ヒヨコ、ヨーグルトを食べながら言う。
「パパ、ヒヨコ、ブルガリアにいきたい!」ヨーグルトでブルガリアか…こいつの動機付けってキホン食べ物に直結してるんだよね。「ブルガリアってヨーグルトがおいしいんでしょ?」そうなんだろうな多分。「ブルガリアは、さむいクニ?あついクニ?スッゴイあついクニ?」あー東ヨーロッパだしな…そんなに暑くないだろうな…以前見たブルガリア映画では雪が降ってたな。「フルーツはおいしい?」フルーツ?フルーツは…わかんないよ。「フルーツヨーグルトはおいしいのかってコトなのよ!」うーん、ジャムとか使って食べてるような気がする。「ヒヨコ、チキュウギでしらべる!」そうしてくれ、パパ元気ないから。「パパ、ヨーロッパってどこ?」おお基本的な知識から欠けてるな!あーとね、アフリカの上あたりです。「アフリカってどこ?」ソコ知らないの!もう説明できないよ。その辺はもうノマドに聞いてくれ。アイツ詳しいから世界地図に。

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そんなヒヨコが、つくしを拾ってきました。春ですね。



でもボクのココロがクタビレテいるので、レゲエ。

「STUDIO ONE ROOTS VOL.3」
「STUDIO ONE ROOTS VOL.3」
●英 SOUL JAZZ RECORDS からドボドボリリースされてるレゲエコンピシリーズ「STUDIO ONE」。もう何枚目になるだろうこのシリーズ。30枚近くになるだろうな…バカだからボク全部買ってるんだけど。でさ、大雑把に言えば内容も全部同じなのよ。古い古い録音でふっくらとしたグルーヴがうねってるのですよ。ほら、今も目の前でヒヨコが踊ってる。
●重要キーワード押さえておきましょう。CLEMENT COXSONE DODD。レゲエ/ジャマイカ音楽が録音されるようになった最初期に活躍した伝説のプロデューサー。そんで彼のスタジオの名前が「STUDIO ONE」BOB MARLEY を始め数々のレゲエ偉人がココを通過して行きました。今回は「ROOTS」がテーマのコンピなので、レゲエ以前のさらに古いスタイルに影響された音源を収納してます。多分大事になるコトバは「ナイヤビンギ」。ソレを念頭に英語ライナーを読んでます。
●ジャマイカ独自の信仰ラスタファリズム。この信者たちが自らのコミュニティで鳴らしているリズム音楽に注目した COXSONE DODD は、スタジオのハウスバンド THE SKATALITES の主要メンバーを連れて夜な夜なラスタたちのドラムを聴かせてたと言います。これが1950年代末、キングストンの東にあるワレイカヒルズというラスタコミューンでのコト。後のシーンで活躍する COUNT OSSIE もココにおりました。アフリカ由来(ライナーにはアシャンティ王国って書いてあるな)の伝統音楽の要素を色濃く残すこのスタイルは「ナイヤビンギ」と呼ばれるようになり、レゲエ成立の大きな推進力になったと言います。より土臭くドロドロした印象の強い「ナイヤビンギ」はソレそのものの魅力も強く、70年代あたりまで積極的に録音もされてました。COUNT OSSIE のバンド THE MYSTIC REVOLUTION OF RASTAFARI はその代表格ですわ。

SOUND DIMENSION「SOUND DIMENSION」

SOUND DIMENSION「SOUND DIMENSION」
●これも SOUL JAZZ RECORDS/STUDIO ONE シリーズの一枚です。1960年代末に STUDIO ONE で活躍していたハウスバンド SOUND DIMENSION の演奏を集めたコンビ。スタジオのハウスバンドに注目した選曲だけあって、全部オケのみ、ボーカルなしです。しかし、そのタイトでジャストなファンクネスは、同時代の名ハウスバンド、MOTOWN における THE FUNK BROTHERS、STAX における BOOKER T & THE MG'S に匹敵し得る迫力があります。
SOUND DIMENSION には 名キーボーディスト JACKIE MITTOO が所属しておりました。トロンボーン奏者 VIN GORDON DON DRUMMOND ジュニアと称された傑物。北部高級リゾートでの仕事でジャズの訓練を受けてきたメンバーもおりました。SOUL VENDERS という名前も時々出てきますが、それは SOUND DIMENSION の別名。70年代に入ってからは BRENTFORD ALL-STARS/BRENTFORD ROCKERS と名前が変わりますが、メンツはほぼ同じっぽい。
●レゲエの世界には、こんな重要ハウスバンドがいくつかあります。チェックしておきましょうね。SOUND DIMENSION の先輩バンドが THE SKATALITES。最初期の STUDIO ONE で活躍し、スカ/ロックステディの様式を作った連中。60年代末には、THE AGGROVATORS とか THE ROOTS RADICS などが活躍しておりました。コレは STUDIO ONE じゃなくて CHANNEL ONE のハウスバンドだね。
●連中が鳴らしたコレらのオケトラックは、レゲエの歴史の中で、引用、再録、カバー、替えウタなどなど何回も何回も再利用されて、今や古典リディムとして鉄板の支持を掴んでおります。確かにボクでも聴いたコトのある物件がゴロゴロしてます。「REAL ROCK」「HEAVY ROCK」「MOJO ROCKSTEADY」とか。こうした名トラックを、敬意を込めて「ファウンデーション」と呼んだりするそうです。

