我が家にグッピーの赤ちゃんが来た。

P1001448.jpg

●息子ノマドのトモダチ・テンタくんは、図鑑大好き、恐竜の名前をたくさん覚えちゃう系の男の子である。もちろん生き物も大好きである。ノマドとテンタくんは休み時間に小学校の裏側にある「オタマ池」に冒険に行く仲間だ。「オタマ池」にはハチがいるので大変危険らしいが、オタマジャクシがいっぱい住んでいるといわれている。まあボクにはわからない、21世紀少年たちの世界が、ソコにはあるわけだ。
●そんなテンタくんが、ジブンが育ててるグッピーがたくさん子供を生んだので、ノマドに5匹も幼魚を分けてくれた。グッピーは意外と丈夫な生き物らしいので、放っとかれてもしぶとく生きるが、共食いもしちゃうので赤ちゃんは隔離した方がいいらしい。確かにしらす干しよりもチッポケだ。マジでミジンコと変わらない。既に一年以上飼っている金魚のコメちゃんと同じ水槽に入れたら、すぐに喰われるだろう。
「オレのペット!」とゴキゲンのノマド。グッピーの観察をするぞ!と水槽とにらめっこ。ヤツの報告によると、グッピーの赤ちゃんは1分間に64回シッポを動かしたらしい。…そんなもん数えてたのか…ヨクやるよ。



TOM WAITS はジャイアンと思ってた。「ボエェェェ~!」 でも違った。

TOM WAITS「USED SONGS 1973-1980」

TOM WAITS「USED SONGS 1973-1980」1973~1980年
●ドラマ「不毛地帯」のエンドテーマに使われてる TOM WAITS の楽曲が気になって。「TOM TRAUBERT'S BLUES (FOUR SHEETS TO THE WIND IN COPENHAGEN)」って曲ね。ストリングスオーケストラを背負って、あの独特の唸るような太く低く野卑でムサくてケモノ臭い声でウタを歌う。そんな曲が流れる中、シベリアの収容所の風景をカメラがジワーッとゆっくりズームインしていくと、唐沢寿明サンが虚無的な表情を浮かべて1人立ち尽くしている…。アレが印象深くてねえ。いったいどんな人がどんなつもりで選曲したんだろう?スゲエセンスだな。結局原作小説もゼンブ読んじゃったし。で、TOM WAITS の方はベスト盤を入手しちゃった。
TOM WAITS といえば、ボクの中ではジム・ジャームッシュとかの映画でノソッと出てくるオッサンというイメージであり、メチャクチャヘンテコな音楽を吐き散らかす怪物というイメージだ。先日も触れたレーベル ISLAND に1983年から1999年まで所属してた TOM前衛ロウファイスタイルで暴虐の限りを尽くした。ボクが初めて触れた TOM の音源は ISLAND 移籍第一弾アルバム「SWORDFISHTROMBONES」。完全オレプロデュースの変態アレンジがかなりビター。もうCDウォークマンのヘッドフォン流し聴きとか不可能なのですよ、あまりにヘンテコ&耳障りで。だから、ある意味でジャイアンのリサイタル状態。「ボエェェェ~!」
●1985年のアルバム「RAIN DOGS」からヒットした曲「DOWNTOWN TRAIN」もね、ボクは ROD STEWART のカバーで聴いちゃったのよ。でコレがスゴくイイ曲で、歌詞もジワリとくる内容で、ゼヒ原曲を、と思って聴いたら実に野蛮で!ナニこのブッ壊れ具合は?みたいな。1992年の「BONE MACHINE」も話題になったけど、もう試聴の段階で恐れおののいたね。……すいません、まだボクがコドモだったんです。当時二十歳前のコトですよ…。ISLAND ってポイントで見れば、80年代前半は BOB MARLEY 商売が成功終了(いや BOB 死んじゃうからね)した時点で、次のヤマっ気のあるアーティストは誰だよって気分があったと思う。U2 を発掘したのも78年くらいでしょ。

