安野モヨコさん、復活ののろし。
●2008年3月から、主だった執筆活動を休止してたマンガ家・安野モヨコさんが、宝島社の新聞全面広告でイラストを披露。とうとう復活の気配。

安野モヨコ復活広告


●以下、ネットで見つけた関連記事の引用です。

執筆活動をほぼ休止していたマンガ家の安野モヨコさんが、24日付の毎日新聞朝刊などに掲載された宝島社の全面見開き広告のイラストで活動再開した。安野さんは自身のブログで、「ドキドキしながらですが久々に依頼されてイラストを描きました。それで、また仕事に戻れそうだな、と思うことが出来ました」と約1年半ぶりとなる復帰への手応えをつづっている。 
 安野さんは、人気マンガ「働きマン」「さくらん」などの原作者で、体調不良を理由に08年3月、朝日新聞紙上の「オチビサン」以外の連載休止をブログで発表。09年に入ってからは、化粧品ブランド「シュウウエムラ」のボトルのデザインを手がけ、5月には大阪で個展を開催。ファンとの交流も励みになり、気力や体力を取り戻してきたという。
 安野さんは「休む前と同じようなペースで描くことは難しいですが、ゆっくりでも確実に進んで行ければと思っています。まずは『働きマン』の加筆修正と、1年半前から凍結中の短編集の作業を始める予定です」と活動再開を宣言。「長らくまってくださっている読者の皆さん、本当にありがとうございます。作業を再開しても単行本がお手元に届くまでは時間がかかってしまいますが、もう少しお待ちくださいね」とメッセージを送っている。
 新聞広告は、宝島社の企業PRで、「ガールズパワー」をテーマに、女性を描いたカラーイラストが見開きの左側1面に掲載されている。【栗原拓郎】


彼女の休養宣言は、ボクが自律神経失調症で休職していた時期になされたものだったから、とても親近感を感じた。彼女はボクより3つ年上、すごく近い世代と思っていたし、スゴいハードワーカーとも知られていたので、仕事のし過ぎで病気になったボクとしては、なんとなくボクと同じような事情で彼女も休みに入ったのだろうと感じていた。「働きマン」の主人公・松方弘子が、休載直前の「モーニング」の表紙でキャラに合わないクタクタ顔を見せていたのがとても象徴的だった。
●そんな彼女が、徐々に復活しようとしているのは、6月から復職して、現在カイシャ生活になんとか順応しようとしているボクにはとても励ましになる。カイシャでは気を張っていても、家に帰るとやっぱりめまいが起こって「ク~ッ、しんどーい」と床に転がって動けなくなってしまうボク。でも安野さんも「休む前と同じようなペースで描くことは難しいですが、ゆっくりでも確実に進んで行ければと思ってます」と言ってるし、ボクもうまく仕事と折り合いをつけていきたいなあと思う。…でも、安野さん、夫婦コミコミでもう十分稼いでるしな……印税で既に一生分稼いだでしょ……無理に復活しなくてもイイのにね。


●そんなんで、女子生き様系マンガを読む。

渡辺ペコ「キナコタイフーン」

渡辺ペコ「キナコタイフーン」1巻
●帯コピーが「望月キナコ、23歳、処女。AV監督やります!!」。色気ゼロ、モジャモジャアタマの女の子、キナコは21歳にしてフィルムフェスティバルの最優秀賞を獲得、早熟な映画監督としてキャリアを始める…はずが、空回りする気合いで現場の信頼を完全に損ない大失敗。オマケにプロデューサーに勝手に編集に手を入れられてブチ切れ。クリエイターとしての自我がスベルとメチャ痛々しいコトになるんだよねえ。そんで流れ流れてなんとアダルトビデオの制作現場に携わることになってしまった。撮影初日は生々しい濡れ場を目の前にしてイキナリゲロ。イケルのかオマエ!?
●それでもレンタルでAV山ほど借りてきて必死に研究するウチに、ボンヤリと一つの気づきに到達。「自分の中にあるものを形にして人様にさらすってのはさー、やっぱ股じゃないにしろどっか開いちゃってるんだろうし、セックスはしなくてもスゴく個人的で大事なものを不特定多数の他人にさらしているって意味では、ちょっと近いモンがあるのかな」…そしてチャンスはスグにやって来る。監督重傷につき急遽代打でディレクション登板!でもやっぱりコダワリが空回りでヤクザ屋さんに怒られる。AVはタフな現場だ。そんな日々奮闘の女子クリエイターの生き様。
●そんなキナコのその後を応援したいが、全然二巻がでる気配がない。渡辺ペコはそれなりの売れっ子のはずだけど、原案付きでスタートしたこの企画、評判悪くて打ち切りになった?

