最近は、ジャケットを必ず着用してるんだよ。襟付きのシャツを着てるんだよ。
●去年の春夏は、普通に野蛮な和柄のパーカーにダブダブのジーンズとか着て会社に行ってたのに。
●普通にアディダスのジャージとかでも仕事してたな。まーヒンシュクも買ってたかもしれないけど、別に構ってなかった。ヒゲも剃らない。一ヶ月に一回しか剃らない。ずっと無精ヒゲ。散髪は半年に一回ね。
●でもさ、さすがに40歳中盤に差し掛かって、コキタナイおっさんほど痛々しいモノはないと思うようになりました。
●昔一緒に仕事してた同世代の友人UJIと会社の中で数年ぶりにバッタリ会って、こう言われたんですよ。「unimogrooveさん、最初気付きませんでしたよ。まるで浮浪者みたいなカッコじゃないですか。言い換えればホームレスですよ」うわ、数年ぶりに再会した元同僚にかける言葉がソレか!しかし友人UJIは今は職業を変えて、スーツにネクタイ、年相応のビジネスマンのカッコだ。少し太って貫禄まで出てきてるよ。それに引きかえ、ボクは10年近く穿いてる穴あきジーンズにスニーカー、ボーダー柄の丸首シャツをテロっと着てるだけ。反論できない…。
●ということで、サクッと着こなせるジャケットをパラパラと買い揃えた。下北沢の古着屋を中心に4000円を購入。あと、アウトレットでも明るい色のジャケットを購入。ここにチノパンを多用して、古着のシャツを合わせる。
●そんな感じで会社に出たら、先輩から「なんで今日はそんなにコギレイなの?」…とりあえず「コキタナイ」から「コギレイ」になった。しかし「コ」ってなんだ?ボクがマシなカッコするのはそんなにイレギュラーなコトなのか?まーその一方で、大人しくスーツとネクタイに変身できないのがボクの限界。今年はとりあえずこのモードでいく。


●クールなダンスミュージックでチルアウト。

MOBY「PLAY」 

MOBY「PLAY」1999年
長い間、この人の音楽を誤解してたわ。誤解ゆえに、今までスルーしてた。たまたま下北沢ユニオンで100円だから買ったまでだったのよ。だって、ジャケがこんなヤツだから、すごくアゲアゲのウェイウェイした感じのドカドカなダンスミュージックだとカルく思ってて。同時期に暴れ回ってた THE PRODIGYTHE CHEMICAL BROTHERS、FATBOY SLIM のようなビッグビートな音楽だと思い込んでた。ところが違った。シックに落ち着いて、シリアスなポップネスを追求した音楽だった。時に歌ゴロロが作用して、時に可憐なアレンジが艶めく。
●前述に列挙したダンスアクトはみんなイギリス人なのよ。レイブカルチャー旋風の中から立身して、ロッキンなビートでダンスフロアを圧殺してた。でもこの人はアメリカ人。おまけにヴィーガン。ドラッグも絶対にやらない。ニューヨークを拠点としてるけど、本来はコネチカット出身。そんな出自に由来するのか、エレクトロ・アーティストでありながら、楽曲の着想をアメリカのルーツミュージックに見出してるらしい。
●基本的に彼は最初に、古いゴスペルミュージックからブルース、ヒップホップなど、アメリカンなブラックミュージックから、彼は楽曲のモチーフになるサンプルを拾い出す。それを、モダンなエレクトロで装飾していく。時には美しいピアノやシンセのアレンジで包んで耳に柔らかく仕上げる。モダンで小気味良いダンス感覚とアメリカの郷愁を絶妙な塩梅とポップネスでハイブリットしたのが、成功の理由かと。
●それでいて、しっかりとループをひたすら繰り返す。ダンスミュージックのフォーマットにキチンと落ちているわけだが、その一方でそのループのクールなシンプルさが、無駄を削ぎ落としたストイックな潔さに繋がっていて、むしろそれが聴くモノを安心させる。結果として、このアルバムは全世界でヒットして1000万枚のセールスを達成したとな。

MOBY「18」 

MOBY「18」2002年
●なんだかエエ顔してるな。この坊主頭が、悟りに近く僧侶の印象すら感じさせるわ。基本的には前作「PLAY」のシンプルなアプローチを踏襲してる。サンプルされたゴスペルの断片がループされる様にシビれるよ。そこに、より一層の歌ゴコロが芽生えてて、実に愛おしい。今回はサンプルの代わりに生身のボーカリストを招いているのだ。
●冒頭一曲目の「WE ARE ALL MADE OF STARS」は彼自身が歌っているのかな。実は起伏の少ないメロディだけど、訥々とした地味な歌がジワジワ迫り上がるギターリフのフレーズに乗せられてスゴくドラマチックに聴こえる。2001年の911テロにニューヨークで遭遇した彼は強いショックを受けたというが、ここでは実直に前へ進もうとしている。「誰もボクらを止められない。ボクらはみんな星で出来ているのだから」
●招かれたシンガーは、SINEAD O'CONNOR、ANGIE STONE MC LYTE、そしてジョージア州アセンズ出身の女性デュオ AZURE RAY。彼女たちの不思議なドリームポップの気分は、MOBY のトラックからビートも取り去ってしまって実にチルアウト。









●GWあたりで、映画だの、マンガだの、アニメだの、ドラマだの、アレコレ摂取しすぎまして。
●脳みそパンク状態になったので。
●公開しようと思ってた書きかけの記事たちを全部廃棄して。
●アタマをスッキリさせます。

Demolished Thoughts

THURSTON MOORE「DEMOLISHED THOUGHTS」2011年
●オルタナティブロックのカリスマバンド、SONIC YOUTH のギター/ボーカルだった THURSTON MOORE のソロアルバム。SONIC YOUTH はボクにとって史上最高にカッコいいロックバンドだが、このアルバムがリリースされた年に活動休止、そしてそのまま解散した。オシドリ夫婦と言われていた THURSTON とベースの KIM GORDON がまさかの離婚。そしてそのままバンドが機能停止というオチ。あっという間の幕切れだったよ。え、それでバンドが終わっちゃうの?1981年から30年もやってたバンドが壊れちゃうの?ショック!熟年離婚おそるべし!

