カードゲーム「バトルスピリッツ」、ノマドに完敗。
●先日、息子ノマドと折半して、「バトスピ」カードをハコ買いしてしまった。

バトルスピリッツ 【皇騎】 ブースター [BS05]バトルスピリッツ【皇騎】ブースター [BS05]

●これ、アマゾンに注文したんだけど、一箱に8枚入りのパックが20コ入ってるんです。ホントはお店がパックをバラ売りするためのパッケージなんだけど、それをハコ買いしちゃったわけね。結果160枚のカードを一気買い。大人げない買物だが、強力カードをゲットするにはもうこうするしかない。そんで、ノマドと公平にパックを半分に分け合ったのでした。
●パックの中にどんなカードが入っているかは開けてみてのお楽しみ…。ソコが一番のワクワクしドコロ。しかし開封してみてガッカリ。ノマドは超強力なエックスレアカードを三枚もゲットしたくせに、ボクはマスターレアカード一枚しかゲット出来なかったのだ。しょぼーん。マジショック。一方ノマドはガンガンに盛り上がってましたよマジで!
●コレが決定的な戦力差になって、どう逆立ちしても、もうノマドに勝てない。今まで集めてきた数百枚に及ぶカードコレクション(←つーかオマエそんなに集めてんのか)の組み合わせをイロイロ操作しても、雑誌「ケロケロエース」の特集記事を読みながら日夜カード研究をジックリやってるノマドのデッキ構成には対応できない。ボクが新しい戦術を考える前に、ヤツが新戦法を繰り出してくる。その上でトドメの最強&最凶カードを出す。で、ボクは死ぬ。マジ悔しい。大人げないが本気で悔しい。ボクは相手が小学二年生でもゲームは本気勝負なのだ。
●で、コレがノマドの今イチバン自慢のカード。

聖皇ジークフリーデン

「聖皇ジークフリーデン」
●コレが出たらもうオシマイだ。今のボクには成す術なし。ゲームを知らない人にはチンプンカンプンでしょうが、コレがどうにもこうにも強い。「レベル3」の特殊効果とか、もう反則だよと言いたい。この前までBB弾の空気銃で戦ってたのに、対戦車ロケット弾が配備されたようなインパクトだよ。
●ノマドがこのカードを使う瞬間ってのは、遠くの方からロケット弾が煙を吐きながらギューンと飛んできて(アメリカの戦争映画だと「RPG!」と叫んで味方に危険を知らせる場面ね)、着弾するまでに中途半端な2,3秒があって、「ヤベエ、死ぬよ死ぬよ!」とピリピリの恐怖に逆毛立ちながらも、何一つ対応できずに結局ドーンと吹っ飛ばされる感覚に近いのよ。一、二の三!ってテンポでゲームオーバーなのよ。だから、ノマドにコレを使うスキを与えない戦術を、今必死に考えてます。




●コドモの遊びにムキになるアホではありますが、大人らしく読書もします。テーマは、ジャズの歴史。


菊地成孔+大谷能生「東京大学のアルバート・アイラー 東大ジャズ講義録・歴史編」

菊地成孔+大谷能生「東京大学のアルバート・アイラー 東大ジャズ講義録・歴史編」
●この本がホントオモシロくて、今週は会社帰りに必ず一時間お茶を飲みながら、キッチリ丁寧に読んでます。菊地成孔さんの文章は、ちょっとカッコツケ過ぎててスノッブ過ぎる印象があるので、ボクは今まであまり読むことがなかったのですが、この2004年に行われたこの講義は、二十歳前後の学生さんが対象だからか、実に噛み砕いた表現で、テンポよく簡潔に、ジャズの歴史を説明してくれてます。目からウロコな解説に「なるほどー!そうだったのかー!」的な感動がイッパイあります。
●実はまだ読んでる途中なんです。けど、この人が捉えている「モダンジャズ」、特に「ビバップ」世代の黒人ジャズプレイヤーたちの立場と、たまたまボクが今週ハマってよく聴いているデトロイトテクノに、ある意味での共通点を見つけちゃったような気がして、そんな勢いでキーボードに向かってます。


DJ ROLANDO「THE AZTEC MYSTIC MIX」

DJ ROLAND「THE AZTEC MYSTIC MIX」1999年
●アメリカ、ミシガン州デトロイト。この街は、黒人音楽の歴史で重要なポジションを担っている。何てったって、黒人独自資本のレコード会社として初めてヒットチャートにシングルを送り込んだR&Bレーベル MOTOWN の発祥の地なわけですし、GEORGE CLINTON 率いる P-FUNK 軍団もココに拠点を置きました。60年代R&Bや70年代ファンクなど、ブラックミュージックの一番濃い黒汁がこの街には滴ってたはずなのですわ。
●ところが80年代後半になると、この街の若い黒人DJが新型のダンスミュージックを開発します。デトロイトテクノと呼ばれるスタイル。少々型落ちした日本製のドラムマシーンなどを駆使して、純粋に踊るためだけの部品のような音楽を量産し始めます。中でも活躍したのが MAD MIKE JEFF MILLS という若者が立ち上げた UNDERGROUND RESISTANCE という組織。彼らが作る音楽は、従来のポップスをブッチ切る硬質な打ち込みサウンドで、ブラックミュージックの伝統からは大きく逸脱した、鬼子のような存在でした。従来のテクノは、むしろ黒人というよりヨーロッパの白人文化(ドイツの KRAFTWERK とか)や日本(もちろん Y.M.O.)のイメージが強くて、なんで突然変異のように黒人文化からこんな音楽が出来ちゃったんだろう?と、ボクは素朴に思ってました。
●このミックスCDは、その UNDERGROUND RESISTANCE (略して UR)の音源をふんだんに盛り込んだ内容。強いビートに少ない展開、決して派手ではない上モノ、ナイも当然のメロディラインなど、ストイックでハードテックな楽曲が矢継ぎ早に発射、そのままマッハのスピードで地球の重力を振り切り銀河の果てまで聴くモノを吹っ飛ばしてくれるシロモノです。DJ ROLANDO 自身はヒスパニック系で、アステカ帝国を連想させるジャケやタイトルは、彼のメキシコ的なルーツを意識したものかも知れません。アステカのピラミッドから観測される神秘の天文学が、UR のターンテーブル渦巻き銀河を見せてくれます。