●ところがだ、70年代、ISLAND 移籍以前の TOM は、全然印象が違うのよ。つまりこのベスト盤が網羅する1973~1980年、レーベルは ASYLUM に所属してた時代。ロスのクラブシンガーとして歌ってたトコロをフックアップされてデビュー。そしてこの時代はオレプロデュースではなく、BONES HOWE という人物に面倒をみてもらってた頃なのね。
●そうすると、ビックリするくらいオーセンティックなオケに乗って歌ってるわけですよ。声はモチロンアレですよ。「ボエェェェ~!」ですよ。でも、TOM 自身のピアノとスモールジャズコンボでしっとり聴かせるんですわ。彼がやってきた場所、場末のクラブで酔っぱらい相手にウタを歌う、そんな現場感が漂う気分に支配されてる。ISLAND 時代ばかり聴いて完全キワモノ扱いしてたけど、ASYLUM 時代から聴き始めてたら全然印象変わって見えただろうな、この人。目からウロコ。
●それと、歌詞がイイんだ…。実にホロ苦いんだわ…。酔っぱらいのヨタ話にしか聞こえないレベルのチッポケな夢や希望、実にスケールのちいさい恋愛とかを、タップリの愛情を込めて歌うんだわ。人生ポッキリ折れてる人の悲哀とか、ナンも始まっちゃいないのに既に終了しちゃってるような人の悲哀が滲むのよ。ダミ声でナニ言ってるかワカンナイくらいだけど、多分彼が歌ってたバーやクラブには、人生終了組の酔っぱらいがイッパイいて、彼のウタに涙してたに違いない。で、彼自身も酔っぱらって、一生ナニも始まらないままヨタ話を歌っていくと思ってたに違いない。だから彼は「酔いどれ詩人」と呼ばれるんだろう。「ボエェェェ~」声は酒ヤケの声なのだ。
●そして、「TOM TRAUBERT'S BLUES (FOUR SHEETS TO THE WIND IN COPENHAGEN)」だ。1976年の「SMALL CHANGES」というアルバムに収録されてる。ボクは今回ちゃんと歌詞を読んでみて、「不毛地帯」のようにダイナミックなビッグビジネスを描くようなドラマには、実は似合ってないと思ったな…。もっと日の目を見ないような名もなき人たちのためのウタに聴こえる…。ちょっとだけ拙訳でリリックを紹介。

 お月サマに恨みはナイが、もうボロボロに傷ついて。
 オレは、今までしこたまムシリ取られてきたんだよ…。
 おやすみまた明日な。あ、フランク、ちっと2ドルばかし貸してくれよ。
 マチルダと踊りに行くんだ…マチルダとワルツを…マチルダとワルツを踊るんだよ。
 
 先の見えないこの道で、オレは無実の犠牲者だ。
 あの兵隊どもにはウンザリしている。誰も言葉が通じねえし、誰もが痛んじまってる。
 そんでオレのステーシーはズブ濡れときた。
 マチルダと踊りに行くんだ…マチルダとワルツを…マチルダとワルツを踊るんだよ。」


TOM WAITS「SMALL CHENGES」

(TOM WAITS「SMALL CHENGES」1976年。「TOM TRAUBERT'S BLUES (FOUR SHEETS TO THE WIND IN COPENHAGEN)」収録。ジャケはストリップの踊り子さんの楽屋。TOM はこういう場所からやってきた詩人だ。)

TOM WAITS「RAIN DOGS」

(TOM WAITS「RAIN DOGS」1985年。「DOWNTOWN TRAIN」収録。今の耳ならスッと聴けた。やっぱ名曲。)



●ココから先は、より意味のわからない話題ですのでご勘弁を。ボク自身はオドロキと感動でドキドキしたんだけど、それがうまく伝えらえない…。



「手話」の世界にビックリしたんです。
●最近仕事で絡んでる人と雑談してて、ふと出たトーク。とある雑誌編集者の女性なのだが、趣味で「手話」の勉強をしているのだという。へーなんか意外っすねー、仕事忙しいのによくそんなヒマが。

「実は高校生の頃から勉強してて。『手話部』だったんですワタシ」お!そんな部活があるんですか。「それで、文化系のインターハイみたいなのに出場して、ワタシ優勝しちゃったんです」ええ!全国一位ってコト?ソレマジでスゴいんじゃないですか!?「で、なんとなく学校出てからもずっと勉強してるんです」大人になってからも?それじゃ、もう完璧に会話できるとか?「いやいや手話通訳士ってほどにはイケなくて。いつか資格取ろうと思ってますけどね」手話通訳士?そんな資格があるんだ?全然知識のナイ世界だわ。最初ノッテなかったんだけど、この話題なんかオモシロくなってきた!

●あのーホントに申し訳ないコトに、ボクは耳の不自由な人に会った事がなくて、全然わかんないんだけど…そもそもなんで手話なんです?「ワタシ高校が福祉科のクラスだったんですよ。それで美術の先生が聾者の人で。その先生とコミュニケーションしたいなと思って始めたんです」その先生、発声発話は出来ても、自分の声も生徒の声も聞こえない。授業では生徒に指示は出来ても、生徒から先生に話しかけるには工夫が必要になるという。「でもね、そんな先生がちゃんと話をしようとする時、生徒はみんな一生懸命聞こうとするんです。あの先生がいてくれて、結構考え方変わったと思う」へー。