●そんな解散劇から既に結構な時間が経った2017年。ファッション雑誌「GINZA」4月号の音楽特集に、THURSTON & KIM娘、COCO GORDON MOORE の独占インタビューが載ってた。おお!あの COCO ちゃんが立派になって!現在23歳の彼女は立派なレディでファッション誌に露出するアイコン。しかしボクにとっては彼女が生まれた1994年なんて一番熱心に SONIC YOUTH を聴いてた時代、彼女の誕生もその頃のリアルタイムのニュースとして見聞きしてた。オシドリ夫婦だった THURSTON & KIM の写真には、しばしば赤ん坊だった彼女がヨチヨチと写ってたりもして。そんな子がいきなり立派な女性になっててビビる。大きくなったなー、美大出てアーティストになったのねー、なんて親戚のおじさんみたいな感じだよ。

COCO ちゃん大人になりました記念で、この音源を引っ張り出して、今聴いてる。SONIC YOUTH がダメになって、バンドに疲れましたーって感じが濃厚な、完全ソロ志向のアコースティックアルバムだ。あれだけノイジーなギタープレイで武名をあげてきたギタリストが、ここではアコギを繊細に操作して、ささやくように歌う。そこに優雅なストリングスやハープのアレンジが挿入されて、シットリと耳に優しい。密室感が濃い微妙なエコーの加減が地下の湿り気と妖しさを残しつつ、諦観と達観を通り越した凛々しさが清々しい。メロディやギターのフレーズには SONIC YOUTH 時代の名残もあるけど、静かな佇まいが枯れ寂れて可憐。
●実は、プロデュースが同時代を共に戦ってきたオルタナのカリスマ BECK。ああ、確かに BECK のアコースティックアルバムと同じテイストかもしれない。アルバムクレジットを読んでて、妙に腑に落ちた。







娘ヒヨコ中学3年生。
トイレで友達と水かけゴッコして、先生に怒られる。「今すぐトイレの床拭いてきなさい!」
●校舎の屋根にネズミの白骨死体を見つけてテンションぶち上げ。周囲のクラスメイト(男子含む)はドン引きなのに。来る日も来る日も、その骨を観察に行ってる。「肋骨がそのままカゴみたいに残ってるんだよ!」
●もう少しで高校生だというのに、小学生みたいなことしてる娘に半ば呆れて笑ってるけど、まだ大人にならずに、ボクのソバにいてくれることに、少し安心してるのが本心。そんでヒヨコの好きそうなマンガを買ってきては、一緒に回し読みしようと誘ってしまう。ワイフには怒られるけど。「この子来週テストなの!なんで勉強の邪魔するの!」さて、COCOちゃんはどんな子供だったのかな。どんな風に大人になったのかな。ヒヨコはどうなるのかな。


中学三年生の娘ヒヨコが、立派な天然フシギちゃんになってる模様。

●スマートフォンの予備充電池のことを「スマホの養命酒」と呼んでる。気持ちだけは伝わるが…。
●ソフトバンクユーザー向けの「スーパーフライデー」キャンペーンで31アイスクリームをゲットするために新宿まで遠征してる。中高生は2つもらえるので、きちんと2つアイスを食ってる。
●GWに懇願されて、焼肉を食べに行くことに。お肉いっぱい食べて「なんだかお肌がツヤツヤしてきた」と丸いホッペをさすってた。石焼ビビンバも平らげた。石焼の意味も知らなかったくせに。
●バレエ教室の活動に軸足を置くため、学校の部活は一番ユルイ「華道部」を選んでたヒヨコ。「茶話会」と称してお菓子食べ放題の時間があるのが楽しみだっただけ。しかし中3になってみたら、誰よりも器用にお花を生ける技術が備わってしまってた(元から手先だけは器用)。結果、とうとう部長に就任。女子派閥の力学バランスに無頓着無関心な天然ぶりが決め手だったとな。
●始業前の読書タイムに読む本がない、と言いながら、ボクの本棚から伊藤計劃「ハーモニー」を持っていって読破。そのまま「虐殺器官」も読破。オマエが伊藤計劃にハマるなんて…。ボクが今読んでる「サピエンス全史」も一度学校に持っていったらしい。意味わかってるのかな。
●その一方で、「ソ連」がパパママに当たるボクらが高校生の時まで存在していたことを知ると、「え、ソ連てそんな最近まであったの?むしろロシアが新参?」とだいぶ混乱した模様。帝政ロシアから共産主義、ロシア革命、東西冷戦、核兵器の軍拡競争とペレストロイカまで説明してやりました。北朝鮮と韓国は2つの国に分かれてるだろ、あんな感じにソ連とアメリカで全世界が二つに分かれてた時期があったわけよ。
●GWの宿題では戦前史の課題で「五・一五事件」のレポート書いてた。ちゃんと書けてるじゃんと褒めてやったら「犬養毅さんが殺される理由がワカンナイ、犬養さんの前の総理大臣が悪いんじゃない?それと一緒に殺されちゃった警察官の田中五郎さんがモブキャラすぎてかわいそう。名前がすでにモブすぎる」と独自の視点で解釈。
●高校受験のために塾に通い始めて、確かに成績はよくなってる。偏差値もビックリするほどよくなった。しかしそれ以上にビックリしたのは、合否可能性判定のための志望校記入欄で大失敗、男子校の名前を記入してしまった。アホか!当然「判定不能」だわ。模試以前の段階で歯車が噛み合ってない。
●もう二度と受験勉強したくないから付属高校希望とかいってるが、結局のところ、将来ナニになりたいの?と質問したら、熟考の末「動物のお世話をする仕事とか?」…それでワンちゃんのトリマーさんと言われたら、四大進学はむしろ遠回りじゃないか…。
●先日は、どうしても見たい!と言われて「バイオハザード:ザ・ファイナル」のDVDをレンタルしてやった。なぜか「バイオハザード」シリーズが大好き。悪のマッドサイエンティスト企業・アンブレラのマークが三菱に似てると主張しまくる。



「ニコニコ超会議2017」に行ってきた。

IMG_6211.jpg

●久しぶりの「超会議」だったね…このブログの過去ログを探ったら、前回ボクが行った超会議は2013年で第二回だったよ。イベントはさらに巨大化し、洗練してきたのかもしれない。ある意味で音楽フェスと同じ感じ?お客さんは何をどうやって楽しめばいいか、文法を飲み込んできた感があるし、協賛スポンサーやブース出展企業も、何をすれば楽しんでもらえるのかキチンと理解してるように思えた。

