ノマドの読書大冒険。
●我が息子ノマド小学三年生がべルヌ「海底二万マイル」を読んでるというオハナシを先日ここに記しました……で、意外とサラリと読みこなしてしまいました。
●どうだったノマド?「地中海と紅海は、同じ種類のサカナが住んでるんだよ!」ほう、そうなのか。それで?「陸地でワカレてる海に同じサカナがいるのは、ホントは地下でつながってるから!ノーチラス号は海底を調査して抜け穴のトンネルを発見したの!」ネモ船長そんなコトしてんのか。今はな、スエズ運河ってのをムリヤリ作って地上でつないじゃったんだけどな。「それとクック船長はサンドイッチ諸島で死んだ!」細かいハナシが書いてあるんだなあ。でもクック船長はハワイで死んだはずだよ…あー検索してわかったんですが、サンドイッチ諸島はハワイ諸島の旧称なのでした。じゃあネモ船長はハワイで死なないのか?「ノーチラス号に入ってこようとした先住民がいたけど、ハッチの手すりに電気を流してビリビリにした!」そんなかわいそうなコトしてんのかー。

そんでテンポよく次のホンに移ったのです。江戸川乱歩。

江戸川乱歩「空飛ぶ二十面相」

江戸川乱歩「空飛ぶ二十面相」
●ある日、DSポケモンの長時間プレイをママにたしなめられたノマド。ゲーム以外のコトをしなさい!と言われて偶然手に取ったのがこの本。実はコレ、ボクが何年か前に古本屋で見つけ、表紙イラストがあまりにキッチュ過ぎて思わず買ってしまったシロモノなのです。しかし表紙に満足して内容は全然気に留めてませんでした。そしたらノマドが勝手に読み始めた。本人も予期せぬテンションでハマった。ボクが会社から帰ってきて風呂に浸かってたら、ノマドわざわざ風呂場に来て「空飛ぶ二十面相、チョーオモシレえ!」と報告していった。べルヌに劣らずクラシックな世界観だけど、オマエ意味分かるの?
●で、コレこそ爆読み!ノマド2日で読破しました。小学三年生がホントに理解できたんだろうか?しかしパラパラとページを見てみると、確かにノマドの大好物であろうキーワードがテンコモリであったのです。地球に衝突するかもしれない彗星。彗星の飛来にリンクして出現したカニ怪人。そのカニ怪人がなぜか古い仏像を強奪。小林少年と明智小五郎。フランス製の小型プロペラを背中に装着して、空を飛ぶ怪人二十面相。わー実にコドモだましな展開が目白押しではないか。コレ「名探偵コナン」をテレビで見慣れてるノマドにはちょうどイイ素材だったのかも。

「まんが電気学入門」

で、もう一冊ヤツは本を読んでる。「まんが電気学入門」
●ボクの実家に遊びに行ったノマド、100円ショップで磁石を買ってもらったらしい。タダの磁石ですよ、U字のヤツと、おはじきみたいなカタチをした、レイゾウコにくっつけるヤツ。
●しかしノマドこれまたヘンなコトを言いだした。「磁石で電気を作れるんでしょ!作り方教えて!」会社帰った瞬間に、こんなコト言われるとマジ疲れますよ……あーオマエ電磁誘導のコト言ってんの?そんなコト誰が言ってた?「パパがくれた本にのってた」そんな本を与えただろうか?多分、銅線をグルグル巻きにしてコイルを作らないといけないと思う…。翌日「オレの持ってる銅線はみんなカバーがついていてダメみたいなんだ…パパどうしよう?」パパもわからないよ。…とにかくこの数日ノマドは磁石に夢中である。「今日、棒磁石買っちゃった!」とか意味のわからない自慢もする。その勢いで、渋谷の「電力館」図書室からこんな本まで借りてきてしまったのだ。
●しかもコレ難しい!マンガだと思ってナメてたら実に難しい!抵抗値計算とかジュールの法則とか回路図の読み方とかが書いてある!これは中学や高校でやる話じゃないか。ノマドこれは意味分からないだろ!「うん全然わかんねえ!だからパパが読んでオレに教えて、磁石で電気を起こす方法を!」うあーカンベンして。パパは真性の文系人間なんだから。
●今日のノマドはこれまたへんなオネダリである。「今週のプール教室ガンバルから、電流計買って!オレのおとし玉でもいいから!」電流計?そんなに磁石で電気を作りたいのか。つーか電流計ドコで売ってんだよ。PCの前、男二人でアマゾン検索したがプロ仕様しかない。もしオマエがコレで測るほどの電流を発生させたらネモ船長が追い払ったハワイ先住民みたいにビリビリ感電するわ。ノマドオマエは一体ドコに行こうとしているんだ?


