●今度は、その地軸を突き刺す。エンピツ削りで尖らせた棒を、南極点にブスッ!ダンゴの串のように貫くのは難しいので、北極点ガワからもう一本棒をブスッと突き刺した。

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「ちきゅうぎ作り」その10。
●台座に借り置き。なかなかいい感じ。この後台座は十分乾かして、後日に色を塗った。ノマドいわく「うちゅうイロ。」紺色ベースで、黄色い星が点々と描かれている。

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「ちきゅうぎ作り」その11。
●さて仕上げ段階に近づいて来た。虫ピンに各地の国旗を描いて、地球儀にプスプス刺していく。

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「ちきゅうぎ作り」その12。
●実は、この国旗作り、一番テコズッタのが「アメリカ合衆国」。ノマド「うまく書けない~」と泣きべそまでかいてた。コレだけ真剣に手伝ってあげた。ノマド、まずよく旗を見ろ、シマシマの数、赤白合わせて13本。星の数、全部で50コ。コレをキチンと並べて描くのは確かに難しい。だから、まず大きく描いて、後で縮小コピーしよう。そんで13本も50個も難しい数だから、パパが線引きで計ってエンピツで下書きを書いてやるからその上から色を塗れ。

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●タテヨコの比率を正確に写し取って星の配置を書き出すのはボク自身マジで手こずった。多分、アメリカ人は自分の国旗がダイスキな国民だと思うが、自分の手で国旗を描いたりはしないような気がする。だってスゲエめんどくさいから。一方日本の「日の丸」は、その扱いに色々議論があるが、実に描くのが簡単で、子供にでも理解しやすい簡潔なデザインだと思い知った。日本の国旗は機能的に美しい。


「ちきゅうぎ作り」その12。
●そんなこんなの行程を経て、やっと「ノマドちきゅうぎ」が完成だ!

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●これまた細かいハナシなんだけど、インド&南アジアと中東エリアの間に、ノマドは青の折り紙で「スタン・グループ」というカテゴリーを作った。「スタン・グループ」ってなんだか分かります?
●それはですね、パキスタン、アフガニスタン、カザフスタン、タジキスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタン、キルギスの7カ国を差してます。キルギス以外はみんな「スタン」が国名につくでしょ。だから「スタン・グループ」。旧ソ連の中央アジア諸国と南アジアに括られてたパキスタンを一緒にくくっちゃう感覚は、ソ連なんて100%知らない21世紀生まれの感覚なのだろう。中央アジアからインド洋に面するパキスタンは皆イスラム文化圏だし、帝政ロシア~ソ連以前の歴史では親和性が高いはずだ。オモシロいねノマド、そのアイディア新しいわ!


●ノマドは、この「チキュウギ」をジジババに見せたかったが、そのチャンスがなかったので、「パパ、ブログにオレのチキュウギのせておいてね!」と発注されてました。ノマド、ちゃんと乗せといたからなー。


で、戦い済んで………ノマドは今度、月に思いを馳せている。

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「グーグルアース」がバージョンアップして、月や火星までチェック出来るようになった。月は、日本の月探査衛星「かぐや」が撮影した動画CGまで見ることが出来て、ノマド最高にエキサイティング。…写真で見ると宇宙船のコクピットのように狭苦しいボクの部屋で、宇宙探検を楽しむノマド。地球が地平線から登ってくる光景はマジでキレイですよ。
●本当はノマドと今公開中の映画「宇宙へ。」を観に行きたかったんだけどな。BBC のドキュメンタリーシリーズ「ディープブルー」「アース」と続けて全部見せてるからね。最後の夏休みらしい思い出にもなるし。

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THE GOSPELLERS「宇宙へ~Reach for the sky~」2009年
●この映画のテーマソング。歌い上げるサビのフレーズをヒヨコが覚えてよく歌ってる。「♪あのそらへ~ とどくまーでー りょうてを のばしつづける~♪」 THE GOSPELLERS ってカッコいいね。ファルセットがキレイだよね。スンマセン、今まで見くびってたかも。



日食体験からココまで来たノマド。ボクも日食の後に一つ勉強。

武部俊一「完全ガイド 皆既日食」

武部俊一「完全ガイド 皆既日食」
●細かいウンチクがイッパイだったから、それだけ書いちゃいます。
●今回の日食は最長6分39秒だという話だったけど、どんなに長くても最高で7分31秒(理論値)しか持続出来ないらしい。あの日食はナカナカ立派な長さを持ってたのね
●でもさ、46年ぶりの皆既日食って言って大騒ぎしたけどさ、そんで次回の皆既日食は26年後っていうんだけどさ、金環食(月が少々小さくて太陽がワッカのカタチで見える日食)だと、2012年に大阪/名古屋/東京で観測出来ちゃうらしい。えっ!ご利益ないじゃん!でもホントの皆既日食にコダワルと、東京では2762年まで見られない。

●金環食は、地球から月が微妙に遠い位置で日食ポイントに入ってしまうので、月が太陽を隠しきれないという仕掛けで起こる現象。皆既日食は、月がちょうど太陽の大きさと同じになって見えるポジションに入ってくれるから発生するわけで、実はこの絶妙な距離感に月がいてくれているのはたまたまラッキーな偶然らしい。…しかし、月は年々少しづつ地球から遠ざかってしまっているので、いづれは皆既日食は見られなくなる。まあ、6億年後のコトだけど。


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