マクドナルドが新製品のデザートのサンプリングをやってるのが象徴的だったなー。雑然たるサブカルのカオスに、あの黄色い「M」の字が輝くのは変な光景だった。/日テレ「笑点」の座布団をどこまで高く積み上げられるかギネス記録とかもやってた。/「週刊文春」はニコニコチャンネルを運営してて芸能スクープの裏話を有料課金で配信してるとな。文春砲!/緑のウィッグをかぶった海パンのマッチョが大勢いると思ったら、パチンコ「海物語」キャラのコスプレだった。/民進党は渾身のクリエイティブ「VR蓮舫」で勝負してて、総合的に大失敗してる気がした。/航空自衛隊「ブルーインパルス360°動画」の方が気が利いてると思ったが、マジで酔うみたい。/いつも存在感を放つ在日米軍のみなさんが存在感薄かったのは、緊張高まる北朝鮮情勢が理由か?/大相撲はスルーしちゃった。

「ホラーゲーム実況」ってのがウケてるらしく、リアルホラーゲームとしてお化け屋敷ができてた。/SCRAP のリアル脱出ゲームもあったっけ。/「料理動画」も人気があるらしく、「RTA(REAL TIME ATTACK)」といって制限時間以内に完璧な料理を仕上げることを競う遊びがあるそうな。3分間で完璧なオムレツを作るとか。/コスプレで目立ったのは最近の大ブレイク作品「けものフレンズ」だね。サーバルちゃんにヒグマさん、やっぱりかばんちゃんも。/日本ネットクリエイター協会(JNCA)ってのが気になった。ボカロP向け著作権講座って感じ?/「まるなげひろば」的なユーザーお任せ空間も内容あったなあ。「偽YMO」と名乗るサラリーマン風おっさん三人があえて小さなキーボードで YMO をひたすらカバーするパフォーマンスが楽しかった。ネクタイを頭に巻いて、背中丸めてポチポチ演奏。ナイスセンス。

●同行したワイフは、初音ミク+中村獅童「超歌舞伎/花街詞合鏡」をみてたそうな。

tomomi_170429choukabuki01.jpg
tomomi_170429choukabuki02.jpg

●ワイフの座席は舞台に対してかなりの側面に位置してたもんだから、フィルムに投影されてたミク(初音大夫)と生身の役者としての中村獅童さんの立ち位置がずれまくって見えてて臨場感は甚だ微妙だったとな。ただ、ミクの存在はさておき、善悪を象徴する二人の歌舞伎役者が、様々なテクノロジーでその演技をアンプリファイされていてソレはソレで見応えがあったとな。
●ドワンゴ関係者のお話では、歌舞伎であるところの観客からの掛け声が、舞台の回数を重ねてくることに洗練されてくるらしい。歌舞伎の掛け声とニコ生のコメントは言うなれば同じ意味だわな。パフォーマーに対するオーディエンスのリアクション。これが公演の回数を重ねるごとに絶妙なタイミングに調整される。それが役者のテンションを上げる。中村獅童さんのような役者ならガンガン上がってく…機械仕掛けのミクは置いてきぼりになっても。そして公演の最後には、最高の仕上がりになっているらしい。
●その時、この空間にはレイヤーが幾重にも折り重なっている。獅童+ミクの一次的パフォーマー。それに相対するのは一次的オーディエンスである会場の観客によるレスポンス。この二者での相互作用が発生する。その様子をメタ視点で俯瞰するのがネット経由で視聴するニコ生ユーザー。彼らは二次的オーディエンスでありながら、コメント機能を用いて会場に干渉する。つまり二次的パフォーマーになる。会場に設置された大型モニターに吹き荒れるコメントは、会場内の空気を変える存在感になる。会場内の一次的パフォーマー/オーディエンスとネット経由の二次的オーディエンス/パフォーマーが相互作用を起こす。ニコ生ユーザーがネット回線経由で中村獅童を煽って芝居のボルテージを上げる!ムムム!実に面白い。
●ちなみに、オーディエンスやコメントからは、獅童さんには「萬屋!」、ミクには「初音屋!」、舞台演出技術提供のNTTには「電話屋!」との掛け声が飛んでたとな。いいねえ、「電話屋」!



一方、ボクは、ボカロ系のブースに入り浸っていた。併設イベントという位置づけ?「THE VOCALOID 超 M@STER 37」。ここで、同人音源をいっぱい買おうと思ってたんだ。

IMG_6200.jpg

しかし!歯が立たなかった…。
ボーカロイドの現行シーンの状況がてんで把握できてなくて、取り付くシマがなかった…ナニを買えばいいのか全然わからなかった。悔しい、負けた。くっそー、モロッコでも、台北でも、ザクザク地元音源を買えたのに、ここでは完全にフリーズしちゃったのだ。リアルタイムでシーンを追いかけてる息子ノマド高校一年生に、知識と情報を共有してもらっておけばよかったよ。準備不足だったな。ノマドは自分の文化祭があって不参加。「オレの親、ニコ超に行ってるんだよ」をボヤいて仲間に笑われてたそうな。普通の親は、息子差し置いてニコ超行かないらしい。


一から勉強、ボーカロイド・クラシックをチェックする。
2014年、当時中学一年生のノマドがニコ動のアカウントを作って、即座にボカロにハマったんだよな。そこで親子二人で新宿ツタヤのレンタルでめぼしいボカロ音源をたっぷりレンタル。そこからノマドもヒヨコも独自にニコ動やYouTubeを掘りまくって、すげえ量のボカロ楽曲に馴染んでいったようだ。
ノマドとカラオケに行くと永遠にボカロ楽曲だけを歌い続ける。ヤツは学校の仲間と6時間カラオケにこもってボカロばっかり歌うとな。そもそも初音ミクはあくまで女性シンガーだから男子であるノマドが歌うには基本ムリがあるのに、全く構わないらしい。ヤツにとっては思春期に出会った「マイジェネレーション」な音楽がこれらボカロ楽曲。団塊世代がビートルズに出会ったように、バブル世代がメガヒット系小室歌謡に出会ったように、一生もんの影響として21世紀チルドレンのノマド世代はボカロを享受してる。
●ということで、ノマドがカラオケでよく歌ってる楽曲をチェック。ボカロ史としてもニコニコ動画史としても、クラシック作品に当たるだろう。以下は基本全て前述の新宿ツタヤでノマド自身が選んだモノ。敢えてボク自身が干渉してバイアスを入れるのを避けた。だからキチンと聴けるようになるのに3年もかかったんだけど。