谷川史子「おひとり様物語」

谷川史子「おひとり様物語」1巻
「おひとり様」ってのは、単純に言いまして、「彼氏ナシ」である女子です。一歩踏み込むと「彼氏ナシ」だろうと平気な女子です。平気じゃなくても平気になっていく子、大分平気じゃない子、仕事で否応なく「おひとり様」な子、遠距離や同棲しててもすれ違いな子、いろんなケースの「おひとり様」を描く群像劇です。それにヒッカラマルのが、仕事だったり、結婚だったり、恋愛だったり、取り扱いのややこしいファクター。女子の人間関係は複雑でボクのような男子みたいに単純に出来ていません。ひとりかふたりか気にしたり、トモダチが何人いるのか気にしたりする、そんな女子から見ると、ボクは、「仕事」という名のオモチャに夢中になって一生ただ遊んでるだけのアホなコドモに見えるでしょう。基本的に、周りに誰がいるとかあまり重く考えてないしね…。ただ、こういうマンガが女子に読まれるというコトは、女子にも「おひとり様」が増えているってコトだよね。ボクには、どうぞ歓迎な事態でございますよ。

魚喃キリコ「ハルチン」2

魚喃キリコ「ハルチン」2巻
●本来なら恋愛出力ハイボルテージな作風で知られる魚喃キリコが、見開き2ページで一話完結のマンガを描いている(しかも雑誌「HANAKO」で)。しかもこれが100%乾ききったトンマな女の子・ハルチンのどーでもいい日々であり、唯一の友人チーチャン(美人で彼氏アリ)との際限ないボケツッコミで出来ているわけ。いいねー、このハルチンのマヌケぶりは!オカマとしょっちゅう間違えられてるし!トモダチだったら最高だよ!見てて飽きねえよ!
●そして番外編「ナナナン」ハルチン級のダメ生活を送る作者・魚喃キリコデストロイな酒の失敗談が炸裂で、あれーこの人ってスゴい美人さんだって話だったよなーでもこんなに酒乱だと手に負えねえなーとか思っちゃうのでした。チッ、ボクも酒くらい飲めるカラダが欲しかったよ。

安彦麻理絵「あたしのすべて」

安彦麻理絵「あたしのすべて」
魚喃キリコの盟友&酔っぱらい仲間であるマンガ家さんの、レンアイあれこれ短編集。あとがきにご本人が書いているのですが、「キナコタイフーン」に共通する感覚を見つけました。「『あたしのすべて』というタイトルからは、なんとなく「大股開き」なフンイ気が漂ってくるので、私は好きです。それはマンガだけではなく、映画とか音楽・小説・写真・ニンゲンの人柄とかまで、とにかく「大股開き」なものを愛しています」。この人も女性として、クリエイターとして、自分を人様に晒すコトを覚悟した人の一人なんだろうと思うのでありました。
●しかも、セックスについてもレンアイについてもアケスケに、ミソもクソもさらけ出してしまうこの本のエピソードは、むしろ女性の方が、自分をさらけ出すコトに対して大胆になれるというか、もっと突っ込めば、「ワタシのコトをもっと見て!」的願望がオトコよりも100倍強いのではないか!と確信させるモノでありました。言ってみれば超自意識過剰。裏返せば、輝く他人に対する嫉妬心も超強烈。安彦さんの場合、職場や教室でその自意識が満たされるコトはなく、全世界が注目してくれなきゃ!級まで行ってるような気がする。最後に収録されてる短編「あたしのすべて」で主人公が最後に満面の笑みで語るフレーズ、「あたし!インタビューされる人になりたかった」にボクは衝撃。オトコってナニか好きなコト(仕事?勉強?スポーツ?)に夢中になって、その結果、評価や見返りがついてくると思ってるじゃん?女性は、世間で高い評価を得るためにナニかをやる、って逆算で、モノを考えられるんだー、と素直に感心しちゃった。
●で、この表紙、タイトルにふさわしい「晒し」っぷりで見事ですが、安彦さん本人の下着姿ではありません。あとがきでは、この写真は安彦さんの友人 K.N. さんってことになってます。「アンタの脱ぎっぷりにはホントに感服させられたわー」K.N. って…やっぱ「キリコ・魚喃」かな……。ペチャパイ…。




この前、電車に乗り合わせた大学生風の女の子が、珍しくもCDプレイヤーを使っていた。
CDプレイヤーって珍しいよね!もうこの地上には、MP3プレイヤーしかないと思ってたよ。彼女は、カバンの中のCDプレイヤーの中身をスッと器用に入れ替えて、再びヘッドホンからの音に集中し始めた。しかもその顔のとても楽しそうなこと!音楽を楽しんでる顔って素敵だよね。
●そんな時、ボクは他人のCDに注目してしまう。一体ナニを聴いているのか。彼女がスッとCDを入れ替えるタイミングでシッカリチェックした。それは、日本のロックバンド、ASIAN KUNG-FU GENERATION でありました。おお!アジカン
アジカンなら、ボクの iPod にほぼ全てのアルバムが収納されている。彼女の笑顔のお相伴に預かりたいと思い、このバンドの音楽をボクも鳴らし始めた。