デトロイトテクノと、モダンジャズ、ビバップ革命の接点。
デトロイトテクノの突然変異的発生と、ビバップジャズの誕生は、実は似通っているコトに気づきました。ココで言うビバップってのは、CHARLIE PARKER などのビバップ第一世代のコトね。連中はまだ20歳代の若造だったのに、第二次世界大戦に従軍することもなく、夜な夜なアングラなナイトクラブに集まって、ヘロインとかを決めながら驚異的なアドリブ技術をセッセと磨いておりました。もうその感覚は、菊地さんに言わせれば、音楽の「ゲーム化、スポーツ化」ってくらいの勢いで。
●で、このビバップは、あまりにも曲芸のような演奏にパッと見「コイツらやってるコトが意味わかんね」的に見えます。ただし、実は「ゲーム化、スポーツ化」というだけあって、厳然たるルールがあるんですわ。「楽曲のコード進行に注目して、このコードにあてはまる限りは何してもイイ」っつーのがビバップのルール。ビバップ以前の大衆音楽は、メロディがあってアレンジがあって全てが楽譜によって構築されていたわけです(手っ取り早く言って、いわゆる「クラシック音楽」をイメージしといて下さい)。しかし、ビバップは、そういうお約束をゼンブ剥ぎ取って、そんで西洋/白人的大衆音楽の伝統を断ち切って、コードのみに導かれて自分たちの黒人アイデンティティを構築していく、そういう運動となっていく訳です。さらに、当時の大衆音楽では当然のフォーマットだった、オーケストラをまねたビッグバンド形態を放棄して、少人数のコンボ編成でセッションする、そしてその時、楽器の役割分担にヒエラルキーを作らない、というようなルールが、突然変異的にストリートカルチャーとして出現したのです。菊地さん曰く「殆ど破壊的な切断作業を通して初めて、黒人たちは自分たちの音楽的歴史を形成していくことができるようになった」というコトです。
●……そしたら、デトロイトテクノも一緒じゃん!黒人の自発的な運動として「殆ど破壊的な切断作業」をした結果、恐ろしくシンプルでストイックで、外から見たら「意味がわかんね」的な音楽が出来た。アコースティック楽器に依存してたジャズは、複数の人間が集まって演奏されるモンですが、ビッグバンドに比べれば、コンボ編成は恐ろしくシンプルでストイックですわ。ソレが自動演奏のテクノロジーをゲットしたら個人一人で楽曲制作出来るようになった。コレが文字通りのテクノ。でコイツを黒人音楽の根底にあるリズム/ダンスという機能に純粋に特化させる。コレがテクノの最低限のルール。そして演奏としてのケミストリーは、二台のターンテーブルの上で起こる。ビバップ、モダンジャズ誕生の瞬間と一緒じゃん。

●テクノもう一枚。

MILLSART「EVERY DOGS HAS ITS DAY」

MILLSART「EVERY DOGS HAS ITS DAY」2001年
●このユニットは、UR の創始者の一人 JEFF MILLS が使う名義の一つ。他にも PURPOSE MAKER という名前でもリリースしてます。「THE WIZARD」とも呼ばれる彼のDJプレイは学生時代に何度も聴きに行ったもんです。そりゃもう最高でしたよ。3台のターンテーブルを駆使して編み出されるBPM160超えの高速ビートを大音量で浴びると、脳みそがギンギンになります。彼の黒い肌はクラブの暗い照明の中で怪しく艶めき、まるでプラスチックの樹脂で出来てるんじゃないかと思うほどでした。90年代で一番未来に近い音楽家の一人でした。
●彼が地元デトロイトでDJ稼業を始めたのは1983年といいます。そこから20年近く経った段階のこの音源。非人間的なストイックさが特徴だった彼にしてみると、少々意外なほど人間味を感じます。シンプルなテクノであることは間違いないのですが、スピードも落とし気味、少々ツタない手引きのキーボードが味になって聴くモノをリラックスさせます。彼の後輩にあたるデトロイトテクノのクリエイター、MOODYMAN THEO PARRISH のソウルフルな質感も連想させます。
●曲のタイトルには「THE NOMAD OF NIGER」(ニジェールの遊牧民)、「PLACE DE LA BASTILLE」(バスティーユの場所)、「PACIFIC STATE OF MIND」(心の太平洋)、「NIGHTS OF AFRICA」(アフリカの夜)、「SHIBUYA-KU」(渋谷区!)なんてモノが。テクノが民族や国境を越える普遍性を持っているコトを暗示するかのようなタイトル群。実はビバップも、コード進行に関わるルールさえ理論として呑み込めば、人種や民族に関係なく演奏出来るという特徴がありました。1950年代当時、被差別人種だったアフリカ系のアンダーグラウンドミュージックが急速に人気を得て、世界のポップミュージックの地図を塗り替えたのには、こうしたルールに基づく普遍性ってのも一因にあったと思えます。うーん、テクノとビバップ、意外と近い!

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