VOCALOID BEST from ニコニコ動画 (あお)

VARIOUS ARTISTS「VOCALOID BEST FROM ニコニコ動画(あお)」2011年
●ボーカロイド・初音ミクが発売されたのが2007年8月。実はニコニコ動画がサービスを始めたのも同じ2007年のことだった。二者が密接な関係にあることを象徴する事実。初音ミク発売後約一ヶ月ですでにこのソフトを用いた楽曲が、ニコ動に公開されていたという。
●そこから1年後の2008年に、ドワンゴ傘下のレーベル BINARYMIXX RECORDS からインディ扱いでリリースされた「CDで聞いてみて。 〜ニコニコ動画せれくちょん〜」初音ミク使用オリジナル楽曲2曲を収録したCDが発売される。この段階ではゲームミュージックのカバーがメインの同人音楽コンピアルバムだった。初音ミク使用オリジナル楽曲だけのCD「初音ミク ベスト 〜IMPACTS〜」「初音ミク ベスト 〜MEMORIES〜」(共にリリースは BINARYMIXX)は2009年に登場。そして2011年にはこのアルバムと姉妹版「(あか)」がリリースされた。こうした流れが、初音ミクらボーカロイドがニコニコ動画といったネット空間から滲み出してきた初期のステップか。同時進行でゲーム化が進行。「初音ミク PROJECT DIVA」PSP版 が2009年にリリース。2010年にアーケード版が登場。ちなみにボク自身が初音ミクを察知したのは2009年あたりだ。
●で、このCDには初音ミク〜ボーカロイドの最初期傑作楽曲が収録されてる。 ika_mo「みっくみくにしてあげる♪【してやんよ】」2007年はまさに初音ミクをこの世に知らしめた最初期のビッグアンセム。ソフト初音ミク発売から一ヶ月をまたず動画公開(同年9月)、そしてその後さらに一ヶ月を待たず100万回再生されて(同年10月)、11月にはドワンゴのメイン事業だった着メロ配信がスタート。12月にはカラオケ配信まで開始。ユーザーからの爆発的支持もさることながら、商用利用への転用スピードも早い!
●ノマドヒヨコのフェイバリット楽曲といえば、ガルナ aka オワタP feat. 鏡音レン「パラジクロロベンゼン」2010年やハチ aka 米津玄師 feat. 初音ミク & GUMI「マトリョシカ」2010年か。「マトリョシカ」でボーカロイド GUMI が着ている赤いフードパーカーと同じモノをノマドは愛用してて、普通にそれを着て学校に行くほど。アゴアニキ feat. 巡音ルカ「ダブルラリアット」2009年も、さつき が てんこもり feat. 初音ミク「ネトゲ廃人シュプレヒコール」2010年もよく出てくるな。パッと見だと、フザケた曲だなーと思っても、何気にリリックをきちんと読むと、苦味さえ混じる内容だったりもする。まーぶっちゃけ一回聴いてリリックの意味がスッと入ってこない…日本語といっても合成言語はうまく聞こえないからね。オマケに人間が自然には歌わない密度感で言葉が押し込まれてたりするし。しかし、作り手としては、ワザワザ苦労してソフトに歌わせる以上、そのリリックには渾身の創意を込めただろうし、最初の受け手はニコ動という動画で鑑賞したのだから、今のボクのようにCDで聴覚だけで評価したわけでもない。もうココで音楽との接点を切り結ぶ形が変わったんだな。
●楽曲として成熟している感じがあるのが、supercell (ryo) feat. 初音ミク「ブラック★ロックシューター」2008年かな。アニソンのようなエモいサビ展開がキャッチー。つーか本当にアニメになったのか。ゲームにもなってるな。kz (livetune) feat. 初音ミク「YELLOW」2010年もサビがキャッチー、そしてライトなEDM感覚がキラキラでいいね。sasakure U.K. feat. 初音ミク「*ハロー、プラネット。」2009年は見事なチップチューンだね。これまたすごくキャッチーでポップなのに、リリックは少し悲しげな内容ってのが、動画とコメントで理解できる。

5th ANNIVERSARY BEST Feat 初音ミク

黒うさP「5th ANNIVERSARY BEST Feat. 初音ミク」2013年
●今までピックアップした楽曲は100万回再生を達成した曲ばかりだけど、この黒うさPの代表曲「千本桜」2011年は1000万回再生を達成してる超ビッグヒッツだ。カラオケランキングの常連上位ランカーであり、2015年の紅白歌合戦では「ラスボス」小林幸子にカバーされてる。ノベライズ、コミカライズは当然、ミュージカルにもなっている。
●ボカロカルチャーの重要なポイントは、楽曲動画を軸に、こうしてマルチユース/マルチデバイスで活発に商用展開されていくことだ。ファンは、楽曲をキッカケに小説やマンガ、アニメなどなどに展開していく作品世界についていく。ボクはオールドタイプなので、音楽、マンガ、ラノベ、映画、ゲームなどメディア形式単位でコンテンツ消費が分断される傾向にあるが、ノマドヒヨコのような21世紀チルドレンは「P推し」という言葉を使って作品やクリエイターに寄り添い、躊躇なくメディア形式を横断越境していく。むしろ楽曲だけでしか展開しない作品には興味が持てないというほど。そしてそのメディア横断を容易にしたのは、インターネット/スマートフォンというインフラだとボクは思っている。