ASIAN KUNG-FU GENERATION 「崩壊アンプリファー」

「崩壊アンプリファー」2003年
●爆音ギター。爆音。…爆音なのに、メガネ。ボーカルギターの後藤正文くんがメガネなんです。爆音とメガネ。この落差。アジカンの第一印象は、非力メガネと爆音ギターのアンバランスだった。当時はなぜかメガネロックが注目を集めてた時期で、先輩にくるり、そして同世代にサンボマスター、GOING UNDERGROUND などがいたんだよね。くるりはインテリめいた文学青年の佇まいを持ち独特の世界観を深めていった。サンボマスターは、不細工/田舎モノ/汗臭いと、メガネ以前の重いハンディキャップを負いながらも、そのハンデゆえに強くロックを燃焼させて独自の立場に作った。そんな連中に対し、アジカンはやや線が細い印象があったかも知れない。それでも親近感はタップリだ。ボクがメガネだからだ。
●爆音の壁に圧迫されるボーカル後藤くんの立場は、一見するとまるで「野比のび太」である。ギターの圧力にいじめられているようだ。「ドラえも~ん、ギターの音がジャイアンのようにいじめるよー!」初期のシューゲイザーとかはそういうテイストを大事にしてたけど……しかし実はアジカンはそのステロタイプに当てはまらない。ギター圧力にガッツリ押し込められても、実は後藤ボーカルは楽曲のイニシャティヴを絶対手放さないのだ。実は決して技巧的とは言えないギターはあくまで鎧のような役目を果たしてて、メロディが持つドラマチックな展開をガッチリ補強している。轟音と見せかけてメロディがキモのバンドなんですね。
●そんなアジカンの初音源ミニアルバム「崩壊アンプリファー」収録の聴き所。それは、ずばり「遥か彼方」です。この一曲がなかったら、このバンド完全スルーしてました。ホントはアニメ「NARUTO」の主題歌だったんだっけ?でもテレビじゃ見た事ない。しかし何かで一回聴いて、もうココロを奪われました。ド派手なギターに囲まれながらも、必死に叫んでその存在を知らしめるボーカルとメロディにこのバンドの魅力はあるのです。特にこの曲「遥か彼方」は若さ汁をまき散らして疾走する。これぞセイシュンです!
「生き急いで~ 搾り取って~ もつれる足だけど前よりずっとそう、遠くへ!
 奪い取って~ 掴んだって~ キミじゃないなら意味はないのさ、
 だから嗚呼~!遥か彼方!」



ASIAN KUNG-FU GENERATION 「ソルファ」

「ソルファ」2004年
●実は、電車の中の女の子が聴いてたアルバムはコレです。その女の子はホントイイ顔してたんです。そういうのがボクにとってはスゴく重要なんです。それだけで、このアルバムがボクの中で特別になります。だってリアルじゃん…そういうのって。
●内容というと基本は前作の延長……「振動覚」「リライト」は相変わらずの強靭なギターパワーで近づくモノを全てハジキ飛ばしてます……なんだけど、そんな完成されたアジカンサウンドをほんのちょっとアップデートしようとしてる努力が見えます。ポイントは、轟音ギターとそうじゃないトコロのメリハリ。ギターにアクセントを持ちながら、実は演奏テクがそんなに追いついてなくて、技巧的なプレイが出来ないのが初期のアジカン。実はリフが単純。それでも一曲の中での展開にがんばって起伏を作ってる。それが印象的で、かつセンチメンタル。「サイレン」のようにテンションが徐々に熱く滾っていくのがイイね。「存在証明を鳴らせ!サイレン!サイレン!」


ASIAN KUNG-FU GENERATION 「ファンクラブ」

「ファンクラブ」2006年
●このバンドはとどのつまり「エモ」なのね、と一人で納得。アルバム後半に向け、轟音は徐々に鳴りを潜め、センチメンタルなメロディにフォーカスが集まっていく。ラウドじゃないとは言わないが、轟音ギターはセンチな感情を増幅するための道具であって、別にそれが目的じゃないと感じた。つーか、そんな方向にバンドが進化した。一曲目の「暗号のワルツ」はその名の通り三拍子ロックでワザアリ!ロック技巧とは別のベクトルで進化を目指すアレンジとエモセンチな疾走メロディこそ、このバンドの真骨頂と思い知る。


