土日の習慣は、近所の喫茶店でコーヒー。
●一時期カフェ巡りが楽しかったボクだが、最近は180円でコーヒーが飲める色気のナイカフェに通っている。価格に釣り合ったあまり美味しくないコーヒー。イマドキの風潮にモロ逆らって「オール喫煙席」。セマッ苦しくて窓のない客席では、ヘビースモーカーな皆さんが遠慮もなくモクモクさせてる。もはや壁がヤニでやや黄ばんでいる。スポーツ紙と一般紙が数部置かれていて、ソレをミンナが代わりばんこに読んでいる。そんなバショで午後をタップリ過ごし、マンガ雑誌や本をゆっくり読むのが好き。
ココが気に入っているのは、iPod で好きな音楽が遠慮なく聴ける事。ボクのよく行ってたコダワリのカフェはみんなBGMにもこだわってて、その店の特徴になってたりしてた。ソコで聴く音楽の楽しみもあるんだけど、裏返せば自分の聴きたい曲を iPod で聴くと少々微妙な感じになる。「ウチは音楽のボリュームを大きくしてますんで」とわざわざマスターが断ってくれる店で、ソレから耳を塞ぐようにイヤホンを耳に詰め込めるって、一種の挑戦だよね。だから自分で聴きたい音楽が決まってる日はコダワリのない店に行く。

何度も通ってると店員さんや常連さんのカオも覚える。
●薄手の派手柄セーターとゴールドのネックレス、そして深紅のルーズなパンツという、ハイレベルなコーディネートがギラつくオジさんは、てっとり早くヤ○ザ屋さんなオーラを醸し出して、その大味な鼻の穴からマイルドセブンの煙をフカシ出す。時々、似たようなオジさん同士で人生相談めいたトークを交わしている。相手がスナックのママさん・非番バージョンである場合もある。
●カイシャの先輩で近所に住むHさんが、スポーツ紙の競馬面を真剣に読んでいる場面もよく見る。狭い店内なのに、お互いの読むモノに集中し過ぎて気付かない事もあった。
何人かいる店員さんの中で一番注目しているのは、20歳代前半の中国人のオンナノコ。大きい黒目と長いまつげ。高い鼻が少し上向きで鼻の穴が目立つ。この鼻から少し空気が抜けているのか、日本語のイントネーションがふわーっと脱力気味で、「はりかとうこさいましたー」「おかえしにしゅうへんてーす」と濁点が全て抜けて聞こえる。会話らしい会話は全然したコトないが、彼女と半日デートしたら多分ボクは癒されると思う。



●さて、今日の読書は、ドス黒い内容の本だった。


野中広務・辛淑玉「差別と日本人」

野中広務・辛淑玉「差別と日本人」
野中広務という政治家について、ボクはまったく知識はなかった。小泉旋風の中でリタイアした古いタイプの自民党政治家というイメージでしかなかった。当然、この本の重要なポイントである「彼が被差別部落の出身者」であることなんて、初めて知った。「被差別部落出身者」という出自を明らかにしながら、一時期は官房長官を務めるなど日本政治の中枢にまで食い込んだオトコは、この世で彼しかいない、そんな新聞のコピーを読んで、速攻で喰いついてしまった。そんなオトコが、在日コリアンの論客である辛淑玉という女性と対談をする。
野中広務は大正14年生まれの83歳。戦前の軍国主義教育を受けて育ち、第二次大戦の最末期に6ヶ月だけの従軍経験もある。京都府の現南丹市園部町出身。中学生の時、同じ学校の連中が「アイツは部落の人間だよ」と自分の噂をしているのを聞いて、初めて自分が「被差別部落」の人間であることを知った。戦後、成人して大阪で働いていた頃、手をかけて同郷の後輩の進学の世話をしてやってたのに、その後輩がやはり「あの人は地元じゃ部落の人だから」と噂するのを聞いて激しくショックを受ける。コレをキッカケに故郷に戻り、町会議員の立場から政治の道へ入っていく。
●東京でずっと暮らして来たボクにとって、「被差別部落」の問題、同和問題ってのはとても縁遠く、ピンとこないテーマだ。だから、この本に出てくる、差別にまつわる様々なエピソードは初耳のモノばかりで死ぬほどウンザリした。エセ同和とかヤミ専従問題とか、辛さん側から出てくる在日社会の問題、そしてオキナワ問題、日の丸・君が代問題、従軍慰安婦問題、ハンセン病問題、などなど、日本のダークサイドが目一杯ほじくり出される。ボクなんぞが手がつけようのない闇の深さなので、もうココでは触れません。皆さん各々でこの本を読み、この国の暗黒のフォースを味わってください。
●そんで野中さんは、自民党の中でコレらの問題に間接直接に関わっておりまして、その立場からアレコレ意見を示している。保守政治家としての現実主義ってのがソコにはあって、彼の行動様式は「理念追究」じゃなくって、辛さん曰く「もめごとの処理」って感じなんです。トラブルや意見の相違があるバショへ行って、ソイツをドッカのバランスにオトし込むプロフェッショナル。クリーンな入札で「機会の均等」を図るんではなく、キタナい談合で「利益の均等」を図るタイプ。しかしその手腕で中国/北朝鮮外交のキーパーソンにもなってたりしてる。従って同和問題でも、解放同盟のようなラディカルな運動とは違うアプローチで迫る。
●一方、そんな野中さんが今かなりコダワっているのが「戦後未処理問題」と彼が呼ぶモノだ。最近の保守陣営のイメージとはウラハラに、野中さんはハッキリと「我が国が他国を侵略したんだ」と明言する。「中国にも日本が軍隊を送ったんで、中国が日本に軍を送ったわけではないわね。また北朝鮮に関して言えば、他の国とは平和友好条約なり国交樹立をしたのに、唯一取り残しておると。その国を「悪の枢軸」みたいに呼んでいる。どうも、自らが戦後問題の処理をしようという意欲に欠けているのではないか」あら、実に意外な発言。今の民主党より突っ込んだスタンスじゃないですか?
●彼が言う「戦後未処理問題」ってのは、旧日本軍が中国大陸に遺棄した化学兵器の処理問題。強制連行者の問題、原爆被災者の問題、従軍慰安婦問題、中国残留孤児問題(「日本軍が、日本が遺棄してきた日本人」と彼は呼ぶ)、そして在日コリアンへ地方参政権を与えるという運動までカバーしている。この外国人参政権問題では野中さんかなり叩かれたと自分で言ってますが。へー、なんか意外な発見が多かったな。あの戦争にダイレクトに関わった世代として、完全に尻拭いをして日本を次世代に渡したいと思ってるんだなー。

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