悪ノ王国 ~Evils Kingdom~

mothy_悪ノP「悪ノ王国 ~EVILS KINGDOM~」2010年
「悪ノ娘」「悪ノ召使」の2つの代表曲をコアにして壮大な作品世界を描くアプローチ。中世ヨーロッパ〜絶対王政下の社会を連想させるダークな世界観の中で、無見識と無邪気から暴政を振るう王女の欲望とそれが引き起こす悲劇をシアトリカルに描いている。このボカロPは、楽曲毎ごとに更新される物語世界が様々な方向に拡大して、「七つの大罪」を網羅する一大叙事詩を描こうとしている。楽曲「悪食娘コンチータ」は人肉食までエスカレートするしね。そしてこのボカロPは、自分で小説やマンガ原作も手がけるのだ。2010年以降で、小説だけで20冊近く書いているらしい。ヒヨコは「七つの大罪」シリーズはすでに全部読破したとな。よくわからんが全部で1000年分の歴史を備える世界観だそうな。

終焉 -Rewrite-

150P「終焉 -RE:WRITE-」2013年
150Pと書いて「ワンハーフ」と読むという。動画公開2012年の楽曲「孤独ノ隠レンボ」から始まる「終焉の栞プロジェクト」なる連作を発表。それをまとめたのがこのCD。都市伝説に関与して高校生たちが追い詰められるホラーストーリーをヒヨコが絶賛。オマエも詳しいなあ。ヒヨコによると、YouTube に転載された時はこうした連作が動画リストになってたり、関連動画としてリコメンされたりして非常に聴きやすいとのこと。つまりCDである必然性もなしということで。細かい部分では、CDと配信動画だと違うボカロが使われてて違和感があるそうな。IAが歌うべきトコロが初音ミクになってると。細かいところまで聞き分けるんだな!
悪ノPは作詞作曲から小説執筆まで全部自分でこなすマルチクリエイターだが、150Pのアプローチはチームによる分業制を取っている。作詞、ギター演奏、キャラデザイン、イラスト/動画制作のクリエイターをニコニコから募り、自分は「主犯」を名乗って作曲をする。確かに音楽リスナーとしてはギターがしっかりしているトコロがイイ。悪ノPは世界の奥行きはあっても音楽ではちと物足りないというか。ボカロの調整もワリとマンマだし。ただ、どっちにしろ人間には歌えないほどリリックが詰め込まれすぎててマジでリリックが聴き取れない。動画を繰り返し見ないと理解できない。
●なお「終焉」シリーズもマンガ、小説、そしてドラマCDにもなっている。メディア展開では作詞を担当するスズムという人物が原作を担当。そしてなぜか150Pは、2015年以来突然活動停止。

PANDORA VOXX complete

KEMU VOXX「PANDORA VOXX COMPLETE」2013年
●2012年に結成されたサークル。kemu:音楽担当、ハツ子:イラスト担当、ke-sanβ:動画・雑務担当、スズム:OS担当の四人組。音楽ならバンドというトコロが「サークル」という名前で組織されてて、それぞれの分業も全然違うのが特徴的だなあ。実は、150P のチームと KEMU VOXX でメンバーがダブっている。ここではOS担当とされてるスズム氏。OS担当ってナニ?
●しかし、この kemu 氏の作風は BPM200 と超高速な上にギターが実にカシマしいロッキンなバンドアレンジなので、もうCDではリリックの内容は全くわからない。ニコニコ動画で動画(の中で記されるリリック)を見ないとメッセージが理解できない。ボカロは本質的にCDの文化ではないんだね。動画とセットで、またはコメントとセットで鑑賞するんだな。骨の髄まで理解した。彼が好んで使うボカロは、GUMI、鏡音レン&リン、IA初音ミクよりもロック向きなボカロと言えるのかな?中域レンジに強い中性的なニュアンスがイイのかな。
●ただし、この二枚組CDをリリースした後に、KEMU VOXX はやり切っちゃったのか、事実上の活動停止に。最後の公開楽曲「敗北の少年」2013年は、エモいロックバンドなアプローチの中に、敢えて地に足をつけた人生/生活を選択する決意を前向きに歌っている。ボカロPの活動は、基本的に短距離走で、永久に続くキャリアではない。そんな区切り目を意識してしまう。しかしその後も楽曲のメディア展開は行われ、ノベライズがなされてる。動画でイラストを描いていたハツ子氏は小説イラストでも活躍中だね。

地獄型人間動物園

VARIOUS ARTISTS「地獄型人間動物園」2013年
こちらは、りるれれというボカロPが総合プロデュースをつとめ、複数のボカロPが楽曲を寄せ集めたコンピアルバム。コラボレーションのやり方もアレコレあるのね。内容といえば、現代女子のヤンデレな闇を、厭世観たっぷりなのに非常に饒舌なリリックとハイテンポで騒々しいアレンジで抉り出す、それなりに悪趣味なコンセプト。ノマドのフェイバリットはりるれれの代表曲「脳漿炸裂ガール」、全てにステバチになってハイテンションの中でぶっ壊れてく女の子。「文明開花ガール」は百合関係に開花しちゃう女の子。「電脳狂愛ガール」はネット依存で現実世界に順応できなくなった女の子。変人の大集合で地獄の動物園ということですね。
●これもメディア展開がすごいなあ。「脳漿炸裂ガール」でコミカライズ、ノベライズ、そんで劇場映画化までされてるわ。映画の主演には私立恵比寿学園のメンバーがハマってるよ。

EXIT TUNES PRESENTS GUMism from Megpoid
EXIT TUNES PRESENTS GUMitive from Megpoid

VARIOUS ARTISTS「EXIT TUNES PRESENTS GUMism from Megpoid」2011年
VARIOUS ARTISTS「EXIT TUNES PRESENTS GUMitive from Megpoid」2011年
EXIT TUNE は、ポニーキャニオン系列のボカロ音源を重く扱うレーベルだ。そもそもは日テレで放送された伝説の番組「¥マネーの虎」で資金を獲得した当時の社長がダンスミュージックのレーベルとして設立。その後アレコレあってポニキャン傘下に入り、2009年以降は多くのボカロPがここからメジャー音源を発信した。前述の mothy_悪ノP「悪ノ王国」もこのレーベルからリリースされてるし、本当に数多くのコンピアルバムを繰り出してる。
●この二枚で推されてるのが、ボーカロイドの GUMI だ。本来のキャラデザインはゆうきまさみが手がけてる。初音ミクのメーカー・クリプトンフューチャー社ではなく、株式会社インターネットからリリースされた別系統「MEGPOID」のシリーズ。その名は音声ソースとなった声優・中島愛の名前に由来してる。少しハスキーな感触もあって生々しいね。
●さすがに大勢のボカロP集結とあって、様々な個性がいっぱい。ボーカロイドはあくまで楽器であって、音楽の作り手次第で如何様にも役割を変えるし、ボカロ使いという接点があっても、音楽の作り手が目指す音楽は人それぞれバラバラと思い知る。Dios / シグナルP「会いたい」なんて西野カナっぽいジェイポップに聴こえるし、164「天ノ弱」はギターロックだけどサビがエモくてポップ。その一方で、YM「十面相」は多重人格に分裂した少女の物語で、突飛な設定がいかにもボカロネイティブな感じ。家の裏でマンボウが死んでるP「クワガタにチョップしたらタイムスリップした」も無茶な入り口と見せかけてリリックの中のストーリーテリングが興味深い。ふー、もう大変だ。