ノマドはサマーバケーションを満喫中だが、ああ、ボク自身は暑過ぎてバテテます。
●夏バテで抵抗力が落ちてるのか、ものもらいのような違和感を右目に感じております。だから目薬を差そうと思ったら、ソレが口に入ってしまった。うわスゴく苦い!意表を突いて実に苦い!目薬の味生まれて初めて知った。アレ一本を一気飲みしたら吐くね。

だから、激しい音楽を聴けない…。00年代の「メソメソロック」を聴く。

ATHLETE「TOURIST」

ATHLETE「TOURIST」2005年
●00年代前半はロックンロールリバイバルとかガレージリバイバルとかダンスパンク~ダンスロックとか、騒々しい音楽が流行ってたような気がするが、ちょっと引き目でモノを見ると叙情派や耽美派なロックバンドも大勢いたコトに気づく。代表格は COLDPLAY だ。00年代にドデカくブレイクした重要なアーティスト。連中の音楽は尖ってもいなければウルサくもない、しかしエモーショナルで繊細だった。あの気分は、まさしく00年代前半の雰囲気、テロと戦争に揺さぶられた憂鬱を正しく反映していたのだと、今振り返ると思ってしまう。(COLDPLAY の音楽についてはコチラの記事へ
COLDPLAY に先行していたのは、多分 TRAVIS RADIOHEAD だ。90年代から活躍する彼らは、ブリットポップの喧噪に負けず自分たちのシリアスな表現をコツコツと深化させてた。彼らの作った文法をより分かり易くしたのが COLDPLAY だったとボクは勝手に思うのです。そんでね、この系譜をボクは勝手に「メソメソロック」と呼ぶのです。繊細な文系青年が可憐にギターを鳴らしファルセットでゆったり歌う。メソメソと。
●そんで今日聴いているバンド ATHLETE はその「メソメソロック」のフォロワーにあたる存在、だと勝手に位置づけている。アスリート=運動選手、とか言っちゃって、音楽のテイストは深刻に文化系だ。1ミリも体育会系ではない。マイナー調のピアノとギターが深いエコーにフワフワと浮遊しながら、メソメソと歌うボーカルを優しく包む。全体的にヒンヤリとした触感が清々しい。「TOURIST」は彼らのセカンドアルバム。タイトルで言えるほど連中はツーリスト=旅人なのだろうか?ヒキコモリっぽい感じがする。けど、ココロもカラダも弱ってる今はその線の細さが心地よい。

ATHLETE「BEYOND THE NEIGHBOURHOOD」

ATHLETE「BEYOND THE NEIGHBOURHOOD」2007年
●さて、COLDPLAY が「VIVA LA VIDA」で旺盛な生命力を歌っちゃう2008年の一歩手前。メソメソロックもメソメソダケしてもいられない状況がこのヘンにあったらしい。なんちゃってツーリストだったこのバンドが「ご近所様サマを超えて」という名のアルバムを発表する。ヒキコモリがオウチのドアを開けて外の世界に出るようになりました。ホンのちょっとだけギターがタフになって、ビートが勇ましくなって、繊細な声はメジャー調の明るいメロディを朗々と歌うようになる。リアルな旅に出るつもりにもなったのか「TOKYO」という名のシングルも放つ。「アイアムトキオ~」ってフレーズはイマイチピンとこないが、彼らなりの汗と血の沸き立ちを感じさせるロックになってる。

THE STILLS「LOGIC WILL BREAK YOUR HEART」

THE STILLS「LOGIC WILL BREAK YOUR HEART」2003年
●コチラも完璧なメソメソロックフォロワーです。叙情派なギターサウンドがシューゲイザーなみにキラキラするメリハリがキレイです。COLDPLAY が好きなら絶対気に入ると思う。でもね、COLDPLAYATHLETE がイギリスのバンドだったのに対し、コイツらはカナダ・モントリオール出身。カナダって不思議な国だなー。UK バンドだと思ってたらカナダのバンドだったってコトが結構多いね。叙情派ロックバンドとして過去の記事(コチラ)で紹介した THE DEARS を連想させる。

THE STILLS「WITHOUT FEATHERS」

THE STILLS「WITHOUT FEATHERS」2006年
●ファーストである前作から3年の時間を空けてリリースされたセカンドアルバム。ジャケがキレイだね…。さて、ATHLETE 同様コチラのバンドもメソメソしてるだけにはいかない状況があったらしい。ビート感覚が微妙に逞しくなり、ギターが勇ましく70年代カントリーロックなフレーズをズンダカ鳴らす場面が出てくる。COLDPLAY のようなスケール感のある澄み切った洗練、というよりは、人の温もりと手触りの確かさが伝わるサウンドデザインに近づいた感じ。クラフトマンシップに乗っ取った工芸感覚が、カナダのアートロックの世界には匂う。ソレはカナダのインディ界を代表する大所帯バンド BROKEN SOCIAL SCENE のメンバーが一曲で参加している所も関係するんだろうな。カナダ…気になる国だなあ。


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