ASIAN KUNG-FU GENERATION 「フィードバックファイル」

「フィードバックファイル」2006年
●アジカン初期シングル B-SIDE & OUTTAKES コンピ。後半のライブ音源がゴリッとしたロックとして機能してて楽しい。2004年~2006年のライブが5曲収録されてるけど、2004年の「ROCK IN JAPAN」@国営ひたち海浜公園のテイクが一番カッコいいかな。「アンダースタンド」で聴こえて来るオーディエンスのコーラスパート大合唱がダイナミック。もちろんパワー溢れる演奏も最高。


ASIAN KUNG-FU GENERATION 「ワールド ワールド ワールド」

「ワールド ワールド ワールド」2008年
●このアルバムもボクには重要です。「或る街の群青」を収録しているからです。そう、松本大洋原作のアニメ映画「鉄コン筋クリート」の主題歌です。フランス人監督が作ったクセして、このアニメ映画の風景は、東京の淀んだ空気の中で育ったボクにとっては見事に涙腺をヒットするほどの郷愁を掻き立てるシロモノ。そんな映画のエンドロールが巻き上がる中で流れてくるこの歌は、やっぱりボクの涙腺を見事に狙撃する。メランコリックなイントロからAメロがスタート、そこにザクッとラウドギターが割り込んで気合いを注入、ビートの疾駆が始まる。ボーカリスト後藤正文節炸裂の歌い上げる大サビが爆発してギターソロが天高く駆け抜ける。今んトコロこのバンドの最高傑作楽曲。群青色の街に暮らした事はナイが、深いブルーに沈む夕方の団地の群れを見るとジーンと来る。そういう都会のネズミのノスタルジーは、理解されにくいかなあ?
●このアルバムは心機一転原点回帰、轟音ギターのダイナミズムにもう一度真っ正面から立ち向かった印象。しかしタダの轟音であらず。ギターリフのアレンジやソロパートの技術など、ことごとくギターサウンドのパワーが飛躍的に進化してる。メロディも力強くなったが、例えそれを聴き飛ばしても、高速で疾走するツインギターの行き先を追って行くだけで最高に楽しめる。


ASIAN KUNG-FU GENERATION 「サーフ ブンガク カマクラ」

「サーフ ブンガク カマクラ」2008年
●新しくボクの部下になった若手くんの一人が、茅ヶ崎出身でメチャメチャ地元ラブ!なのです。27歳になっても地元(親元)を離れず、一時間以上かけて新橋の会社まで通勤してます。仕事場でも先輩後輩が湘南エリアの出身と分かると、スグにツルんで一派を作り、草野球のチームまで結成してしまいました。もちサザンの大ファンです。他の部署の先輩でも、ワザワザ遠いあのエリアに引っ越して、毎朝サーフィンしてから出勤してくる猛者がいます。ボクの大学の恩師もズーッと大磯で暮らしているって言うし……。あの鎌倉~江の電~湘南エリアという土地には、ナニかの磁場があるのでしょうか。吉田秋生「海街STORY」を読んだ直後だから尚そう思える。
●このアルバムの収録曲は、みんなこのエリアの地名を冠した曲名を持ってる。「藤沢ルーザー」「鵠沼サーフ」「江ノ島エスカー」…。オマケにこの地名は全て江の電の駅名で、藤沢から鎌倉まで路線の順番に並んでいる。江の電コンセプトアルバム。なんでそんなに江の電に夢中?…あ、このバンドは藤沢の近くにある関東学院大学で結成されたんだ…。


●ちなみに、アジカンステキなジャケットアートは、中村佑介さんというイラストレーターの方が手掛けてます。…完全妄想だけど、女性であって欲しかった!だっていつもオンナノコがカワイいんだもん!



アジカン関連音源。NANO-MUGEN 参戦アーティスト。
アジカンは、2003年から自分たちでロックフェスをオーガナイズしている。それが「NANO-MUGEN FES.」。ストレイテナーとか ELLE GARDEN が常連として出演しているんだけど、外タレも積極的に招聘してて、自分たちより格上のアーティストとガンガン共演している。今年なんて MANIC STREET PREACHERS HARD-FI、スピッツや再結成ユニコーンまで招いている。
●そこで気になったニューカマーがいた。

清竜人「PHILOSOPHY」
清竜人「PHILOSOPHY」2009年
●ギターとピアノが凛々しいロックを奏でながら、どこかスモーキーな湿度を漂わせたハスキーボイスで、澄み切ったメロディを歌い上げる。でもそのリリックはどこか世間に冷めきってしまった絶望のトーンが一貫して響いており、声に漂うスモーキーな湿度はたちまち氷結して乾いた霜になる。「悲システム」の絶望ぶりはこの若さでどうしたモンだ?と思うほど。その一方で、絶望を裏返したような強いトゲが仕込まれている。今後、注目のシンガーソングライターかも。あ、ナマエはキヨシ・リュウジンと読みます。

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