●さしあたり、この辺で一回、ボカロ研究を中断しておきましょ。まだまだ聴ききれない音源がたっぷりだけど。












●うー、体調悪い。仕事の能率が落ちて仕方がない。
●どこかで休みたいと思っているが、すでに先週一回会社を休んでしまった。
●連休はゆっくりしたいと思いつつも、結構用事が詰まりそう。
●あー、髪の毛、切りたいよ。ボサボサだ。



●夢見て、挑んで、そして挫折して、道に迷ってしまった若者の歌。

ALBERT HAMMOND「IT NEVER RAINS IN SOUTHERN CALIFORNIA」

ALBERT HAMMOND「IT NEVER RAINS IN SOUTHERN CALIFORNIA」1972年
●R&Bグループ TONY! TONI! TONE! が1990年にこのアルバム表題曲をカバー。それが好きで原曲を探してました。で、先日下北沢フラッシュディスクランチで発見。LPを800円で購入。「南カリフォルニアでは雨は降らない」そんなタイトルになんとなく洗練されたウエストコーストサウンドの気分を予想してたんだけど。
●レコードを買う時に、フラッシュディスクランチのご主人がヒトコト。「この曲の意味、知ってる?」え?南カリフォルニアに雨が降らないっていう歌ですよね?「実はそうじゃないんだ。ぜひ歌詞もチェックしてみてね」へー。ここのご主人はいつも気さくに声をかけてくれるし、レジに持っていったレコードについて一言ウンチクを教えてくれたりする。音楽を楽しむには先輩たちから得る知識ってのがとても重要。いつも謙虚になって、人の話に耳を傾けたい。
●アドバイス通り歌詞をチェックすると…確かにほろ苦い内容だった。夢を見てカリフォルニアを目指し、そして挫折した若者の物語なんだよ。

 「ただ、西行きのボーイング747に乗ったんだ
  何をするかなんて考えちゃいなかった
  テレビや映画でブレイクできるイイ話が転がってるとか
  もっともらしく聞こえたのさ、マジでもっともらしく聞こえたのさ

  南カリフォルニアでは雨は降らないらしい
  その手の話をよく聞いてたもんだよ
  南カリフォルニアでは雨は降らない 
  でも、誰も注意してくれないんだけど、
  降ればドシャ降りなんだよ、本当にドシャ降りなんだよ
 
  仕事がなくて、アタマもおかしくなって、自尊心も見失って
  パンにもありつけなくて、誰からも愛されないし、体も壊してしまう
  もう家に帰りたい

  故郷の連中に伝えてくれないか オレはもう少しで成功すると
  仕事のオファーはいろいろ受けたけど、どれに決めるか迷ってると
  お願いだから、オレがどうしてたかは連中には言わないでくれ
  それは待ってくれ、待ってくれよ
  
  南カリフォルニアでは雨は降らないらしい
  その手の話をよく聞いてたもんだよ
  南カリフォルニアでは雨は降らない 
  でも、誰も注意してくれないんだけど、
  降ればドシャ降りなんだよ、本当にドシャ降りなんだよ」


ALBERT HAMMOND は実はカリフォルニア出身でもなければ、アメリカ人でもない。国籍はイギリス人で、おまけに育ちは地中海の入口にある英領ジブラルタルだ。10年以上の売れない音楽活動を続けた上で、流れ流れてロサンゼルスにやってきて、やっとこの曲をヒットさせた。カリフォルニアに夢を見てたのは彼本人で、そこで挫折しそうになってたのも彼自身だったのだと思う。このアルバムには「FROM GREAT BRITAIN TO LA」という曲もあって、イギリスのバンドマンがロスにたっぷりの憧れを抱く内容を歌っている。
●時代は1973年、すでに西海岸の能天気なヒッピームーブメントは下降線にある。チャンスを見出す為にやってきた異邦のシンガーソングライターは、この街に対する憧れと幻滅をないまぜにしながら、このアルバムを作ったんだろうな。これがヒットしてよかったね。彼の仕事としては最初のアルバムで最大のヒット。その後はソロ活動をしつつも裏方の作曲家として仕事をしてたりしている。
●WIKIで調べてたら、この曲は南沙織さんとアグネス・チャンがカバーしてるとな。邦題は「カリフォルニアの青い空」。その題名をヒネってのちにみうらじゅんが自分のバンド・大島渚「カリフォルニアの青いバカ」という曲をだす。そんなみうらじゅんに面白がられた峯田和伸率いる銀杏BOYZ南沙織「17才」をカバーする。なんだかぐるぐる回ってる。
●さらに追加すると、ALBERT の息子、ALBERT HAMMOND JR. は00年代を代表するガレージバンド THE STROKES のギタリストだとか。へー。

NEIL DIAMOND「TOUCHING YOU TOUCHING ME」

NEIL DIAMOND「TOUCHING YOU... TOUCHING ME」1969年
●タイミングは全然違うけど、これもフラッシュディスクランチで買ったLPだわ。300円だった。ALBERT HAMMOND の音楽と似た雰囲気で、フォーキーながらも70年代風の洗練の空気が入り込んでいる。ポップス風もあれば、ストリングスアレンジが豪華な曲もある。ニューヨークで作曲家/フォークシンガーとして鳴らしていた彼は、すでに4枚のアルバムをリリースしていたが、この時期に拠点をロスに移したらしい。ロス〜西海岸の磁力は当時はハンパなかったんだろうね。
JONI MITCHEL「BOTH SIDES NOW」のカバーが、JONI 本人バージョンとはまた違う趣きでヨイ。そんな有名曲に耳を引っ張られたけど、彼の楽曲「HOLLY HOLY」も素敵な曲だね。ロスの一流スタジオミュージシャン、THE WRECKING CREW と組んで演奏してる。奥行きのあるストリングスアレンジとコーラスハーモニーが澄み切った空気を連想させる。