DUB SPECIALIST「17 DUB SHOT FROM STUDIO ONE」

DUB SPECIALIST「17 DUB SHOT FROM STUDIO ONE」
●70年代になると、レゲエの世界は「ダブ」の時代に入ります。同じオケトラックを活発に使い回す文化(別人が別のウタを乗っけたり、オケトラックをかけながらDJがわめいたり)がしっかり定着した結果、このオケトラックを改変して楽しむスタイルが登場するのです。具体的に言えば、元のオケトラックに思いっきりエコーをかけたりする行為。コレがその後世界に普及する「リミックス」という概念の元祖になります。
●70年代ダブ表現の第一人者は、電気技師だった KING TUBBY。そして STUDIO ONE のエンジニア経験を経て独立した LEE SCRATCH PERRY。若手世代の台頭。しかし50年代から業界の首領として君臨してた COXSONE DODD がこの動きを指くわえて見てるだけに終わるワケがありません。そんで自ら名乗った名前が DUB SPECIALIST自分の経営する STUDIO ONE にはクサルほどのオケトラックがありますから、それを片っ端からダブ加工し始めました。DUB SPECIALIST 名義でリリースしたアルバムは12枚。オッサンがんばりました。そんな音源を、HEARTBEAT というレーベルの連中がコンパイルしたのがこのアルバムです。
KING TUBBY LEE PERRY ほど革新的なダブ表現には至ってない、ちょい中途半端なエコー加減。実にフツウなのですが、サウンドシステムなどの現場運用視点ではイイ塩梅らしい。元曲の演奏は SOUND DIMENSION 関係者なのかな? 自分の演奏を勝手に改造されてギャラ支払いもなく転売する商売に、ウンザリしてたプレイヤーもいたようです。COXSONE DODD はレゲエ世界の偉人ではありますが、アコギで渋チンの経営者という側面も強く、手放しで評価出来ないって場面もあるみたいっす。

「REAL AUTHENTIC REGGAE VOLUME ONE」

「REAL AUTHENTIC REGGAE VOLUME ONE」1971-2007年
●コチラは BBE というイギリスのレーベルが作ったコンピ。ヒップホップからテクノ、70年代レアグルーヴまで網羅する、実に趣味のイイイギリスのレーベルです。ある日このレーベルのメルマガが「今だけ半額セール!」と激しく煽ってきたモンですから、ムキになって買ってしまいました。ポンドの買物は高いのに…。
DAVID RODIGAN という人がコンパイラーとしてクレジットされてますが、ドナタサマかはよくワカランです。ただし、70年代を軸に、ちょっぴり00年代まで網羅する選曲は実に明るく、ウタモノとしての清々しさが楽しいのでした。70年代末の録音ともなるとベースがわかりやすく野太いし、ダブ風味も洗練されててキャッチーだわー。DENNIS BROWN、BARRINGTON LEVY、THE ABBYSINIANS などなど。BUNNY LEE プロデュースの BARRY BROWN「BIG BIG POLUTION」の地を這い回るようなダブが好き。07年録音の SUZANNE COUCH「SMILE」はクールなローボイスがひんやり冷たくて好き。

「REAL AUTHENTIC REGGAE VOLUME TWO」
「REAL AUTHENTIC REGGAE VOLUME TWO」1975-2008年
BBE による同じシリーズの第二弾。1975年から80年代前半程度の録音と00年代をちょっぴり。ジャケはラスタ思想の開祖 MARCUS GARVEY の肖像だな。KING TUBBY、GREGORY ISAAC、AUGUSTUS PABLO、SUGAR MINOTT などを収録。WAYNE WADE の迫力あるダブ魂もスゴい。オーセンティックと歌いながらもダンスホールなアプローチも採用。CHAKADEMUS AND PLIERS LUCIANO も収録されてる。
●それと、こちらでも BUNNY LEE のプロデュース楽曲が気になる。この人のグッと抑制されたテンションが奥ゆかしくてイイ。調べると KING TUBBY の仲間で最初期ダブの達人である。気になるなあ。そんな曲から繋がる THE MELODIANS「SUBMISSION」のベースボワボワダブが好き。

RAS MICHAEL  THE SONS OF NEGUS「RASTAFARI DUB」

RAS MICHAEL & THE SONS OF NEGUS「RASTAFARI DUB」1972年録音
RAS MICHAELホンマモンのラスタで、ナイヤビンギの専門家だ。元々は STUDIO ONE に出入りしてたミュージシャンの一人だが、ラスタ系ラジオ番組立ち上げに関わったりしてる敬虔なラスタ信者。そんな彼の代表作がその名もズバリ「RASTAFARI」。そのアルバムをそっくりそのままダブワイズしたのが本作「RASTAFARI DUB」ってコトになる。STUDIO ONE、ナイヤビンギ、ダブ、と今日ピックアップしてきたキーワードが結集したような音源です。奴隷貿易以前から伝わる太古のリズムと20世紀の電気処理録音技術が合体。
●しかし、濃密な呪術的グルーヴこそ真骨頂のナイヤビンギと、音のスキマ感をエコー処理で埋めていくダブの美学は、実は相性があまりヨクないかも。立派なダブだが、ナイヤビンギの度合いが減ってしまった。そこでダブする前の「RASTAFARI」と聴き比べてみたいのに、またしても部屋が散らかり過ぎて見つからない。ああ、マヌケ。
●ちなみに、ベースで ROBBIE SHAKESPEARSLY & ROBBIE)、ギターで PETER TOSHTHE WAILERS)が参加してる。ココも注目。


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