「手話」の仕組みを「表意文字」と考えてみる。
●あの、日々感じてたギモンを聞きますね。手話って、「あいうえお」といった音に正確に対応し互換関係を持つジェスチャー、つまり「表音文字」的な表現も当然あると思うんだけど、基本的には、名詞や動詞など、単語そのものの意味を一発で表現するジェスチャー、つまり漢字のような「表意文字」で作られてるような気がするんですけど?ボクの当てずっぽうな見解、合ってます?
「そうですよ、例えばunimogrooveさんはコレ」彼女は、ボクの本名漢字四文字を、ソレゾレの漢字に対応させた四つのジェスチャーでパッと表現した。そのスピードにビックリ。彼女は自分の名前やいくつかの言葉もアレコレ素早い動きでサクサクッと表現。ヤベエ、ホンモノじゃん。彼女の名前の最初の文字は「浜」。コレを右手の甲を左手でスリ上げるジェスチャーで描写。「海岸に波が乗り上げる様子」を表しているらしい。わ、マジで漢字っぽい。音にリンクせず意味だけを描写してる。なるほど「表意文字」。中国語が発音出来なくても漢字の意味でニュアンスを察知できる仕組みと同じだ。音声を媒介せずに意味/イメージだけを伝えるシステム。
●そしたらさ、手話教室ってのは、この漢字っぽい「表意文字」をひたすら沢山覚えていくってスタイルなワケ?だって中国語は数万種類の漢字を覚えるというじゃん。手話も膨大な量の表現があるでしょう。「うーん、基本は先生と生徒でひたすら会話するんです。ソレを繰り返し訓練していく」あー英会話教室みたいなモンだ。納得。「そして絶対にしゃべっちゃダメ。だから10人以上教室にいてもすっごく静かなんです。無音です」へー。

日々クリエイトされてる「手話」言語。
●でも、新しい言葉はどんどん生まれてくるでしょ、ソレはどうやって対応するの?例えばニュースの言葉で「事業仕分け」とかさ。「NHK の手話ニュースが大事なんですよ。聾者の人はみんなアレを見てますから、新語はアソコで知る仕組みになってます」じゃあ、手話ニュースのスタッフは、毎日新言語を発明開発してるってワケ!超クリエイティブ&責任重大!スタッフが会議で「このコトバはこうやって表現しよう」とか考えてるのかな?「んー、ソコはわかんないですけど、スタッフは全員手話が完璧な人たちなんですって。で、なんとなくこんなカンジ?って相談してるみたいです」彼女の友達の手話通訳士さんが番組で働いてるとな。アナウンサーにも個性があって、見る人が見ると、この人は早口だなー(つまり手数が多い)と思うようなこともあるという。へー!へー!
●それと、隠語みたいなモノもあるそうだ。「女性の場合、生理とかあまりおおっぴらに話したくないじゃないですか。ソレはカタチを変えて女性同士だけで通じる隠語にしちゃうんだけど、男性にもわかるくらいに認知が広がっちゃったら、またソレに変わる新しい隠語が自然と出来てくるんです」すげー!言語生成の瞬間って、なんかスリリングじゃないすか!手話ってボクが思ってた以上に弾力性のあるシステムなんだ……翻って、一般の言語もきっと素晴らしく弾力的に出来ているんだろう、認識されないレベルで。ソシュール

●しかも手話は音声を必要としないシステムだから、実は音声媒介システムを使うボクら健常者とは、世界の見え方捉え方が全然違うかもしれない。「ちょっと違うトコロもあるのかな?……そう言えば、聾者の人は平気でしゃべってる人の間を通り抜けていきます。なんの躊躇もなく」それは、音声を意識してないから、音声でヤリトリしている人間の位置関係には意識を払わないってコトかな?…ちょっと待って、逆に言えば、音声で会話する時ボクらは必ずしもキッチリ向かい合っているわけじゃない…声の聴こえる範囲の距離ならナナメを向いてたり耳だけで聴いてたり…そうか、音声のヤリトリ関係は視覚で認知できる位置関係だけでは定義付け出来てないんだ!だからそういうギャップが出来るのかも!「そうなんですかね…?でも映画とかでも、遠慮なくスクリーンとお客の間に入っていくんですよね…」
「でも、手話で話している人がいたら、割り込みは絶対しません。必ず誰かの発言が終わるまで、みんなが待つんです」手話は視覚イメージだから、視線を一人に固定しないと意味が伝わらないということ?「途中でナニかしようと思うと、ちょっと待って今私が話してるから、ってセンセイに怒られるんです。エチケットなんでしょうね。実際、意味が混乱しちゃってワケ分かんなくなるんです」…複数の発言者のメッセージをキョロキョロしながら読み取るのは難しいモンね。なんかスッゲー勉強になりました!



スポンサーサイト
Secret

TrackBackURL
→http://unimogroove.blog4.fc2.com/tb.php/839-a84d5713