JOAN BAEZ「FROM EVERY STAGE」

JOAN BAEZ「FROM EVERY STAGE」1976年
●こうなったらもう一枚、フラッシュディスクランチでの購入物件を。JOAN BAEZ のライブ編集盤2枚組、だけど300円だ。彼女なら当然な話だけど、そのまんまのフォークだ。前半のLP一枚目はアコースティックセット、二枚目がバンド編成でのフォークロックアレンジ、という設定だけどあんま関係ないかも。それと、これはロサンゼルスは無縁。
このライブ盤では BOB DYLAN のカバーがたっぷり。60年代の JOANBOB と近い関係にあったからね。ドキュメンタリー映画「ドント・ルック・バック」でやたらツルンでた印象がある。前も似たこと書いたけど、BOB DYLAN の音楽って、他の人にカバー翻案されて初めてイイ感じになる気がする。本人のパフォーマンスよりも THE BYRDS の方が耳に優しいとか。JOAN BAEZ のカバーもそういう性質のモノで、BOB DYLAN 楽曲を凛とした声で可憐にしてくれる。彼女による名曲「BLOWIN' IN THE WIND」の素朴なアコギ一本弾き語りの方が、BOB 本人原曲より好きだよ。「FOREVER YOUNG」も声が気持ちよく伸びていく素敵なカバーだ。「I SHALL BE RELEASED」もよし。
●彼女の曲で気になったのは「THE BALLAD OF SACCO & VANZETTI」だ。アメリカの歴史的冤罪事件、ニコラ・サッコとバルトロメオ・ヴァンゼッティの悲劇を題材にしてる曲。二人はイタリア移民でアナキズムの信望者だった。そんな出自を理由に不十分な捜査と不当な裁判で強盗殺人の罪を着せられ、死刑に処される。1920年代の出来事で、イタリア移民が偏見に晒されてた時代。そんな移民への冷たい眼差しが今のアメリカには見事復活した。中東のムスリムはみんな原理主義者のテロリスト、そんな偏見は、二人を死刑に追い詰めた差別意識と変わらない。ちなみに、MORRICONE
●あとね、NEIL DIAMONDJOAN BAEZゴスペルからインスパイアされてる感じがあるんだよね。NEIL のアルバムで耳を引いた「HOLLY HOLY」もコーラス使いは教会音楽のニュアンスだった。JOAN はこのアルバムで「AMAZING GLACE」をアカペラ&観客との合唱で歌い切ってるし、テンポのいいバンドサウンドに乗せて「OH HAPPY DAY」をファンキーに歌いこなしてる。


●70年代のフォーキーな音楽を聴いて、やっとササクレだった神経が落ち着いてきたよ。
●自分で自分を制御できなくなる感じ。今夜もクスリが増えるぜ。






ヨーロッパのジャズで夜が更ける。

MICHAEL JAEGER KEROUAC「OUTDOORS」

MICHAEL JAEGER KEROUAC「OUTDOORS」2009年
●ユニオン下北沢100円コーナーからすくい上げた、スイスのジャズカルテット。サックス奏者 MICHAEL JAEGER が自分のバンドにビート作家ジャック・ケルアックの名前をつけた。ケルアックの代表作「路上」の延長なのか、アルバムタイトルは「野外」
夜更けの暗闇で不安げに響くサクソフォーン。奔放で不穏なソロが展開していくうちにテーマの痕跡は消え失せて、アベコベの角度から複数のソロイストがバラバラに音を差し込んでくる。ボクは自分の位置を見失い、ルールのわからない音の配置に翻弄される。震えるリズムは小節の頭がどこだかわからなくなるほど細切れに痙攣して、それでも奇妙にスウィングして、思わず足がビートを刻んでしまう。踊れないはずのダンスミュージック
●ゲストにニューヨークのサックス奏者 GREG OSBY が参加。1980年代のジャズ集団 M-BASE の所属メンバーという意味でボクは認知してた。90年代の音源ではアシッドジャズ/ジャズヒップホップ的なものに共鳴してたが、本来はフリージャズ系のプレイヤーだ。もう一人のゲストはギタリスト PHILIPP SCHAUFELBERGER。彼の慎ましやかなギターがこれまた不安をかもす。
●オーソドックスなジャズのように思えて(テーマに始まりテーマに戻ってくる構造は残ってる)、何かを外して、脱臼させて、崩して、聴くものの予想を絶えず裏切って、安定と不安定をゆらゆらと往復して、カタルシスに到達させない宙ぶらりんの緊張状態を継続させるスリル。焦点は常に移動していて、どの楽器を、誰の演奏を、なんの音を聴き取ればいいのかわからない。そうしてすり抜けていく音の流れは、繰り返して聴けば聴くほど新しい発見が見えてくる。どこまでも地味だけど、不断の揺らめきが怪しく鈍色に光り、蠱惑的に艶めく。

BENJAMIN KOPPEL「BREAKING BORDERS #4 HERITAGE」

BENJAMIN KOPPEL「BREAKING BORDERS #4 HERITAGE」2015年
●これまた100円ジャズ。デンマークのサックス奏者がピアノと二人で奏でる可憐なメロディ。綺麗に伸びるサックスの音が甘くて耳に優しい。相方はアメリカ・フィラデルフィア出身のピアニスト URI CAINE。クラシックから JOHN ZORNとのコラボ、ドラムンベースとのフュージョンまでこなす異彩だが、ココでは繊細な演奏でストレートアヘッドなジャズに徹している。時に敢えて朴訥な間合いを狙って楽曲に不思議な陰影をもたらすのもワザあり。実は、MICHAEL JAEGER の音楽について「なんだかウルサイ」とワイフから苦情を受けたので、もう少し綺麗に聴ける音源に切り替えた。
●アルバムタイトルは「遺産」ユダヤの民俗音楽メンデルスゾーンのクラシック、KOPPEL の祖父でデンマークの戦後を代表する作曲家であった HERMAN D. KOPPEL の曲を採用している。自らのルーツを掘り下げていく姿勢が凛々しい。祖父の楽曲の佇まいがどこか爛れたキャバレーの香りがするのはナゼだろう。ユダヤ民俗音楽が艶やかな繊細さを持つのはナゼだろう。「遺産」の解釈は自由で、その自由さをそのままにして未来へ託すのが彼の姿勢なのか。シリア人クラリネット奏者 KINAN AZMEH の立ち振る舞いに奇妙な怪しさがあって、ボクの耳は彼らのジャズのアンバランスな脆さに吸い寄せられていくようだ。打楽器系がほとんどいないのに、リズムの骨格はキチンと見える。常に思い知らされるが、ジャズは不思議な音楽だ。


勢い余って、コンチネンタルタンゴを。

ALFRED HAUZE

ALFRED HAUSE「VERY BEST OF CONTINENTAL TANGO VOL.2」1954年
●今日は、ヨーロッパ系ミュージシャンのジャズを聴いているが、もう一枚ヨーロッパ系の音楽を。タンゴだ。もちろんタンゴの本場はアルゼンチンだが、そのタンゴを南米から旧大陸に持ち帰って作られたものコンチネンタルタンゴと呼ぶらしい。アルゼンチンタンゴコンチネンタルタンゴ。実は細野晴臣さんの本で最近知った言葉。で、そんな流れの関連音源をレコードショップ 吉祥寺 RARE で発見。7インチのシングル盤サイズだが33RPMで収録分数は少し長く、4曲収録されている。これも100円。
ALFRED HAUSEドイツの演奏家。戦中からキャリアを起こし自分の楽団を率いて録音を始めたのは1950年代。よくわからないが、この音源は1954年の録音なのか?1965年には来日して演奏、人気を集めたようだ。しかしボクはタンゴはまるで不勉強。かつてアルゼンチンタンゴの巨匠 ASTOR PIAZZOLLA の音楽にハマったコトはあるが、タンゴの全容はよくわからない。ただそんな素人の耳にもはっきりわかるのは、ASTOR PIAZZOLLA の音楽と比べて、主役であるべきバンドネオンの存在感が薄い!というか味付け程度以下の役割か。定食の中でのパセリのような存在。
大編成のクラシックオーケストラが、弦楽器を前面に押し出してメロディを奏でる。なんだかゴージャズな「ムード音楽」のような趣き。確かにリズムのアクセントはタンゴだけど、アレンジが軽音楽風でラウンジ寸前というか。実際 ALFRED HAUSE 本人はバイオリン奏者でベースはクラシック音楽、レーベルの要請でタンゴに転身したとか。奇しくも HAUSE PIAZZOLLA と同年生まれだが、バンドネオン奏者として活動を始め、タンゴを軸にして他の音楽を学んだ PIAZZOLLA とは真逆のアプローチかと。
●演奏がドイツ人であることに加え、さらに楽曲もヨーロッパ産。戦前タンゴ「夜のタンゴ」「夢のタンゴ」「バラのタンゴ」はドイツとフランス、イタリア産。「ブルータンゴ」はなんとアメリカ産で妙に派手。古典ハリウッド映画のサントラみたいな勢い。
●はー、本当に音楽の世界は広い。まだまだ聴くべき音楽がたくさんある。



●4月期のドラマが始まったぞ。

フジテレビ月9の「貴族探偵」が壮絶。かつては無敵のブランドを誇りながらも昨今は低迷が長引く「月9枠」に、嵐・相葉雅紀を主演に迎え、絶対に負けられない状況のフジ制作陣。推理モノはあまり好きなジャンルじゃないが、そのフジの今の本気を見てみようと思った。
周りを固めるキャストがビビるほど豪華。ぶっちゃけ単体で主演を張れる人たちがイッパイいるんだから。武井咲がヒロインとして可愛く振る舞い、生瀬勝久さんがコミカルすぎてムロツヨシみたいになってる。執事に松重豊さん、使用人に滝藤賢一さんと重厚な布陣、ここに中山美穂さんがなんとメイド役でハマる!クレジットにあった仲間由紀恵さんが出てこないなと思ったら、武井咲スマホの人工音声の役だった!アホなお嬢様の木南晴夏は独自のポジション確保でいいねー。井川遥も謎の妖しさ出してて良い。
●というコトで、周囲は鉄板で、実際に完璧にいい仕事してる状況。はっきり言って個々のプレーは見事ですよ。とりあえず中山美穂さんが予想以上のイイ味。なのに、その中央にいる相葉ちゃんが壮絶にダメ!というか「貴族」という設定が無理すぎ。相葉ちゃんでも、他の誰でも、絶対に正解が見出せない難役だよ。同じ貴族ものの海外ドラマ「ダウントンアビー」でリアリズムを勉強しよう。
初回視聴率は11.8%。普通のドラマのスタートとしてはボチボチレベルで及第点とは言えない。ましてやこんだけアクセル踏み込んでるんだ。もっと結果出さなきゃ!
●最近大不振のフジテレビ。ホントにやばいのかもね。

TBS日曜劇場「小さな巨人」。まさしく「半沢直樹」の再来か?今度は警視庁組織内、エリート捜査一課 VS 現場の所轄の対立を描く。香川照之さんの悪役顔芸が炸裂。堺雅人のポジションには長谷川博己がエントリー。長谷川の奥さんに市川実日子「シンゴジラ」組じゃねえか。キムタク「A LIFE」よりは痛快なカタルシス得られそう。
TBS「リバース」湊かなえ原作を読んだ方がいいかな。予告から藤原竜也がまたしても慟哭咆哮してて、だんだんついていけなくなってきた。

日テレは「フランケンシュタインの恋」が期待かな。綾野剛+二階堂ふみ。日テレの中でも、河野英裕プロデューサーは世界観がユニークすぎる異次元クリエイター。時に「文芸」モードへ躊躇なく踏み込むことで有名。「すいか」「野ブタをプロデュース」「セクシーボイスアンドロボ」「銭ゲバ」「Q10」「弱くても勝てます」…醸すヴァイブスが異質で数字は期待できないのが玉にキズ。